JP3055614B2 - 半導体装置の製造方法及び該方法により製造された半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び該方法により製造された半導体装置

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JP3055614B2
JP3055614B2 JP9264297A JP26429797A JP3055614B2 JP 3055614 B2 JP3055614 B2 JP 3055614B2 JP 9264297 A JP9264297 A JP 9264297A JP 26429797 A JP26429797 A JP 26429797A JP 3055614 B2 JP3055614 B2 JP 3055614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法及び該方法により製造された半導体装置に関し、特に
非対称なLDD(Lightly Doped Dra
in)構造を持つMOSトランジスタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】MOSトランジスタの性能向上において
は、ゲート絶縁膜の薄層化、ゲート長の縮小が主たる手
段として用いられてきた。ゲート長の縮小によってしき
い値電圧がドレイン電圧に影響されて変動するなどの、
短チャネル効果と呼ばれる現象が顕著になる。
【0003】短チャネル効果を抑制するためには、ソー
スおよびドレインの接合深さを浅く急峻にするなどのほ
かに、チャネルの不純物濃度を増加させる必要がある。
しかし、チャネル不純物濃度の増大によってドレイン近
傍に発生する電界が強くなるために、ホットキャリアの
生成によってデバイス特性の劣化が激しくなる。
【0004】このドレイン近傍の高電界によるホットキ
ャリアの発生を抑制するために、LDD構造が広く用い
られてきた。従来の一般的なLDD構造は図1に示され
るような工程で、図1(e)に示されるようなMOSト
ランジスタのソース、ドレイン両方に対称な形状の低濃
度領域を形成したものである。
【0005】この工程では、基板1上に形成したゲート
絶縁膜3の上にゲート電極2を形成し[図1(a)]、
ゲート電極をマスクとするイオン注入によって、ソース
低濃度領域4aおよびドレイン側低濃度領域4bを形成
する[図1(b)]。その上にゲート側壁となる絶縁膜
5を成膜し[図1(c)]、異方性エッチングによって
ゲート側壁を形成する[図1(d)]。その後、ゲート
電極3およびゲート側壁絶縁膜5をマスクとするイオン
注入によって、ソース高濃度領域6aおよびドレイン側
高濃度領域6bを形成する[図1(e)]。
【0006】しかし、ソース側において付加される低濃
度領域6aは、短チャネル効果の抑制に有効でないばか
りか、寄生抵抗を増大させるために電流駆動能力の低下
といった悪影響を及ぼす。
【0007】そこで、低濃度領域をドレイン側にのみ形
成しソース側には形成しない非対称なLDD構造が提案
された。この非対称なLDD構造を持つMOSトランジ
スタの従来の標準的な製造工程を図2に示す。
【0008】この工程では、基板1上に形成したゲート
絶縁膜3の上にゲート電極2を形成し[図2(a)]、
ゲート電極をマスクとするイオン注入によって、ソース
低濃度領域4aおよびドレイン側低濃度領域4bを形成
する[図2(b)]までは、ソース・ドレインに対称な
LDD構造を持つMOSトランジスタの製法と同じであ
る。その後、レジスト7を成膜し[図2(c)]、ドレ
イン側にのみレジストが残るようにパターニングする
[図2(d)]。ゲート電極3およびレジスト7をマス
クとするイオン注入によって、ソース高濃度領域6aを
形成し[図2(e)]、レジスト膜を除去する[図2
(f)]。その上にゲート側壁用絶縁膜5を成膜後[図
2(g)]、異方性エッチングによってゲート側壁を形
成し[図2(h)]、ゲート電極3およびゲート側壁絶
縁膜5をマスクとするイオン注入によって、ドレイン側
高濃度領域6bを形成する[図2(i)]。
【0009】このように低濃度領域をドレイン側にのみ
付加し、ソース側には形成しない非対称な構造をとるこ
とによって、ドレイン端部における高電界発生を抑制し
てホットキャリアによる劣化を抑制するとともに、ソー
ス側の寄生抵抗を低減して高い電流駆動能力を得ること
ができる。
【0010】非対称LDD構造をもつMOSトランジス
タの製造方法は、この例以外にも多数提案されている。
例えば特開昭63−142676号公報では低濃度不純
物領域のイオン注入を90度より小さい角度で行い、高
濃度不純物領域形成のイオン注入を90度より大きい角
度で行うことにより非対称構造を形成する方法が提案さ
れている。同様に斜めイオン注入を利用した手法として
は、特開平4−245642号公報に記載されたものが
ある。
【0011】また、特開昭62−58682号公報に記
載されたものでは、ゲート側壁絶縁膜を形成する際の異
方性エッチングを基本主面に対してある角度をもって行
うことにより、ゲート側壁絶縁膜の厚さをソース側で薄
く、ドレイン側で厚くし非対称構造を形成している。特
開平2−158143号公報では、ゲート電極のエッチ
ングを行う際にマイクロローディング効果を利用して、
ゲート電極を、隣接したゲート電極のない部分では垂直
に、隣接したゲート電極のある部分ではテーパー状に加
工することにより非対称構造を得る手法が提案されてい
る。
【0012】さらに、特開平8−78672公報では、
ゲート電極を2層以上の構造として、そのうち1層をド
レイン側に対するマスクとしてイオン注入を行うことに
よってソース高濃度領域とドレイン低濃度領域を同時に
形成して非対称構造を得る方法が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図1に示したような対
称なLDD構造を持つMOSトランジスタの製法におい
ては、ゲート電極形成後ソース・ドレイン領域の形成ま
でにパターニングの工程がない。これに比べて、図2に
示した、非対称LDD構造をもつMOSトランジスタの
従来の製造方法では、レジスト7の一端をゲート電極3
上に位置させる必要がある。しかし、高速性を要求され
る微細なMOSトランジスタにおいてはゲート長は非常
に短いことが要求され、現在ではゲート電極の幅が0.
1μm以下のものが作製されている。現行の露光機の位
置合わせ精度は0.1μm程度であり、パターニングに
よって、チップ全面にわたってゲート電極上にレジスト
端を一致させることは非常に困難である。したがって図
2のような工程で非対称なLDD構造を持つMOSトラ
ンジスタを作製する場合、露光機の位置合わせ精度以上
の長いゲート長を持つ性能の低いトランジスタしか効率
よく生産できない。
【0014】さらに、イオン注入角度を変更することに
より非対称LDDを実現しようとしている特開昭63−
142676号公報、特開平4−245642号公報お
よびエッチングの際に基本主面に対してある角度を持っ
た異方性エッチングを行っている特開昭62−5868
2号公報に記載された方法では、MOSトランジスタの
ソース、ドレインの方向を一意に決定する必要があり、
レイアウト設計の自由度が制限を受けるという欠点があ
った。
【0015】ゲート電極のパターニング時にマイクロロ
ーディング効果によりゲート電極形状を左右非対称にす
る特開平2−158143号公報の手法では、エッチン
グに過大な精度が要求され、高集積な半導体装置を再現
性よく製造することは困難である。
【0016】また、ゲート電極を2層以上の構造とし
て、そのうち1層をイオン注入を行う際のドレイン側に
対するマスクとして用いることによって非対称構造を得
る特開平8−78672公報に記載の方法では、ゲート
絶縁膜に接触するゲート電極を2種以上で構成し、かつ
ドレイン側のマスクとなる層を残して他の電極層のみを
選択的にエッチングしなければならないという技術上困
難な制約があった。さらにこの場合、ゲート絶縁膜直上
に異なる複数種の電極が存在し、かつ各電極のチャネル
領域に関する寄与はドレイン側のマスクとなる層のパタ
ーン形成時の位置合わせ精度によって変動してしまう、
という欠点があった。
【0017】本発明は上述の状況に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、レイアウト上の制約を受けるこ
となく製造することができ、かつ量産安定性に優れた非
対称LDD構造を持つMOSトランジスタの製造方法を
提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0019】すなわち、本発明は、ソース、ドレインの
うち、片方の領域にのみイオン注入のためのマスクを形
成して、ゲート電極を境界とする非対象な構造を持つM
OS型トランジスタの製造過程において、イオン注入時
にマスクとなる層をあらかじめ形成した後、その層上に
パターニングを行う層を形成する工程と、パターニング
を行った後に、前記パターニングを施された層を利用し
てマスクとなる層の加工を等方的なエッチング手段によ
り行う工程を含むことを特徴とする、半導体装置の製造
方法を提案するものであり、さらに、前記マスクとなる
層を形成する前に、前記マスクとなる層と異なる物質か
らなる、ゲート絶縁膜保護層を形成しておく工程を含め
ること、前記マスクとなる層を、シリコン酸化膜、また
はシリコン窒化膜、またはシリコン窒化酸化膜、または
有機物の膜で構成される層とすること、前記ゲート絶縁
膜保護層を、シリコン窒化膜で構成される層とすること
もできる。また本発明は、前記の方法により製造された
ことを特徴とする半導体装置を提案するものである。
【0020】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0021】図2に示された、従来の非対称LDD構造
を持つMOSトランジスタの製造方法においては、ゲー
トに対して非対称なパターンを形成するレジスト7をイ
オン注入時のマスクとして使用していた。このため、ゲ
ートを境界として片側だけにイオン注入を行う場合、レ
ジスト7のパターニングにおいてレジスト端がゲート電
極上に存在せねばならず、パターニングの位置合わせ誤
差は、ゲート電極3の長さLG より小さくなければなら
なかった[図3]。
【0022】これに対して、イオン注入時のマスクとな
る膜8をあらかじめ成膜しておき、その上でレジスト7
をパターニングした後当該マスク膜8を加工すること
で、位置合わせ誤差の許容範囲を広げることができる。
ほぼマスク膜8の膜厚をTA とすると、ゲート電極3上
にあるマスク膜8の凸部の幅はほぼLG +2TA とな
る。この凸部の範囲内で、パターニングの際にレジスト
7の端がマスクすべき領域から遠い方へずれた場合[図
4(a)]、溶液処理などで等方的にマスク膜8をほぼ
その膜厚分エッチングすると、ゲート電極上にマスク膜
8端が存在するように加工できる[図4(b)]。その
後レジスト7を除去することによって、所望の領域のみ
にイオン注入を行うことができる。一方、パターニング
の際にレジスト7の端がマスクすべき領域から近い方へ
ずれた場合[図4(c)]でも、同様に溶液処理などで
等方的にマスク膜8をほぼその膜厚分エッチングする
と、ゲート電極3の高さHG がTA より大きければ、ゲ
ート電極3の側部にもTA 以上の膜厚のマスク膜8が残
存する[図4(d)]。したがってこの場合でもレジス
ト7を除去することによって、所望の領域のみにイオン
注入を行うことができる。
【0023】一方ゲート電極3の高さHG がTA より小
さいときは、位置合わせにおける誤差の許容範囲はマス
ク膜8の凸部の幅LG +2TA よりも小さくなる[図
5]。パターニングの際にレジスト7の端がマスクすべ
き領域から遠い方へずれた場合は、溶液処理などで等方
的にマスク8をほぼその膜厚分エッチングすると、上述
した図4(b)と同様にゲート電極上にマスク膜8端が
存在するように加工される[図5(b)]。したがって
マスクすべき領域から遠い方へは位置合わせの誤差の許
容範囲は上述の場合と同様に広くなる。ただし、ここで
ゲート電極3は、図1および図2で示した製造方法にお
ける場合と同様に、それ自身でソースおよびドレインの
高濃度領域形成のイオン注入時のマスクとなるに十分な
厚さを有しているとする。しかし、パターニングの際に
レジスト7の端がマスクすべき領域から近い方へずれる
と、ゲート電極3の側部に残存するマスク膜8の厚さは
A以下となる[図5(d)]。この残存する膜厚に比
べて、イオン注入時にマスクとして機能するために必要
なマスク膜8の厚さが大きい場合には、パターニングの
際にレジスト7の端がゲート電極3端からマスクすべき
領域から近い方へずれることが許容されないため、パタ
ーニングの際の位置合わせの誤差の許容範囲はLG +2
A ではなく、ほぼLG +TA となる。しかしながら、
マスク膜8の等方的エッチング量をその膜厚TA とした
場合、ゲート電極3の高さによらずパターニングの位置
合わせ誤差の許容範囲として最低でもほぼLG +TA
保証されるため、従来の値Lg よりもパターニングの誤
差許容範囲を飛躍的に広げることが可能である。
【0024】実際には、マスク膜8を溶液処理等で加工
する場合、必ずしもそのエッチング量はマスク膜8の膜
厚と同じである必要はない。マスク膜8の等方的エッチ
ングにおけるエッチング量をTE とすれば、マスクしな
い領域側のゲート電極3側部のマスク膜8を除去するた
めには、TE A という条件を満たす必要がある。一
方パターニングの際にレジスト7の端がゲート電極3端
よりマスクすべき領域側へずれた場合、ゲート電極3の
側壁部分のマスク膜8の基板垂直方向の厚さはHG +T
A −TE となる。これが実際にイオン注入時のマスクと
して有用なマスク膜8の厚さTM より大きければ、すな
わちX=HG +TA −TE −TM として、X0という
条件が成立していれば、パターニングの際にレジスト7
の端がゲート電極3端よりマスクすべき領域側へずれる
ことが許容される。したがって、TA E G +T
A −TM の範囲にTE を設定しうる場合、パターニング
の位置ずれは、ほぼLG +2TA まで許容される。これ
に対して、X0の場合は、パターニングにおけるレジ
スト7端の位置の許容範囲が、ゲート電極3のマスクす
べき領域側の端からXだけ減少することになる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により更に具体的に説明
する。 実施例1 次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図6(a)〜(g)及び図7(g)〜
(l)は、本発明の一実施例となる、MOSトランジス
タの製造方法の各工程における構造の断面図である。こ
こでは、n型MOSトランジスタをp型シリコン基板上
に形成する場合を例に挙げて説明する。
【0026】p型シリコン基板1上にゲート絶縁膜2を
例えば熱酸化によって形成し、その上に低圧化学気相成
長(LPCVD:Low Pressure Chem
ical Vapor Deposition)法など
によって例えばポリシリコン膜を成膜して異方性エッチ
ングなどにより、ゲート電極3を形成する[図6
(a)]。次に、1×1014cm-2のひ素を20keV
のエネルギーでイオン注入すると、ソース側およびドレ
イン側の両方に、n- 領域4が形成される[図6
(b)]。次にマスクとなる膜として300nmのシリ
コン窒化膜8をLPCVD法などによって成膜し[図6
(c)]、その上にレジスト7をスピンコートおよび熱
処理乾燥などを用いて成膜する[図6(d)]。次にレ
ジスト7をリソグラフィーによってパターニングする
[図6(e)]。このとき、上述したように、パターニ
ングの位置合わせは、ゲート電極3の幅にマスク膜の厚
さを加えた程度の範囲に収まっていればよい。次にマス
ク膜8を熱燐酸溶液処理によってエッチングした後[図
6(f)]、レジストを除去する[図6(g)]。この
時点で、図2(e)に示された従来の非対称LDD構造
MOSトランジスタの製造方法における高濃度領域形成
前の状態と比べて、マスクがレジスト7であったのがマ
スク膜8(この例ではシリコン窒化膜)に変更されてい
るほかは同じ状態となっている。
【0027】そこで、この後、図2(f)〜(i)に示
されたのと同様の手順で非対称LDD構造を持つMOS
トランジスタを形成することができる[図7(g)〜
(l)]。上述した図6(g)[=図7(g)]までの
工程を経た後、まず、2×10 15cm-2のひ素を30k
eVのエネルギーでイオン注入して、ソース側のn+
域6aを形成した後[図7(h)]、シリコン窒化膜か
らなるマスク膜8を熱燐酸溶液処理などで除去する[図
7(i)]。次にゲート電極3の側壁となるシリコン酸
化膜5をLPCVD法などによって成膜し[図7
(j)]、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチ
ングによって、ゲート電極側壁を形成する[図7
(k)]。その後に2×1015cm-2のひ素を30ke
Vのエネルギーでイオン注入して、ドレイン側のn+
域6bを形成する[図7(l)]。
【0028】また、図6(g)の時点でイオン注入のマ
スクが、レジスト7ではなくマスク膜8で形成されてい
ることから、ドレイン側低濃度領域をマスクするゲート
電極側壁として利用することも可能である[図8(g)
〜(i)]。この場合、上述した図6(g)[=図8
(g)]までの工程を経た後、マスク膜8を全面除去せ
ずに、反応性イオンエッチングなどの異方性エッチング
を用いて基板垂直方向に膜厚分エッチングし[図8
(h)]、その後に3×1015cm-2のひ素を30ke
Vのエネルギーでイオン注入を行うことで、ソースおよ
びドレイン側のn+ 領域6a、6bを形成して、目的と
なる非対称LDD構造をもつMOSトランジスタ構造を
得ることができる[図8(i)]。ただしこの場合に
は、マスク膜8を異方性エッチングする際に、マスク膜
8で覆われていない部分もエッチング条件にさらされる
ため、マスク膜8のみを選択的に異方性エッチングする
非常に高度な技術が必要となる。
【0029】上述した実施例1では、マスク膜8を直接
ゲート電極上に堆積した場合について述べた。この場
合、マスク膜8をエッチングする工程において、マスク
膜8とゲート絶縁膜2とのエッチングにおける選択比が
十分高くないと、ゲート電極3端付近のゲート絶縁膜2
がエッチングされてしまう。このため、ゲート絶縁膜2
と同じ物質をマスク膜8には適用できない。マスク膜8
の堆積前に、ゲート絶縁膜保護のための薄膜を堆積する
ことで、マスク膜8にゲート絶縁膜2と同様の物質を用
いることができる。図9(a)〜(g)及び図10
(g)〜(n)は、本発明の一実施例となる、MOSト
ランジスタの製造方法の各工程における構造の断面図で
ある。ここでは、n型MOSトランジスタをp型シリコ
ン基板上に形成する場合を例に挙げて説明する。
【0030】p型シリコン基板1上にゲート絶縁膜2を
例えば熱酸化によって形成し、その上に低圧化学気相成
長(LPCVD:Low Pressure Chem
ical Vapor Deposition)法など
によって例えばポリシリコン膜を成膜して異方性エッチ
ングなどにより、ゲート電極3を形成する[図6
(a)]。次に、1×1014cm-2のひ素を20keV
のエネルギーでイオン注入すると、ソース側およびドレ
イン側の両方に、n- 領域4が形成される[図9
(b)]。次にゲート絶縁膜保護層となる膜として、5
nmのシリコン膜9をLPCVD法などによって成膜し
[図9(c)]、その上にマスク膜となる500nmの
シリコン酸化膜8をLPCVD法などによって成膜す
る。その後は、実施例1の場合と同様に、レジスト7を
スピンコートおよび熱処理乾燥などを用いて成膜する。
[図9(d)]次にレジスト7をリソグラフィーによっ
てパターニングする[図9(e)]。このときのパター
ニングの位置合わせは、ゲート電極3の幅にマスク膜8
およびゲート絶縁膜保護膜の厚さを加えた程度の範囲に
収まっていればよい。次にマスク膜8をフッ素溶液処理
によってエッチングした後[図9(f)]、レジストを
除去することによって、図6(g)と同様の構造を得る
ことができる[図9(g)]。ここで、マスク膜8およ
びゲート絶縁膜2がともにシリコン酸化膜で形成されて
いても、ゲート絶縁膜保護膜9の存在によって、マスク
膜8のエッチング時にもゲート絶縁膜2は保護される。
【0031】その後、熱燐酸処理によって、ゲート絶縁
膜保護膜9の表面に露出した部分を除去し[図10
(h)]、2×1015cm-2のひ素を30keVのエネ
ルギーでイオン注入して、ソース側のn+ 領域6aを形
成した後[図10(i)]、ふっ酸溶液処理によってマ
スク膜8を除去[図10(j)]、燐酸溶液処理によっ
てゲート絶縁膜保護膜9を除去する[図10(k)=図
(i)]。後は実施例1と同様に、ゲート電極3の側壁
となるシリコン酸化膜5をLPCVD法などによって成
膜し[図10(l)]、反応性イオンエッチングなどの
異方性エッチングによって、ゲート電極側壁を形成し
[図10(m)]。その後に2×1015cm-2のひ素を
30keVのエネルギーでイオン注入して、ドレイン側
のn+ 領域6bを形成することで所望のトランジスタ構
造[図10(n)]を得ることができる。
【0032】また、ゲート絶縁膜保護膜9を逐次除去し
ないことによって工程を削減してトランジスタ構造を得
ることも可能である。図9(g)[=図11(g)]ま
での工程を経た後、ソース側のn+ 領域6aを形成して
から[図11(h)]、フッ酸溶液処理によってマスク
膜8を除去[図11(i)]、燐酸溶液処理によってゲ
ート絶縁膜保護膜9を除去した後に[図11(j)]、
ゲート電極3の側壁となるシリコン酸化膜5を堆積して
[図11(k)]、異方性エッチングを行ってから[図
11(l)]、ひ素注入を行うことでドレイン側のn+
領域6bを形成する[図11(m)]。この場合、ゲー
ト側のn- 領域4aがゲート絶縁膜保護膜9の厚さだけ
存在する。しかし、ゲート絶縁膜保護膜9の厚さは、マ
スク膜8のエッチング時にゲート絶縁膜までエッチング
されない程度まで薄くてよい。本実施例のように、マス
ク膜8がシリコン酸化膜、ゲート絶縁膜保護膜がシリコ
ン窒化膜である場合、ゲート絶縁膜保護膜9の厚さの百
分の一程度でよい。したがって、残存するゲート側のn
- 領域4aの厚さはたかだか数nmであり、イオン注入
後のドーパント活性化熱処理時における拡散によって、
+ 領域6aに覆われてしまうことになり、問題となら
ない。
【0033】さらに、ゲート絶縁膜保護膜9を除去しな
いで、ソース、ドレイン部を形成することも可能であ
る。図9(g)[=図12(g)]までの工程を経た
後、ソース側のn+ 領域6aを形成してから[図12
(h)]、フッ酸溶液処理によってマスク膜8を除去
[図12(i)]し、その後ゲート絶縁膜保護膜9を残
したまま、ゲート電極3の側壁となるシリコン酸化膜5
を堆積して[図12(j)]、異方性エッチングを行っ
てから[図12(k)]、ひ素注入を行うことでドレイ
ン側のn+ 領域6bを形成する[図12(l)]。この
ときも上述の場合と同様に、ゲート側のn- 領域4aが
ゲート絶縁膜保護膜9の厚さだけ存在し、またドレイン
側のn- 領域4bがゲート絶縁膜保護膜9の厚さだけ幅
が広がるが、その効果は熱処理時の拡散に比べて小さい
ので、問題とならない。
【0034】このように形成された構造は、そのままの
形で用いるほかに、ゲート電極3とソースおよびドレイ
ンとの間の容量を低減する手法としてのゲート電極側壁
を空隙とするための過程として使用することも可能であ
る。図12(l)[図13(l)]までの工程を経た
後、燐酸溶液処理によって、ゲート電極3上部と側壁部
にあるゲート絶縁膜保護膜9を除去し[図13
(m)]、その後にLPCVD法などによって数十nm
のシリコン酸化膜を堆積する。このときゲート電極3の
側壁部の空隙が狭いため、入り口付近で詰まったかたち
で基板側に空隙を残したまま表面が覆われた形となる
[図13(n)]。この構造を用いてゲート電極3の側
方にソース、ドレイン電極を形成した際に、ゲート電極
3側部の空隙の存在によって、ゲートとソース及びドレ
インとの間の容量を低減してトランジスタの高性能化を
測ることが可能である。
【0035】また、本実施例中では、ゲート絶縁膜に熱
酸化膜、ゲート電極にポリシリコンを用いた例について
述べたが、ゲート絶縁膜の材質はシリコン酸化膜に限ら
ず、シリコン窒化膜や、シリコン窒化酸化膜、酸化タン
タル膜など、他の絶縁物を使用してもよい。その形成方
法に関しても、熱窒化やLPCVD法など、トランジス
タ動作に十分な薄さを制御できる形成方法であれば熱酸
化に限らず使用可能である。ゲート電極の材質はポリシ
リコンに限らず、また一層で構成されている必要もな
い。例えばポリシリコン上にタングステンやチタンなど
の金属とのシリサイド層を有するものなども使用可能で
ある。さらに、マスク膜の材質は、イオン注入時のマス
クとなりうるもので、かつエッチングにおける、ゲート
電極および下地との選択比が十分なものであれば、シリ
コン系化合物以外の無機物、有機物、金属などでも構わ
ない。ゲート絶縁膜保護膜に関しても同様に、ゲート電
極および下地、マスク膜との選択比が良好なものであれ
ばよい。ただし、導体をマスク膜またはゲート絶縁膜保
護膜として用いる場合には、最終的な構造を形成する前
に除去しておく必要がある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体装置製造方法によれば、低濃度領域をドレイン側にの
み形成しソース側には形成しない非対称なLDD構造
を、実用的なパターニング誤差の範囲内で容易に形成す
ることができ、ドレイン端部における高電界発生を抑制
してホットキャリアによる劣化を抑制するととともに、
ソース側の寄生抵抗を低減して高い電流駆動能力を持つ
MOS型トランジスタを量産的に製造することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な対称型LDD構造MOSトランジスタ
の製造工程を示す模式図である。
【図2】従来の非対称型LDD構造MOSトランジスタ
の製造工程を示す模式図である。
【図3】従来の非対称型LDD構造MOSトランジスタ
の製造方法におけるパターニングの位置合わせ精度の制
約条件を表す模式図である。
【図4】本発明による非対称型LDD構造MOSトラン
ジスタの製造方法におけるパターニングの位置合わせ精
度の制約条件を表す模式図である。
【図5】本発明による非対称型LDD構造MOSトラン
ジスタの製造方法において、ゲート電極の高さがマスク
膜の厚さよりも小さい場合のパターニングの位置合わせ
精度の制約条件を表す模式図である。
【図6】本発明の一実施例である非対称型LDD構造を
持つn型MOSトランジスタの製造工程前半の模式図で
ある。
【図7】本発明の一実施例である非対称型LDD構造を
持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図で
ある。
【図8】本発明の一実施例である非対称型LDD構造を
持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図で
ある。
【図9】本発明の一実施例である非対称型LDD構造を
持つn型MOSトランジスタの製造工程前半の模式図で
ある。
【図10】本発明の一実施例である非対称型LDD構造
を持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図
である。
【図11】本発明の一実施例である非対称型LDD構造
を持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図
である。
【図12】本発明の一実施例である非対称型LDD構造
を持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図
である。
【図13】本発明の一実施例である非対称型LDD構造
を持つn型MOSトランジスタの製造工程後半の模式図
である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース、ドレインのうち、片方の領域に
    のみイオン注入のためのマスクを形成して、ゲート電極
    を境界とする非対象な構造を持つMOS型トランジスタ
    の製造過程において、イオン注入時にマスクとなる層を
    あらかじめ形成した後、その層上にパターニングを行う
    層を形成する工程と、パターニングを行った後に、前記
    パターニングを施された層を利用してマスクとなる層の
    加工を等方的なエッチング手段により行う工程を含むこ
    とを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記マスクとなる層を形成する
    前に、前記マスクとなる層と異なる物質からなる、ゲー
    ト絶縁膜保護層を形成しておく工程を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マスクとなる層が、シリコン酸化
    膜、またはシリコン窒化膜、またはシリコン窒化酸化
    膜、または有機物の膜で構成される層であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ゲート絶縁膜保護層が、シリコン窒
    化膜で構成される層であることを特徴とする請求項2に
    記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    方法により製造されてなることを特徴とする半導体装
    置。
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