JP3051608B2 - コチニールを色素成分とする歯垢染色剤 - Google Patents

コチニールを色素成分とする歯垢染色剤

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典隆 尾花
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コチニールを色素成分
とする歯垢染色剤に関する。
【0002】
【従来の技術】う蝕または歯周疾患は歯垢中に存在する
細菌に起因する感染症として考えられるようになってお
り、歯垢の除去がこれらの疾患の初期治療に不可欠の処
置とされている。しかしながら、歯垢は肉眼的に容易に
識別しにくく、正確にその付着部位、程度を確認するこ
とは困難であるから、ブラッシング指導等に際しては歯
垢を各種の色素を含有した歯垢染色剤で歯垢を染色し、
歯垢の存在部位を顕示させて行うのが一般的である。現
行市販されている歯垢染色剤においては、エリスロシン
(赤色3号)、フロキシン(赤色104号)等のタール色素
が色素成分として多用されているが、これら色素成分は
発癌性や遺伝子損傷性等の生体為害性を有することが明
らかとなり、外国では禁止または新規の使用が抑制され
るようになっている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記事情に鑑み、本発明者ら
は生体為害性のない色素成分を用いた歯垢染色剤を得る
べく、種々の入手可能な天然色素を用いて鋭意研究を重
ねた。その結果、サボテンに寄生するカイガラムシ科エ
ンジムシから抽出されるカルミン酸を主成分とする色素
であるコチニールが特異的に歯垢を染色することを見出
だし、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、色素成分とし
てコチニールを配合したことを特徴とする歯垢染色剤を
提供するものである。
【0005】本発明で色素成分として用いるコチニール
は、FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会で食品
着色料として認可された色素で、我が国においても食用
色素として使用され、ラットを用いたGRANTらの研
究からは、カルミン酸量で500〜1000mg/kg体重
/日の大量投与を行っても発癌性あるいは催奇性の無い
ことが示されている。
【0006】一般に、コチニールは、エンジムシの乾燥
体を水のような溶媒で抽出した抽出物を、乳糖のような
賦形剤ないしは希釈剤と混合したコチニール色素製剤と
して商業的に入手でき、本発明でもそのような製剤を使
用することができる。市販のコチニール色素製剤には酒
石酸ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カルシウムのような色素安定剤を配合した
ものもあるが、このような製剤は、歯垢を染色しないの
で、単に、賦形剤ないしは希釈剤と混合しただけのもの
を使用する。本発明においては、歯垢染色剤の全重量に
基づいて、コチニールを100%色素換算で、1〜20
重量%、好ましくは4〜10重量%の割合で配合する。
配合量が少なすぎれば、所望の歯垢染色状態が得られ
ず、また、この範囲を超えても、さらなる染色効果の向
上は望めず、経済的に不利となる。
【0007】本発明の歯垢染色剤は、自体公知の方法に
したがって、水溶液、ゲル状の塗布剤、洗口剤などの剤
形にでき、他の配合成分はコチニールの歯垢染色を阻害
しない限り、これらの剤形の配合成分として公知のもの
が使用できる。かくして、本発明の歯垢染色剤は、例え
ば、歯科医が診療室で使用するためのものの場合は、コ
チニールの2〜20重量%の水溶液とし、小綿球で患者
の歯牙に塗布することができる。また、1.5〜3重量
%のコチニール濃度の洗口剤としても使用できる。
【0008】
【実施例】以下、実施例および実験を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明するが、これらに限定されるものではな
い。実施例および実験中、「%」はいずれも重量%を意味
する。 実施例1 蒸留水に市販のコチニール色素製剤(コチニール含量8
0%)を3%濃度で溶解し、溶液の剤形の歯垢染色剤を
得た。 実施例2 実施例1と同様にして、コチニール色素製剤の6%溶液
の剤形の歯垢染色剤を得た。 実施例3 実施例1と同様にして、コチニール色素製剤の10%溶
液の剤形の歯垢染色剤を得た。 実施例4 実施例1と同様にして、コチニール色素製剤の20%溶
液の剤形の歯垢染色剤を得た。
【0009】実施例5 蒸留水に市販のコチニール色素製剤(コチニール含量8
0%)を6%濃度で溶解し、カルボキシメチルセルロー
スナトリウムを用いて自体公知の方法でゲル化して、ゲ
ル状の剤形の歯垢染色剤を得た。
【0010】
【0011】実施例6 蒸留水に市販のコチニール色素製剤(コチニール含量8
0%)6%を溶解し、洗口剤の剤形の歯垢染色剤を得
た。
【0012】実験1 実施例2の歯垢染色剤をウイスター系ラットに用いた実
験 実験方法: 固形飼料および飲料水として10%ショ糖水
溶液を自由に与え、10日間飼育した後、放血死させ
た。ついで、頬および舌部を切断し開口して実施例2の
歯垢染色剤を右側臼歯部に塗布、対照として左側臼歯部
に市販のフロキシン色素液を塗布した。1分間後、過剰
の色素を蒸留水で良く洗い流した後、観察した。 実験結果: コチニール溶液塗布部分は黒褐色に、フロキ
シン溶液塗布部分は赤く染色され、その染色性に著明な
違いはなかった。
【0013】実験2 採取したヒト歯垢を用いての実施例2の歯垢染色剤の染
色性の実験 実験方法: 成人性歯周炎患者5名の口腔内より歯肉縁上
歯垢を採取し、合体して、蒸留水にて遠心洗浄後、過剰
量の実施例2の歯垢染色剤を用いて、30秒間染色を行
った。染色後蒸留水で繰り返し遠心洗浄を行い、その状
態を観察した。 実験結果: 染色後の遠心洗浄5回までは、余剰色素の溶
出が遠心上清の着色として認められたが、6回以降は上
清の着色は認められず、歯垢は赤褐色に染色されたまま
で遠心沈渣し、歯垢の染色性が保持されていた。
【0014】実験3 ヒト歯牙歯垢に塗布しての実施例2の歯垢染色剤の染色
性の実験 実験方法(A): 2名の両側下顎中切歯を被験歯とし、4
日間ブラッシングを中止させて歯垢を沈着させた後、両
側下顎中切歯唇側面の中央から近心側1/2部分の歯垢
を除去し、右側中切歯を実施例2の歯垢染色剤を、左側
中切歯を対照として、市販のフロキシン液で塗布した。 実験結果: 実施例2の歯垢染色剤の付着部と非付着部の
染色状態の鑑別性は良好で、フロキシン染色の場合と著
明な差は観察されなかった。 実験方法(B): う蝕、欠損歯のない11名の男性を被験
者とした。あらかじめ歯石除去と歯冠研磨を行い、その
直後からブラッシングを4日間中止させ、智歯を除く2
8本を対象として、正中を境界として、無作為に試験側
および対照側を設定し、上下顎の片側を実施例2の歯垢
染色剤、他側を市販のフロキシン液を塗布した。付着歯
垢量を測定した後、直ちに歯冠研磨を行い、再度ブラッ
シングを中止させ、4日後、試験側と対照側とを入れ換
えて、実施例2の歯垢染色剤と市販フロキシンの塗布を
行った。 実験結果: 同一側では一度目と二度目の歯垢の付着状態
に著明な差は観察されなかった。
【0015】実験4 実施例2の歯垢染色剤のブラッシングによる脱色性の実
験 実験方法: 歯牙歯垢の染色により、歯垢の付着程度の測
定後、ブラッシングにより、脱色されることが望まれ
る。そのために、実施例2の歯垢染色剤塗布染色後、ス
クラッビング法によりブラッシングを行わせ、ブラッシ
ングストローク数と脱色性の関連を調べた。 実験結果: ブラッシングストローク数15〜20回以上
で市販フロキシン液と同様ほぼ完全に脱色されることが
できた。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、現在、歯垢染色剤に使
用されている赤色3号(エリスロシン)および赤色104
号(フロキシン)の発癌性または遺伝子損傷性等の生体為
害性のない、歯垢を顕著な黒褐色に染めだすことができ
る歯垢染色剤が提供される。本発明の歯垢染色剤は、使
用中に不快味および刺激感を与えることなく、さらに、
使用後ブラッシングにより歯垢を除去することにより脱
色することができ、新しい、極めて有用な歯垢染色剤で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭45−35225(JP,B1) 特許131029(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/16 A61K 35/64 A61P 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素成分としてコチニールを配合したこ
    とを特徴とする歯垢染色剤。
  2. 【請求項2】 コチニールを1〜20重量%含有する請
    求項1記載の歯垢染色剤。
  3. 【請求項3】 水溶液である請求項1記載の歯垢染色
    剤。
  4. 【請求項4】 ゲル状の塗布剤である請求項1記載の歯
    垢染色剤。
  5. 【請求項5】 洗口剤である請求項1記載の歯垢染色
    剤。
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JP2007008839A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Showa Yakuhin Kako Kk 歯石染色剤
JP6230152B2 (ja) * 2014-02-28 2017-11-15 クラシエフーズ株式会社 歯面染色塗布液及びそれを用いた歯面汚れ除去評価方法

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