JP3054176B2 - 曝気槽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、槽の底部より酸素を液中に噴出させる構造
であって、例えば産業用排水処理や大型養殖漁業に適用
できる曝気槽に関するものである。

＜従来の技術＞ 一般に、下水や有機排水は、スクリーニングおよび沈
澱池で粗大な夾雑物や固形物を沈澱除去後にその溢流水
を曝気槽に導かれ、散気管による散気法または回転翼等
による機械攪拌法による曝気される。このような排水処
理設備に用いられる従来の曝気槽の殆どは、鉄筋または
無筋のコンクリートにより製作されている。

＜発明が解決しようとする課題＞ 然し乍ら、コンクリート製曝気槽は、大地に据付ける
様式であるため、一旦設置すると、移転や撤去が容易で
なく、設備費が高価である。しかも、大形のもの程地震
や長期地盤変動によりコンクリートに亀裂が生じ、漏水
する欠点があった。

本発明はこのような課題を解消し、柔構造であって耐
震性に優れた、設備費が格段に安価で、しかも、必要に
応じて容易に撤去や移転をすることができる新規な曝気
槽を提供することを目的とするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、上記目的を達成するため、地面等の設置面
上にループ状外周基台を敷設し、その上に所定高さの外
周側壁を植設し、設置面上のループ状の中心部に偏平な
固定台を据付け、その固定台上から上記ループ状外周基
台の内周に至る底面および上気外周側壁の内周面に隙間
無くゴムシートを被覆して全体として略たらい形の槽を
形成し、上記固定台上にゴムシートを挟んでコンクリー
ト製押さえ板を載置し、その押さえ板上に曝気用ノズル
を配設固定し、その曝気用ノズルを槽外に設置した酸素
供給源に連通させる給気管を上記ゴムシートの内面に沿
って配管してなることを特徴としている。

また、上記ループ状外周基台よりも上記固定台の上面
が低くなるよう構成するのが好ましい。

＜作用＞ 外周側壁と中央の固定台とは連結されておらず、柔構
造になっているので、耐震性に優れている。

ゴムシートは水圧により地面等の設置面と外周側壁内
面に押圧されるので、何らの接着，固着手段を要しな
い。また、コンクリート製押さえ板もその自重と水圧に
より固定台上に押圧され、この押さえ板と固定台とによ
りゴムシートが挟持される。従って、ゴムシートには取
付孔等が全くなく、漏水の危惧がない。

＜実施例＞ 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。

第１図は本発明の一実施例の縦断面図で、第２図はそ
の平面図を示す。この実施例では地面を設置面１とした
場合を示してあり、その設置面１下に松杭からなる基礎
杭２が打設され、その上にコンクリートによりループ状
外周基台３が敷設されている。この外周基台３は、幅が
300mmで深さが150mmの断面積を有し、内径が約14mの円
形状になっている。この外周基台３上に、高さが3500mm
の鉄製の外周側壁４が植設されている。

この外周側壁４で囲まれた円形の設置面１は、その中
心部分が外周部に対し約1m低くなったすり鉢状になって
おり、この中心部分に、松杭からなる複数本の基礎杭２
が打設され、その上に直径が5mの偏平円板状のコンクリ
ート製固定台５が据付けられている。

この固定台５からループ状外周側壁４の内周に至る底
面および外周側壁４の内周面に、約1mmの厚さのゴムシ
ート６を隙間無く被覆されて、全体として略たらい形の
槽体が形成されている。尚、ゴムシート６は外周側壁４
の上端から約0.5mの長さだけ外部に折り返されている。

固定台５上に、リング状のコンクリート製押さえ板７
がゴムシート６を挟んで載置されており、更にリング状
の曝気用ノズル８が、押さえ板７上に配置され、且つ押
さえ板７に固設されたアンカーボルト（図示せず）によ
り固定されている。この曝気用ノズル８に連通連結され
た給気管９が、ゴムシート６の内面に沿って槽外に導出
するよう配管されて酸素供給源のブロアー送風機10に連
結されている。また、槽内中心部であって槽内に充満さ
れる排水等の液面の高さ位置に脱臭用酸素供給器11が配
設されている。

この曝気槽は、コンクリート製のものと異なり安価な
施設費と短い工期で容易に組み立てでき、撤去や移転に
際しても、組み立て式であるために簡単に分解して移動
させることができる。

尚、上記実施例ではループ状外周基台３を平面円形と
した場合を例示したが、方形等の設置場所に応じた任意
な形状に構成することができる。また、外周基台３と地
面との間にゴム板を設けて耐震性を更に向上させる構成
とすることもできる。更に、設置面は地面に限らず、建
物内や建物の屋上等にも設置することができる。

＜発明の効果＞ 以上のように本発明によると、最も水圧のかかる底面
の殆どが地面等を利用し、その表面にゴムシートを被覆
しただけであるから、材料費が格段に少くてすみ、総重
量も格段に軽量化され、安価に製作することができると
ともに、撤去や移転に際しても、組み立て式であるため
に簡単に分解して移動させることができる。

また、外周側壁と中央の固定台とが連結されていない
柔構造になっているので、極めて耐震性に優れている。

更に、ゴムシートに取付用孔等の開口部が全くないの
で、漏水の恐れが全くなく、耐久性に優れたものであ
り、前述の優れた耐震性とともに簡易な構成であるにも
かかわらず長期にわたり安定に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の縦断面図、 第２図は第１図の平面図である。 １…設置面 ３…ループ状外周基台 ４…外周側壁 ５…固定台 ６…ゴムシート ７…コンクリート製押さえ板 ８…曝気用ノズル ９…給気管 10…ブロアー送風機（酸素供給源）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−123430（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−24799（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C02F 3/00 C02F 3/12 - 3/26 A01K 61/00 - 63/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地面等の設置面上にループ状外周基台を敷
   設し、その上に所定高さの外周側壁を植設し、設置面上
   のループ状の中心部に偏平な固定台を据付け、その固定
   台上から上記ループ状外周基台の内周に至る底面および
   上気外周側壁の内周面に隙間無くゴムシートを被覆して
   全体として略たらい形の槽を形成し、上記固定台上にゴ
   ムシートを挟んでコンクリート製押さえ板を載置し、そ
   の押さえ板上に曝気用ノズルを配設固定し、その曝気用
   ノズルを槽外に設置した酸素供給源に連通させる給気管
   を上記ゴムシートの内面に沿って配管してなることを特
   徴とする曝気槽。
2. 【請求項２】上記ループ状外周基台よりも上記固定台の
   上面が低く構成されていることを特徴とする請求項
   （１）に記載の曝気槽。