JP3051692B2 - 新規なこし器 - Google Patents

新規なこし器

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JP3051692B2
JP3051692B2 JP9083493A JP8349397A JP3051692B2 JP 3051692 B2 JP3051692 B2 JP 3051692B2 JP 9083493 A JP9083493 A JP 9083493A JP 8349397 A JP8349397 A JP 8349397A JP 3051692 B2 JP3051692 B2 JP 3051692B2
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賢三 相川
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賢三 相川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なこし器に関
し、より詳しくは油や水などの流体中から異物を濾すた
めに用いられる新規なこし器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】たとえば船舶などの内
燃機関には燃料やエンジンオイル、冷却水がそれぞれの
箇所に供給されるが、これら流体はこし器によって異
物,不純物を除去した後、エンジンなどに供給される。
こし器のフィルターが異物などによって目詰まりを生じ
て供給量が減少すると、出力の低下やオーバーヒートな
どの原因にもなるため、定期的にあるいは目詰まりの状
態を随時チェックして、フィルターの掃除をしなければ
ならない。こし器の掃除は内燃機関などを適宜停止させ
ることができる場合には、その停止時に行えば良く、こ
のような場合にはフィルターが1つの単式こし器が用い
られる。
【0003】ところが、遠洋航路の旅客船や輸送船、漁
船などにおいては、数週間にわたる航海中や停泊してい
ても乗客の乗船中などはエンジンを停止させることがで
きない。そこで、このような場合には、こし器を2つ備
え、いずれかのこし器を使い分けるように構成された複
式こし器を取り付け、いずれか一方のこし器を使用して
いる間に他方のこし器のフィルターを掃除するようにし
ている。したがって、エンジンを停止させることなく、
目詰まりしたこし器のフィルターを掃除することがで
き、連続運転が可能となる。
【0004】JISに規格された複式こし器は同寸法、
同機能を備えた2つのこし器と切換バルブ(コック栓)
を別個のものとして備え、切換バルブでいずれか一方の
こし器に切り換えて使用するように構成されている。と
ころが、こし網の掃除に要する時間は数分程度に過ぎな
いため、必ず他方のこし器は遊んでいる状態に置かれる
ことになり、無駄であった。また、この複式こし器の設
置空間及び重量は単式こし器の2倍以上は必要となる。
船舶などの機械室は一般に狭い上、配管などが無数に配
設されていて、他の配管などと干渉させずに複式こし器
を配設するのは、空間的に困難な場合が多かった。
【0005】しかも、流体は複式こし器の中を直角方向
に最低でも4回以上曲がって流れる構造になっているた
め、流体抵抗及び圧力損失が極めて大きいものとなって
いた。このため、所定の流量を確保するためには、更に
大型化させなければならないという問題があった。更
に、複式こし器の大型化に伴い、重量が重くなり、製造
コストが高く付くだけでなく、取り付け作業が一層困難
になるという問題もあった。
【0006】そこで、本発明者は従来よりコンパクト化
が要望されていた複式こし器に改良を加えて提供してい
たが、鋭意研究を重ねた結果、従来にない構造で複式こ
し器と同等の効果が得られる新規なこし器を想到すると
ともに、更にこし網の逆洗浄をも可能とした新規なこし
器を想到するに至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る新規なこし
器の要旨とするところは、流体の入口と出口とを有する
こし器本体内に主こし器と補助こし器とを備え、前記主
こし器の流入口と流出口とを遮断する遮断装置を備える
とともに、こし器本体の入口側に補助こし器を配し、該
補助こし器を介して出口側に通ずるバイパスを設けたこ
とにある。
【0008】このこし器は、通常時においては主こし器
と補助こし器の双方により流体を濾す(濾過する)こと
としており、こし器としての性能は必要とする流量の少
なくとも2倍程度の能力を備えて構成されている。した
がって、主こし器が流体中に含まれる異物などで汚れて
きたとき、遮断装置によって主こし器の流体の流入口と
流出口を遮断し、主こし器内のこし網を取り出して洗浄
する。このとき、流体は補助こし器によって濾過され、
濾過された流体はバイパスを通って出口から流出させら
れることになり、流量の減少は勿論、流体の流れが停止
することもない。したがって、こし器を介して流体が供
給される内燃機関などの装置を停止させる必要はなく、
連続運転をしながら、こし器の中の主こし器を洗浄する
ことが可能となる。
【0009】また、本発明に係る他の新規なこし器の要
旨とするところは、流体の入口と出口とを有するこし器
本体内に主こし器と補助こし器とを備え、更に、前記主
こし器の流体の流れの方向を切り換えあるいは遮断する
切換遮断装置を備えるとともに、こし器本体の入口側に
前記補助こし器を配し、該補助こし器を介して出口側に
通ずるバイパスを設けたことにある。
【0010】このこし器は上述のこし器における遮断装
置に替えて切換遮断装置を設けたものであり、切換遮断
装置は主こし器の流体の流れの方向を切り換えあるいは
遮断するものである。主こし器における流体の流れの方
向を切り換えることにより、主こし器への通常の流れは
遮断されるとともにこし網を通る流体の方向が逆にな
り、こし網の一方の表面に付着していた異物などが他方
の表面から流体が流れ込むことによって洗い流される。
異物などを洗い流した流体はそのまま外部に排出され、
主こし器をこし器から取り出すことなく洗浄することが
できる。また、この主こし器を濾過された流体の一部を
逆流させて洗浄している間は、補助こし器のみによって
流体を濾過し、この濾過された流体はバイパスを通って
出口から流出させられることになり、上述のこし器と同
様、流量の減少は勿論、流体の流れが停止することもな
い。また、上述の遮断装置と同様に機能させて、切換遮
断装置によって主こし器への流体の流れを完全に遮断す
るとともに、補助こし器のみによって流体を濾過してバ
イパスを介して出口へ供給することも可能である。この
場合、流体の流れを完全に遮断した主こし器の蓋を開け
て、その中から主器こし網を取り出して洗浄したり、新
しい部品と交換したりすることができるが、その間も上
述のこし器と同様、流量の減少は勿論、流体の流れが停
止することもない。したがって、こし器を介して流体が
供給される内燃機関などの装置を停止させる必要はな
く、連続運転をしながら、こし器の中の主こし器を洗浄
することが可能となる。
【0011】次に、上述の新規なこし器において、前記
補助こし器の流体流入面がこし器本体の入口の流体流入
方向とほぼ平行をなすことにある。この構成により、流
量の多い主こし器への流れを妨げて抵抗(損失)を増加
させることはなく、しかも、主こし器への流体の流れに
よって、補助こし器の表面に付着した異物などを常時洗
浄することができる。したがって、通常時には補助こし
器を洗浄する必要はほとんどなく、内燃機関などの運転
を停止させたときに、補助こし器の点検などを兼ねて洗
浄しておけば足りる。
【0012】また、上述の新規なこし器において、前記
こし器本体の入口の軸方向と出口の軸方向、及び主こし
器の流体の通過方向がほぼ直線上に配列されていること
にある。かかる構成により、こし器に流入する流体は最
も流体損失の少ない状態で流れることになり、流体を供
給するポンプの動力を小さくすることが可能であるな
ど、こし器の性能が大幅に向上する。
【0013】更に、前述の遮断装置を備えたこし器は、
前記主こし器が遮断装置の円筒容器状の回転栓に収納さ
れるとともに、該回転栓の側面に流体がそれぞれ流入及
び流出する開口部を備え、且つ前記こし器本体の内部に
該回転栓を回転可能に収納するとともに該回転栓の開口
部に対応する開口部を有する円筒部を備えることにあ
る。
【0014】更に、前述の切換遮断装置を備えたこし器
は、前記主こし器が切換遮断装置の円筒容器状の回転栓
に収納されるとともに、該回転栓の側面に流体がそれぞ
れ流入及び流出する開口部を備え、且つ前記こし器本体
の内部に該回転栓を回転可能に収納するとともに該回転
栓の開口部に対応する開口部と前記バイパスに開口する
流入窓と外部に開口する流出窓とを有する円筒部を備え
ることにある。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る新規なこし器
の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0016】図1及び図2に示すように、逆洗浄可能な
新規なこし器10は、流体の入口12と出口14とを有
するこし器本体16内に主こし器18と補助こし器20
とを一体的に備え、更に、主こし器18の流体の流れの
方向を切り換えあるいは遮断する切換遮断装置22を備
えるとともに、こし器本体16の入口12側に補助こし
器20を配し、その補助こし器20を介して出口14側
に通ずるバイパス24を設けて構成されている。
【0017】主こし器18は内部に円筒状の主器こし網
26を備えていて、こし器本体16の入口12から出口
14へ向かう流体の流れを遮る位置に、主器こし網26
の軸方向と流体の流れの方向とがほぼ直角を成すように
配設されている。主こし器18は図3に示すように、主
器こし網26と、主こし器18を取り出すための把手2
7と、シール材28とを備えて構成されている。主器こ
し網26は円筒状を成すとともに流体の入口又は出口と
なる開口部30が形成されていて、その残りの側面には
所定の大きさの貫通孔が形成され、また底面は流体の出
入りがないように底31が形成されている。この主器こ
し網26に形成される貫通孔は所定の大きさのメッシュ
から成るものであっても良いが、その貫通孔の大きさを
充分に大きな孔径とし、内面又は外面に所定のメッシュ
に形成されたフィルターを取り付けるようにしても良
く、特に限定されない。メッシュの大きさは流体の種類
によって決定され、たとえば水用は5〜20メッシュの
ものが多く用いられ、油用は200〜300メッシュの
ものが多く用いられるが、限定されるものではない。ま
た、所定の流量を確保するために、流体の粘性に対応さ
せて主器こし網26の流体の通過面積が設定され、粘性
が小さい場合には面積を小さくし、あるいは粘性が大き
い場合には面積を大きくするのが好ましい。主器こし網
26の面積を変更するのに伴って、こし器本体16の大
きさを変更することも可能であるが、こし器本体16の
大きさを一定とし、主器こし網26又はフィルターをジ
グザグ状などに形成して、流体の通過面積を確保するよ
うにしても良い。
【0018】また、シール材28は主器こし網26に形
成された開口部30の周りに配設され、開口部30に流
入する流体又は逆にそれから流出する流体が、開口部3
0の周りから主器こし網26の外周側に漏れ出ないよう
にしている。したがって、主こし器18の開口部30に
入った流体は円筒状の主器こし網26を通して濾過され
て外部に出るか、あるいは主器こし網26の外周側から
内部に入った流体は開口部30を通って外部に出るよう
に構成されている。
【0019】この主こし器18は切換遮断装置22の円
筒容器状の回転栓32の中に収納され、この回転栓32
の主こし器取り出し口は蓋34により密閉されるととも
に、蓋押さえリング36を回転栓32の雌螺子部に螺合
させることにより蓋34を回転栓32に固定するように
構成されている。したがって、主こし器18は回転栓3
2とともに回転させられることになる。円筒容器状の回
転栓32の円筒部38外周はテーパー状に形成され、こ
の円筒部38はこし器本体16の内部に形成された円筒
部17のテーパー状の内面に密接させられるとともに回
転軸心Aを中心に摺動し得るように形成されている。一
方、回転栓32の円筒部38の内部には主こし器18を
収納する収納部が形成され、この収納部すなわち主こし
器18の軸心Bは回転軸心Aに対して入口12側に偏心
させられている。そして、偏心させられた軸心B側の円
筒部38及び17には主こし器18の開口部30とほぼ
一致する形状の開口部40,41が形成され、その反対
側の円筒部38及び17には開口部40,41とほぼ同
面積の開口部42,43が形成されている。なお、これ
ら開口部40,41と開口部42,43の形状は同じで
あっても良い。
【0020】このように、円筒部38及び17の回転軸
心Aと収納部すなわち主こし器18の軸心Bとを偏心さ
せることにより、主こし器18の内部から主器こし網2
6を通ってその外周側に流れ出る流体の通路44が出口
14側の円筒部38の内側と主こし器18の外側との間
に形成される。更に、この構成により、主こし器18の
開口部30の周りに設けられたシール材28を円筒部3
8内面の開口部40の周りに容易に密着させることがで
き、また、主こし器18の取り出しあるいは装着が容易
となる。
【0021】なお、帯板状の部材を湾曲させて成形した
把手27の湾曲部は主こし器18の上端部より突出させ
られていて、その湾曲部を蓋34により押圧することに
よって主器こし網26を内側から押し広げ、主こし器1
8のシール材28を円筒部38の内面に押し付け、シー
ル性を高めるように構成されている。
【0022】また、切換遮断装置22の回転栓32はそ
の円筒部38がこし器本体16の円筒部17に液密に嵌
合させられていて、回転栓32が使用時に内圧や振動な
どによって浮き上がらないように適度に締め付けるとと
もに、嵌合させられた回転栓32を円筒部17から容易
に引き上げることができるように締付引上装置46が設
けられている。締付引上装置46はリング状の当接部材
47の内面に雌螺子が形成されるとともに外面に1又は
複数の把手48が設けられていて、こし器本体16の円
筒状外周部に形成された雄螺子に当接部材47の雌螺子
が螺合され、当接部材47の内側端部が回転栓32の上
部に当接させられることにより、回転栓32がこし器本
体16の円筒部17に液密に嵌合させられる。一方、回
転栓32の上部端部には円盤状の当接部材49が若干の
隙間を設けて取り付けられていて、締付引上装置46を
逆回転させて当接部材49に当接させることにより、円
筒部17に嵌合させられた回転栓32を引き上げること
ができる。
【0023】ここで、回転栓32をこし器本体16の円
筒部17に嵌合させ、締付引上装置46により締め付け
る程度は、回転栓32が内圧や振動などによって自然に
回転しない程度が好ましい。また、締付引上装置46に
より回転栓32を引き上げる程度は、回転栓32がその
上部に設けられた回転工具係合部33に回転工具を係合
させて人力で回転させることができる程度が好ましく、
回転栓32を引き上げ過ぎると、回転栓32と円筒部1
7との接触面にゴミなどを噛んだり、濾過する前の流体
と濾過した後の流体とが混ざり合う恐れがあり、好まし
くない。なお、円盤状の当接部材49と締付引上装置4
6との間の隙間は、回転栓32を引き上げるときに、締
付引上装置46を若干空回りさせることができるように
設けられ、締付引上装置46の螺子ピッチと空回りさせ
る回転角度から適宜設定され、たとえば回転角度にして
45度程度の遊びがあるように隙間が設定されるのが好
ましい。
【0024】また、こし器本体16の円筒部17には、
逆洗浄用の濾過された流体が流入させられる流入窓50
と、主器こし網26などを洗浄して異物などの固形物が
多量に混ざって汚れた流体が排出される流出窓52とが
回転軸心Aに対して対向する位置に形成されている。こ
の流入窓50と流出窓52の大きさはほぼ同形状とさ
れ、流体を逆方向に流すことによって主器こし網26を
洗浄し得るのに適切な流量であって、こし器10が供給
すべき最低限以上の流量が確保できる範囲内に設定され
る。図4に示すように、流入窓50はバイパス24の流
体通路に面して開口させられ、他方の流出窓52はこし
器本体16の外部である大気側に開口させられている。
この流出窓52には配管53とバルブ54が接続され、
流出窓52から排出された流体はドラム缶やタンクに集
められる。
【0025】上述のこし器本体16の開口部41,43
及び流入窓50、流出窓52や切換遮断装置22の開口
部40,42などの位置関係は図5に示すように、機能
的に配設されている。すなわち、通常時は同図(a) に示
すように、こし器本体16の円筒部17に形成された開
口部41と切換遮断装置22の円筒部38に形成された
開口部40とは一致させられていて、流体は開口部4
1,40及び主こし器18の開口部30を通って主こし
器18の中に入り、その主器こし網26を通過した流体
は通路44を通って開口部42,43から出口14に流
れる。このとき、流入窓50及び流出窓52は切換遮断
装置22の円筒部38によって遮断されていて、流体が
通過することはない。
【0026】また、同図(b) に示すように、切換遮断装
置22を一定角度だけ回転させて、その円筒部38の開
口部40,42が設けられていない箇所で、こし器本体
16の円筒部17の開口部41,43及び流入窓50並
びに流出窓52を遮断する。切換遮断装置22がかかる
位置にあるときは、主こし器18の中に流体が流入しあ
るいはそれから流出することはなく、流体の流れが遮断
される。
【0027】次いで、同図(c) に示すように、切換遮断
装置22をさらに一定角度だけ回転させて、その円筒部
38の開口部40とこし器本体16の流出窓52とを一
致させるとともに、円筒部38の開口部42とこし器本
体16の流入窓50とを一致させる。このとき、こし器
本体16の開口部41,43は切換遮断装置22の円筒
部38の開口部40,42が設けられていない箇所によ
って遮断されていて、流体が通過することはない。した
がって、流体は流入窓50のみから切換遮断装置22内
の通路44に流入し、主こし器18の主器こし網26を
外周側から内側へ通過する。このとき、主器こし網26
の内面に付着させられたゴミなどの異物や不純物などの
固形物は流体によって除去される。なお、流入窓50か
ら流入させられる流体は予め濾過されているため、主器
こし網26の外周面に異物などが付着することはない。
その後、流体は除去した固形物とともに主こし器18及
び切換遮断装置22の円筒部38の開口部30,40を
通って流出窓52から配管53を流れて外部のタンクな
どに溜められる。
【0028】次に、前記図1及び図2に示すように、こ
し器10の入口12側には補助こし器20が配設されて
いて、この補助こし器20の筒状の補器こし網56はそ
の軸心方向を入口12における流体の流入方向とほぼ一
致させるように配設されている。補器こし網56は円筒
状を成していて、その周を成す側面には所定の大きさの
貫通孔が形成されている。この補器こし網56に形成さ
れる貫通孔は、主器こし網26の貫通孔と同様に、所定
の大きさのメッシュから成るものであっても良いが、そ
の貫通孔の大きさを充分に大きな孔径とし、内面又は外
面に所定のメッシュに形成されたフィルターを取り付け
るようにしても良く、特に限定されない。メッシュの大
きさについても主器こし網26と同様に流体の種類によ
って決定され、たとえば水用は5〜20メッシュのもの
が多く用いられ、油用は200〜300メッシュのもの
が多く用いられるが、限定されるものではない。また同
様に、所定の流量を確保するために、流体の粘性に対応
させて補器こし網56の流体の通過面積が設定され、粘
性が小さい場合には面積を小さくし、あるいは粘性が大
きい場合には面積を大きくするのが好ましい。補器こし
網56の面積を変更するのに伴って、こし器本体16の
大きさを変更させることも可能であるが、こし器本体1
6の大きさを一定とし、補器こし網56又はフィルター
をジグザグ状などに形成して、流体の通過面積を確保す
るようにしても良い。
【0029】補助こし器20の補器こし網56は、こし
器本体16に形成された補器こし網挿着口57を通して
こし網受け55にその両端部が載置された後、その補器
こし網挿着口57は蓋58が被せられ固定される。そし
て、図6にも示すように、蓋58に設けられた2か所の
螺子孔を通してボルト59が螺合され、2本のボルト5
9の先端部により補器こし網56の側面が押圧されて、
補器こし網56はこし器本体16内に強固に固定され
る。なお、蓋58には所定の大きさの孔が開けられ、そ
の孔を透明な樹脂やガラスなどによって覆って形成され
た覗き窓60が設けられ、補器こし網56の汚れ具合を
チェックし得るように構成されている。なお、符号61
は流体の漏れを防ぐためのシートパッキンである。
【0030】補器こし網56の外周側は空間62とさ
れ、その空間62はバイパス24に繋がり、そのバイパ
ス24はこし器本体16の出口14に開口させられてい
る。したがって、補器こし網56によって濾過された流
体は空間62からバイパス24を通って出口14から流
出させられることになり、出口14において、主器こし
網26によって濾過された流体と混ざり合って出口14
から流出させられることになる。
【0031】以上の構成にかかるこし器10において、
入口12から流入させられた流体は主として流体抵抗の
少ない方向に直進し、入口12に面して開口させられて
いる開口部41,40,30を通って主器こし網26の
中に入る。そして、流体は主器こし網26を通過すると
き濾過された後、入口12からの流体の直進方向である
開口部42,43を通って、濾過された流体は出口14
から流出させられる。この流体が主こし器18を通る経
路を辿るときの損失はほとんど主器こし網26を通過す
るときに生ずるものであり、損失としては最小限のもの
となる。一方、入口12から流入させられた流体の一部
は補助こし器20の補器こし網56を通過するときに濾
過された後、主こし器18とは別の経路であるバイパス
24を通って、濾過された流体は出口14から流出させ
られる。
【0032】ここで、補器こし網56により流体が濾過
されることによって、補器こし網56の内表面に付着さ
せられたゴミなどの異物や不純物などの固形物は、その
補器こし網56の内表面とほぼ平行に流れる流体により
ほぼ洗い流され、常に清浄な状態に保たれることにな
る。特に、通常の使用状態においては、補器こし網56
を通過する流体の流量(流速)より、主器こし網26の
方向へ流れる流体の流量(流速)の方が多いため、補器
こし網56に付着した異物などはほとんど直ちに洗い流
されることになる。そして、流体中に含まれていた異物
などの固形物は全て、主器こし網26によって濾過され
ることになり、主器こし網26の内表面に付着し蓄積す
ることになる。したがって、補器こし網56が目詰まり
することはほとんどなく、こし器10を長期間にわたっ
て使用したとき、整備点検を兼ねて補器こし網56を取
り出して清掃すれば足りる。
【0033】なお、図2において、符号64はエアー抜
き用のプラグであり、このプラグ64はこし器10を新
たに取り付けたときや、主こし器18あるいは補助こし
器20を取り出して清掃したとき、こし器10の内部に
溜まったエアーを抜くために用いられる。また、符号6
5はドレンプラグであり、こし器10の内部を清掃した
り点検する場合などに、こし器10の内部に溜まってい
る流体を抜くために用いられる。更に、図7に示す回転
工具66は、蓋押さえリング36を回転させたり、ある
いは回転栓32の上部に形成された回転工具係合部33
に係合させて回転栓32を回転させるためのものであ
り、中央部のハンドル67は作業者が手で持って操作す
るためのものである。
【0034】以上、こし器10の構成を作動とともに詳
述したが、このこし器10は次のように用いられる。こ
し器10はたとえば船舶の内燃機関に供給される燃料や
冷却水、エンジンオイルなどの流体の配管の途中に配設
され、フランジなどにより漏れが生じないように接続さ
れる。こし器10を配設した後、エアー抜きプラグ64
を緩めて、こし器10の内部に溜まっているエアーを抜
いておく。
【0035】次に、内燃機関を稼働させて、それに供給
される流体をこし器10により濾過する。このとき、こ
し器10の主器こし網26及び補器こし網56は清浄で
あり、切換遮断装置22の回転栓32の位置を、その円
筒部38の開口部40とこし器本体16の円筒部17の
開口部41とが一致するように設定しておく。この通常
の使用状態において、こし器本体16の入口12から入
った流体のほとんどはそのまま直進して、開口部41,
40,30を通って主器こし網26の内部に流入する。
そして、流体は主器こし網26の内側から外側へ通過す
るときに濾過され、異物などの固形物が除去された流体
は通路44を通って開口部42,43から出口14へ出
る。一方、こし器本体16の入口12から入った流体の
一部は補器こし網56を通り、その補器こし網56によ
って異物などが濾過された流体はバイパス24を通って
出口14へ出る。出口14において、濾過されて清浄な
流体は混合されて、配管を介して内燃機関などに供給さ
れる。この作動において、補器こし網56によって流体
中の異物などが濾過されて、その補器こし網56の表面
に付着した異物などは、主こし器18の方向に流れる流
体によって洗い流されることになる。したがって、補器
こし網56はほぼ清浄な状態に保たれる一方、主器こし
網26の表面には流体中に含まれていた異物などの固形
物が蓄積していくことになる。
【0036】こし器10を連続して数十時間あるいは数
日使用することによって、主器こし網26の表面には異
物などが蓄積し、そのまま放置しておくと、損失が大き
くなり、流量が減少する恐れが生ずる。そこで、一定時
間あるいは一定期間、こし器10を使用したとき、こし
器本体16の上部に配設された締付引上装置46を若干
回転させて、切換遮断装置22の回転栓32をわずかに
引き上げて、回転栓32が回転し得るようにする。その
後、回転工具66により回転栓32を回転させて、図5
(c) に示す位置である、回転栓32の円筒部38に形成
された開口部40をこし器本体16の流出窓52に、開
口部42を流入窓50に、それぞれ一致する箇所に回転
させる。その結果、こし器本体16の円筒部17の開口
部41,43は回転栓32の円筒部38によって塞が
れ、主こし器18への流体の流れが停止してしまうこと
になるが、全ての流体は補器こし網56によって濾過さ
れ、バイパス24を通って出口14から供給されること
になる。この補器こし網56の容量は充分に設定されて
いて、流体損失が大きくなっても、必要な流量が得られ
るように設定されている。したがって、内燃機関の運転
に支障が生ずることはなく、連続運転を続けることがで
きる。
【0037】回転栓32を上記位置に設定した後、こし
器本体16の流出窓52に接続された配管53に続いて
配設されたバルブ54を緩める。流出窓52から流体が
流れ出るのに伴い、バイパス24に面して設けられてい
る流入窓50から濾過された流体が流入し、主こし器1
8の主器こし網26の外周表面から内側へ流れ込み、そ
の流体は開口部30,40を通って流出窓52から流れ
出る。このとき、主器こし網26の内側表面に付着して
いた異物などの固形物は洗い流され、流出窓52から排
出されることになる。この排出された流体はタンクなど
に溜められて、後日処理されることになる。このよう
に、主こし器18において、流体の流れの方向を逆流さ
せることによって、主器こし網26を洗浄することがで
き、この洗浄は約1分程度から数分程度行うことによっ
て、目的を達成することができる。洗浄が終了したと
き、バルブ54を締めて流体の流出を停止する。次い
で、回転栓32を元の位置に回転させて、上述の主器こ
し網26によって通常の濾過を行う。流体の流れの方向
が主こし器18の方向となることにより、補器こし網5
6の表面に付着していた異物などは洗い流され、主器こ
し網26の表面に付着させられることになる。なお、回
転栓32を元に戻した後、締付引上装置46により回転
栓32が振動や内圧などによって自然に回転しないよう
に、その回転栓32を締め付けておく。
【0038】内燃機関を長期間にわたって連続運転させ
るときは、上述の作業を適宜行って、主器こし網26を
洗浄するのが好ましい。この作業はこし器10の作動を
停止させて行うものでも、機能を低下させるものでもな
いため、内燃機関の性能を低下させることは全くない。
また、この作業は、主器こし網26などを取り出すもの
ではないため、作業者の手や作業空間が汚れることはな
く、流体に引火性があるとしても、火災の危険もなく安
全である。
【0039】このような操作によって、こし器10の洗
浄は充分であるが、流体中に含まれる異物などの固形物
が細かく、主器こし網26が目詰まりしてしまい、流体
を逆流させて洗浄する方法だけでは不充分な場合が想定
される。このような場合は、切換遮断装置22の回転栓
32を上述と同様にして回転させ、前記図5(b) に示す
ように、こし器本体16の開口部41,43及び流入窓
50並びに流出窓52の全てを塞いで、主こし器18の
中に流体が流入しないようにする。このとき、流体は補
器こし網56を通ってバイパス24から出口14へ流れ
るため、全体としての流量が減少することはない。主こ
し器18への流体の出入りを停止させた後、回転栓32
の上部に螺合された蓋押さえリング36を緩めて取り外
し、且つ蓋34を除いて、主器こし網26を外部へ取り
出して、洗浄を行う。主器こし網26の洗浄後、逆の手
順で取り付け、更に回転栓32を回転させて、通常の状
態である主器こし網26によって濾過するようにする。
この作業においても、上記と同様にこし器10の作動を
完全に停止させて行うものでも、機能を低下させるもの
でもないため、内燃機関の性能を低下させることは全く
ない。
【0040】また、以上の構成に係るこし器は、従来の
複式のこし器と同等以上の性能を備えているが、構造が
コンパクトにまとめられているため、小型且つ軽量に構
成されていて、たとえ船舶の狭い機械室の中であって
も、充分に配設することが可能となる。
【0041】以上、本発明に係る新規なこし器の代表的
な実施の形態を詳述したが、本発明の新規なこし器はか
かる形態に限定されるものではない。なお、以下、図面
を用いて説明するが、前述の実施の形態と共通する部分
は共通の符号を付して説明を省略することがある。
【0042】たとえば、図8及び図9に示すこし器70
は、流体の入口12と出口14とを有するこし器本体7
2内に主こし器18と補助こし器20とを一体的に備
え、更に、主こし器18の流体の流れを遮断する遮断装
置74を備えるとともに、こし器本体72の入口12側
に補助こし器20を配し、その補助こし器20を介して
出口14側に通ずる2つのバイパス76をほぼ対称な位
置に設けて構成されている。
【0043】主こし器18は前述の実施の形態と同様で
あり、説明を省略する。また、この主こし器18は遮断
装置74の円筒容器状の回転栓32の中に収納されてい
て、その他の点についても前述の実施の形態と同様であ
り、同一の符号を付して説明を省略する。この円筒容器
状の回転栓32の円筒部38外周はテーパー状に形成さ
れ、この円筒部38はこし器本体72の内部に形成され
た円筒部78のテーパー状の内面に密接させられるとと
もに回転軸心Aを中心に摺動し得るように形成されてい
る。一方、回転栓32の円筒部38の内部には主こし器
18を収納する収納部が形成され、この収納部すなわち
主こし器18の軸心Bは回転軸心Aに対して入口12側
に偏心させられている。そして、偏心させられた軸心B
側の円筒部38及び78には主こし器18の開口部30
とほぼ一致する形状の開口部40,41が形成され、そ
の反対側の円筒部38及び78には開口部40,41と
ほぼ同面積の開口部42,43が形成されている。
【0044】次に、こし器70の入口12側には補助こ
し器20が配設されていて、この補助こし器20の筒状
の補器こし網56はその軸心方向を入口12における流
体の流入方向とほぼ一致させるように配設されているの
は前述の実施の形態と同様であり、補助こし器20とそ
の取付け構造の構成は同様であるので説明を省略する。
【0045】補器こし網56の外周側は空間80とさ
れ、その空間80は2つのバイパス76に分かれて繋が
り、それら2つのバイパス76はこし器本体72の出口
14に開口させられている。したがって、補器こし網5
6によって濾過された流体は空間80からバイパス76
を通って出口14から流出させられることになり、出口
14において、主器こし網26によって濾過された流体
と混ざり合って出口14から流出させられることにな
る。
【0046】以上の構成にかかるこし器70において、
入口12から流入させられた流体は主として流体抵抗の
少ない方向に直進し、入口12に面して開口させられて
いる開口部41,40,30を通って主器こし網26の
中に入る。そして、流体は主器こし網26を通過すると
き濾過された後、入口12からの流体の直進方向である
開口部42,43を通って、濾過された流体は出口14
から流出させられる。この流体が主こし器18を通る経
路を辿るときの損失はほとんど主器こし網26を通過す
るときに生ずるものであり、損失としては最小限のもの
となる。一方、入口12から流入させられた流体の一部
は補助こし器20の補器こし網56を通過するときに濾
過された後、主こし器18とは別の経路であるバイパス
76を通って、濾過された流体は出口14から流出させ
られる。
【0047】ここで、補器こし網56により流体が濾過
されることによって、補器こし網56の内表面に付着さ
せられたゴミなどの異物や不純物などの固形物は、その
補器こし網56の内表面とほぼ平行に流れる流体により
ほぼ洗い流され、常に清浄な状態に保たれることにな
る。特に、通常の使用状態においては、補器こし網56
を通過する流体の流量(流速)より、主器こし網26の
方向へ流れる流体の流量(流速)の方が多いため、補器
こし網56に付着した異物などはほとんど直ちに洗い流
されることになる。そして、流体中に含まれていた異物
などの固形物は全て、主器こし網26によって濾過され
ることになり、主器こし網26の内表面に付着し蓄積す
ることになる。したがって、補器こし網56が目詰まり
することはほとんどなく、こし器70を長期間にわたっ
て使用したとき、整備点検を兼ねて補器こし網56を取
り出して清掃すれば足りる。
【0048】以上、こし器70の構成を作動とともに詳
述したが、このこし器70は次のように用いられる。ま
ず、内燃機関を稼働させて、それに供給される流体をこ
し器70により濾過する。このとき、こし器70の主器
こし網26及び補器こし網56は清浄であり、遮断装置
74の回転栓32の位置を、その円筒部38の開口部4
0とこし器本体72の円筒部78の開口部41とが一致
するように設定しておく。この通常の使用状態におい
て、こし器本体16の入口12から入った流体のほとん
どはそのまま直進して、開口部41,40,30を通っ
て主器こし網26の内部に流入する。そして、流体は主
器こし網26の内側から外側へ通過するときに濾過さ
れ、異物などの固形物が除去された流体は通路44を通
って開口部42,43から出口14へ出る。一方、こし
器本体16の入口12から入った流体の一部は補器こし
網56を通り、その補器こし網56によって異物などが
濾過された流体はバイパス76を通って出口14へ出
る。出口14において、濾過されて清浄な流体は混合さ
れて、配管を介して内燃機関などに供給される。この作
動において、補器こし網56によって流体中の異物など
が濾過されて、その補器こし網56の表面に付着した異
物などは、主こし器18の方向に流れる流体によって洗
い流されることになる。したがって、補器こし網56は
ほぼ清浄な状態に保たれる一方、主器こし網26の表面
には流体中に含まれていた異物などの固形物が蓄積して
いくことになる。
【0049】こし器70を連続して数十時間あるいは数
日使用することによって、主器こし網26の表面には異
物などが蓄積し、そのまま放置しておくと、損失が大き
くなり、流量が減少する恐れが生ずる。そこで、一定時
間あるいは一定期間、こし器70を使用したとき、こし
器本体16の上部に配設された締付引上装置46を若干
回転させて、遮断装置74の回転栓32をわずかに引き
上げて、回転栓32が回転し得るようにする。その後、
回転工具66により回転栓32を回転させて、図10及
び図11に示すように、こし器本体72の開口部41,
43の全てを塞いで、主こし器18の中に流体が流入し
ないようにする。このとき、流体は補器こし網56を通
ってバイパス76から出口14へ流れるため、全体とし
ての流量が減少することはない。そして、主こし器18
への流体の出入りを停止させた後、回転栓32の上部に
螺合された蓋押さえリング36を緩めて取り外し、且つ
蓋34を除いて、主器こし網26を外部へ取り出して、
洗浄を行う。主器こし網26の洗浄後、逆の手順で取り
付け、更に回転栓32を回転させて、通常の状態である
主器こし網26によって濾過するようにする。この作業
においても、上記と同様にこし器70の作動を完全に停
止させて行うものでも、機能を低下させるものでもない
ため、内燃機関の性能を低下させることは全くない。
【0050】以上、本発明に係るこし器を図面を基にし
て説明したが、本発明のこし器は図示した例示に限定さ
れるものではない。
【0051】たとえば第2実施例において、バイパス7
6は2つに分かれて、ほぼ対称に形成されていたが、非
対称ではあるが、いずれか片側にのみバイパスを形成し
ても良い。また、構造上、バイパスがこし器本体と一体
的に形成されているのが好ましいが、製造上、バイパス
をパイプなどを用いて構成することも可能であり、特に
限定されない。更に、第2実施例に示すバイパス76の
構造として、第1実施例に示すバイパス24の構造と同
じように形成することも可能である。
【0052】また、補助こし器の補器こし網は円筒状に
限定されるものではなく、たとえば円錐台状に形成した
ものであっても良く、あるいはU字状に形成したもので
あっても良い。補助こし器は、主こし器を作動を停止さ
せたとき、主こし器によって濾していた流体の流量を充
分に確保し得るものであれば良く、特に限定されるもの
ではない。補助こし器のみによって流体を濾過すると
き、補助こし器を通過する流体の抵抗があまり大きくな
らないように構成するのが好ましい。なお、補助こし器
や補器こし網の取付け構造などは図示した例示に限定さ
れるものではないのは言うまでもない
【0053】更に、主こし器が収納される遮断装置や切
換遮断装置の回転栓の形状や、開口部の配置、切換遮断
装置に設けられる流入窓や流出窓の配置、大きさ、形状
などは、適宜設定し得るもので特に限定されない。ま
た、主こし器の取付け、取外し構造や、遮断装置又は切
換遮断装置の構造、あるいは遮断装置又は切換遮断装置
における切換,遮断時の回転栓の回転角度は、当業者な
らずとも適宜改良、設計変更し得るものであり、図示し
た例示に限定されるものではない。
【0054】主こし器及び補助こし器のこし器としての
性能は、こし器の入口及び出口の面積から定められる通
過面積実口径と少なくとも同じであれば足りるが、こし
網にゴミなどの異物が付着したり目詰まりしたときにお
いても、流量が減少しないように、数倍たとえば5〜6
倍の面積を備えて構成されるのが好ましい。
【0055】また、こし器本体の入口と出口のそれぞれ
の軸心はほぼ直線上にあるのが好ましいが、それに限定
されるものではない。特に、こし器本体の入口と出口の
それぞれの軸心、及び主こし器の流体の流入方向と濾過
の方向がほぼ直線上にあるのが圧力損失などを防ぐ観点
から最も好ましいが、必要に応じて角度を設けることも
可能である。その他、こし器を構成する各構成部品の材
質などは適宜選定し得るものであるなど、本発明はその
趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々
なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るもので
ある。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る新規なこし器は、主こし器
への流体の流れを遮断する遮断装置を設けるとともに、
補助こし器と出口とをバイパスで繋いで構成しているた
め、通常時は主こし器と補助こし器の双方で流体を濾し
(濾過し)、遮断装置により主こし器への流体の流れを
遮断したとき、補助こし器のみによって流体を濾して、
バイパスを介して出口へ清浄な流体を供給することがで
きる。したがって、主こし器が流体中に含まれる異物な
どで汚れてきたとき、遮断装置によって主こし器の流体
の流入口と流出口を遮断し、主こし器内のこし網を取り
出して洗浄することができるが、流体は補助こし器によ
って濾過され、濾過された流体はバイパスを通って出口
から流出させられることになり、流量の減少は勿論、流
体の流れが停止することもない。このように、こし器を
介して流体が供給される内燃機関などの装置を停止させ
る必要はなく、連続運転をしながら、こし器の中の主こ
し器を洗浄することが可能となる。
【0057】また、本発明に係る他の新規なこし器は、
遮断装置に替えて切換遮断装置を設けたものであり、切
換遮断装置により主こし器の流体の流れの方向を切り換
えあるいは遮断することができるように構成されてい
る。主こし器における流体の流れの方向を切り換えるこ
とにより、主こし器への通常の流れは遮断されるととも
にこし網を通る流体の方向が逆になり、こし網の一方の
表面に付着していた異物などが他方の表面から流体が流
れ込むことによって洗い流され、主こし器をこし器から
取り出すことなく洗浄することができる。また、この主
こし器を濾過された流体の一部を逆流させて洗浄してい
る間は、補助こし器のみによって流体を濾過し、この濾
過された流体はバイパスを通って出口から流出させられ
ることになり、上述のこし器と同様、流量の減少は勿
論、流体の流れが停止することもない。また、切換遮断
装置によって主こし器への流体の流れを完全に遮断する
とともに、補助こし器のみによって流体を濾過してバイ
パスを介して出口へ供給することも可能であり、流体の
流れを完全に遮断した主こし器の蓋を開けて、その中か
ら主器こし網を取り出して洗浄したり、新しい部品と交
換したりすることができるが、その間も上述のこし器と
同様、流量の減少は勿論、流体の流れが停止することも
ない。したがって、こし器を介して流体が供給される内
燃機関などの装置を停止させる必要はなく、連続運転を
しながら、こし器の中の主こし器を洗浄することが可能
となる。
【0058】また、上述のこし器において、補助こし器
の流体流入面がこし器本体の入口の流体流入方向とほぼ
平行をなすようにすることにより、流量の多い主こし器
への流れを妨げて抵抗(損失)を増加させることはな
く、しかも、主こし器への流体の流れによって、補助こ
し器の表面に付着した異物などを常時洗浄することがで
きる。したがって、通常時には補助こし器を洗浄する必
要はほとんどなく、内燃機関などの運転を停止させたと
きに、補助こし器の点検などを兼ねて洗浄しておけば足
りる。
【0059】更に、上述のこし器において、こし器本体
の入口の軸方向と出口の軸方向、及び主こし器の流体の
通過方向をほぼ直線上に配列することにより、こし器に
流入する流体は最も流体損失の少ない状態で流れること
になり、流体を供給するポンプの動力を小さくすること
が可能であるなど、こし器の性能が大幅に向上する。特
に、水用のこし器の場合、口径100ミリのもので、1
分間に約1トン程度の水を濾す場合が多く、流速が極め
て早くなるため、圧力損失の程度が重要視されている
が、このこし器においては、流体の流れにおいて曲がり
部がないため、圧力損失を最小限にすることができ、最
も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る新規なこし器の一実施の形態を示
す正面断面説明図である。
【図2】図1に示す新規なこし器の要部破断平面説明図
である。
【図3】図1に示す新規なこし器に用いられる主こし器
を示す説明図であり、同図(a)は平面図、同図(b) は背
面断面図である。
【図4】図1に示す新規なこし器に用いられるこし器本
体の左側面任意断面説明図である。
【図5】図(a) 乃至図(c) はいずれも、図1に示す新規
なこし器の作動を説明するための断面説明図である。
【図6】図1に示す新規なこし器に用いられるこし器本
体の右側面断面説明図である。
【図7】図1に示す新規なこし器に用いられる回転工具
である。
【図8】本発明に係る新規なこし器の他の実施の形態を
示す正面断面説明図である。
【図9】図8に示す新規なこし器の要部破断平面説明図
である。
【図10】図8に示す新規なこし器の作動を説明するた
めの正面断面説明図である。
【図11】図8に示す新規なこし器の作動を説明するた
めの要部破断平面説明図である。
【符号の説明】
10,70:こし器 12:入口 14:出口 16,72:こし器本体 18:主こし器 20:補助こし器 22:切換遮断装置 24,76:バイパス 26:主器こし網 30,40,41,42,43:開口部 32:回転栓 38,78:円筒部 44:通路 46:締付引上装置 50:流入窓 52:流出窓 54:バルブ 56:補器こし網 62,80:空間 74:遮断装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の入口と出口とを有するこし器本体
    内に主こし器と補助こし器とを備え、前記主こし器の流
    入口と流出口とを遮断する遮断装置を備えるとともに、
    こし器本体の入口側に補助こし器を配し、該補助こし器
    を介して出口側に通ずるバイパスを設けたことを特徴と
    する新規なこし器。
  2. 【請求項2】 流体の入口と出口とを有するこし器本体
    内に主こし器と補助こし器とを備え、更に、前記主こし
    器の流体の流れの方向を切り換えあるいは遮断する切換
    遮断装置を備えるとともに、こし器本体の入口側に前記
    補助こし器を配し、該補助こし器を介して出口側に通ず
    るバイパスを設けたことを特徴とする新規なこし器。
  3. 【請求項3】 前記補助こし器の流体流入面がこし器本
    体の入口の流体流入方向とほぼ平行をなすことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載する新規なこし器。
  4. 【請求項4】 前記こし器本体の入口の軸方向と出口の
    軸方向、及び主こし器の流体の通過方向がほぼ直線上に
    配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載する新規なこし器。
  5. 【請求項5】 前記主こし器が遮断装置の円筒容器状の
    回転栓に収納されるとともに、該回転栓の側面に流体が
    それぞれ流入及び流出する開口部を備え、且つ前記こし
    器本体の内部に該回転栓を回転可能に収納するとともに
    該回転栓の開口部に対応する開口部を有する円筒部を備
    えることを特徴とする請求項1に記載する新規なこし
    器。
  6. 【請求項6】 前記主こし器が切換遮断装置の円筒容器
    状の回転栓に収納されるとともに、該回転栓の側面に流
    体がそれぞれ流入及び流出する開口部を備え、且つ前記
    こし器本体の内部に該回転栓を回転可能に収納するとと
    もに該回転栓の開口部に対応する開口部と前記バイパス
    に開口する流入窓と外部に開口する流出窓とを有する円
    筒部を備えることを特徴とする請求項2に記載する新規
    なこし器。
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