JP3053409B2 - 糖蛋白化合物 - Google Patents

糖蛋白化合物

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JP3053409B2 JP2049410A JP4941090A JP3053409B2 JP 3053409 B2 JP3053409 B2 JP 3053409B2 JP 2049410 A JP2049410 A JP 2049410A JP 4941090 A JP4941090 A JP 4941090A JP 3053409 B2 JP3053409 B2 JP 3053409B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ストレプトミセス ネヤガワエンシスの培
養によって得られる新規な糖蛋白化合物と、ブレオマイ
シン群抗生物質の抗癌作用を増強する薬剤としてのこの
糖蛋白化合物の用途とに関するものである。
〔従来の技術〕
ストレプトマイシンの発見に引き続く研究の結果放線
菌を含む多くの菌類から数多くの抗生物質が見出され、
また数々の酵素、アミノ酸などの有用物質が菌類の培養
によって製造されるようになった。そしてこれらの抗生
物質、酵素、アミノ酸などの工業的製造方法としていわ
ゆる発酵法が広く行なわれている。しかしながらこれら
菌類が生産する物質は上記したような比較的構造が単純
なものばがりではなく、むしろ構造が複雑であったり生
産量がわずかなために未知の物質であるものの方が多い
ものと考えられている。
他方癌治療の場において制ガン剤による化学療法の役
割は非常に重要なものとなりつつある。この制癌剤の一
つとして注目されているものにブレオマイシンやペプロ
マイシンなどのいわゆるブレオマイシン群抗生物質があ
る。ブレオマイシンは1962年に梅沢らによって放線菌の
ストレプトミセス フェルチシラスの新菌株から分離さ
れたものであり、ペプロマイシンは梅沢らによって見出
されたブレオマイシンの誘導体であってこれらは頭頸部
癌、食道癌、子宮頸管癌、皮膚癌などの扁平上皮癌、悪
性リンパ腫、白血病その他いくつかの腫瘍型に著効を示
す制癌剤として知られているが、本剤の使用によりなん
らかの副作用が現われる例が多く、とりわけ間質性肺炎
様症状の進展がみられ、肺繊維症などの症状の発現が認
められる例が多い。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記したようにブレオマイシン群抗生物質は制癌剤と
してはきわめて有効な化合物であるが副作用をしばしば
伴なうことから、この副作用の軽減がブレオマイシン群
抗生物質の使用に当っての大きな課題であった。そして
この副作用軽減のための一方向として少量の投与量で充
分な制癌効果が発現する投与方法の解明が求められるの
である。そしてこのための一手段として有効投与量を減
らす薬剤、すなわち作用増強剤を併用することが考えら
れる。
さらにブレオマイシン群抗生物質を制癌剤として使用
し続けると癌または腫瘍がブレオマイシン群抗生物質に
対して耐性を獲得するからブレオマイシン群抗生物質の
使用量を可及的に低くおさえ、しかして制癌効果自体は
充分であるような投与方法が求められているのである。
一方、菌類或いは微生物が産生する物質であってこれ
までのその実体の不明であったものの解明とその用途開
発も解決されるべき課題として認識されてきたところで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、ブレオマイシン群抗生物質の作用増強
物質を見出すべく微生物が産生する多数の物質を取り出
し、そしてこれらについてスクリーニングを行った結果
放線菌に属する菌株のNo.1478株から単離された糖蛋白
化合物が著しいブレオマイシン群抗生物質の抗癌作用を
増強することを見出して本発明を完成したのである。
すなわち本発明は、放線菌No.1478株の培養によって
得られたブレオマイシン群抗生物質の抗癌作用増強作用
を示す新規な糖蛋白化合物と、同糖蛋白化合物を有効成
分とするブレオマイシン群抗生物質の抗癌作用増強剤
と、かかる糖蛋白化合物を産生する放線菌No.1478株と
に関する。
本発明の糖蛋白化合物は、放線菌No.1478株の培養に
よって得られ、1,000,000以上の平均分子量を有し、水
に可溶性であるがエチルアルコール、アセトンなどの一
般有機溶媒に不溶であり、蛋白質および還元糖を含み、
そのアミノ酸組成が アミノ酸 重量% アミノ酸 重量% Asp 11.0〜11.2 Ile 2.9〜 3.0 Thr 9.9〜10.0 Leu 6.3〜 6.4 Ser 7.8〜 8.0 Tyr 0.5 Glu 13.8〜13.9 Phe 3.8〜 3.9 Gly 6.4 Lys 4.7〜 4.8 Ala 7.2 His 3.5〜 3.6 Cys 0.8〜 0.9 Arg 4.0〜 4.1 Val 4.2 Pro 11.5〜11.8 Met 1.0 Trp − であり、糖組成が キシロース 3.5〜 5.4重量% マンノース 53.5〜56.2重量% グルコース 40.3〜41.2重量% であることを特徴とするものである。なお、以下の記載
においてこの糖蛋白化合物を1478物質と略称する。
この1478物質を産生する放線菌No.1478株は埼玉県秩
父市郊外の土壌から単離、採取されたものであって、次
の特徴を有するものである。なお、この“特徴づけ”は
『放線菌の同定実験法』(日本放線菌研究会編)および
国際ストレプトミセス・プロジェクト(Internatinal S
treptomyces Project,略称ISP)の方法に従って行なっ
た。
形態的特徴:本菌株の基生菌糸は諸寒天培地上でよく
分技しながら、菌糸の分断なしに成長する。気菌糸は分
枝しながら伸長して種々の長さの主軸を形成し、その主
軸または枝に胞子形成菌糸(後に分節して胞子鎖にな
る)を単軸分枝する。胞子鎖は10から50以上の胞子から
なり、通常は不規則な螺旋状、ときには直状、曲状また
はループ状を呈することもある。胞子は長円形または円
筒形、大きさ0.5〜0.8×0.8〜1.3μm、平滑表面、非運
動性である。胞子鎖は容易に崩壊し、培地によっては、
培養初期から胞子鎖の先端や気菌糸の途中に大小さまざ
まな黒湿胞子融合体を形成したり、集落内の寒天表面に
胞子の塊状堆積を生ずる特徴がある。その他には胞子袋
・菌核などの特殊形態は観察されない。
化学特徴:全細胞加水分解物中のジアミノピメリン酸は
LL−型でmeso−型異性体を含まない(細胞壁型はI
型)。
培養的特徴:培養性状は表1に示す。集落表面の菌叢色
は灰色系列で、淡黄味灰色(2dc)〜淡茶味灰色(3fe〜
5fe)を呈し、茶味灰色(3ig)〜灰味黄茶色(3le〜3n
i)〜暗茶味灰色(3nl〜4nl〜4pn)の斑点または斑紋を
形成する。集落の裏面色は不鮮明色あるいは黄橙色また
は明茶色で、両色素はpHにより変色しない。培地中への
拡散性色素はメラニン色素と、淡黄橙色(3ea)〜黄橙
色(4ea)の色素あるいは僅かに黄味色または茶味色の
色素を生産する。
生理的特徴:生理的性状は表2に示す。本菌株は中温
性、メラニン色素生成は陽性で、用いた全炭素源を同化
する。
表 2 放線菌No.1478株の生理的性状 生育温度範囲 10〜40℃ メラニン様色素の生成 チロシン寒天 + ペプトン・イースト鉄寒天 + トリプトン・イースト・ブロス + スターチの加水分解 + ゼラチンの液化 + 脱脂牛乳のペプトン化 + 脱脂牛乳の凝固 −後に+ 硝酸塩の還元 + 炭素源の同化 D−グルコース + D−キシロース + L−アラビノース + D−フラクトース + シュクロース + i−イソシトール + L−ラムノース + ラフィノース + D−マンニット + またこの菌株の分類学的位置決定は公知放線菌の分類
群について検索して行なった。公知の分類群としては
『細菌名承認リスト,1980』(Approved Lists of Bacte
rial Names;Int.J.Syst.Bacteriol.,30,225−420,198
0)およびその補遺(同誌35,382−407,1985と同誌35巻
以後の各号のリスト)に記載されたものに限定した。
分類学的位置:本菌株の属ランクの特徴を要約すると次
のようである;細胞壁型はI型、基生菌糸は分断せず、
気中菌糸に10〜50以上の胞子からなる胞子鎖を形成す
る。故に、本菌株はストレプトミセス属(Streptomyce
s)に所属させる。
本菌株の種ランクの特徴を要約すると次のようにな
る;胞子鎖は通常は螺旋(S)形態ときにはループ(R
A)または直状(RF)形態、胞子表面は平滑、菌叢色は
灰色系列で茶灰色斑を形成、集落裏面色は不鮮明色ある
いは黄橙色または明茶色でpHにより変色せず、メラニン
色素生成は陽性、拡散性色素は淡黄橙色〜黄橙色あるい
は僅かに黄味色または茶味色を生成、全炭素源を同化す
る。これらの特徴に最も近似する種としてS.ネヤガワエ
ンシス(S.neyagawaensis)とS.ハイグロスコピカス亜
種オッサミセチカス(S.hygroscopicus subsp.ossamyce
ticus)の二種が見出された。本菌株と二種の標準菌株
(前種はIFO13477、後種はIFO13983)を培養比較した結
果は表3に示す。各寒天培地において、二標準菌株の気
中菌糸の着生は本菌株に比し極めて貧しく、菌叢色(灰
色系列)も本菌株に比しやや淡色を示す。また集落裏面
の色素と拡散性色素は三菌株で微少な差異があり、本菌
株の両色素は二標準菌株に比し、やや橙色味がある点で
異なる。本菌株の微小な性状の差異は両標準菌株の中間
的性状を示すが三菌株ともに種の分類基準となる特徴は
極めて良く一致し、同一種に包含されるべきであると判
断される。また、S.ハイグロスコピカス亜種オッサミセ
チカスはS.ハイグロスコピカスとしての種の特徴を欠い
ていることが既にA.ダイエッツ(A.Dietz)によって197
6年に指摘されている。よって細菌命名規約により同亜
種をS.ネヤガワエンシスの異名(同種)とみなす。以上
の結果より、本菌株No.1478株をS.ネヤガワエンシス(S
treptomyces neyagawaensis)と同定する。
なお、本ストレプトミセス・ネヤガワエンシスNo.147
8株は、平成元年8月17日に工業技術院微生物工業技術
研究所に微工研菌案第10961号(FERM.P−10961)として
寄託された。
本発明の1478物質は、上記したストレプトミセス・ネ
ヤガワエンシスNo.1478株を通常の放線菌の培養条件で
培養した培養液から得ることができる。培養は表面培
養、深部培養のいずれによっても行なうことができ、ま
た培地も放線菌の培養に通常用いられるもののいずれを
用いても良い。このようにしてストレプトミセス・ネヤ
ガワエンシスNo.1478株を本発明の1478物質が得られる
までの数日、例えば3〜7日間培養した培養液より菌体
を遠心分離、過などの手段により除く。得られる培養
液を硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネ
シウムなどの公知の塩による通常の塩析などの方法によ
り選択的に高分子物質を沈澱させる。
例えば硫酸アンモニウムの場合は培養液に対して20
〜80重量%の量で加えられる。加える硫酸アンモニウム
は粉末状のものでもまたは溶液としたものでも良い。硫
酸アンモニウム20〜40重量%の添加で高分子物質の大部
分は沈澱し、60重量%の添加で小部分が更に沈澱し、80
重量%までの添加でより小部分の高分子物質が更に沈澱
する。そして20〜40重量%の添加で得られる高分子物質
のブレオマイシン群抗生物質に対する抗癌作用増強作用
活性は最も高い。
このようにして得られる高分子物質の区分を精製水、
あるいはリン酸緩衝液に溶解させ、リン酸緩衝液で平衡
化した高分子用陽イオン交換樹脂(例えばDEAE−セルロ
ース)を担体としたカラムに吸着させる。カラムをリン
酸緩衝液で洗浄した後、塩化ナトリウムを溶解したリン
酸緩衝液で活性区分を溶出させる。活性区分を透析、凍
結乾燥したのち、少量の精製水、あるいは緩衝液に溶解
させ、セフアクリルS−400(ファルマシア社製)ある
いはトヨパールHW−60F(東ソー社製)などのゲル過
クロマトグラフィーにより精製を行ない、更に活性区分
を高速液体クロマトグラフィー(カラム:ヒドロキシア
パタイト(東亜燃料社製高速液クロ用カラム7.5×100m
m))によって単一ピークとなるまで精製することによ
って本発明の1478物質を得ることができる。
このようにして得られた1478物質は、ブレオマイシン
群抗生物性、例えばブレオマイシン、ペプロマイシンの
抗癌作用を顕著に増強することが認められ、抗癌作用増
強剤として有用である。
以下に実施例によって1478物質の製造方法とその物
質、および得られた1478物質のブレオマイシン群抗生物
質に対する抗癌作用増強活性の測定の具体例を説明する
ことにする。
実施例 1 通常の斜面寒天培地で継代保存しておいたストレプト
ミセス・ネヤガワエンシスNo.1478株より菌体を一白金
耳で前培養用培地(溶性でんぷん1g、ポリペプトン1g、
肉エキス1g、廃糖蜜1g/100ml水道水、pH7.0/500ml三角
フラスコ)に移し、2日間28℃で振盪培養する。前培養
1mlを本培養培地(ぶどう糖2g、溶性でんぷん1g、大豆
粉2.5g、乾燥酵母0.4g、肉エキス0.1g、塩化ナトリウム
0.2g、リン酸2カリウム0.005g炭酸カルシウム0.3g/100
ml水道水、pH6.2/500ml三角フラスコ×80本)に移し、
5日間、28℃で振盪培養する。培養液より遠心分離によ
って菌体を除き、80%硫酸アンモニウムによって活性区
分を沈澱させる。沈澱を遠心分離によって集め、20mMリ
ン酸緩衝液(pH7.2)100mlに溶解させる。この溶液を、
あらかじめ前記緩衝液で平衡化しておいたDEAE−セルロ
ースカラム(2.5×48cm)に吸着させた後、200mlの同緩
衝液で洗浄後、0.3Mの塩化ナトリウムを溶解した20mMリ
ン酸緩衝液で活性区分を溶出させる。活性区分をセルロ
ースチューブにより2日間透析した後、凍結乾燥によ
り、粗活性物質を得る。これを少量の緩衝液(20mMリン
酸緩衝液、0.1M NaCl)に溶解し、セファクリルS−40
0(ファルマシア)のゲル過(1.8×93cm)により精製
を行なう。6mlずつ分取すると、15から18番目のフラク
ションに活性物質が現われる。この区分を透析後、凍結
乾燥を行なう。これを少量のリン酸緩衝液(10mM,pH6.
8)に溶解しヒドロキシアパタイトの高速液体クロマト
グラフィー(0.5ml/分、0.01M〜0.4Mリン酸緩衝液、30
分間で連続濃度勾配)で精製する。活性ピークを透析
後、凍結乾燥を行なう。(収量0.56mg) このようにして得られる1478物質の物性は次の通りで
ある。
1)比旋光度 ▲〔α〕25 D▼−10.2゜(c=0.1,精製水で測定) 2)紫外吸収スペクトル 第1図参照 3)溶剤に対する溶解性 水に可溶 エチルアルコール、アセトン等一般有機溶媒に不溶 4)性 状 淡黄色不定形粉末 5)分子量 本物質はセファロースCL−2Bを用いるゲル過クロ
マトグラフィー(1.8×93cmカラム、溶出液20mMリン酸
緩衝液pH7.0、0.1M NaCl)において広い分子量分布を示
す。(第2図参照) ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(4〜15%ゲル
濃度)を用いて平均分子量を1,000,000以上と算出した
(第3図参照)。ゲルプレートとして、第一化学薬品
(株)製の電気泳動用グラジェントゲルPAGプレート4/1
5を用いた。なお第3図において、中央に1478物質の試
料を置き、この試料の左右にマーカー蛋白のラクテート
ヒドロゲナーゼ(36,000)、アルブミン(67,000)、カ
タラーゼ(232,000)、フェリチン(440,000)およびサ
イログロブリン(660,000)を配置して電気泳動を行な
った。
ゲル過によりデキストランを標準物質として以下
の方法に従い平均分子量を3,000,000と算出した。(第
4図参照) 0.1M NaClを溶解した20mMリン酸緩衝液に懸濁したセ
ファロースCL−2B(ファルマシア)を内径1.8cmのカラ
ムに93cmの長さまで充填した。標準デキストラン2mg/0.
5ml緩衝液をカラムの上端にマウント後、同緩衝液で溶
出した。溶出液3mlずつを分取し、デキストラン量をフ
ェノール硫酸法で定量し、溶出フラクションを測定し
た。平均分子量208,000、487,000、2,000,000の各デキ
ストランについて行ない、検量線(分子量と溶出位置)
を作製した。その後、0.5mlの緩衝液に溶解した1478物
質を同様にカラムの上端にマウント後溶出し、溶出位置
(210mm吸光度)を測定した。前記検量線から、1478物
質の分子量を算出した。
6)構成成分 蛋 白 43%(Lowly法、ウシ血清アルブミン換算) 還元糖 51%(フェノール硫酸法、グルコース換算) よって本物質は糖蛋白化合物であると考えられる。
次にアミノ酸分析の結果を示す。本物質を常法に従
い、6N塩酸で加水分解した後の分析値を以下に示す。
アミノ酸 重量% アミノ酸 重量% Asp 11.01 Ile 2.95 Thr 10.01 Leu 6.35 Ser 7.85 Tyr 0.54 Glu 13.85 Phe 3.89 Gly 6.40 Lys 4.66 Ala 7.18 His 3.50 Cys 0.80 Arg 3.98 Val 4.18 Pro 11.84 Met 1.02 Trp − 構 成 糖 常法に従いメタノリシス、トリメチルシリル(TMS)
化を行なって、ガスクロマト分析を行なった。ガスクロ
条件は、OV−1(3%)−クロモゾルブW(ガスクロ工
業社製)の2メーターカラムを用い、140℃〜200℃、0.
5℃/分昇温にて1.5kg/cm2Nであった。結果は以下の通
り。
キシロース 5.36% マンノース 53.45% グルコース 41.19% 実施例 2 実施例1の操作と同様に、通常の斜面寒天培地で継代
保存しておいたストレプトミセス・ネヤガワエンシスN
o.1478株より菌体を一白金耳で前培養用培地(溶性でん
ぷん1g、ポリペプトン1g、肉エキス1g、廃糖蜜1g/100ml
水道水、pH7.0/500ml三角フラスコ)に移し、2日間28
℃で振盪培養する。前培養1mlを本培養培地(ぶどう糖2
g、溶性でんぷん1g、大豆粉2.5g、乾燥酵母0.4g、肉エ
キス0.1g、塩化ナトリウム0.2g、リン酸2カリウム0.00
5g炭酸カルシウム0.3g/100ml水道水、pH6.2/500ml三角
フラスコ×80本)に移し、6日間、28℃で振盪培養す
る。培養液より遠心分離によって菌体を除き、40%硫酸
アンモニウムによって活性区分を沈澱させる。沈澱を遠
心分離によって集め、20mMリン酸緩衝液(pH7.2)100ml
に溶解させる。この溶液を、あらかじめ前記緩衝液で平
衡化しておいたDEAE−セルロースカラム(2.5×48cm)
に吸着させた後、200mlの同緩衝液で洗浄後、0.3Mの塩
化ナトリウムを溶解した20mMリン酸緩衝液で活性区分を
溶出させる。活性区分をセルロースチューブにより2日
間透析した後、凍結乾燥により、粗活性物質を得る。こ
れを少量の緩衝液(20mMリン酸緩衝液、0.1M NaCl)に
溶解し、セファクリルS−400(ファルマシア)のゲル
過(1.8×93cm)により精製を行なう。6mlずつ分取す
ると、24から30番目のフラクションに活性物質が現われ
る。この区分を透析後、凍結乾燥を行なうと淡黄色粉末
の活性区分が得られる。これを少量の0.01Mリン酸緩衝
液に溶解しヒドロキシアパタイトの高速液体クロマトグ
ラフィー(0.5ml/分、0.01M〜0.2Mリン酸緩衝液、30分
間で連続濃度勾配)で精製する。活性ピークを透析後、
凍結乾燥を行なう。(収量0.74mg) このようにして得られる1478物質の物性は次の通りで
ある。
1)比旋光度 ▲〔α〕20 D▼−7.3゜(c=0.1,精製水で測定) 2)紫外吸収スペクトル(精製水中) 第5図参照 3)溶剤に対する溶解性 水に可溶 エチルアルコール、アセトン等一般有機溶媒に不溶 4)性 状 淡黄色不定型粉末 5)分子量 本物質はセファクリルS−400ゲル過クロマトグ
ラフィー(2.0×79cmのカラム、溶出液20mMリン酸緩衝
液;0.3M NaCl、pH7.5)において広い分子量分布を示
す。(第6図参照) ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(4〜15%ゲル
濃度)による平均分子量は、実施例1の場合と同様に1,
000,000以上であった。
ファルマシア製の高分子量用ゲル過分子量測定キ
ットを用いて、実施例1の5)−記載の方法に従い、
平均分子量を3,500,000と算出した(第7図参照)。但
し、標準物質としてアルドラーゼ(分子量、158,00
0)、カタラーゼ(分子量、232,000)、フェリチン(分
子量、440,000)、チログロブリン(分子量、669,000)
を用い、カラムとしてセファクリルS−400(2.0×79c
m、ファルマシア製)を用い、溶出液として0.3M塩化ナ
トリウムを溶解した20mMリン酸緩衝液(pH7.5)を用
い、また280nmの吸光度で溶出位置を測定した。
6)構成成分 蛋 白 71%(Lowly法、ウシ血清アルブミン換算) 還元糖 24%(フェノール硫酸法、グルコース換算) よって本物質は糖蛋白化合物であると考えられる。
次にアミノ酸分析の結果を示す。本物質を常法に従
い、6N塩酸で加水分解した後の分析値を以下に示す。
アミノ酸 重量% アミノ酸 重量% Asp 11.21 Ile 3.00 Thr 9.88 Leu 6.39 Ser 7.77 Tyr 0.50 Glu 13.88 Phe 3.83 Gly 6.42 Lys 4.73 Ala 7.21 His 3.55 Cys 0.85 Arg 4.01 Val 4.23 Pro 11.55 Met 0.99 Trp − 構 成 糖 常法に従いメタノリシス、トリメチルシリル(TMS)
化を行なって、ガスクロマト分析を行なった。ガラスク
ロ条件は、OV−1(3%)−クロモゾルブW(ガスクロ
工業社製)の2メーターカラムを用い、140℃〜200℃、
0.5℃/分昇温にて1.5kg/cm2Nであった。結果は以下の
通り。
キシロース 5.35% マンノース 53.50% グルコース 41.15% このようにして得られた1478物質について、そのブレ
オマイシン抗癌作用増強活性を次のようにして測定し
た。
実験例 1 マウス白血病細胞L1210 2×104個/ml培地(RPM1164
0(日水製薬)+10%FCS)に実施例1で得られた1478物
質1.0μg/mlを加え、同時にブレオマイシン(日本化
薬、注射用塩酸ブレオマイシン)を適量加える。3日
間、37℃、5%炭酸ガスの存在下、細胞を培養した後、
細胞数を計測する。なお、1478物質1.0μg/mlはL1210の
細胞増殖に影響をおよぼさない濃度である。
結果 ブレオマイシン 1478物質 細胞数 (μg/ml) (μg/ml) (%) 0 0 100 0 1 100 0.002 0 100 0.002 1 73 0.02 0 100 0.02 1 65 0.2 0 89 0.2 1 18 2.0 0 44 2.0 1 4 上に示したように1478物質はブレオマイシンの白血病
に対する細胞生育阻害作用を顕著に増強している。よっ
て、本物質はブレオマイシンの抗癌作用を強く増強する
と期待される。
実験例 2 この実験では、腫瘍細胞L1210、同P388、同Hela S3
よびKBの夫々に対するブレオマイシン(日本化薬 注射
用塩酸ブレオマイシン)の増殖阻害作用が実施例2で得
られた1478物質によってどのように増強されるかを調べ
た。
すなわち、種々の濃度のブレオマイシンを含む細胞培
養液を用意し、これに別に用意した細胞浮遊液を加え、
2×104/mlの細胞を含む細胞培養液を調製し、この細胞
培養液を37℃で4日間(L1210およびP388について)ま
たは5日間(Hela S3およびKBについて)培養し、培養
後生存細胞数を測定して50%阻害濃度を算出した。
同様に種々の濃度のブレオマイシンを含みかつ実施例
2で得られた1478物質を0.08mg/mlの濃度で含む細胞培
養液を用意し、これに別に用意した細胞浮遊液を加え2
×104/mlの細胞を含む細胞培養液を調製し、ブレオマイ
シンの50%阻害濃度を算出した。なお、この実験で細胞
培養液に加えた1478物質は0.08μg/mlの濃度ではそれ単
独では各細胞の増殖に影響を与えない濃度である。
この実験の結果は次の表4に示す。
表4から明らかなように1478物質は種々の腫瘍細胞に
対してブレオマイシンの作用を約10倍増強することが認
められた。
実験例 3 実施例2で得られた1478物質のペプロマイシンに対す
る作用増強活性を調べた。
実験例2と同様に種々の濃度のペプロマイシン(日本
化薬 注射用硫酸ペプロマイシン)を含む細胞培養液を
用意し、これに別に用意したL1210細胞の浮遊液を加え
て2×104/mlの細胞を含む細胞培養液を調製し、37℃で
4日間培養後生存細胞数を測定して50%阻害濃度を算出
した。
同様に種々の濃度のペプロマイシンを含みかつ実施例
2で得られた1478物質を0.08μg/mlの濃度で含む培養液
についてのペプロマイシンの50%阻害濃度を求めた。な
お1478物質は0.08μg/mlの濃度ではそれ単独では細胞の
増殖に影響を与えない。
この実験の結果、L1210細胞に対してペプロマイシン
単独では50%阻害濃度は0.54μg/mlであったが、1478物
質の存在下では50%阻害濃度は0.019μ/mlであること
が分った。すなわち、1478物質はL1210細胞に対してペ
プロマイシンの作用を0.54/0.019=28.4倍増強すること
が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた1478物質の紫外吸収スペク
トルを示し、第2図は同1478物質のゲル過クロマトグ
ラフィーの結果を示し、第3図はポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法による同1478物質の分子量決定方法を示す
写真であり、第4図はゲル過クロマトグラフィーによ
る同1478物質の分子量決定方法を示し、第5図は実施例
2で得られた1478物質の紫外吸収スペクトルを示し、第
6図は同1478物質のゲル過クロマトグラフィーの結果
を示し、第7図はゲル過クロマトグラフィーによる同
1478物質の分子量決定方法を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/00 C12R 1:465)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストレプトミセス・ネヤガワエンシスの培
    養によって得られ、デキストランを標準物質としたゲル
    濾過分子量測定による平均分子量3,000,000またはアル
    ドラーゼ、カタラーゼ、フェリチンおよびチログロブリ
    ンを標準物質としたゲル濾過分子量測定による平均分子
    量3,500,000を有し、蛋白質、還元糖を含み、水に可溶
    でエチルアルコールおよびアセトンに不溶であり、下記
    のアミノ酸組成および糖組成を有し、ブレオマイシン群
    抗生物質の抗癌作用増強作用を有する糖蛋白化合物。 アミノ酸組成:アミノ酸 重量% アミノ酸 重量% Asp 11.0〜11.2 Ile 2.9〜 3.0 Thr 9.9〜10.0 Leu 6.3〜 6.4 Ser 7.8〜 8.0 Tyr 0.5 Glu 13.8〜13.9 Phe 3.8〜 3.9 Gly 6.4 Lys 4.7〜 4.8 Ala 7.2 His 3.5〜 3.6 Cys 0.8〜 0.9 Arg 4.0〜 4.1 Val 4.2 Pro 11.5〜11.8 Met 1.0 Trp − 糖組成: キシロース 3.5〜 5.4重量% マンノース 53.5〜56.2重量% グルコース 40.3〜41.2重量%
  2. 【請求項2】請求項1記載の糖蛋白化合物からなる、ブ
    レオマイシン群抗生物質の抗癌作用増強剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109224123A (zh) * 2018-10-11 2019-01-18 成都迪康中科生物医学材料有限公司 具有抑制肿瘤作用的纳米羟基磷灰石复合材料及制备方法

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