JP3051082U - 畳 床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 軽量で携帯至便であり、且つ何人も容易に取
扱うことができる畳床を提供する。 ［解決手段］ 方形床芯層の中心に設けたベニヤ板の上
面に天然繊維圧縮加工部材とその上面にクッション性保
護部材を重合し、前記ベニヤ板の下面にクッション部材
を設け、該クッション部材の下面に防虫防湿シートを設
けた積層体を床芯層として縫着すると共にその上面に畳
表を張設して縁取りをする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は畳床、更に詳しくは畳芯層を薄く軽量に成型された携帯至便且つクッ ション性を有する畳床に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の畳床は、藁を縦横に配列して縫着した床芯層の上にイ草で作った畳表に て被覆し縁取りを施していた。

【０００３】 また近年では、平板状のクッション材と、硬質板と、同硬質板の周辺を囲繞し た硬質枠体と、硬質板と硬質枠体との境部分を覆うだけの広さを有した硬質の裏 付板とを順次重合して畳床を構成すると共に、同畳床の上面から側面および裏面 側縁部にかけて畳用ござを被覆し、畳床の裏面縁部から折り返した畳用ござの折 り返し縁部に裏側から滑り止め板を粘着した縁帯のない簡易畳が提案されている （例えば特開平６−１４６５４７号公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の畳床は、床芯層には厚味を有し保温性があるとしても、 相当の重量と手数と労力とを費すだけでなく高価であるという欠点があった。ま た、従来幾多改良された畳床が提案されているが、その畳床と難も硬質部材を多 く使用しているので、重く、且つ、保温性とクッション性に欠ぐという問題点が あった。

【０００５】 そこで、本考案は之等の問題点に鑑みてなされたものであって、軽量で携帯至 便であり、且つ何人も容易に取扱うことができる畳床を提供することを目的とし たものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案は、方形の床芯層の中心に内装したベニヤ 板の上面に厚味に形成した天然繊維圧縮加工部材とその上面にクッション性保護 部材を重合し、前記ベニヤ板の下面にクッション部材を設け、該クッション部材 の下面に防虫防湿シートを設けて成る積層体を床芯層に形成し、各層が一体とな るように縫糸で縫着すると共にその上面に畳表を張設して縁取りを施すことを特 徴とするものである。

【０００７】 このように形成すると、従来のように重量のある畳でなく軽量で取扱いが極め て容易であるので、板間にも簡単に敷いたり取り除いたりすることが可能となり 、必要に応じ間取りに変化を与え日本風或いは洋風の感覚を味わうことができる ものである。なおここで、方形の床芯層であるから畳表も方形となることは必然 的であるけれども、各人の趣好に応じて従来のように長方形に形成することもも ちろん可能であり、形状については、方形に限定するものでなく、如何なる形状 にも応用し得るものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。各図面において 、図１は本考案畳床の一実施の形態を示す一部切欠斜視図、図２は本考案畳床の 一部切欠表面図、図３は本考案畳床の裏面図、図４は本考案畳床の使用状態を示 す説明図、図５は畳床の一部切欠斜視図である。

【０００９】 図１〜図４において、床芯層の中心にベニヤ板１を畳床の形状に即応して方形 状とし、厚味約２．５ｍｍ程度に形成する。ベニヤ板１の上面に天然繊維圧縮加 工部材２例えばダイケンボード（大建工業株式会社商品名）を載置する。このダ イケンボードは天然の良質繊維を圧縮加工することにより、約６ｍｍ〜７ｍｍ程 度の肉厚を有する板状に形成されている。さらに天然繊維圧縮加工部材２の上面 に厚味約０．３ｍｍ程度のクッション性保護部材３を重合する。前記ベニヤ板１ の下面にはクッション部材４例えばＦＭシート（丸三製紙株式会社商品名）を設 ける。このＦＭシートは、天然木質繊維の特殊加工紙であって、形状はフラット で適度な弾力性と通気性、耐久性を有して床芯層の湿度や温度の変化に対応し調 節機能を有するものである。クッション部材４の下面には防虫防湿シート５を設 ける。

【００１０】 前記クッション性保護部材３、天然繊維圧縮加工部材２、ベニヤ板１、クッシ ョン部材４、防虫防湿シート５を積層し、これらの積層体を床芯層とし弾靭な畳 用糸６にて締付けて縫着すると共に表面に畳表７を張設して縁取り８を施してい る。また、畳床の裏面の各隅角部には滑止め９を取り付けている。

【００１１】 次にこのような実施の形態の実際の使用について説明する。まず、以上説明し たような構成より成る完成された畳床を板間に図４に示されるように配設する。 すると、畳の上に正座し、或いは畳の上を歩行する場合、床芯層がベニヤ板をサ ンドイッチ状に挟んで適度な硬さと弾力性のある部材の積層にて形成しているた め、これらの積層体のクッションにより感触が柔らかく、結果として衝撃性がな く、心地よい畳床として使用することができる。

【００１２】 さらにここで実施の形態において説明した本考案の畳床は、適度な硬さと弾力 性と比較的軽量な部材が望ましいので、クッション性保護部材と天然繊維圧縮加 工部材例えばダイケンボード（別名称インシュレーションボード）を採用するこ とによって断熱性、防音性、防湿性の効果を有する快適な住み心地を実現し、さ らにクッション部材としてＦＭシートを採用することによって、適度な弾力性と 耐久性を有することが可能となり、このような部材の積層により湿度や温度の変 化に対応して調節を図り得ることができるものである。

【００１３】 図５に示される実施の形態は、上面よりクッション性保護部材３、天然繊維圧 縮加工部材２、ベニヤ板１、クッション部材４を重合し、これら重合体全体を防 虫防湿シート５にて包被しているものであり、あとの構成は、前述の図１〜図３ に示される実施の形態で説明した構成と同じなのでその説明を省略する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので次に記載する効果を奏する。

【００１５】 本考案のうち請求項１又は２記載の考案は、床芯層の中心にベニヤ板を介在し 、該ベニヤ板の上面に厚味のある天然繊維圧縮加工部材とその上面にクッション 性保護部材を載置したので、各部材共にクッション性を有し、殊に天然繊維圧縮 加工部材は適当な硬さと弾力性を有すると共に室温の維持によって冷暖房効果を 奏し、防虫性並びに吸湿、放湿性に優れており、而かも軽量で品質ムラがないた め、誰でも容易に板間に敷いたり、不要時には取り除いたりすることが可能とな り、またベニヤ板の下側にクッション部材を設けることにより適度な弾力性を形 成すると共に通気性と耐久性とを有するため、畳表と畳床との間の湿度や温度の 変化に対応し得るという効果がある。

【００１６】 さらに、防虫防湿シートを設け縫糸にて縫着することにより、床芯層をさらに 強化して型崩れもなく、畳表を張設することによって安価で耐久性に勝れ、携帯 至便な畳としてその効用を増大するものである。 本考案のうち請求項３記載の考案は、請求項１又は２記載の考案効果に加えて 畳床の裏面の任意位置に滑止めを設けたので、板間に畳を敷いた場合、畳の位置 がずれることなく、安定的に設置可能であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案畳床の一部切欠斜視図である。

【図２】本考案畳床の一部切欠表面図である。

【図３】本考案畳床の裏面図である。

【図４】使用状態を示す説明図である。

【図５】本考案畳床の一部切欠斜視図である。

【符号の説明】

１ ベニヤ板 ２ 天然繊維圧縮加工部材 ３ クッション性保護部材 ４ クッション部材 ５ 防虫防湿シート ７ 畳表 ８ 縁取り ９ 滑止め

【手続補正書】

【提出日】平成１０年３月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案畳床の一部切欠斜視図である。

【図２】本考案畳床の一部切欠表面図である。

【図３】本考案畳床の裏面図である。

【図４】使用状態を示す説明図である。

【図５】本考案畳床の一部切欠斜視図である。

【符号の説明】 １ ベニヤ板 ２ 天然繊維圧縮加工部材 ３ クッション性保護部材 ４ クッション部材 ５ 防虫防湿シート ７ 畳表 ８ 縁取り ９ 滑止め

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形床芯層の中心に設けたベニヤ板の上
   面に天然繊維圧縮加工部材とその上面にクッション性保
   護部材を重合し、前記ベニヤ板の下面にクッション部材
   を設け、該クッション部材の下面に防虫防湿シートを設
   けた積層体を床芯層として縫着すると共にその上面に畳
   表を張設して縁取りを設けたことを特徴とする畳床。
2. 【請求項２】 上面よりクッション性保護部材、天然繊
   維圧縮加工部材、ベニヤ板及びクッション部材を重合し
   これら重合体全体を防虫防湿シートにて包被し、縫着す
   ると共にその上面に畳表を張設して縁取りを設けたこと
   を特徴とする畳床。
3. 【請求項３】 畳床の裏面の任意の位置に滑止めを設け
   たことを特徴とする請求項１又は２記載の畳床。