JP3055037B2 - 用紙分配装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複写機等の画像形成
装置から排出される用紙を複数の用紙収納トレイの各々
に順次分配する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上下方向に複数のトレイが配設され、用
紙案内手段がトレイの間隔の一ピッチずつ上又は下に間
欠移動して複写機等から排出された用紙をトレイの各々
に順次分配する用紙分配装置がある。

【０００３】そして、この用紙分配装置を小型化するた
め、複数のトレイ相互の上下間隔を小さくすると共に用
紙案内手段からトレイに用紙を送り込む際に用紙を受け
入れるトレイの上方空間を拡大させるようにしたものが
ある。従来、この用紙受け入れトレイの上方空間を拡大
するものとして、トレイユニット（全トレイ）ごと変位
させるタイプや、複数トレイを移動させながら拡開する
タイプなどがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、いずれも駆動機構が複数のトレイの合計荷重を受け
る構造となっているため、駆動機構が複雑、高コストと
なる問題がある。

【０００５】この発明の目的は、トレイ拡開用の駆動機
構の簡素化、低コスト化を図った用紙分配装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、上下方向に段状に配置され、用紙入口
側の一端部が上下移動可能にされると共に、他端部が少
なくとも前記一端部側にスライド可能にされた複数のト
レイと、この複数のトレイの他端部を支持する受け部材
と、前記複数のトレイの一つに順次用紙を案内して送り
込む用紙案内手段と、この用紙案内手段により送られる
用紙を所定のトレイに送り込むために、前記用紙案内手
段をトレイ間隔の一ピッチ分ずつ間欠的に上又は下に移
動して所定のトレイに対応させる駆動手段と、前記トレ
イの各に設けられて、その前端部を支持し、直線運動に
より該支持トレイおよび隣接するトレイを移動するトレ
イ移動部材と、前記駆動手段による前記用紙案内手段の
上下移動と連動して上下移動するカム部材とを有し、こ
のカム部材の上下移動により前記トレイ移動部材を直線
運動させて前記用紙案内手段の対応位置にあるトレイを
前方に、隣接するトレイを上方に移動させてシート受け
入れトレイの入口上方の空間を拡大させて構成されてい
る。

【０００７】

【作用】この発明は、用紙案内手段の上下間欠移動に連
動させてカム部材を上下移動させ、これよりトレイ移動
部材を直線運動させて、用紙案内手段の対応位置にある
トレイを前方に、隣接するトレイを上方に移動させる。

【０００８】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図を参照して
説明する。

【０００９】＜構成＞図１において、１は画像形成装置
例えば複写機、２はその載置台、３は複写機１に連結さ
れ複写機１から複写済み用紙が搬入される用紙分配装置
である。

【００１０】用紙分配装置３には上下方向に段状に複数
のトレイ４が上下方向に相互の間隔を小さくして配置さ
れている。装置最上部には、複写機１から用紙を搬入す
る搬入路５が設けられている。この搬入路５の入口に
は、入口ローラ６およびそのピンチローラ７が設けられ
ている。この搬入路５は直進的に排紙路８に連結されて
いる。排紙路８の出口には排紙ローラ９およびそのピン
チローラ１０が設けられている。搬入路５と排紙路８と
の間には、用紙の搬送方向を切り換えるための切換え爪
１１が設けられている。この切換え爪１１はノンソート
モード時には図の時計方向に回動して用紙を排紙路５の
方向に導き、最上段のトレイ４にすべての用紙を排出す
るようにする。一方、ソートモード時には、切換え爪１
１は図の反時計方向に回動して、用紙を装置下方（複数
段のトレイ４）に向けて導くようする。ソートモード時
に用紙を搬送する機構として、上下のベルトプーリ１２
ａ、１２ｂに張設された多数の小孔を有する搬送ベルト
１３と、この搬送ベルト１３の背面から空気を吸引して
用紙を搬送ベルトに吸着させる吸引手段１４と、駆動手
段例えば昇降ベルト１５に連結されトレイ間隔の１ピッ
チ分ずつ間欠移動して搬送ベルト１３から用紙を掬い取
ってトレイ４側に向ける分配爪１６と、この分配爪１６
から用紙をトレイ４に排出する排出ローラ１７とが設け
られている。ここで分配爪１６と排出ローラ１７とから
用紙分配手段が構成されている。

【００１１】また、トレイ４上の用紙束にステープルを
打ち込むステープラ１８が、昇降ベルト１５に連結さ
れ、トレイ４の間隔の一ピッチ分ずつ間欠的に上又は下
に移動する。このステープラ１８はトレイ４一端部まで
移動可能となっている。

【００１２】トレイ４の用紙入口側の一端部が後記のト
レイ移動部材２２を介して上下移動可能にフレーム１９
に支持されている。また、他端部に突設したピン４ａ
が、受け部材例えばフレーム１９のガイド長穴１９ａに
対して前記一端部側にスライド可能に支持されている。

【００１３】図２および図３に示すように、昇降ベルト
１５にカム部材２１が設けられ、このカム部材２１は分
配爪１６などの用紙案内手段の上下移動と連動して上下
移動するようになっている。また、各トレイ４ごとにそ
の一端部側にトレイ移動部材２３が配設され、このトレ
イ移動部材２３に突設した２本のピン２２がフレームの
ガイド溝２４を摺動可能に貫通している。そして、この
ピン２２は前記第１のカム部材２１により前方（用紙案
内手段側）に直進運動されるようになっている。また、
トレイ移動部材２３には傾斜状のガイド溝２５が形成さ
れ、このガイド溝２５には対応トレイ４に突設したピン
４ｂが摺動可能に係合されている。このピン４ｂは、一
段下のトレイ移動部材２２の上方に突設したカム部２２
ａに当接され、トレイ移動部材２２の直進運動により上
方に移動可能となっている。復帰バネ２６は、トレイ移
動部材２２を元の位置にリセットするものである。した
がって、カム部材２１の上下移動により、トレイ移動部
材２２の直進運動を介してトレイ４用紙案内手段に対応
するトレイ４（用紙受け入れトレイ）を前方に、隣接す
るトレイ４を上方に移動させ、用紙受け入れトレイ４の
上方の空間を拡大する（図１および図４に示す状態）。
前記トレイ移動部材２３の直進運動と分配爪１６などの
用紙案内手段（および用紙案内手段と一体的に連動する
ステープラ１８）の上下移動とは、所定タイミング、つ
まりステープルするトレイ４の対向位置で用紙案内手段
（またはステープラ１８）が停止すると共にトレイ移動
部材１８がステープルするトレイ４の上方空間を拡大し
て停止するように制御される。なお、これまで述べた駆
動の制御は、ＣＰＵなどの制御手段（図示略）によりな
される。

【００１４】＜動作＞上記のように構成された装置は、
次のように動作する。

【００１５】ソートモード時には切換え爪１１は反時計
方向に回動している。次に、複写機１から複写済みの用
紙が複数枚連続的に用紙分配装置３に送り込まれ、入口
ローラ６、搬入路５、切換え爪１１を介して搬送ベルト
１３に向けて送られ、搬送ベルト１３に吸着されながら
搬送され、その用紙を搬送ベルト１３から分配爪１６が
掬いとり、排出ローラ１７により例えば最上段のトレイ
４に排出する。

【００１６】次に、昇降ベルト１５の駆動により分配爪
１６（およびステープラ１８）が２段目のトレイ４に移
動する。この昇降ベルト１５の駆動と一体的に連動して
カム部材２１が下に移動してトレイ移動部材２２の直進
移動を介して分配爪１６に対応する２段目のトレイ４を
前方に移動させると共に、上段の１段目のトレイ４を上
に移動させ。分配爪１６および排出ローラ１７から用紙
受け入れトレイ４の上方に拡大形成された空間を介して
トレイ４に用紙を送り込む。

【００１７】次に、分配爪１６が２段目のトレイ４から
３段目のトレイ４に移動すると、１段目・２段目のトレ
イ４が共に元の位置に戻り、さらに３段目のトレイ４が
前方に移動すると共に２段目のトレイ４が上方に移動す
る。そして、３段目のトレイ４の上方の拡大空間から３
段目のトレイ４上に用紙を送り込む。この動作を繰り返
して所定段数のトレイ４に所定部数の用紙を分配収納す
る。

【００１８】次に、ステープラ１８が（分配爪１６と共
に）上に移動すると、それに連動してカム部材２１が上
に移動してトレイ移動部材２２の直進移動を介して分配
爪１６に対応する最下段用紙収納トレイ４を前方に移動
させると共に、その上段の１段目のトレイ４を上に移動
させ、トレイ４上方に拡大形成された空間を介してステ
ープラ１８をトレイ４側に移動させトレイ４上の用紙束
にステープルを打ち込む。この動作を繰り返してすべて
のトレイ４上の用紙束にステープルを打ち込む。

【００１９】＜実施例の効果＞上記実施例によれば次の
効果を奏する。 （１）各トレイ４のピッチ間隔が小さいので、用紙分配
装置３全体の高さを小さくできる。 （２）このようにトレイ４のピッチ間隔が小さいのに拘
らず、分配爪１６などからなる用紙分配手段の上又は下
への間欠移動と連動させて用紙受け入れトレイ４の上方
の空間を拡大させるから、用紙案内手段からトレイ４へ
の用紙の挿入が容易かつ確実である。 （３）このように用紙受け入れトレイ４の上方の空間を
拡大させるためにトレイ４の一端部を上又は下に移動さ
せるだけでよく、トレイ移動部材２２、カム部材２１な
どのトレイ移動のための機構を簡略化できる。 （４）トレイ４の一端部を他のトレイ４より突出した状
態でステープラ１８を停止して、このトレイ４上の用紙
束にステープルを打ち込むから、トレイ４ピッチが小さ
いのに拘らずステープルの打ち込み動作が可能で、かつ
ステープラ２８のトレイ４に向かう移動量が小さくてよ
い。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したこの発明によれば次の効果
を奏する。

【００２１】即ち、各トレイのピッチ間隔が小さいの
で、分配装置の高さを低くすることができる。また、用
紙受け入れトレイの上方の空間を用紙案内手段の上又は
下への間欠動作と連動させて拡大させるものであるか
ら、トレイピッチが小さいにも拘らず各トレイへの用紙
の挿入が容易、確実に行われる。

【００２２】さらに、用紙受け入れトレイの上方の空間
を拡大させるためトレイの一端部のみを上又は下に移動
させればよく、トレイ移動手段の構造を簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の全体を示す縦断面図。

【図２】前記実施例の一部を示す横断面図。

【図３】前記実施例の一部を示す分解斜視図。

【図４】前記実施例の一部を示す側面図。

【符号の説明】

１ 複写機 ３ 用紙分配装置 ４ トレイ １５ 昇降ベルト １６ 分配爪 １７ 排出ローラ １８ ステープラ １９ フレーム ２１ カム部材 ２２ トレイ移動部材 ２６ 復帰バネ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複写機等の画像形成装置から排出される用
   紙を複数の用紙収納トレイの各々に順次分配する装置に
   おいて、 上下方向に段状に配置され、用紙入口側の一端部が上下
   移動可能にされると共に、他端部が少なくとも前記一端
   部側にスライド可能にされた複数のトレイと、 この複数のトレイの他端部を支持する受け部材と、 前記複数のトレイの一つに順次用紙を案内して送り込む
   用紙案内手段と、 この用紙案内手段により送られる用紙を所定のトレイに
   送り込むために、前記用紙案内手段をトレイ間隔の一ピ
   ッチ分ずつ間欠的に上又は下に移動して所定のトレイに
   対応させる駆動手段と、 前記トレイの各々に設けられて、その前端部を支持し、
   直線運動により該支持トレイおよび隣接するトレイを移
   動するトレイ移動部材と、 前記駆動手段による前記用紙案内手段の上下移動と連動
   して上下移動するカム部材とを有し、 このカム部材の上下移動により前記トレイ移動部材を直
   線運動させて前記用紙案内手段の対応位置にあるトレイ
   を前方に、隣接するトレイを上方に移動させてシート受
   け入れトレイの入口上方の空間を拡大させることを特徴
   とする用紙分配装置。
2. 【請求項２】前記駆動手段による前記用紙案内手段と一
   体的に上下移動すると共にトレイ一端部まで移動して、
   前記トレイに収納された用紙束のそれぞれに対してステ
   ープルを打ち込むステープラと、 前記トレイ移動手段の直進運動と前記用紙案内手段の上
   下移動とを所定タイミングで停止する制御手段とを備え
   たことを特徴とする請求項１記載の用紙分配装置。