JP3052278B2 - 配線用銅薄膜の形成方法とそれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

配線用銅薄膜の形成方法とそれを用いた半導体装置の製造方法

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JP3052278B2 JP6274630A JP27463094A JP3052278B2 JP 3052278 B2 JP3052278 B2 JP 3052278B2 JP 6274630 A JP6274630 A JP 6274630A JP 27463094 A JP27463094 A JP 27463094A JP 3052278 B2 JP3052278 B2 JP 3052278B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は配線用銅薄膜の形成方法
およびそれを用いた半導体装置の製造方法に係り、特に
CVD(化学気相成長)法により、銅薄膜を高堆積速度
で、凹凸が小さく平滑で、膜質の良好な配線用銅薄膜を
形成することができ、半導体集積回路の配線形成に好適
に用いられる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体集積回路において、アル
ミニウムに代わる配線材料として、電気抵抗が低くマイ
グレーション耐性を有する銅が注目されている。CVD
法による銅膜の形成方法は、スパッタリング法による銅
膜の形成に比べ、断差や溝、あるいは穴における被覆特
性に優れ、銅配線が目標とするディープサブミクロンパ
ターンルールにおけるプロセス技術に要求される性能を
満たしている。銅の化学気相成長法に用いられる原料物
質は、室温で液体である銅の1価のヘキサフロロアセチ
ルアセトナトをオレフィンまたはアルキンとの結合で化
学的に安定した構造を有する錯体を、半導体製造プロセ
スに導入した場合に優れた制御性および安定性を示すこ
とが報告されている〔J.A.T.Norman,B.A.Muratore,P.N.
Dyer,D.A.Roberts、and A.K.Hoschberg,IEEE VLSI Mult
ilevel inter connection Conf.,p.123(1991)、N.Awa
ya and Y.Arita,Dig.Tech.Pap.(1993)Symp.VLSI Tech
nol.p.125、A.V.Gelatos,S.Poon,R.Marsh,C.J.Mogab an
d M.Thompson,Dig.Tech.Pap.(1993)Symp.VLSI Tchno
l.,p.123〕。上記銅の1価のヘキサフロロアセチルアセ
トナトをオレフィンまたはアルキンと結合した構造の錯
体を原料として用いた化学気相成長反応において、キャ
リアガスとしてアルゴンや窒素などの不活性ガスを用い
た場合には、基板表面でオレフィンまたはアルキンが解
離した後、銅の1価のヘキサフロロアセチルアセトナト
2分子の不均化反応により、銅1原子の析出と、銅の2
価のヘキサフロロアセチルアセトナト分子の脱離により
銅の堆積反応が進行するものと考えられている。また、
銅は絶縁膜との密着性が弱く、銅薄膜の剥離が起き易
く、またシリコン酸化膜中を拡散してデバイスに悪影響
を与えるため、拡散バリア性を持つタンタル、窒化チタ
ン等の高融点金属を中間層として用いている。化学気相
成長は、堆積しようとする基板表面の性質に敏感で、形
成する膜のモフォロジーは下地の金属に大きく依存され
る。また、膜形成のプロセスの自由度を高めるために
は、下地金属の種類に係わらず良好な膜質の銅の堆積が
望ましい。高融点金属上に、銅の化学気相成長膜を、良
好な膜質で堆積させるためにヘキサフロロアセチルアセ
トンを添加する方法が提案されている〔J.A.T.Notman,A
dvanced Metallizationfor ULSI Application(199
3)〕。これは、基板上でヘキサフロロアセチルアセト
ンが上記の反応を促進し、特に初期の核形成密度を増大
させることから基板表面に凹凸が小さく平滑で良質の銅
膜が形成されるものと考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来技
術において、CVD法による銅膜の形成において、原料
物質として室温で液体である銅の1価のヘキサフロロア
セチルアセトナトをオレフィンまたはアルキンとの結合
で安定した構造を持つ錯体と、キャリアガスとして不活
性ガスを用いた場合、あるいは銅ヘキサフロロアセチル
アセトナト−トリメチルビニルシランとヘキサフロロア
セチルアセトンを原料ガスとして用いた場合においも、
凹凸が小さく平滑で膜質の良好な銅膜が形成されること
が知られている。しかし、銅膜の堆積速度が遅いという
問題があった。本発明者らは上記の問題を解決するため
に、原料ガスとして、上記の銅ヘキサフロロアセチルア
セトナト−トリメチルビニルシランと還元性のある水素
をキャリアガスとして用いた場合と、不活性ガスを用い
た場合の銅の堆積速度を比較した結果、化学気相成長を
行う反応室の圧力が20Torr(mmHg)以上の比
較的高い水素雰囲気中では、不活性ガスをキャリアガス
に用いた場合よりも銅の堆積速度が速くなることを見い
だした。これは、半導体基板表面に吸着されて起こる不
均化反応と平行して、銅の1価のヘキサフロロアセチル
アセトナト−トリメチルビニルシラン分子が水素により
直接還元される銅の還元反応が進行して、銅の析出効率
が向上したものであると考えられる。したがって、銅薄
膜の化学気相成長法において、銅の堆積速度を速くし
て、原料物質の消費効率を向上するためには、水素をキ
ャリアガスとして用いることが望ましい。一方、下地金
属の種類にかかわらず良好な膜質の銅を得るためには、
ヘキサフロロアセチルアセトンをキャリアガスに添加す
ることが望ましい。従来のヘキサフロロアセチルアセト
ンの添加は、不活性ガスを用いた場合のみであるので、
本発明者らは水素をキャリアガスとして、これにヘキサ
フロロアセチルアセトンを添加した系における実験を試
みた。その結果、不活性ガスをキャリアガスとして用い
た場合と同様に良好な膜質の銅が高融点金属上に堆積さ
れたが、銅の堆積速度は水素ガスを単独で用いた場合の
ような高堆積速度は得られなかった。これは、水素ガス
に添加したヘキサフロロアセチルアセトンが触媒となっ
て不均化反応を増速し、この不均化反応が反応系の主反
応となって、水素による還元反応は抑制され、不均化反
応による銅析出効率は、水素単独の場合の還元反応系の
銅析出効率よりも劣るため、水素をキャリアガスとして
用いた場合のような速い銅の堆積速度は得られなかった
ものと思われる。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解消し、化学気相成長法により配線用銅薄膜の形
成方法において、凹凸が小さく平滑で、電気的特性が良
く、膜質の良好な銅薄膜を速い堆積速度で得ることがで
き、かつ原料物質の消費効率が良好な銅薄膜の形成方法
およびそれを用いた半導体装置の製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載されたよう
な構成とするものである。すなわち、本発明は請求項1
に記載のように、任意の半導体基板上に、化学気相成長
法により平滑で膜質の良好な銅薄膜を高堆積速度で成膜
する配線用銅薄膜の形成方法であって、上記銅薄膜の形
成の初期段階において、原料ガスとして銅ヘキサフロロ
アセチルアセトナト−トリメチルビニルシランとヘキサ
フロロアセチルアセトンとの混合ガスを用いて化学気相
成長を行い、初期の核形成密度を増大して凹凸が小さく
平滑で膜質の良好な銅薄膜を形成する第1の工程と、次
に、上記原料ガスを銅ヘキサフロロアセチルアセトナト
−トリメチルビニルシランと水素との混合ガスに切り換
えて、高堆積速度で銅薄膜の化学気相成長を行う第2の
工程を、少なくとも用いる配線用銅薄膜の形成方法とす
るものである。また、本発明は請求項2に記載のよう
に、任意の半導体基板上に、化学気相成長法により平滑
で膜質の良好な銅薄膜を高堆積速度で成膜する配線用銅
薄膜の形成方法であって、上記銅薄膜の形成の初期段階
において、原料ガスとして銅ヘキサフロロアセチルアセ
トナト−トリメチルビニルシランとヘキサフロロアセチ
ルアセトンと水素との混合ガスを用いて化学気相成長を
行い、初期の核形成密度を増大して凹凸が小さく平滑で
膜質の良好な銅薄膜を形成する第1の工程と、引き続
き、上記原料ガス中のヘキサフロロアセチルアセトンの
供給を停止して、原料ガスを銅ヘキサフロロアセチルア
セトナト−トリメチルビニルシランと水素との混合ガス
となし、高堆積速度で銅薄膜の化学気相成長を行う第2
の工程を、少なくとも用いる配線用銅薄膜の形成方法と
するものである。また、本発明は請求項3に記載のよう
に、請求項1または請求項2において、任意の半導体基
板の絶縁膜上に、所望の配線パターンに対応した所定形
状の凹部を設け、その上に銅薄膜を堆積するものであ
る。また、本発明は請求項4に記載のように、請求項3
において、絶縁膜上に所望の配線パターンに対応して形
成した所定形状の凹部の表面に、拡散バリア性を持つ中
間層として、タンタル、窒化チタン等からなる高融点金
属または合金層を設け、その上に銅薄膜を堆積するもの
である。また、本発明は請求項5に記載のように、請求
項1ないし請求項4のいずれか1項において、原料ガス
である銅ヘキサフロロアセチルアセトナト−トリメチル
ビニルシランは室温で液体であり、化学的に安定した構
造を有するオレフィンもしくはアルキンと結合した銅の
1価のヘキサフロロアセチルアセトナト錯体を用いるも
のである。さらに、本発明は請求項6に記載のように、
銅を配線主材料として用いる半導体装置の製造方法であ
って、任意の半導体基板に形成された絶縁膜上に、配線
パターンに対応する溝または穴を、異方性ドライエッチ
ングにより形成する工程と、タンタルまたは窒化チタン
等の高融点金属あるいは合金膜を基板全面に堆積して、
基板の平坦部、および溝または穴の底面および側面を、
上記高融点金属膜により被覆する工程と、銅の化学気相
成長法として、オレフィンと結合した銅の1価のヘキサ
フロロアセチルアセトナト錯体を原料ガスとし、これに
ヘキサフロロアセチルアセトンを添加した水素をキャリ
アガスとして用いて反応室の基板上に導入し化学気相成
長を行って、初期の核形成密度を増大することにより凹
凸が小さく平滑で膜質の良好な銅薄膜の形成をはかる第
1の銅薄膜の形成工程と、引き続き、上記原料ガス中の
ヘキサフロロアセチルアセトンの供給を停止して、水素
ガスのみをキャリアガスとして用いて、銅の1価のヘキ
サフロロアセチルアセトナト錯体を反応室の基板上に導
入し、不均化反応と共に水素還元反応を平行して起こさ
せることにより高堆積速度で第2の銅薄膜を形成し、上
記絶縁膜上に形成した溝または穴に銅を堆積する工程
を、少なくとも用いる半導体装置の製造方法である。
【0006】
【作用】本発明の配線用銅薄膜の形成方法および半導体
装置の製造方法は、請求項1に記載のように、CVD法
において、銅薄膜の膜質を決定する要因は、薄膜形成初
期の核形成密度に依存することから、銅薄膜形成の初期
段階において、原料ガスである銅の1価のヘキサフロロ
アセチルアセトナト−トリメチルビニルシランに、ヘキ
サフロロアセチルアセトンを添加して、銅薄膜を形成す
る基板表面の核形成密度を増大させ、それにより堆積さ
れる銅薄膜の凹凸を小さくして平滑で良好な膜質の銅膜
が得られるようにし(第1の工程)、次に、ヘキサフロ
ロアセチルアセトンの供給を停止し、上記の銅ヘキサフ
ロロアセチルアセトナト−トリメチルビニルシランに水
素を添加して、基板表面における原料ガスの不均化反応
と水素による還元反応を平行して行わせることにより
(第2の工程)、銅の堆積速度を大きくし、これにより
表面形状が平滑で、電気的特性の良い膜質が良好な銅薄
膜が形成できると共に、原料ガスの消費効率を良くする
ことが可能な優れた効果を有するものである。また、請
求項2に記載のように、銅薄膜を形成する基板表面の核
形成密度を増大させる工程として、原料ガスである銅の
1価のヘキサフロロアセチルアセトナト−トリメチルビ
ニルシランと、ヘキサフロロアセチルアセトンと、これ
に最初から水素を添加した混合ガス用いても、上記請求
項1と同様の良好な膜質の銅薄膜が得られることを知見
し、これを第1の工程となし、次に、ヘキサフロロアセ
チルアセトンの供給を停止して、銅ヘキサフロロアセチ
ルアセトナト−トリメチルビニルシランと水素の混合ガ
スとすることにより(第2の工程)、高堆積速度で、表
面形状が平滑で、電気的特性が良く膜質の良好な銅薄膜
を、原料ガスの消費効率良く形成できる効果がある。そ
して、上記請求項2の配線用銅薄膜の形成方法におい
て、通常の場合は、第1の工程より第2の工程のほうが
反応系の圧力が高いため、第1の工程から、引き続き、
第2の工程に切り換えて銅の化学気相成長を行う場合
に、第1の工程で用いるヘキサフロロアセチルアセトン
の流量が反応系全体から見ると極めて少量であるので、
これの供給を停止しても反応系の圧力変動はほとんどな
く、したがって圧力バランス等の特別の操作を必要とす
ることなく、直ちに第2の工程に移行することができ、
銅薄膜の形成能率の向上をはかることができる。例え
ば、CVD系の全圧が40Torr(mmHg)程度
で、水素の供給流量が1000cc(cm3)/mi
n、原料ガス(銅ヘキサフロロアセチルアセトナト−ト
リメチルビニルシラン)と添加ガス(ヘキサフロロアセ
チルアセトン)は、おおよそ5cc/minから20c
c/min程度である。すなわち、反応室内の圧力は、
ほとんど水素ガスの供給量と、その排気量により決定さ
れる。このことから、キャリアガスを不活性ガスから水
素カスに切り換える場合には、圧力を調整して反応系の
圧力が安定化するまでにはかなりの時間を必要とする
が、添加ガス(ヘキサフロロアセチルアセトン)のオン
−オフ制御では反応系の圧力変動にほとんど影響を及ぼ
すことがないので、即座に条件の切り換えを行うことが
できる。また、請求項3または請求項4に記載のよう
に、半導体基板の絶縁膜上には、所望の配線パターンに
対応した凹部を形成し、この凹部の表面には、形成する
配線パターンの拡散を防止するためのタンタルや窒化チ
タン等の高融点金属もしくは合金からなる拡散バリア層
を設けるものである。また、請求項5に記載のように、
原料ガスとしては、室温で液体であり、化学的に安定し
た構造を持つ、オレフィンもしくはアルキンと結合した
銅の1価のヘキサフロロアセチルアセトナト錯体を用い
ることにより、原料ガスの安定した供給制御を行うこと
ができる。また、請求項6に記載のように、本発明の配
線用薄膜の形成方法を半導体集積回路の配線形成に適用
することにより、表面形状および電気的特性の良好な配
線パターンを迅速に、かつ原料物質の消費効率良く形成
することが可能となり、銅配線の性能と製造プロセスの
効率を著しく向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いて
さらに詳細に説明する。図1に本実施例で用いた化学気
相成長(CVD)装置の構成の一例を示す。このCVD
装置は、本発明らによる先願(特願平05−07291
4号)において用いた構成に、ヘキサフロロアセチルア
セトン〔H(hfac)〕の導入系を加えたものであ
る。図1において、反応室1は、排気口2を通して、排
気系(図示せず)により排気が可能である。試料基板4
を、基板ホルダ3上に保持する。ヒータ5が基板ホルダ
3に内蔵され、試料基板4を所定の温度に加熱すること
ができる。銅のCVDの原料である液体原料7(例え
ば、銅の1価のヘキサフロロアセチルアセトナトに、ト
リメチルビニルシリル等の電子供与性のリガンドを付加
したもの)を収納する原料容器6が反応室1の外側に設
置している。反応室1において、基板ホルダ3に対向す
るガス噴射板8は、流量センサ10と、制御バルブおよ
び蒸発器11により構成される市販の減圧用液体マスフ
ローコントローラ9を介して、原料容器6に連結されて
いる。原料容器6および流量センサ10は室温に設定
し、制御バルブおよび蒸発器11は、恒温槽12に内蔵
し、所定の温度に加熱制御することができる。液体原料
7の供給を安定して良好に行えるように、原料容器6内
にはヘリウムガスによって加圧し、流量センサ10へ所
定量の液体原料が供給できるように構成されている。ま
た、制御バルブおよび蒸発器11は、キャリアガスを供
給するマスフローコントローラ14と、ヘキサフロロア
セチルアセトンを供給するマスフローコントローラ15
にも連結されている。一方、ガス噴射板8は、熱交換器
13からのオイル循環により所定の温度に保持される。
原料は液体状態で流量センサ10を通過し、制御バルブ
を通過した後に蒸発し、キャリアガスと共に反応室1に
送られ、試料基板4上で熱分解され銅膜が堆積される。
図2は、キャリアガスとしてアルゴンを用いた場合(○
印)と、水素を用いた場合(●印)の銅の堆積速度を比
較して示したもので、縦軸に基板温度の逆数(1/10
00K)、横軸に堆積速度(nm/min)を示す。図
から明らかなように、水素をキャリアガスとして用いた
場合は、すべての温度において銅の堆積速度が大きく優
れていることを示している。図3(a)〜(e)は、本
発明の配線用銅薄膜の形成方法を用いて半導体装置の銅
多層配線パターンを形成する過程を示す工程図である。
図3(a)は、トランジスタの所定の段階まで作製過程
を終えた後の半導体基板20上の層間絶縁膜21に、配
線パターンの反転パターンであるレジストパターンを形
成した後、通常の異方性ドライエッチングにより層間絶
縁膜21を加工して溝22を形成した状態を示す。次
に、通常のスパッタリング法またはCVD法で溝22を
形成した層間絶縁膜21上に、銅配線パターンの拡散バ
リア性を持つ、タンタルまたは窒化チタンからなる高融
点金属23を堆積させた〔図3(b)〕。ついで、図3
(c)に示すように、原料物質として、銅の1価のヘキ
サフロロアセチルアセトナトにトリメチルビニルシリル
を付加したものを用い、これを0.5g/minの流量
に調整し、キャリアガスとして水素を1000cc(c
3)/min、およびヘキサフロロアセチルアセトン
を5cc/minを加えて反応室の試料基板上に導入
し、反応室内の全圧力を40Torr(mmHg)、試
料基板温度を180℃にして、1分間、銅を化学気相成
長させ約30nmの初期形成銅膜24を堆積させた。次
に、図3(d)に示すように、上記反応室への供給物質
のうち、ヘキサフロロアセチルアセトンの供給を停止
し、引き続き、銅を化学気相成長させて毎分50nmの
高堆積速度で銅を堆積し、溝22を銅層25により充填
した。そして、図3(e)に示すように、通常の化学機
械研磨方法で銅層25を研磨して溝22部の銅を残すこ
とにより、銅配線パターン26を形成させた。形成した
配線パターンは、凹凸が小さく平滑で、膜質が良く、電
気特性の良好な配線パターンを効率良く得ることができ
た。
【0008】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の配
線用銅薄膜の形成方法によれば、凹凸が小さく平滑で、
膜質の良好な銅薄膜を、高堆積速度で得られるので、こ
れを半導体集積回路の多層配線の形成に適用することに
より、高性能で信頼性の高い半導体装置を生産性よく製
造することができ、LSI等の生産ラインにおいて技術
的および経済的に顕著な進歩が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた化学気相装置の
構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施例において例示したキャリアガス
として水素またはアルゴンガスを用いた場合の銅の堆積
速度と温度トの関係を比較して示すグラフ。
【図3】本発明の実施例において例示した半導体集積回
路の銅多層配線形成の過程を示す工程図。
【符号の説明】
1…反応室 2…排気口 3…基板ホルダ 4…試料基板 5…ヒータ 6…原料容器 7…液体原料 8…ガス噴射板 9…液体マスフローコントローラ 10…流量センサ 11…蒸発器 12…恒温槽 13…熱交換器 14…キャリアガスを供給するマスフローコントローラ 15…ヘキサフロロアセチルアセトンを供給するマスフ
ローコントローラ 20…半導体基板 21…層間絶縁膜 22…溝 23…高融点金属 24…初期形成銅膜 25…銅層 26…銅配線パターン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−256950(JP,A) 特開 平6−236879(JP,A) 特開 平6−140401(JP,A) 特開 平6−151410(JP,A) 特開 平7−86278(JP,A) 特開 平4−214867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/285 C23C 16/18 H01L 21/3205

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意の半導体基板上に、化学気相成長法に
    より平滑で膜質の良好な銅薄膜を高堆積速度で成膜する
    配線用銅薄膜の形成方法であって、 上記銅薄膜の形成の初期段階において、原料ガスとして
    銅ヘキサフロロアセチルアセトナト−トリメチルビニル
    シランとヘキサフロロアセチルアセトンとの混合ガスを
    用いて化学気相成長を行い、初期の核形成密度を増大し
    て凹凸が小さく平滑で良質の銅薄膜を形成する第1の工
    程と、 次に、上記原料ガスを銅ヘキサフロロアセチルアセトナ
    ト−トリメチルビニルシランと水素との混合ガスに切り
    換えて、高堆積速度で銅薄膜の化学気相成長を行う第2
    の工程を、少なくとも用いることを特徴とする配線用銅
    薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】任意の半導体基板上に、化学気相成長法に
    より平滑で膜質の良好な銅薄膜を高堆積速度で成膜する
    配線用銅薄膜の形成方法であって、 上記銅薄膜の形成の初期段階において、原料ガスとして
    銅ヘキサフロロアセチルアセトナト−トリメチルビニル
    シランとヘキサフロロアセチルアセトンと水素との混合
    ガスを用いて化学気相成長を行い、初期の核形成密度を
    増大して凹凸が小さく平滑で良質の銅薄膜を形成する第
    1の工程と、 引き続き、上記原料ガス中のヘキサフロロアセチルアセ
    トンの供給を停止して、原料ガスを銅ヘキサフロロアセ
    チルアセトナト−トリメチルビニルシランと水素との混
    合ガスとなし、高堆積速度で銅薄膜の化学気相成長を行
    う第2の工程を、少なくとも用いることを特徴とする配
    線用銅薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、任意の
    半導体基板の絶縁膜上に、所望の配線パターンに対応し
    た所定形状の凹部を形成し、該凹部上に銅薄膜の形成を
    行うことを特徴とする配線用銅薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、絶縁膜上の所望の配線
    パターンに対応して形成した所定形状の凹部の表面に、
    拡散バリア性を持つ高融点金属または合金からなる中間
    層を形成し、該中間層上に銅薄膜の形成を行うことを特
    徴とする配線用銅薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    おいて、原料ガスとして用いる銅ヘキサフロロアセチル
    アセトナト−トリメチルビニルシランは、室温で液体
    で、化学的に安定した構造持つオレフィンもしくはアル
    キンと結合した銅の1価のヘキサフロロアセチルアセト
    ナト錯体であることを特徴とする配線用銅薄膜の形成方
    法。
  6. 【請求項6】銅を配線主材料として用いる半導体装置の
    製造方法において、 任意の半導体基板に形成された絶縁膜上に、所望の配線
    パターンに対応する溝または穴を、異方性ドライエッチ
    ングにより形成する工程と、 タンタルまたは窒化チタンの高融点金属膜を基板全面に
    堆積して、基板の平坦部、および溝または穴の底面およ
    び側面を、上記高融点金属膜により被覆する工程と、 銅の化学気相成長法として、オレフィンと結合した銅の
    1価のヘキサフロロアセチルアセトナト錯体を原料ガス
    とし、これにヘキサフロロアセチルアセトンを添加した
    水素をキャリアガスとして用い、反応室の基板上に導入
    して化学気相成長を行って、初期の核形成密度を増大し
    て凹凸の小さい平滑で、膜質の良好な銅薄膜の形成を行
    う第1の銅薄膜の形成工程と、 引き続き、上記原料ガス中のヘキサフロロアセチルアセ
    トンの供給を停止して、水素ガスのみをキャリアガスと
    して上記銅の1価のヘキサフロロアセチルアセトナト錯
    体を反応室の基板上に導入して、不均化反応と共に水素
    還元反応を平行して起こさせることにより高堆積速度で
    第2の銅薄膜を形成し、上記絶縁膜上に形成した溝また
    は穴に銅を堆積する工程を、少なくとも用いることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
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