JPS581549Y2 - 畳床 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は畳床に係り、広本体を威す複数枚のマットを植
物性繊維製板により構成したものの改良に関する。

従来、例えば実開昭４８−２２９１７号公報に示される
如く、広本体を植物性繊維製板により構成し、該広本体
の表裏を貫通する貫孔を多数形成することによって、該
広本体の良好な通気性による腐敗防止を目的としたもの
が公知である。

然るに、この従来例では、広本体の曲げ応力集中時に前
記貫孔の周囲より植物性繊維製板に亀裂が生じるばかり
か、重量物を支承したとき前記貫孔の周囲に於いて該繊
維製板が陥没する等、強度的に問題がある。

また畳床の表面に畳表を縫着する際、前記貫孔の部分に
於いて縫糸が畳床に係止し得す、縫着に不適である。

更に前記貫孔を介して床下からの湿気が畳上に上昇する
欠点があるばかりか、このように通気性が良好な余り、
断熱保温性に劣る問題がある。

一方に於いて、実公昭４３−９５７８号公報に示される
如く、発泡樹脂製の原本体上に繊維質クッション材を積
層し、該クッション材を凹凸を有する断面波形に形成し
たものが矢張り公知である。

然るに、この従来例では、畳床の僅かな上層部分のみが
クッション材を介してクッション性あるものとされてい
るに過ぎず、畳床全体として従来汎用の藁製畳床の如き
微妙なりッション性とは相違する違和感があり、また前
記クッション材が疲労した後はこれが発泡樹脂製原本体
に密着してクッション機能を著しく劣化すると共に、こ
の落ち込みにより畳表に波打ちを生じる欠点がある。

本考案は上記に鑑み、クッション性能を満足しつつ強度
を保証し、また畳表等の縫着機能を低下することなく軽
量且つ安価とした畳床を提供することが目的である。

従って、その特徴とする処は、表裏を貫通する通孔又は
少なくとも一面凹欠部とした空隙形成部を多数備えた植
物性繊維板マットが、前記空隙形成部を相互に連通しな
い位置ずれした状態で、複数枚直接又は間接に重合積層
されて成る点にある。

以下図面に基いて本考案実施例を詳述すると、第１図に
於て、１は広本体で、好ましくは２枚のマット２を介在
板３を介して重合している。

マット２はワラ及び木材等をパルプ化し、それに樹脂加
工を施し、耐湿・耐水性を加え且つ高温殺菌処理し、望
ましくは香臭を発する香料或いは防虫用ナフタリン等を
加え、接着剤を添加して熱圧プレスした比重０．２〜０
．５程度の半硬質植物性繊維板を形威し、該マット２０
表裏を貫通する通孔４、又は少なくとも一面好ましくは
第２図示の如く両面に凹欠部５の何れかとされる空隙形
成部６を全面に多数設けている。

このマット２は図例ではｌ□ｍｒｎ〜１５ｍｍ程度の厚
さとされているが、その他各種厚さのものが用意され、
２枚以上の複数枚を積層することにより厚手或いは薄手
とした自在な法本体１が形成される。

また介在板３は第３図及び第４図示の如く、ダンボール
紙或いは馬フン紙等の収縮性を有する厚さ２〜３ｍｍ程
度の厚紙から形成され、両図示の如く裏面押出し等の方
法により、該介在板３の表面一方向に多数のリブ状突条
７を備えている。

８は厚さＱ、２ｍｍ程度の防湿シートで、第５図示の如
く厚手の強靭なりラフト紙９の裏面に合成樹脂クロス又
はフィルム１０を接着剤を介して貼着している。

１１は前記介在板３と同一構成の厚紙で、平坦な裏面に
前記防湿シート８のクラフト紙９を接着している。

また１２は可撓性を有する補強板で、比較的薄手のベニ
ヤ板等の単板又は硬質紙より形成されている。

更に１３はホコリを追放し且つ吸湿放湿の所謂呼吸作用
をする積層板で、厚さ２ｍｍ〜５ｍｍ程度のダンボール
紙或いは馬フン紙等とした硬質紙より形成されている。

こうして防湿シート８を貼着した厚紙１１に補強板１２
を重合し、該補強板１２に法本体１を積層し、該法本体
１の下層のマット２と補強板１２とを接着剤を介して接
着しており、更に法本体１に積層板１３を積層し、以上
を縫糸その化ホッチキス針等により積層全体を一体に縫
着している。

尚、図中１５は畳表又は帆布であり、従来と同様に機械
縁、手縫又は所謂ホッチキス等により覆設される。

又前記介在板３の突条７と厚紙１１の突条１４とは相互
に直交していることが望ましい。

こうした構造をもつ畳床を実施する訳であるが、本案例
では特に複数枚のマット２が該空隙形成部６を上下の関
係において相互に連通しない位置ずれした状態として積
層したことを最も特徴とするのである。

この構成は他の実施例として示す第６図でも同様である
が、唯第６図の場合は、法本体１が上記マット２の下位
置に、介在板３を介して補助層材１６を介層しており、
この補助層材１６は発泡プラスチックを素材とするもの
で、ＪＩＳＡ ９５１１に規定する第１号品と同品質の
ものにより形成されている点が構造として若干異なり、
この構成によれば、燃焼時の安全及び廃棄時の公害誘発
等については上記に若干劣るが、その他の効果に一つい
ては後述の如く上記実施例と同様に得られ、安価に提供
できる長所がある。

なお上記何れの実施例に於ても、複数枚のマット２は介
在板３を介して間接的に積層したものを示したが、図例
の他、複数枚のマット２を直接に積層し、或いは任意層
部分に補助層材１６を介在させることは自由で゛ある。

本考案は以上のように構成した結果、畳床のクッション
性能を満足しつつ強度を保証し、また畳表の縫着機能を
低下することなく軽量且つ安価である等の効果がある。

即ち本考案では、直接又は間接的に積層された複数枚の
マット２が、夫々の空隙形成部６を上下層相互に連通し
ない位置ずれ状態とするものであるから、法本体１に対
し空隙形成部６が平面的に多数散在する関係となって法
本体１の全面略均等にクッション性を得ることができる
。

しかもこのように位置ずれした空隙形成部６により複数
層のマット２により法本体１の全体にクッション機能を
有するものであるから、局部的疲労により部分的にクッ
ション機能を失なうことなく、耐疲労性に優れる。

一方、前記位置ずれした空隙形成部６によるも強度的に
頗る優れたものであり、例えば下層マツ１〜２の空隙形
成部６に曲げによる引張又は圧縮力が作用してもその上
層のマット２において対応する個所が空隙形成部６以外
の実質的構成部であるから、これが抵抗となって応力集
中を分散し、殊に空隙形成部６の周縁からマット２に亀
裂が生じることを防止できる。

しかもこのように空隙形成部６が上下層に連通していな
いので、上層の空隙形成部６周縁に過負荷がかかつても
その負荷に下層のマット構戊部が抵抗するから歪量を全
体としてノＪ州〕に抑え、仮に局部的な重荷重が作用し
ても極度に陥没するおそれはない。

また上記のようにマット２が空隙形成部６を有すること
から畳床として軽量且つ安価である一方、空隙形成部６
を位置ずれした関係とすることにより、畳表等の縫着機
能を低下することはない。

即ち例えば、畳表１５を縫着するに際し、縫糸が上層マ
ット２の空隙形成部６を挿通される場合であっても、該
縫糸は下層マット２の実質的構成部に挿通係止され、こ
れにより縫糸の畳床に対する如何なる個所での縫着も可
能とする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す断面図、第２図はマッ
トの他の実施態様を示す断面図、第３図は介在板の１例
を示す断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第５図
は防湿ンートの１例を示す断面図、第６図は本考案の他
の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・法本体、２・・・・・・マツ１−１３・
・・・・・介在板、６・・・・・・空隙形成部、７・・
・・・・突条、８・・・・・・防湿シー１−１ｌｉ・・
・・・・厚紙、１２・・・・・・補強板、１３・・・・
・・積層板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏を貫通する通孔４又は少なくとも一面凹欠部５とし
   た空隙形成部６を多数備えた植物性繊維板マット２が、
   前記空隙形成部６を相互に連通しない位置ずれした状態
   で、複数枚直接又は間接に重合積層されて成るを特徴と
   する畳床。