JP3054965U - 包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム箔積層材よりなり、長期間にわ
たり耐久性を有し、アルミニウム箔と樹脂層の剥離等が
生じないような包装袋を提供すること 【解決手段】 カップリング剤処理してなるアルミニウ
ム箔のカップリング処理した面にシール層を、他面に表
面層を積層してなる複合材よりなり、シール層が内側と
なっている包装袋

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は包装袋に関する。さらに詳しくは、内容物に長期間晒されることによ る剥離や劣化が殆ど生じない包装袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

食品、薬品、化粧品その他各種の製品は内面にポリエチレン、ポリプロピレン 等の樹脂が積層されたアルミニウム箔の積層材からなる包装袋に包装されて流通 する場合が多い。これらの包装袋に使用される包装材においては、多くの場合、 アルミニウムと樹脂層は酢酸ビニル系、アクリル系等の接着剤を用いて接着され ている。しかしながら包装する製品の多様化にともない、内容物が樹脂層に移行 して接着剤に作用しアルミニウム箔を剥離させるような成分を含むものもがある 。このためこれら内容物に対する耐久性が優れた包装袋が求められている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、アルミニウム箔積層材よりなり、内容物の如何にかかわらず 長期間にわたり耐久性を有し、アルミニウム箔と樹脂層の剥離等が生じないよう な包装袋を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記本考案の目的は、少なくとも片面をカップリング剤処理してなるアルミニ ウム箔のカップリング処理した面にシール層を、他面に表面層を積層してなる複 合材よりなり、シール層が内側となっている包装袋により達成される。本考案の 好ましい態様は、表面層が紙またはポリエステルでシール層がポリエチレンまた はエチレン（メタ）アクリル酸共重合樹脂である前記の包装袋である。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の包装袋に用いられる複合材は少なくとも片面をカップリング剤処理し てなるアルミニウム箔のカップリング処理した面にシール層を、他面に表面層を 積層してなる。

【０００６】 アルミニウム箔の処理に用いられるカップリング剤としては例えばシランカッ プリング剤、チタンカップリング剤等が用いられ、シランカップリング剤が好ま しい。シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、 Ｎ−β−（アミノエチル）−γ−アミノプロピル−トリメトキシシランのような アミノシラン系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 、β−（３，４−エポキシシクロヘキシル）エチル−トリメトキシシランのよう なエポキキシラン系カップリング剤、ビニルトリクロシラン、ビニルトリエトキ シシラン、ビニル−トリス（β−メトキシエトキシ）シランのようなビニルシラ ン系カップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのような アクリルシラン系カップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン のようなメルカプトシラン系カップリング剤、γ−クロルプロピルトリメトキシ シランのようなクロルシラン系カップリング剤、γ−ウレイドプロピルトリエト キシシランのようなウレイド系シランカップリング剤が例示できる。

【０００７】 カップリング剤処理は少なくともアルミニウム箔の片面に必要で、好ましくは 両面を処理する。アルミニウム箔を処理するためには、カップリング剤は適当な 溶媒に溶解して用いる。溶媒としてはカップリング剤が溶解するものであれば特 に制限はないが、水またはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒が環境 面から好ましい。カップリング剤の種類によっては中性の水に溶解しないものも あるが、その場合はｐＨを調製する等して溶解すればよい。溶解濃度は特に制限 はないが、通常０．００１〜５重量％である。このようにして調製したカップリ ング剤溶液をアルミニウム箔の片面または両面に塗布し、乾燥して溶媒を除去す る。用いるアルミニウム箔の厚さは特に制限はなく、目的に応じて定めればよい 。通常６〜１５０μｍである。塗布はロールコーター、ブレードコーター、グラ ビアコーター等のコーテイングマシンを用いてもよいが、カップリング剤溶液は 極めて粘度が低いので単なるディッピングやスプレーコートでも差し支えない。 塗布厚さは特に制限はなく、アルミニウム箔の表面にカップリング剤の単分子膜 が形成される程度でよい。カップリング剤層の厚さの上限は特にないが、効果と 経済性の面から約０．５μｍ程度を越えてもあまり意味がない。乾燥は公知の乾 燥法で差し支えない。乾燥は常温乾燥でも加熱乾燥でもよい。

【０００８】 シール層としてはポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ ステル、ナイロン、アイオノマー、エチレン（メタ）アクリル酸共重合樹脂等の 樹脂が用いられる。これらは単独でもまた２種以上を組み合わせて積層したもの でもよい。シール層の厚さは特に制限がなく包装する対象である製品にあわせて 適宜定めればよい。 表面層としては紙やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン 等の樹脂が用いられる。これらは単独でもまた２種以上を組み合わせて積層した もの、例えば紙と樹脂の組み合わせや同種の若しくは異なる樹脂の組み合わせで もよい。表面層は通常印刷が施される。印刷は必ずしも最表面でなくともよく、 例えば表面層が２層からなる場合は２層目の表面であってもよい。表面層の厚さ は特に制限がなく包装する対象である製品にあわせて適宜定めればよい。 シール層または表面層とアルミニウム箔は直接積層されていてもよく、また接 着剤層を介して積層されていてもよい。接着剤層としてはポリエチレン、変性ポ リエチレン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が用いられる。

【０００９】 本考案に用いる包装材の構成は例えば次のようなものがあげられる。 表側 表面層／接着剤層／Ａｌ箔／接着剤層／シール層 内側 表側 表面層／接着剤層／Ａｌ箔／シール層 内側 表側 表面層／Ａｌ箔／接着剤層／シール層 内側 表側 表面層／Ａｌ箔／シール層 内側

【００１０】 本考案に用いる包装材は公知の方法、例えばいわゆるドライラミネーション、 エクストルージョンラミネーション等により製造することができる。例えば図１ に示したような構成の包装材は、Ｔダイ法で接着剤層であるポリエチレン等の樹 脂を押し出しつつ、その両面にシランカップリング剤処理アルミニウム箔とポリ エステルフィルムのような表面層をラミネートし、ポリエステル／ポリチレン／ アルミニウム箔の３層複合材を得、さらにこの３層複合材とポリエチレンフィル ムの様なシール層とを前記同様接着剤層であるポリエチレンを押し出しつつラミ ネートして得ることができる。

【００１１】 本考案の包装袋は上記の包装材を用いて公知の方法で製造できる。例えば上記 包装材の２枚を、シール層を対向させて袋の３辺に相当する部分をヒートシール 等で接着すればよい。内容物は接着していない残る１辺より充填した後、ヒート シール等によりシールすればよい。

【００１２】 図１は本考案の包装袋に用いられる包装材の構成の１例を表した図である。図 １において１は表面層であるポリエステル層、２、４は接着剤であるポリエチレ ン層、３はカップリング剤処理したアルミニウム箔、５はシール層であるポリエ チレンフィルムである。

【００１３】 図２は本考案の包装袋の１例を表した図であり、図３は他の例を表した図であ る。図２は２枚の包装材を用い、シール層を対向させ４辺をシールして包装袋と したものである。内容物は３辺をシール後、残りの１辺から充填して、シールす ることにより封入できる。必要であれば中を真空にしたり、不活性ガスを封入す ることもできる。 図２の包装袋はレトルト食品、飴、キャンデー等をはじめとする各種食品、ハッ プ剤等の薬品、その他の包装に広く用いることができる。

【００１４】 図３は１枚の包装材を円筒状に丸めて長辺同士を重ねてシールし、上下をシー ルしたもので、いわゆるスティック包装と呼ばれるものである。長辺は内側を対 向させてシールしてもよい。内容物は下側をシールした後に充填して、上側をシ ールすることにより封入できる。図１の場合と同様に真空にしたり、不活性ガス を封入することもできる。図３の包装袋は醤油、ソース等の調味料、食品用のた れ、砂糖等の食品、その他の包装に広く用いることができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の包装袋は少なくとも内側になる面をカップリング剤処理したアルミニ ウム箔を用いてシール層を積層しているため、各種の内容物に対する耐久性が優 れている。従って、内容物と長期間接触してもアルミニウム箔とシール層が剥離 するようなことがなく、広範囲の製品の包装袋として極めて適したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の包装袋に用いられる包装材の構成の１
例を表した図である。

【図２】本考案の包装袋の一例を表した図である。

【図３】本考案の包装袋の他の一例を表した図である。

【符号の説明】

１ 表面層 ２、４ 接着剤 ３ アルミニウム箔 ５ シール層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも片面をカップリング剤処理し
   てなるアルミニウム箔のカップリング処理した面にシー
   ル層を、他面に表面層を積層してなる複合材よりなり、
   シール層が内側となっている包装袋。
2. 【請求項２】 表面層が紙またはポリエステルでシール
   層がポリエチレンまたはエチレン（メタ）アクリル酸共
   重合樹脂である請求項１の包装袋。
3. 【請求項３】 カップリング剤がシランカップリング剤
   である請求項１又は２の包装袋。