JPH11240816A - 歯牙被覆用組成物 - Google Patents

歯牙被覆用組成物

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JPH11240816A
JPH11240816A JP10058871A JP5887198A JPH11240816A JP H11240816 A JPH11240816 A JP H11240816A JP 10058871 A JP10058871 A JP 10058871A JP 5887198 A JP5887198 A JP 5887198A JP H11240816 A JPH11240816 A JP H11240816A
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acid
shellac
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JP10058871A
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Hironori Oka
宏徳 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 虫歯及び歯周病の予防のために素人が容
易に用いることができ、かつその予防効果に持続性のあ
る手段を提供すると共に、素人が容易かつ効果的に歯周
病を治療しうる手段を提供する。 【解決手段】 歯牙被覆用組成物であって、アルコール
中に溶解させたシェラックと、第4級アンモニウム塩系
殺菌剤、フッ素系殺菌剤、ビクビスアナイド誘導体系殺
菌剤、フェノール系殺菌剤及び両性界面活性剤系殺菌剤
よりなる群より選ばれる抗菌性成分及び/又はトラネキ
サム酸、アラントイン、アラントインジヒドロキシアル
ミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウ
ム、イプシロンアミノカプロン酸、リゾチウム、塩化ナ
トリウム、アズレン、酢酸dl−α−トコフェロール、
ニコチン酸dl−α−トコフェロール、エピジヒドロコ
レステロール、ジヒドロコレステロール、オウバクエキ
ス、クエン酸亜鉛、ガントレッツ酸、カテキン、β−グ
リチルリチン酸及びグリチルレチン酸よりなる群より選
ばれる薬効成分と、を含んでなる、組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯牙の被覆用組成
物に関し、より詳細には歯牙に塗布して虫歯又は歯周病
に対する予防効果を高めると共に歯周病を治療するため
の、歯牙の抗菌被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯牙のう蝕(以下、「虫歯」という。)
及び歯周病を予防することは、口腔内の健康のみなら
ず、全身の健康を維持する上で極めて重要である。虫歯
及び歯周病の予防は、通常、歯ブラシによって食べかす
等を除去して歯牙への歯垢の付着を防止し口腔内を清潔
にすること等によって行われていたが、このような方法
によっても虫歯及び歯周病を完全に予防することは困難
であり、このため虫歯及び歯周病を効果的に予防する方
法が検討されてきた。また、歯周病を効果的かつ簡単に
治療する方法も検討されてきた。
【0003】例えば、歯牙へのフッ素塗布によって虫歯
菌への抵抗力を強化したり、殺菌力を有するうがい剤に
よってうがいをすることによって、虫歯及び歯周病を発
生させる口腔内の細菌を殺菌することによって、虫歯及
び歯周病を予防することも行われてきた。しかしなが
ら、フッ素塗布は高度な技術を要し歯科医が実施するこ
とを要することから素人が手軽に行うことはできず、ま
たうがい剤は効果が短時間しか持続しないという問題が
あった。また、歯周病の治療も素人が容易に行いうる効
果的なものは知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、虫歯及び歯周病の予防のために素人が容易に用いる
ことができ、かつその予防効果に持続性のある手段を提
供することを目的とすると共に、素人が容易且つ効果的
に歯周病を治療しうる手段を提供することをも目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯牙被覆用組
成物であって、アルコール中に溶解させたシェラック
と、第4級アンモニウム塩系殺菌剤、フッ素系殺菌剤、
ビクビスアナイド誘導体系殺菌剤、フェノール系殺菌剤
及び両性界面活性剤系殺菌剤よりなる群より選ばれる抗
菌性成分及び/又はトラネキサム酸、アラントイン、ア
ラントインジヒドロキシアルミニウム、アラントインク
ロルヒドロキシアルミニウム、イプシロンアミノカプロ
ン酸、リゾチウム、塩化ナトリウム、アズレン、酢酸d
l−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフ
ェロール、エピジヒドロコレステロール、ジヒドロコレ
ステロール、オウバクエキス、クエン酸亜鉛、ガントレ
ッツ酸、カテキン、β−グリチルリチン酸及びグリチル
レチン酸よりなる群より選ばれる薬効成分と、を含んで
なる、組成物である。即ち、本発明の歯牙被覆用組成物
を歯牙に塗布することによって、これらの抗菌性成分及
び/又は薬効成分を含む、シェラックの被膜が歯牙の表
面上に形成され、虫歯及び歯周病を発生する菌の付着及
び増殖を防止することができると共に、発生した歯周病
を効果的に治療することができる。また、この虫歯及び
歯周病を防止及び/又は治療する効果が該被膜が存在し
ている一定期間持続する。
【0006】従来、歯牙の被覆用組成物は美容上の目的
により開発され、現在市販されている。しかし、それら
の組成物を塗布することによって形成される被膜は厚
く、それらの被膜表面には粘着性があり、被膜形成(硬
化)までに時間(数十秒以上)を要した。また、歯牙へ
の虫歯菌(歯垢)の付着を増長させるものがほとんどで
あり、虫歯予防の機能を十分に有していなかった。これ
に対し、本発明の組成物を塗布することによって形成さ
れる被膜は粘着性が少なく、厚みも非常に薄く、被膜形
成までに数秒しか要しない。さらに、被膜そのものが、
虫歯菌や歯周病菌(歯垢)の付着を抑制し、虫歯予防の
効果を発揮する。さらに、本発明の組成物を生きている
歯牙に塗布し形成された被膜は、咀嚼、歯磨き等の機械
的摩擦や、唾液、温度差という化学的、物理的環境の変
化に対する剥離抵抗性に優れ、掩薮効果が高く、光沢に
優れ、しかも人体に対する毒性がない。
【0007】シェラックは本被覆用組成物の基材となる
もので、カイガラムシの分泌液を精製して得られる水、
油に不溶で、アルコールに可溶の樹脂で、食品、化粧品
及び医療の分野で多用されている。従って、通常、シェ
ラックはアルコール溶液として用い、この溶液を塗布す
るとアルコール分が蒸発し、薄膜状のシェラック被膜を
形成することができる。さらに、シェラックはアルカリ
には僅かに溶解するが、酸に対する溶解性がほとんどな
いため、虫歯菌(歯垢)が歯を溶解するために放出する
酸に侵されることがなく、この酸から歯を十分防御でき
る。
【0008】シェラックとアルコールとの混合比は、シ
ェラックとアルコールとの合計重量に対してシェラック
の重量が10〜50%の範囲となることが好ましく、さ
らに好ましくは30〜50%の範囲とする。シェラック
の濃度があまり小さいと形成される被膜が薄くなりすぎ
被膜の強度や光沢が不足する。一方、シェラックの濃度
があまり大きいと形成される被膜の硬化が速すぎて塗布
が困難になったり、被膜が厚くなりすぎる。使用するア
ルコールの種類は、シェラックを十分溶解させるもので
あれば特に限定されないが、口腔内に使用することを考
慮するとエタノールを使用することが望ましい。
【0009】本発明の組成物(以下、「本組成物」とい
う。)は、前記の複数の抗菌性成分及び/又は前記の複
数の薬効成分を含んでもよい。
【0010】本発明の組成物に含まれてよい、第4級ア
ンモニウム塩系殺菌剤、フッ素系殺菌剤、ビクビスアナ
イド誘導体系殺菌剤、フェノール系殺菌剤及び両性界面
活性剤系殺菌剤よりなる群より選ばれる抗菌性成分は、
既に歯磨剤に配合使用されており、口腔内における顕著
な殺菌効果が認められているものが適している。第4級
アンモニウム塩系殺菌剤としては塩化セチルピリジニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化
デカリニウム及び臭化ドミフェン等が例示でき、フッ素
系殺菌剤としてはフッ化ナトリウム、モノフルオロリン
酸ナトリウム及びフッ化ストロンチウム等が例示でき、
ビクビスアナイド誘導体系殺菌剤としてはクロルヘキシ
ジンやアレクシジン等が例示でき、フェノール系殺菌剤
としてはトリクロサン、チモール、イソプロピルメチル
フェノール等が例示でき、そして両性界面活性剤系殺菌
剤としては塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が例
示できる。これらの殺菌剤のうちとりわけ塩化セチルピ
リジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化デカリニウム、フッ化ナトリウム、モノフルオ
ロリン酸ナトリウム、フッ化ストロンチウム、クロルヘ
キシジン、トリクロサン、チモール、イソプロピルメチ
ルフェノール及び塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
は歯磨剤に多用されており、それらの安全性及び顕著な
殺菌効果が認められているので好ましい。なお、本発明
の組成物に含まれる抗菌性成分及び薬効成分のうち、酸
性又は塩基性物質はそれらの薬剤学的に許容しうる塩類
をも包含する。例えば、クロルヘキシジンにはグルコン
酸クロルヘキシジンをも含む。
【0011】本発明の組成物に含まれてよいトラネキサ
ム酸、アラントイン、アラントインジヒドロキシアルミ
ニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、
イプシロンアミノカプロン酸、リゾチウム、塩化ナトリ
ウム、アズレン、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコ
チン酸dl−α−トコフェロール、エピジヒドロコレス
テロール、ジヒドロコレステロール、オウバクエキス、
クエン酸亜鉛、ガントレッツ酸、カテキン、β−グリチ
ルレチン酸及びグリチルレチン酸よりなる群より選ばれ
る薬効成分は、既に歯周疾患予防歯磨剤に用いられてい
る病態緩和有効成分であり、これらの安全性及び薬理作
用は広く知られている。
【0012】トラネキサム酸は抗炎症、抗プラスミン及
び抗アレルギー作用を有することが知られている。アラ
ントイン、アラントインジヒドロキシアルミニウム及び
アラントインクロルヒドロキシアルミニウムは細胞増殖
(肉芽形成)、壊死組織除去、抗アレルギー、白血球刺
激及び止血作用を有することが知られている。イプシロ
ンアミノカプロン酸は抗プラスミン作用を有することが
知られている。リゾチウムは抗炎症、組織修復、細菌侵
入阻止及び止血作用を有することが知られている。塩化
ナトリウムは血液循環促進、収れん(組織液交換)及び
浮腫抑制作用を有することが知られている。アズレンは
抗炎症、抗アレルギー(抗ヒスタミン)及び浮腫抑制作
用を有することが知られている。酢酸dl−α−トコフ
ェロール及びニコチン酸dl−α−トコフェロールは末
梢血液循環促進、生体膜安定化(血管補強)、生体内抗
酸化、血小板凝集阻止及び血管透過性抑制作用を有する
ことが知られている。エピジヒドロコレステロール及び
ジヒドロコレステロールは結合組織増殖、抗炎症、唾液
自浄促進及び酵素賦活作用を有することが知られてい
る。オウバクエキスは抗炎症、浮腫抑制、赤血球膜安定
化及び収れん作用を有することが知られている。クエン
酸亜鉛及びガントレッツ酸は歯石付着防止作用を有する
ことが知られている。カテキンは口臭予防作用を有する
ことが知られている。β−グリチルレチン酸及びグリチ
ルリチン酸は抗炎症、抗アレルギー及び溶血阻止作用を
有することが知られている。従って、本組成物を塗布す
ることによって形成される被膜に要求される薬効に応じ
て上記薬効成分を適宜選択して本組成物に配合すればよ
い。
【0013】抗菌性成分又は薬効成分の、本組成物への
添加量は特に制限はなく、抗菌性成分又は薬効成分によ
って奏される抗菌効果又は薬効の必要強度に応じて自由
に変更されてよい。しかしながら本組成物を歯牙表面に
塗布することによって形成される被膜中の抗菌性成分又
は薬効成分の濃度があまり小さいと十分な抗菌効果又は
薬効が得られず、反対に該濃度があまり大きいと被膜の
強度が低下する。このためこれら両方の条件を満足する
範囲の濃度とされることが好ましく、通常その範囲は本
組成物中のシェラックの重量に対して抗菌性成分又は薬
効成分の重量が0.001%乃至5%である。
【0014】上記に示した抗菌性成分又は薬効成分以外
の抗菌性成分又は薬効成分を本組成物中にさらに添加し
てもよい。
【0015】本組成物は、必要に応じて、光沢剤、顔料
及び香料よりなる群より選ばれる少なくとも1の物質を
さらに含んでもよい。
【0016】形成される被膜に光沢を持たせ歯牙を美し
く見せるようにするために、本組成物に光沢剤を含ませ
てもよい。光沢剤は、本組成物に安定した状態で含有さ
れるものであればいかなるものを使用してもよいが、無
毒性であることや天然歯牙に近い真珠様の光沢を持たせ
ることからは、魚鱗箔、雲母チタン、セリサイト、マス
コパイト、アコヤ貝未、アワビ貝未、及びタカセ貝未よ
りなる群より選ばれるものを使用することが好ましい。
【0017】形成される被膜に色を与え歯牙を美しく見
せるようにするために、本組成物に顔料を含ませてもよ
い。顔料は、本組成物に安定した状態で含有されるもの
であればいかなるものを使用してもよいが、無毒性であ
ること等を考慮すると、酸化チタン、マイカチタン、天
然パール、黄酸化鉄、リン酸第二カルシウム、炭酸カル
シウム、ヒドロキシアパタイト及び法定色素よりなる群
より選ばれるものを使用することが好ましい。なお、法
定色素とは、カラメル、緑色3号、青色1号、黄色4
号、黄色203号及び赤色106号等の口腔内において
使用しうる安全性の確認された色素である。とりわけ酸
化チタンを適量添加することは、歯牙表面に白色の色を
与えることができ好ましい。
【0018】アルコール溶液に溶解させた抗菌性成分や
薬効成分は特異臭を有する場合があり口腔内における爽
快な使用感を提供する点からは、香料を添加してもよ
い。香料はアルコール可溶であればいかなるものを使用
してもよい。例えば、酢酸エチル、ぎ酸アミル、ラベン
ダー油、ローズマリー油、ペパーミント、スペアミント
等のミント類、ウインターグリーン、カシア、オイゲノ
ール、サッカリンナトリウム、メントール等の天然抽出
物、酪酸メチル、イソバレリアン酸イソアミル、酢酸ベ
ンジル、酢酸イソアミルよりなる群より選ばれるものを
好適に使用することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳述するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】(実施例1)乾燥透明白ラック(シェラッ
ク)粉末27.0gを99.5%無水エタノール56.
0gに溶解する。この溶液にグリチルリチン酸ジカリウ
ム20mgを加えて均一に撹拌混合する。この混合液に
魚鱗箔ペースト(魚鱗箔25部を99.5%無水アルコ
ール75部で練ったもの)2.0gを添加して撹拌機で
撹拌混合する。このようにして得られた歯牙被膜用組成
物は、やや薄茶色をした流動性に富む懸濁液で、これを
刷毛で歯牙に塗布すると約3秒で乾燥硬化する。塗膜は
歯のエナメル質によく似た色合いと真珠様の光沢を有す
る。また、この被膜は剥離抵抗性に優れ、通常の食生活
をしても数日間剥離することはない。
【0021】(実施例2)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グリチルリチン酸ジカリウム 20mg ぎ酸アミル 7.0g ラベンダー油 6.0g ぎ酸アミル及びラベンダー油を配合することで、爽快な
使用感を与えることができる。
【0022】(実施例3)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グリチルリチン酸ジカリウム 20mg 1の薬効成分(グリチルリチン酸ジカリウム)をシェラ
ックのアルコール溶液に溶解させた最も基本的な組成物
である。
【0023】(実施例4)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グリチルリチン酸ジカリウム 20mg 魚鱗箔ペースト 2.0g ペパーミント 4.0g 酢酸エチル 7.0g 魚鱗箔ペーストを配合することにより、真珠様の光沢を
もたせることができる。また、ペパーミントの配合によ
り、口腔内での爽快感が味わえる。
【0024】(実施例5)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グリチルリチン酸ジカリウム 20mg 魚鱗箔ペースト 2.0g 酸化チタン 0.4g ペパーミント 4.0g 酢酸エチル 6.5g 酸化チタンの配合により被膜に白色の色を与えることが
できる。
【0025】(実施例6)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。ただし、シェ
ラックを乾燥透明白ラックに変更することにより、硬化
被膜が完全な白色を呈するものもできる。 シェラック(乳状白ラック) 27.0g 無水エタノール 56.0g グリチルリチン酸ジカリウム 20mg 魚鱗箔ペースト 2.0g 酸化チタン 0.4g 酢酸エチル 6.5g
【0026】(実施例7)乾燥透明白ラック(シェラッ
ク)粉末27.0gを99.5%無水エタノール56.
0gに溶解する。この溶液にグルコン酸クロルヘキシジ
ン4mgを加えて均一に撹拌混合する。この混合液に魚
鱗箔ペースト(魚鱗箔25部を99.5%無水アルコー
ル75部で練ったもの)2.0gを添加して撹拌機で撹
拌混合する。このようにして得られた歯牙被覆用組成物
は、やや薄茶色をした流動性に富む懸濁液で、これを刷
毛で歯牙に塗布すると約3秒で乾燥硬化する。塗膜は歯
のエナメル質によく似た色合いと真珠様の光沢を有す
る。また、この被膜は剥離抵抗性に優れ、通常の食生活
をしても数日間剥離することはない。
【0027】(実施例8)実施例7と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グルコン酸クロルヘキシジン 4mg ぎ酸アミル 7.0g ラベンダー油 6.0g ぎ酸アミル及びラベンダー油を配合することで、爽快な
使用感を与えることができる。
【0028】(実施例9)実施例7と同様の方法で下記
材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グルコン酸クロルヘキシジン 4mg 1の抗菌性成分(グルコン酸クロルヘキシジン)をシェ
ラックのアルコール溶液に溶解させた最も基本的な組成
物である。
【0029】(実施例10)実施例7と同様の方法で下
記材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グルコン酸クロルヘキシジン 4mg 魚鱗箔ペースト 2.0g ペパーミント 4.0g 酢酸エチル 7.0g 魚鱗箔ペーストを配合することにより、真珠様の光沢を
もたせることができる。また、ペパーミントの配合によ
り、口腔内での爽快感が味わえる。
【0030】(実施例11)実施例7と同様の方法で下
記材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。 シェラック 27.0g 無水エタノール 56.0g グルコン酸クロルヘキシジン 4mg 魚鱗箔ペースト 2.0g 酸化チタン 0.4g ペパーミント 4.0g 酢酸エチル 6.5g 酸化チタンの配合により被膜に白色の色を与えることが
できる。
【0031】(実施例12)実施例7と同様の方法で下
記材料を配合して歯牙被覆用組成物を得る。シェラック
を乾燥透明白ラックに変更することにより、硬化被膜が
完全な白色を呈するものもできる。 シェラック(乳状白ラック) 27.0g 無水エタノール 56.0g グルコン酸クロルヘキシジン 4mg 魚鱗箔ペースト 2.0g 酸化チタン 0.4g 酢酸エチル 6.5g
【0032】(薬効試験)次に、実施例3の組成物を歯
牙に塗布して歯周病に対する薬効を試験した。薬効は歯
周疾患指数の改善値によって確認した。ここにいう歯周
疾患指数とは、PMA指数、発赤指数、腫脹指数及びプ
ラーク指数をいう。PMA指数とは、P(歯間乳頭部歯
肉に発赤、腫脹)、M(辺縁歯肉部に発赤、腫脹)、A
(付着歯肉部に発赤、腫脹が波及)のそれぞれの拡がり
に対して、歯肉の炎症があれば1〜5点で評価して合計
点を算出することによって計算されるものである。発赤
指数とは歯肉の炎症程度を評価するためのもので、歯の
近、遠、頬、舌側の4面について0(正常)、1(軽度
の炎症、わずかな発赤、出血なし)、2(中等度の炎
症、発赤、プロービング時又は加圧時に出血する)、3
(高度の炎症、注目すべき発赤、潰瘍、自然出血)のそ
れぞれの点数をつけ、4面の点数の合計を4で除するこ
とによって算出される。腫脹指数とは歯肉の炎症程度を
評価するためのもので、歯の近、遠、頬、舌側の4面に
ついて0(正常)、1(軽度の炎症、出血なし)、2
(中等度の炎症、腫脹、プロービング時又は加圧時に出
血する)、3(高度の炎症、注目すべき腫脹、潰瘍、自
然出血)のそれぞれの点数をつけ、4面の点数の合計を
4で除することによって算出される。プラーク指数と
は、歯の近、遠、頬、舌側の4面について0(プラーク
の付着なし)、1(歯肉縁下に沿ってプラークがあ
る)、2(歯肉縁に沿って中等度のプラークが肉眼で見
える)、3(歯肉縁に多量のプラークがあり、隣接面に
も存在する)のそれぞれの点数をつけ、4面の点数の合
計を4で除することによって算出される。薬効成分も抗
菌成分も含んでいない組成物(シェラック27.0gと
無水エタノール56.0gとを混合したもの)を対照組
成物とし、それに対する実施例3の組成物の薬効を評価
した。15人の人上顎前歯2本の歯牙平滑面のうち対照
組成物を一方の前歯に塗布し実施例3の組成物を他方の
前歯に塗布して各指数の測定を行った。各指数は15人
のもの全ての合計値を算出し、その合計値を15で除し
て平均値を算出し測定結果とした。まず、実施例3の組
成物と対照組成物とを歯牙に塗布する前に各指数を測定
しこれをそれぞれの指数の初期値とした。その後、毎日
のブラッシング後に本組成物を歯頚部(歯と歯肉との境
界部)に塗布して1から4週後にそれぞれの指数を測定
した。また、1週後から4週後までの4個のデーターを
数平均し塗布後測定値とした。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 表1 グリチルリチン酸ジカリウム配合データ(歯周疾患指数) ──────────────────────────────────── 項目 初期値 1週後 2週後 3週後 4週後 塗布後測定値 ──────────────────────────────────── PMA指数 被検群 3.97 0.67 0.54 0.58 0.95 0.69 対照群 3.97 2.67 2.55 2.68 2.81 2.68 ──────────────────────────────────── 発赤 被検群 2.77 0.22 0.34 0.45 0.87 0.47 対照群 2.56 1.54 1.67 1.74 1.91 1.72 ──────────────────────────────────── 腫脹 被検群 3.42 0.41 0.55 0.68 0.83 0.62 対照群 3.95 1.65 1.77 1.96 2.05 1.86 ──────────────────────────────────── プラーク 被検群 3.21 0.21 0.65 0.88 1.02 0.69 指数 対照群 3.48 0.86 0.97 1.32 1.86 1.25 ────────────────────────────────────
【0034】表1から、PMA指数、発赤、腫脹及びプ
ラーク指数のいずれも対照群(対照組成物を塗布したも
の)の数値に比して被検群(実施例3の組成物を塗布し
たもの)の数値が小さくなっており、歯周病を有効に改
善していることがわかる。本組成物は虫歯及び歯周病を
予防するのみならず、歯周病を効果的に治療することが
できることがわかる。グリチルリチン酸は抗炎症作用を
有しており、それを配合した本組成物を歯牙に塗布する
ことで、それぞれの歯周疾患指数を大幅に低下(歯周疾
患を大幅に改善)できるものであろう。
【0035】(抗菌試験1)次に、実施例9の組成物を
歯牙に塗布した場合の抗菌効果を試験した。毎日のブラ
ッシング後に、15人の人上顎前歯2本の歯牙平滑面の
うち対照組成物(シェラック27.0gと無水エタノー
ル56.0gとを混合したもの)を一方の前歯に塗布し
実施例3の組成物を他方の前歯に塗布し(即ち、対照組
成物と実施例3の組成物とのいずれも15本の歯牙に塗
布された)、2週間後に実施例9の組成物を塗布した歯
牙(被検群)と対照組成物を塗布した歯牙(対照群)そ
れぞれのDIを測定した。DIとは、歯垢付着の程度を
表す指数であり、0(プラーク性沈着物の付着がな
い)、1(表面の1/3以内に沈着、又は外来着色物あ
り)、2(表面の1/3〜2/3に沈着、又は外来着色
物あり)、3(表面の2/3以上に沈着、又は外来着色
物あり)のそれぞれの点数をつけて評価する。なお、そ
れぞれの群全ての合計点数を15によって除し、数平均
をとった。評価結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から、実施例9の組成物を歯牙に塗布
することによって、(1.531−1.024)/1.
531×100=33.1%の歯垢付着を抑制すること
ができることが判明した。即ち、グルコン酸クロルヘキ
シジンが配合された実施例9の組成物を歯牙に塗布する
ことによって抗菌作用を有する被膜が歯牙表面上に形成
され、歯牙への歯垢付着を有効に防止することができる
ものであろう。
【0038】(抗菌試験2)バス法に従って歯を磨き、
細菌検査フィルム(TACフィルム)を15人のヒト上
顎前歯に装着し、実施例9の組成物及び対照組成物(シ
ェラック27.0gと無水エタノール56.0gとを混
合したもの)を、装着された細菌検査フィルムの別々の
場所に塗布した。2日後、細菌検査フィルム(TACフ
ィルム)を取り出してそれぞれの組成物が塗布されたフ
ィルム部分を培養し、1cm2当たりの好気性菌及び嫌
気性菌の数を測定した。測定結果を15によって除して
数平均をとり結果とした。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】 表3 グルコン酸クロルヘキシジン配合による歯垢細菌数の増殖抑制効果 ─────────────────────── 細菌数 好気性菌 被検群 200 対照合 2000 嫌気性菌 被検群 500 対照合 1000 ───────────────────────
【0040】表3から、本組成物を歯牙に塗布すること
によって、好気性菌(主として虫歯菌)を約1/10に
減少させることができ、嫌気性菌(主として歯周病菌)
を約1/2に減少させることができることが判明した。
即ち、グルコン酸クロルヘキシジンが配合された本組成
物を歯牙に塗布することによって、好気性菌と嫌気性菌
との両方に対する抗菌作用を有する被膜を歯牙表面上に
形成することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の組成物は歯牙表面へ塗布するこ
とによって抗菌性及び/又は薬効を有する被膜を歯牙表
面に形成し、虫歯や歯周病を効果的に防止することがで
きると共に歯周病を効果的に治療することができる。ま
た、塗布には、特殊な技術を要さないため、歯科医等の
助けを必ずしも必要とせず、手軽に虫歯や歯周病を予防
し及び/又は歯周病を治療することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯牙被覆用組成物であって、 アルコール中に溶解させたシェラックと、 第4級アンモニウム塩系殺菌剤、フッ素系殺菌剤、ビク
    ビスアナイド誘導体系殺菌剤、フェノール系殺菌剤及び
    両性界面活性剤系殺菌剤よりなる群より選ばれる抗菌性
    成分及び/又はトラネキサム酸、アラントイン、アラン
    トインジヒドロキシアルミニウム、アラントインクロル
    ヒドロキシアルミニウム、イプシロンアミノカプロン
    酸、リゾチウム、塩化ナトリウム、アズレン、酢酸dl
    −α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェ
    ロール、エピジヒドロコレステロール、ジヒドロコレス
    テロール、オウバクエキス、クエン酸亜鉛、ガントレッ
    ツ酸、カテキン、β−グリチルリチン酸及びグリチルレ
    チン酸よりなる群より選ばれる薬効成分と、を含んでな
    る、組成物。
  2. 【請求項2】第4級アンモニウム塩系殺菌剤が塩化セチ
    ルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
    ニウム及び塩化デカリニウムよりなる群より選ばれるも
    のであり、 フッ素系殺菌剤がフッ化ナトリウム、モノフルオロリン
    酸ナトリウム及びフッ化ストロンチウムよりなる群より
    選ばれるものであり、 ビクビスアナイド誘導体系殺菌剤がクロルヘキシジンで
    あり、 フェノール系殺菌剤がトリクロサン、チモール及びイソ
    プロピルメチルフェノールよりなる群より選ばれるもの
    であり、 両性界面活性剤系殺菌剤が塩酸アルキルジアミノエチル
    グリシンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】シェラックとアルコールとの合計重量に対
    しシェラックの重量が10乃至50%の範囲である、請
    求項1又は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】シェラックの重量に対し該抗菌性成分の重
    量が0.001%乃至5%の範囲である、請求項1乃至
    3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】シェラックの重量に対し該薬効成分の重量
    が0.001%乃至5%の範囲である、請求項1乃至4
    のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】光沢剤、顔料及び香料よりなる群より選ば
    れる少なくとも1の物質をさらに含む、請求項1乃至5
    のいずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】該光沢剤が、魚鱗箔、雲母チタン、セリサ
    イト、マスコパイト、アコヤ貝未、アワビ貝未、及びタ
    カセ貝未よりなる群より選ばれるものである、請求項6
    に記載の組成物。
  8. 【請求項8】該顔料が、酸化チタン、マイカチタン、天
    然パール、黄酸化鉄、リン酸第二カルシウム、炭酸カル
    シウム、ヒドロキシアパタイト及び法定色素よりなる群
    より選ばれるものである、請求項6又は7に記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】該香料が、酢酸エチル、ぎ酸アミル、ラベ
    ンダー油、ローズマリー油、ペパーミント、スペアミン
    ト等のミント類、ウインターグリーン、カシア、オイゲ
    ノール、サッカリンナトリウム、メントール等の天然抽
    出物、酪酸メチル、イソバレリアン酸イソアミル、酢酸
    ベンジル、酢酸イソアミルよりなる群より選ばれるもの
    である、請求項6乃至8のいずれかに記載の組成物。
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