JP3052078U - 反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の集成合板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 従来より反り、狂いのある合板、特にＬＶＬ
合板を簡易な方法で組み合わせ、従来からの接着方法で
接着することにより、反り、狂いの少ない堅牢で強固な
広巾の板を作る。 【解決手段】 板目の単材を並行方向で上下方向に積層
した板目合板（ＬＶＬ合板）を前後方向の複数条に切断
して複数本の合板角材を作り、該各合板角材を夫々９０
度回転させてＬＶＬ合板の積層部分が上面なるように接
着加工した集成合板６を２枚作成し、それらを９０度異
ならしめて重合接着するか、あるいは作成した集成合板
６から適宜三角形の挽板４枚を作り、これをマス張り構
造に繊維方向を変えて四角形に接着加工し、その表裏両
面に化粧板を貼付する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、反り及び狂いの少ない広巾の板を作成することを目的に考案したも のであって、反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の集成合板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

反らない狂いのない木材の広巾の板は極めて少ない。このため従来は厚い合板 あるいは狭い小割した板を作り、夫々の持つ反撥力を組み合わせ接着させた板（ 長さ方向には良いが巾方向には反り、狂い、ひび割れなどの欠点を残す。）、木 材を粉末にしてそれを接着剤などで固めたＭＤＦ合板（これには釘、ビスなどが 効き難い欠点を持つ。）、又は一般に広く利用されているフラッシュ加工（木材 を狭く細く小割した板を定寸にカットして合板若しくは特にＭＤＦ合板を両面に 接着したものがある。これは反りの防止と軽量化はできたが使用する場所によっ ては重量感と遮音の点に問題を残す。）した板がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来云われてきた合板若しくは特にＬＶＬ合板が持つ反り、狂いなど が有ると云う弱点を持つ板を簡易な方法で組み合わせ、従来からある接着方法を 利用することにより、反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の板を作ることを課 題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その要旨と するところは、板目の単材を並行方向で上下方向に積層した板目合板（ＬＶＬ合 板）を前後方向の複数条に切断して複数本の合板角材を作り、該各合板角材を夫 々９０度回転させてＬＶＬ合板の積層部分が上面になるように接着加工した集成 合板を２枚作成し、該集成合板を９０度異ならしめて重合接着し、その片面もし くは両面に化粧板等を接着して成る反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の集成 合板をつくるものである。

【０００５】 そして本考案の他の一つは、作成した集成合板から適宜三角形の挽板４枚作成 し、これをマス張り構造に繊維方向を変えて四角形に接着加工し、その表裏両面 に化粧板を貼付して成る請求項１記載の反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の 集成合板をつくるものである。また内部に三角形を使う事に依りより強固な板と なる。 次に本考案を以下実施例において図面を参照にしながら説明する。

【０００６】

【実施例１】 先ず、図１の１は板目２の単板を並行方向で上下方向に積層した板目合板（Ｌ ＶＬ合板）である。そこでこの板目合板（ＬＶＬ合板）１を切断線３によって、 図２のように前後方向に複数条に切断して複数本の合板角材４ａ〜４ｆを作る。 そして該各合板角材４ａ〜４ｆを図２の５のように夫々９０度回転させて図３の ように板目合板（ＬＶＬ合板）の積層部分が上面になるようにする。そして図４ のように接着加工した集成合板６をつくり、さらにこの集成合板６を２枚、図５ のように９０度異ならしめて、図６のように重合接着し、その片面もしくは両面 に化粧板９等を接着する。尚、図４における集成合板６の状態で、図９のように 鋸溝１１を入れることにより合板の軽量化，堅牢化がはかれる。

【０００７】

【実施例２】 実施例１で作成した集成合板６から、図７のように４枚並べたとき四角形にな るようにした三角形の挽板７を作る。これを繊維方向を互いに異ならしめ、マス 張り構造８になるように並べ、三角形の挽板７の接する部分を接着加工して、四 角形の集成合板１０を作り、その表裏面に合板若しくはＭＤＦの化粧合板９等を 貼る。

【０００８】 実施例１，２の合板と従来のＬＶＬ合板のＬＶＬ反り試験を行い、その結果を 表１に示す。実験条件を以下に示す。 温度 ４０℃、湿度 ９０％、２４時間後測定 →温度 ４０℃、湿度 ３０％、２４時間後測定

【０００９】

【表１】

【００１０】 さらに表１の結果を図１０のような図表に示した。

【００１１】

【考案の効果】

実施例１において作られた集成合板６は、ＬＶＬ合板の積層部分を上面にした ために、図４におけるＡ−Ｂの長さ方向には極めて曲げ強度のある合板となるが 、１枚であるためにＢ−Ｃの巾方向については依然として曲げ強度が弱いままで ある。そこで、この集成合板６を２枚、９０度異ならしめて重合接着することに より、Ｂ−Ｃ巾方向の弱点はなくなり、Ａ−Ｂ、Ｂ−Ｃ両方向の強度がより一層 増した。実施例２においては、図７の様にマス張り構造８にしたために、集成合 板６のＢ−Ｃ巾方向の弱点がなくなり、Ｄ−Ｅの長さ方向、Ｅ−Ｆの巾方向双方 の強度が増した。よって、従来の反り、狂いの大きい合板、特にＬＶＬ合板を本 考案のように簡易な方法で組み合わせ接着することにより、本来木材が持つ特質 、古代から現在まである人と木の関わり（優しさと安らぎの共有）を大事にした 広巾で、より一層反り、狂いの少ない堅牢で強固な広巾の集成合板を作ることが できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の板目合板（ＬＶＬ合板）の斜視図であ
る。

【図２】従来の板目合板から合板角材を挽いた状態の斜
視図である。

【図３】従来の合板角材を夫々９０度回転させた状態の
斜視図である。

【図４】本考案の実施例１の合板角材集成合板の斜視図
である。

【図５】図４における合板を９０度異ならしめて、２枚
重ねた斜視図である。

【図６】本考案の請求項１の集成合板の斜視図である。

【図７】本考案のマス張り合板の斜視図である。

【図８】本考案の集成合板の完成斜視図である。

【符号の説明】

１ 板目合板（ＬＶＬ合板） ２ 板目 ３ 切断線 4a〜4f 合板角材 ５ 回転方向 ６ 集成合板 ７ 挽板 ８ マス張り構造 ９ 化粧合板 10 集成合板 11 鋸溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板目２の単板を並行方向で上下方向で積
   層した板目合板（ＬＶＬ合板）１を切断線３によって前
   後方向に複数条に切断して複数本の合板角材４ａ〜４ｆ
   を作り、該各合板角材４ａ〜４ｆを夫々９０度回転させ
   て、ＬＶＬ合板の積層部分を上面になるように接着加工
   した集成合反６を２枚作成し、該集成合反６、６を９０
   度異ならしめて重合接着し、その片面もしくは両面に化
   粧板９等を接着して成る反り、狂いの少ない堅牢で強固
   な広巾の集成合板。
2. 【請求項２】 作成した集成合板６から適宜三角形の挽
   板７を４枚作り、これをマス張り構造８に繊維方向を変
   えて四角形に接着加工し、その表裏両面に化粧板９等を
   貼付して成る請求項１記載の反り、狂いの少ない堅牢で
   強固な広巾の集成合板。