JP3051480U - トーン検出ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】特別な技能を必要としないで、使用周波数が決
定しだい標準作業で製品が完成し、納品後の使用周波数
の変更も部品交換でなく、調整で対応可能なトーン検出
ユニットを提供する。 【解決手段】クロック生成部１と、スイッチドキャパシ
タ回路を応用したステートバリアブルフィルタで構成す
るスイッチドキャパシタフィルタ部２と、ユニット１個
で受信ブロックを構築するための周波数検出部３で構成
し、ステートバリアブルフィルタのアナログスイッチを
クロック生成部１が生成したクロックで開閉して等価的
に高抵抗を作り、クロック周波数ｆｓを変えることによ
って中心周波数ｆｏをコントロールする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、アナログ通信分野、特に防災無線、行政無線システム等において幅 広く使用される可聴トーン信号による各種遠隔制御機器に適用できるトーン検出 ユニットに関する。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

従来のトーン検出ユニットは、音叉型のフィルタが主流であり、使用周波数が 決定されしだいカットアンドトライで製造する技能が要求された。

【０００３】 このため、採算割れを生じて撤退するメーカが多く、納品までの期間も長く要 した。

【０００４】 また、納品後に使用周波数を変更する場合、フィルタを構成するいくつかのキ ャパシタ（Ｃ）または抵抗（Ｒ）を連動して変えなければならず、調整が難しく 、そのため部品を交換して対応している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案トーン検出ユニットは、特別な技能を必要としないで、使用周波 数が決定しだい標準作業で製品を完成でき、納品時あるいは納品後の使用周波数 の設定、変更も部品交換でなく、調整で対応可能なトーン検出ユニットを提供す るものである。

【０００６】 そのため、本考案は、スイッチドキャパシタ回路を応用したフィルタと、 前記スイッチドキャパシタ回路を駆動するクロックを生成するクロック生成手段 と、前記クロックの周波数を任意に切換えるクロック周波数切換手段とからなり 、前記フィルタの通過周波数帯域を前記クロックの周波数切換えにより設定でき るようにした。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に図面を参照して本考案の実施の形態について説明する。

【０００８】 図１に、本考案のトーン検出ユニットの実施例の概略構成を示す。

【０００９】 トーン検出ユニットは、クロック生成手段としてのクロック生成部１と、スイ ッチドキャパシタ回路を応用したステートバリアブルフィルタで構成するスイッ チドキャパシタフィルタ部２と、ユニット１個で受信ブロックを構築するための 周波数検出部３で構成し、０．３６〜３．４ＫＨｚの範囲の任意の周波数を狭帯 域制限で検出する。

【００１０】 クロック生成部１は、スイッチドキャパシタフィルタ部２に入力するクロック 信号を生成し、クロック周波数切換手段としての周波数設定ビット１１と、周波 数カウンタ１２と、水晶発振子１３と、フリップフロップ１４で構成する。

【００１１】 周波数設定ビット１１は、使用周波数と水晶発振子１３の発振周波数に基づい て分周数を決定し、外付のディップスイッチで周波数カウンタ１２に入力するク ロックとキャリ出力の比率を設定する。

【００１２】 なお、周波数設定ビット１１は外付でなく、ユニットに内蔵させてもよい。

【００１３】 周波数カウンタ１２は、水晶発振子１３の基準信号をカウントダウンして周波 数設定ビット１１が設定した分周数で水晶発振子１３の発振周波数を分周する。

【００１４】 水晶発振子１３は、所定のパルス幅の基準信号を生成する。

【００１５】 机上では１個のＸｔａｌで約２５５波を検出できるが、実用的には１／２波と なり、０．３６〜３．４ＫＨｚを３ｄｂ帯域制限で考慮すると、１８．４３２Ｍ Ｈｚ、１８．１００ＭＨｚ、１８．５９２０ＭＨｚの３種類のＸｔａｌを標準と し、これらの中から使用周波数に応じて適正なＸｔａｌを実装する。

【００１６】 フリップフロップ１４は、周波数カウンタ１２で分周した水晶発振子１３の発 振周波数をさらに１／２に分周する。

【００１７】 スイッチドキャパシタフィルタ部２は、スイッチドキャパシタ回路を応用した ２チャネルのステートバリアブルフィルタを１チップに集積した専用ＩＣで構成 する。

【００１８】 この専用ＩＣは、外付抵抗や制御信号の選択によっていろいろなタイプのＨＰ Ｆ、ＢＰＦ、ＬＰＦを実現し、チャネル毎に各フィルタ出力を同時に得ることが できる。

【００１９】 また、電荷Ｑや電圧ゲインの大きさ、周波数帯域なども自由に設定することが でき、２チャネルのステートバリアブルフィルタをカスケード接続することによ り４次フィルタ１回路を１チップで構成できる。

【００２０】 スイッチドキャパシタフィルタ部２は以上のような構成で、ステートバリアブ ルフィルタのアナログスイッチをクロック生成部１が生成したクロックで開閉し て等価的に高抵抗を作り、クロック周波数ｆｓを変えることによって中心周波数 ｆｏをコントロールする。

【００２１】 クロック周波数ｆｓと中心周波数ｆｏとの比ｆｓ／ｆｏは５０または１００倍 に設定し、ｆ-in に入力された周波数を５０または１００倍のクロックでサンプ リング抽出してｆ-outに出力する。

【００２２】 ｆｓ／ｆｏの設定は、専用ＩＣの５０／１００／ＣＬピンをＶ＋につないで５ ０に、あるいはアナログＧＮＤ（０Ｖ）につないで１００に切換える。

【００２３】 周波数検出部３は、オペアンプ３１とコンパレータ３２で構成し、スイッチド キャパシタフィルタ部２のｆ-outにアナログの入力端子を接続し、出力信号が一 定電圧値より大きいときは、５Ｖを出力し、一定電圧値より小さいときは０Ｖを 出力する。

【００２４】 これによりサンプリング抽出した出力信号の波形を整流してＣＭＯＳレベルで 出力する。

【００２５】 周波数検出部３は、サンプリング抽出した出力信号のアナログ特性をデジタル 変換して取り出すことができるので、アナログ式のトーン検出ユニットをコンピ ュータ制御の監視装置など多目的な用途に使用できる。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のトーン検出ユニットは、スイッチドキャパシタ 回路を応用したフィルタで構成し、このフィルタの通過周波数帯域をスイッチド キャパシタ回路を駆動するクロック周波数を切換えて設定する。

【００２７】 従って、本考案によれば、従来のようにフィルタの設計時に複雑な計算式を解 く必要がなく、外付抵抗や、外付けのディップスイッチでクロック周波数を変え るだけで自由に通過周波数帯域が設定でき、特別な技能を必要としない標準作業 なので、顧客ニーズに適応した低コストな製品を短納期で提供できるようになる とともに納品後の使用周波数の変更も簡単に調整で対応できるようになる。

【００２８】 また、スイッチドキャパシタ回路を応用したフィルタは、オペアンプのような 能動素子を含むので挿入損失が少なく、ＣやＲ素子を含めて全部をモノリシック ＩＣ化しているので、機械的衝撃に強く、コンパクトなオンボードタイプにする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施したトーン検出ユニットの構成図
である。

【符号の説明】

１ クロック生成部 １１ 周波数設定ビット １２ 周波数カウンタ １３ 水晶発振子 １４ フリップフロップ ２ スイッチドキャパシタフィルタ部 ３ 周波数検出部 ３１ オペアンプ ３２ コンパレータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スイッチドキャパシタ回路を応用したフィ
   ルタと、 前記スイッチドキャパシタ回路を駆動するクロックを生
   成するクロック生成手段と、 前記クロックの周波数を任意に切換えるクロック周波数
   切換手段と、を備え、 前記フィルタの通過周波数帯域を前記クロックの周波数
   切換えにより設定することを特徴とするトーン検出ユニ
   ット。