JP3056159U

JP3056159U - ヒップ部立体構造を特徴とした下穿類

Info

Publication number: JP3056159U
Application number: JP1997011919U
Authority: JP
Inventors: 昌子新居; 千代子川上; 房司秋津
Original assignee: 福助株式会社
Priority date: 1997-12-16
Filing date: 1997-12-16
Publication date: 1999-02-12
Anticipated expiration: 2003-12-16

Abstract

(57)【要約】【課題】本考案は、ヒップの形状に適合する充分な立
体性を与え美しいヒップシルエットを表現すると共に着
用者の動作に対してもズレが生じることのない心地よい
着用感をもたらす女性用下穿を提供することを目的とす
る。【解決手段】少なくとも一方向に伸縮性を有する生地
を用い、後身頃側部片Ｃ，Ｄが概ウエスト側部からヒッ
プの裾部をその丸みに沿ってヒップ下部に至る縫合線
を形成するカッティング方法を取り入れることによっ
て、長くて大きなダーツが得られるように構成してする
と同時に、後身頃中央の縫合線がウェスト部の後中央
から臀裂にやや沈み込むように縫合線の長さを設定す
ることによって、後身頃にヒップのふたつの頂部を明確
に現出し、ヒップ部における立体性（十分な膨出）が確
保でき、突出したヒップ全体がすっぽりと生地で包み込
まれるようになる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はショーツ、ガードルなどの女性用下着が属する分野に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ショーツやガードルなどの女性用下穿類のヒップ部立体設計に於いて、着用者のヒップによくフィットし、体の動きに対しずれることなく、良好な着用感と美しいヒップシルエット表現のために種々の工夫がなされている。

【０００３】それらの工夫を大別すれば、伸縮性を有する素材更にはそれらの組み合わせなど、単に素材のもつ伸縮性を利用して目的を達成しようとするものと、パターン（カッティングの方法）を工夫して縫合することによってヒップ部に立体性をもたせて目的を達成しようとするものに分けられる。

【０００４】ところで、前者には元々立体性がないので、これらを着用した場合の多くは、素材の有する伸縮力でヒップの柔らかい肉が押しつぶされて扁平に変形する結果となり、美しいヒップシルエットの表現は不可能であった。

【０００５】また、被われるヒップ分量に対して、これを覆うべき生地の量が不足するため着用者の動きによっては、ずり上がりやずり下がりが生じ、これによってダブついた生地がヒップ部中央において臀裂にくい込むなどの問題があった。

【０００６】上記の点を改良するために、後中心線上に伸縮性を抑えた素材を付設し立体を形成したものや、同一線上を分離しダーツを施し立体を形成したもの、またヒップ丸み形状のプレスを利用してヒップ部の膨出量を確保し立体を形成したもの等が提案されている。これらに示される従来技術においても、着用時に立体構成は可能であるが、先の後中心上に伸縮性を抑えた素材を付設したものでは、はき込み方向の伸縮性を抑えているため、はき込み丈が不足し、ずり上がりや、ずり下がりの現象を引き起こす、また、同一線上にダーツを施したものでは基本的に丈方向の分量を確保するに過ぎず、横方向の立体は、十分に確保できない。その他ヒップ丸み形状のプレスを利用した立体形成では、立体形成そのものが生地の伸縮性を抑えヒップ部の膨出量を確保したものであるため、着用者のヒップ分量によっては、伸縮性によるヒップ部の立体不足やダブつきの問題点がある。

【０００７】したがって、これら従来技術による下穿を着用した場合、依然として前記の問題を十分に解消することができなかった。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来品の前記問題点を解決しようとするもので、ヒップの形状に適合するに充分な立体性を与えることによって美しいヒップシルエットを表現すると共に着用者の動作に対してもズレが生じることのない心地よい着用感をもたらす女性用下穿を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、少なくとも一方向に伸縮性を有する生地を用い、ヒップ側片部が概ウエスト側部からヒップの裾部をその丸みに沿ってヒップ下部に至る縫合線を形成するようなカッティング方法を取り入れることによって、長くて大きなダーツが得られるように構成しているので、ヒップ部における立体性（十分な膨出）が確保でき、突出したヒップ全体がすっぽりと生地で包み込まれるようになる。

【００１０】したがって、これを着用した場合、ヒップ山及びヒップ丸みに沿ったダーツによる立体、また、素材の有する伸縮性の組み合わせ作用によってヒップに無理なくフィットし心地よい着用感ならびシルエットが得られ、着用者の動きに対してもズリ上がりや生地のダブツキが防止できる。

【００１１】

【考案の実施の形態】次いで、本考案の下穿類に関する実施の例を図面に従って説明する。

【００１２】図２は脚部のないショーツ型下穿の背面を示すものであるが、本考案ではショーツ型のみならず、脚部を備えた型にも展開する事ができる。ここでは、便宜上、ショーツ型について説明する。図１は本考案によるショーツ型下穿の構成パーツを図示したもので、前身頃Ｅ（半折して図示）は後身頃側部片ＣおよびＤとでそれぞれ縫合される。後身頃中央片ＡおよびＢは左右対称で、縫合線が後身頃中央になるよう縫合される。ＡとＣならびにＢとＤは縫合線がヒップ裾部をヒップの丸みに沿って回り込むよう縫合される。Ｆは股マチ片（半折して図示）である。

【００１３】後身頃中央片Ａと後身頃側部片Ｃの縫合線において、ａ_２およびｂ_２はそれぞれＡおよびＢの最下点に位置するが、ＡとＣのダーツを形成するために、それぞれの生地の伸縮性を勘案してＡ側の縫合線長さａ_１−ａ_２−ａ_３とＣ側の縫合線長さｃ_１−ｃ_２を適宜設定する。また併せて、後ろ身頃中央に形成される後身頃中央片ＡとＢの縫合線において、Ａ側の縫合線長さとＢ側の縫合線長さは等しいが、その長さａ_３−ａ_４を短くし、不足分をａ_２−ａ_３で補うように調整し設定する。ＢおよびＤにおいても同様に設定する。このふたとおりの設定を同時にすることにより、後身頃にヒップの二つの頂部を明確に現出でき、ヒップ部における立体性（十分な膨出）が確保できる。

【００１４】縫合線およびを形成するカッティングは、これらを縫合したときにヒップ丸みに沿ったダーツが形成されるようにカッティングされるが、その長さ、大きさは着用者のヒップを包み込むに適する膨出量が得られるように適宜選択できる。

【００１５】図１および図２においては、後身頃中央片Ａ，Ｂをそれぞれ一片のものとした場合を図示しているが、図３のように後身頃中央片をそれぞれＡ_１，Ａ_２，およびＢ_１，Ｂ_２の２片ずつに分割形成することもできる。図４はその背面を示す。そして、伸縮性を抑える役割の当布をＡ_１およびＢ_１に付設したり、Ａ_１およびＢ_２を形成する生地をＡ_２およびＢ_２より伸縮性が劣る生地にするなど様々な構成を取り入れても差し支えない。

【００１６】また、股マチ部Ｆは前身頃Ｅと一体構成することも可能である。

【００１７】これらの部材は少なくとも一方向に伸縮性のある生地、好ましくは二方向に伸縮性を有する生地を用いる。

【００１７】本実施例においては、ショーツを構成する部材として、縦横二方面に伸縮性のある生地を用いたので、着用者によって異なるヒップ形状にもそれを包み込む形でよくフィットし、着用者の動作によるいずれの方向へのズレに対してもこれを吸収するに充分な伸縮機能が確保出来た。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、後身頃中心位置と、後身頃中央片と後身頃側部片との間でヒップ山ならびヒップ丸みに沿ったダーツがとれるので、ヒップを立体的に包み込むに充分な立体分量が確保でき、生地が有する伸縮性と合わせ着用者のヒップに無理な力が加わることなく、良好な着用感を得ることが出来た。

【００１９】したがって、ダーツによる立体分量と生地が有する伸縮性によって着用者の動作によるヒップの形状変化にも対応できるので、ウエスト部におけるズリ下がり、脚口におけるズリ上がり、延いては、ヒップ下方における生地のタブツキを防ぐことが出来た。このように、本考案による下穿はヒップ形状に自然にフィットし、着用時にもズレを起こさないで長時間の着用に際しても良好な着用感ならびシルエットが維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の裁断パターンの展開図

【図２】図１によるショーツの背面図

【図３】図１を応用変化させたショーツの実施例の裁断
パターンの展開図

【図４】図３によるショーツの背面図

【符号の説明】

Ａ、Ｂ…後身頃中央片Ｃ、Ｄ…後身頃側部片Ｅ…前身頃片（半折して表示）Ｆ…股マチ片（半折して表示）、、…縫合線ａ_１、ａ_３、ｂ_１、ｂ_３、ｃ_１、ｃ_２、ｄ_１、ｄ_２…縫
合線の端点ａ_２、ｂ_２…縫合線の中間点

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【手続補正書】

【提出日】平成１０年３月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項２

【補正方法】変更

【補正内容】

【請求項２】少なくとも一方向に伸縮性を有する
か、もしくは縦横二方向に伸縮性を有するメリヤス生地
を用いて縫製した請求項１記載のヒップ部立体の下穿き
類。