JP3050846B2 - スペーサー材の散布方法及びその散布装置 - Google Patents

スペーサー材の散布方法及びその散布装置

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JP3050846B2
JP3050846B2 JP10145491A JP14549198A JP3050846B2 JP 3050846 B2 JP3050846 B2 JP 3050846B2 JP 10145491 A JP10145491 A JP 10145491A JP 14549198 A JP14549198 A JP 14549198A JP 3050846 B2 JP3050846 B2 JP 3050846B2
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幹雄 橋本
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示パ
ネル等の上下2枚の基板の間隔を保持するスペーサーを
形成するために、スペーサー材料としての粉体を散布す
るスペーサー材の散布方法及びその散布装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば液晶表示パネルは、図12に示す
ように、一定の間隔をおいて設けられた2枚の基板20
・20の間隙に液晶21を封入した構造を有している。
この間隙の大きさは通常セル厚と呼ばれている。液晶表
示パネルに均一なセル厚を設けることが重要であり、こ
のため上記間隙を保持するスペーサー22…が2枚の基
板20・20の間隙内に形成される。
【0003】上記スペーサーの従来の散布方法には、特
定の粒径分布を有する粉体からなるスペーサー材を、例
えばフロン(例えば、ダイキン工業株式会社製のダイフ
ロン等)、トリクロルエタン、純水等の各種液体に分散
させ、この混合液を基板の上面側に噴霧する方法がある
(湿式方式)。この方法では、混合液の噴霧後の分散媒
としての液体は、自然に揮発するか又は水の場合には強
制的に蒸発させるか等により取り除かれる。
【0004】上記混合液を使用する方法にて散布された
スペーサー材は、複数の粉体粒子が基板の上面側に相互
に接触して塊状となった状態で分布する傾向がある。こ
のようにスペーサー材が相互に接触して塊状となるいわ
ゆる凝集は、液晶表示パネルの品質を確保する上で問題
となる。即ち、液晶表示パネルの品質を確保してスペー
サーを形成するためには、基板の上面側に極力均一にス
ペーサー材を分布させることが重要であり、相互に接触
している粉体粒子が1箇所もないように散布されるのが
良く、理想的には粉体粒子相互間の距離が略同じである
のがよい。
【0005】ところが、上記の方法は分散媒として液体
を使用していることにより以下のような問題を有してい
る。
【0006】即ち、この方法は、液体が揮発又は蒸発し
た跡にできるシミの発生や、イオン性不純物の混合液へ
の混入により液晶に対する電圧保持率低下を誘発するの
で、液晶表示に不良が発生して液晶表示パネルの品質の
低下を招来する。
【0007】また、最近では混合液に使用する液体の処
理の問題により、この分散媒として液体を使用する方法
の採用が困難になっている。つまり、例えば、オゾン層
破壊という公害を防止するためのフロン規制によりフロ
ンが使用できなくなる傾向にある。さらに、液体として
フロンを使用していなくても、スペーサー材を含んだ混
合廃液の垂れ流しは公害の原因となるので、何らかの無
公害化処理を施さねばならず、この無公害化処理の煩雑
さ、及びそれに伴う処理コストの増大等の問題がある。
【0008】そこで最近では、上記の問題を解決するた
め、分散媒として液体の代わりに気体を使用する方法
(乾式方式)が用いられるようになってきた。
【0009】従来の乾式方式の液晶表示パネルのスペー
サー散布装置を、例えば、図13及び図14に示す。な
お、図14は、図13をA方向から見た正面図(透視
図)である。
【0010】図13に示すように、散布対象となる基板
20が吸着盤42の上側に載置される。そして、この基
板20及び吸着盤42を下面開口の散布箱41を用いて
覆うように配される。この状態で散布箱41の上部に設
けられている注入管40の入口側からスペーサー材とし
ての微小粉体を含んだ気体が導入され、噴出口40aか
ら微小粉体を散布箱41内に噴出させて散布することに
よって、対象となる基板20の上面側に微小粉体を付着
させ、スペーサーを形成するようになっている。このと
き分散媒として使用される気体にはN2、Air、Dr
y Air等がある。
【0011】ここで、微小粉体からなるスペーサー材の
粒子の形状、大きさは例えば、 (1)球状 : 直径3〜20μmφ (2)細長い棒状 : 直径3〜20μmφ、長さ15
〜70μm であり、また、上記注入管40は、管内径が10mm
φ、管長さが500mmに形成されている。
【0012】上記の構成によれば、注入管40を通して
スペーサー材としての微小粉体を含む気体を散布箱41
に注入すると、個々の微小粉体又は凝集した微小粉体粒
子群が注入管管壁(内壁)に衝突する。あるいは個々の
微小粉体又は凝集した微小粉体粒子群同士が衝突しあ
う。
【0013】これにより、凝集している微小粉体粒子群
に関し、その粒子群を構成している微小粉体粒子の個数
(1つの粒子群に於いて接触している微小粉体粒子の個
数)が衝突前の構成個数よりも少ない個数となる。
【0014】衝突によって1つの粒子群に於いて接触し
ている微小粉体粒子の個数が減少する理由としては、下
記の二点が挙げられる。 (1)物理的な力によるもの: 例えば、粒子群と注入
管管壁(内壁)との衝突時に働く物理的衝撃による減
少。 (2)電気的な力によるもの: 衝突によってスペーサ
ー材(粒子群)同士が摩擦され、摩擦による静電気がス
ペーサー材(粒子群)に発生する。即ち、スペーサー材
(粒子群)が静電気により帯電する。故に、同種の電気
同士(プラス同士、マイナス同士)の電気的反発が生じ
て減少する。
【0015】このように、分散媒として気体を用いる方
法によって、スペーサー材の凝集を減少することがで
き、基板20上により均一にスペーサーを形成すること
ができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の方法において、スペーサー材の凝集度合は、スペーサ
ー材を含んだ気体の流速に関係する。即ち、基本的には
流速が速い(大きい)ほどその凝集度合は小さくなる。
【0017】前述のように、衝突時に働く物理的衝撃や
発生する静電気の量はスペーサー材(粒子群)を含む気
体の流速が速い程、即ち気体に含まれるスペーサー材
(粒子群)の流速が速い程、衝撃は大きく、又発生する
静電気の量は多くなる。
【0018】したがって、スペーサー材(粒子群)を含
む気体の流速が速い程、1つのスペーサー材粒子群にお
いて接触しているスペーサー材の個数がより減少するこ
とになり、凝集度合は小さくなる。ここで、注入管40
から注入されるスペーサー材を含んだ気体の流速(単位
の例:m/min)の経過時間依存性の一例を図15に
示す。図中実線で表すグラフは、注入管40の出口直後
での流速、即ち散布箱41内部での値を示す。また、破
線で表すグラフは、注入管40内部の出口前での流速を
示す。
【0019】図15から明らかなように、微小粉体の注
入開始から所定時間の間は、気体の流速は要求される各
定常値に達しない。即ち、この注入初期においては流速
が遅い(小さい)為、スペーサー材の凝集度合が特に大
きい状態にある。従来の方法ではこの時の凝集度合の激
しいスペーサー材粒子群が、そのまま基板20上に散布
される(付着する)。したがって、基板20の上面側に
凝集塊を含んだ状態でスペーサーが形成されるので、液
晶表示パネルの品質の低下を招来するという問題点を有
している。
【0020】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、スペーサー材の基板上で
の凝集を極力減少させ、これによって、例えば液晶表示
パネルの品質の低下を防止し得るスペーサー材の散布方
法及びその散布装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載のスペーサー材の散布方法は、粉体
のスペーサー材を気体に含ませて散布箱内に注入し、前
記散布箱内に配置された被散布基体上に前記スペーサー
材を散布して付着させ、前記被散布基体上にスペーサー
を形成するスペーサー材の散布方法において、前記気体
のみを散布箱内に注入し、前記気体の流速が安定した
後、前記スペーサー材を前記気体に含ませて前記散布箱
内に注入することを特徴としている。
【0022】請求項2記載のスペーサー散布装置は、散
布箱と、粉体のスペーサー材を含む気体を前記散布箱内
に注入し、前記散布箱内に配された被散布基体上に前記
スペーサー材を散布する注入手段と、を備えたスペーサ
ー散布装置において、前記注入手段は、第1の気体のみ
を前記散布箱内に注入する第一注入手段と、前記スペー
サー材を第2の気体に含ませる第二注入手段と、を備
、前記散布箱の手前で第一注入手段と第二注入手段と
が連結され、第1の気体と前記スペーサー材を含む第2
の気体とが前記散布箱の手前で合流することを特徴とし
ている。
【0023】請求項1のスペーサー材の散布方法によれ
ば、気体のみを散布箱内に注入して流速が安定した後、
スペーサー材を気体に含ませて散布箱内に注入すること
により、スペーサー材を含ませた気体は、スペーサー材
の凝集度合が小さい状態で被散布基体上に散布すること
ができる。
【0024】また、請求項2のスペーサー散布装置によ
れば、第1の気体のみを散布箱内に注入する第一注入手
段と、スペーサー材を第2の気体に含ませる第二注入手
段と、を備え、散布箱の手前で第一注入手段と第二注入
手段とが連結され、第1の気体とスペーサー材を含む第
2の気体とが散布箱の手前で合流することにより、第1
気体のみを散布箱内に注入して流速が安定した後、ス
ペーサー材を第2の気体に含ませて、第1の気体とスペ
ーサー材を含む第2の気体とを散布箱の手前で合流させ
て散布箱内に注入することができるため、スペーサー材
を含む合流させた気体は、スペーサー材の凝集度合が小
さい状態で被散布基体上に散布することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の参考例について図1ない
し図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0026】本発明を液晶表示パネルのスペーサー散布
に適用した場合について以下に説明する。参考例の液晶
表示パネルのスペーサー散布装置は、大型の電極基板を
用いて液晶表示素子を一括形成する製造(マルチセル製
造方法)、高精細のパターン形成を必要とするアクティ
ブ型液晶表示素子の製造や、大型高精細ドットマトリク
ス等の液晶表示素子の製造に適している。
【0027】本スペーサー散布装置は、図1に示すよう
に、液晶表示パネルに使用される、例えばガラスやフィ
ルム等の基板1(被散布基体)を吸着して固定する吸着
盤2を備えている。上記基板1の大きさは、縦(mm)
×横(mm)×厚さ(mm)が、例えば、200×20
0×0.7、300×300×0.7、300×400
×1.1、あるいは500×500×2.0等であり、
縦、横、厚さは各種の組み合わせが可能である。
【0028】上記基板1の上面側には、蒸着法等により
形成された透明導電性被膜3が積層されており、この透
明導電性被膜3には、写真蝕刻法等により所定の電極パ
ターンが形成されている。
【0029】一方、上記基板1及び吸着盤2は、下面開
口となっている直方体形状の散布箱4によって覆われて
いる。この散布箱4は、例えばアクリル等の樹脂からな
っている。
【0030】また、上記散布箱4の上壁部中央付近に
は、上壁部を貫通する貫通孔5が形成されており、この
貫通孔5には、注入管9(注入手段)の一端が嵌入され
ている。この注入管9の一端は散布箱4の内部で所定の
長さを有し、その先端部は噴出口9aとなっている。さ
らに、上記散布箱4の一側壁部には排気孔10が形成さ
れており、この排気孔10には開閉バルブ12(制御手
段)を有する排気管11(排気手段)の一端が取り付け
られている。
【0031】参考例においては、上記注入管9はその少
なくとも一部が形状記憶合金(形状記憶部材、屈伸自在
な部材)を用いて形成されており、平常温度では散布箱
4内で湾曲し、その先端部である噴出口9aが排気孔1
0の中心部近傍Pに位置するように設定されている。さ
らに、図示しない加熱装置によって所定の温度に加熱し
た場合は、上記注入管9は、略直状となり、その先端部
である噴出口9aが基板1上方のP’に位置するように
設定されている。なお、上記注入管9のうち、形状記憶
合金で構成されていない部分の材質としては、プラステ
ィックやグラスファイバー等が挙げられる。
【0032】一方、注入管9の他端には、図示しない粉
体定量装置を内蔵した粉体供給装置6を介して、例えば
コンプレッサ等の気体供給源としての空気供給源8が接
続されている。この空気供給源8は、クリーン度の高い
除湿空気を上記粉体供給装置6に導入することによっ
て、供給された微小粉体7を注入管9内に誘導するとと
もに、その微小粉体7を注入管9内で、管内流速約20
m/minで除湿空気により搬送させるようになってい
る。
【0033】上記スペーサー材としての微小粉体7の粒
子の形状、大きさは、例えば、 (1)球状 : 直径3〜20μmφ (2)細長い棒状 : 直径3〜20μmφ、長さ15
〜70μm である。また、スペーサー材は、例えば各種プラスチッ
ク、ガラス等の各種の材料によって形成される。また、
微小粉体7を搬送する気体としては、上記除湿空気の
他、例えば、N2ガスや除湿していない空気などが一般
に使用される。
【0034】上記の構成において、参考例における液晶
表示パネルのスペーサー散布装置の動作を図2及び図3
を参照しながら以下に説明する。
【0035】図2に示すように、先ず、吸着盤2の上側
に基板1を載置した後、散布箱4によりこれら吸着盤2
及び基板1を覆う。このとき注入管9の先端部である噴
出口9aは、排気孔10の中心部近傍Pに位置するよう
に配される。
【0036】この状態において、先ず、排気管11の開
閉バルブ12を閉じ、排気を開始する。次いで排気管1
1の開閉バルブ12を開くとともにスペーサー材として
の微小粉体7を粉体供給装置6を介して注入管9内に導
入し、空気供給源8を介して除湿空気により注入管9内
へ注入を開始する(微小粉体7の散布開始時をt=0秒
とする)。この後、微小粉体7を含む気体の流速が所定
値(例えば、噴出口9aを出た後で100m/min)
に達するまで待つ。例えば、図7に示す流速の時間特性
の場合には、待ち時間としてt=5秒以上とすればよ
い。
【0037】この間に注入管9及び噴出口9aを通じて
散布箱4内に流入する微小粉体7を含む気体は、ほとん
ど全て排気管11及び開状態になっている開閉バルブ1
2を通じて散布箱4の外部に排出される。即ち、凝集度
合の大きいスペーサー材としての微小粉体7を含む注入
開始直後の気体は基板上に導かれることなく散布箱4の
外部に排出される。
【0038】その後、その少なくとも一部が形状記憶合
金を用いて形成された注入管9に対して、図示しない加
熱装置を介して加熱処理を施して所定の温度まで上昇さ
せる。また、その直後に開閉バルブ12を閉じる。
【0039】これによって、図3に示すように、注入管
9の形状が二点鎖線で示す状態から実線で示す状態へと
変化し、略直状となり、その先端部である噴出口9aが
基板1上方のP’に位置するようになる。したがって、
流速が所定値(例えば、噴出口9aを出た後で100m
/min)にほぼ保たれた微小粉体7を含む気体が、基
板1に向かって散布される。即ち、凝集度合の小さいス
ペーサー材としての微小粉体7を含む気体が散布される
ので基板上により均一なスペーサーを形成することがで
きる。
【0040】以上のように、参考例におけるスペーサー
散布装置は、スペーサー材としての微小粉体7を散布す
るための注入管9と基板1を収容するための散布箱4を
有するスペーサー散布装置において、上記注入管9の少
なくとも一部が形状記憶合金を用いて形成されていると
共に、開閉バルブ12を含む排気管11が設けられてい
る。それゆえ、スペーサー材としての微小粉体7を含む
気体を、注入開始後所定の流速に達するまでの期間、排
気管11の開口部近傍に導かれた注入管9及び開閉バル
ブ12を含む排気管11を通じて散布箱4の外部に排出
することができる。即ち、凝集度合の大きいスペーサー
材を含む注入開始直後の気体は基板1上に導かれること
なく排出される。
【0041】さらに、該注入管9の少なくとも一部が形
状記憶合金を用いて形成されているので、スペーサー材
としての微小粉体7を含む気体が所定の流速に達した
後、該注入管9に所定の熱処理を加えることによってそ
の形状を変え、該散布箱4の底面に配された基板1の上
方に導き、好適な流速を持つ微小粉体7を含む気体を基
板1上に散布することができる。即ち、凝集度合の小さ
い微小粉体7を含む気体が散布されるので基板1上によ
り均一なスペーサーを形成することができる。
【0042】また、上記参考例においては、液晶表示パ
ネルを例に挙げて説明したが、その他の同様の構成にお
いても適用可能である。
【0043】ここで、本発明の実施の形態について図4
ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、前記参考例と同一の機能を有する部材につい
ては、同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0044】本実施の形態のスペーサー散布装置は、図
4に示すように、液晶表示パネルに使用される、例えば
ガラスやフィルム等の基板1を吸着して固定する吸着盤
2を備えており、上記基板1の上面側には、蒸着法等に
より形成された透明導電性被膜3が積層されており、こ
の透明導電性被膜3には、写真蝕刻法等により所定の電
極パターンが形成されている。
【0045】上記基板1及び吸着盤2は、下面開口とな
っている直方体形状の散布箱4によって覆われている。
この散布箱4は、例えばアクリル等の樹脂からなってお
り、上記散布箱4の上壁部中央付近には、上壁部を貫通
する貫通孔5が形成されている。
【0046】本実施の形態においては、図4に示すよう
に、スペーサー材を含まない気体を注入するための注入
管30(第一注入手段)と、スペーサー材を含む気体を
注入するための注入管30a(第二注入手段)が設けら
れ、注入管30aの一端は、注入管30上の合流点Qに
おいて注入管30と連結されており、両管中の気体が合
流されるようになっている。さらに、両注入管30およ
び30aは各々流量制御バルブ31(第一制御手段)お
よび流量制御バルブ32(第二制御手段)を有してい
る。注入管30の一端は、上記散布箱4の上壁部に位置
する貫通孔5と連結されている。
【0047】注入管30の他端には、例えばコンプレッ
サ等の気体供給源としての空気供給源33が接続され、
その管内に所定の流速で除湿空気が導入されるようにな
っている。一方、注入管30aの他端には、図示しない
粉体定量装置を内蔵した粉体供給装置6を介して、例え
ばコンプレッサ等の気体供給源としての空気供給源8が
接続されている。この空気供給源8は、クリーン度の高
い除湿空気を上記粉体供給装置6に導入することによっ
て、供給された微小粉体7を第一の注入管30内に誘導
するとともに、そのスペーサー材としての微小粉体7を
所定の管内流速で除湿空気により搬送させるようになっ
ている。
【0048】上記の構成において、本実施の形態におけ
るスペーサー散布装置の動作を図4乃至図11および図
15を参照しながら以下に説明する。
【0049】図4あるいは図5において、先ず、注入管
30aの流量制御バルブ32は閉じておき、t=0秒で
第一の注入管30の流量制御バルブ31を開き、スペー
サー材を含まない気体(以後、気体Aと呼ぶ)の注入を
開始する。この時注入管30の出口直前での(管内)流
速は、例えば、図15に示すようになる。
【0050】次いで、気体Aの注入管30の出口直前で
の流速が、例えば図15のt=3秒以降のように安定し
た後、例えばt=5秒時に、注入管30aの流量制御バ
ルブ32を開き、スペーサー材を含む気体(以後、気体
Bと呼ぶ)の注入を開始する。この時気体Bの注入管3
0a内部での流速は、例えば図6に示すように変化す
る。
【0051】しかし、この気体Bが注入管30aの内部
を通過して注入管30と合流し、気体Aにより誘導され
て注入管30の出口Rに到達する時には、注入管30の
出口前での流速は、既に、例えば25m/sec以上の
高速となっている。
【0052】即ち、スペーサー材を含まない気体Aは、
注入開始初期約3秒の間は低流速で基板1に吹きつけら
れるが、スペーサー材を含む気体Bは注入管30の出口
前では、必ず例えば25m/sec以上の流速に達して
おり、高流速で基板1に吹きつけられることになる。し
たがって、凝集度合の小さいスペーサー材としての微小
粉体7を含む気体を散布することができ基板1上により
均一なスペーサーを形成することができる。
【0053】又、注入管30の出口直後での気体Bの流
速を必要以上に速くしたくない場合には、注入管30お
よび注入管30aの双方の流量制御バルブ31および3
2により各管内部の流速を同時に制御することによっ
て、注入管30の出口直後での気体Bの流速を、例えば
100m/secの一定値にすることが可能である(こ
の時、注入管30の出口前での流量は、例えば25m/
sec程度となる)。
【0054】上記の制御について、図7ないし図10に
基づき以下に説明する。
【0055】即ち、図7に示すように注入管30内への
気体A注入開始から例えば5秒後に、流量制御バルブ3
1の制御により、例えば1秒当たり−25/t0〔m/
sec〕の割合で徐々に流量を減らし所定の時間t0
過後気体Aの注入を停止する。その操作と平行して、同
じく注入管30内への気体A注入開始から例えば5秒後
に、図8に示すように、流量制御バルブ32の制御によ
り気体Bの注入を開始し、例えば1秒当たり25/t0
〔m/sec〕の割合で徐々に流量を増やし所定の時間
0経過後気体Bの注入を全開とする。この時、注入管
30の出口前(但し、気体Aおよび気体Bの合流後)で
の流速特性は、図7と図8を合成したものとなる。この
流速を図9に示す。ここでは、注入管30中の合流点Q
から出口Rにおける流速を示し、αは気体中にスペーサ
ー材を含まない期間を表し、βは気体中にスペーサー材
を含む期間を表す。また、図10は、注入管30の出口
R直後の流速を示す。
【0056】上記のように、スペーサー材を含む気体B
の高速を保ちながら、第一の注入管30の出口前あるい
は出口直後における流速が一定値となるよう制御するこ
とができる。
【0057】以上のように、本実施の形態におけるスペ
ーサー散布装置は、散布箱4内に配された基板1の上面
側にスペーサー材としての微小粉体7を散布するための
注入管30aとともに、スペーサー材を含まない気体を
注入するための注入管30を備え、さらに、両注入管3
0および30aは各々流量制御バルブ31および流量制
御バルブ32を有する構成である。したがって、各流量
制御バルブ31および32の制御によって、注入開始後
所定の流速に達するまでの期間は、スペーサー材を含ま
ない気体を基板1の上面に導き、その後所定の流速に達
したスペーサー材を含む気体だけを基板1上に散布する
ことができる。さらに、各々の流量制御バルブ31およ
び32の同時制御によって、注入管30の出口直前ある
いは出口直後での流速を一定値に保つことも可能であ
る。こうして、凝集度合の小さいスペーサー材が散布さ
れるので、基板1上により均一で凝集度合の小さいスペ
ーサーを形成することができる。
【0058】上記実施の形態においては、液晶表示パネ
ルを例に挙げて説明したが、その他の同様の構造を持つ
製品に対しても本発明の方法及び装置を用いてスペーサ
ーを形成することができる。即ち、構造上、複数枚の平
盤を微小な間隔で、しかも出来る限り平行に貼り合わせ
る必要がある製品であれば、その製造過程において本発
明の方法及び装置を適用することができる。
【0059】例えば、図11に液晶以外のフラットパネ
ルディスプレイとして、トリガ電極型のプラズマディス
プレイの構造を示す。図中では、前面ガラス51の裏面
に陽極53が設けられ、背面ガラス52上には、第3電
極としてのトリガ電極55及び誘電体層56が形成さ
れ、さらにその上に陰極54が設けられている。トリガ
電極55に放電開始電圧より高い負電位のパルスを印加
することで陰極54との間で交流型の補助放電を行う構
成となっている。上記構造においては、前面ガラス51
および背面ガラス52間に均一な間隔を保つため、障壁
50が用いられ、内部には低圧のガスが封入されてい
る。この場合、障壁50の代わりにスペーサーを使用し
てもよく、本発明による散布方法及び装置を用いてスペ
ーサーを形成すれば、パネル間により均一な間隔を設け
ることができ、精度の高い安定した製品を供給すること
がきる。また、蛍光表示管等の場合にも、パネル間の均
一を保つためスペーサー使用の可能性があり、その場合
には本発明によるスペーサー材の散布方法及びその装置
を用いてより精度の高い安定した品質を有する製品を供
給することができる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1のスペーサー材
の散布方法によれば、気体のみを散布箱内に注入して
速が安定した後、スペーサー材を気体に含ませて散布箱
内に注入することにより、スペーサー材を含ませた気体
は、スペーサー材の凝集度合が小さい状態で被散布基体
上に散布することができる。
【0061】つまり、注入初期の流速が安定していない
気体によって凝集度合の大きいスペーサー材が被散布基
体上に導かれることを回避できる。したがって、凝集度
合の小さいスペーサー材が散布され、基板上により均一
で凝集度合の小さいスペーサーを形成することができ、
歩留りを向上させ、製品としての例えば液晶表示パネル
の品質の安定化が達成されるという効果を奏する。
【0062】また、請求項2のスペーサー散布装置によ
れば、第1の気体のみを散布箱内に注入する第一注入手
段と、スペーサー材を第2の気体に含ませる第二注入手
段と、を備え、散布箱の手前で第一注入手段と第二注入
手段とが連結され、第1の気体とスペーサー材を含む第
2の気体とが散布箱の手前で合流することにより、第1
気体のみを散布箱内に注入して流速が安定した後、ス
ペーサー材を第2の気体に含ませて、第1の気体とスペ
ーサー材を含む第2の気体とを散布箱の手前で合流させ
て散布箱内に注入することができるため、スペーサー材
を含む合流させた気体は、スペーサー材の凝集度合が小
さい状態で被散布基体上に散布することができる。
【0063】つまり、注入初期の流速が安定していない
気体によって凝集度合の大きいスペーサー材が被散布基
体上に導かれることを回避できる。したがって、凝集度
合の小さいスペーサー材が散布され、基板上により均一
で凝集度合の小さいスペーサーを形成することができ、
歩留りを向上させ、製品としての例えば液晶表示パネル
の品質の安定化が達成されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例のスペーサー散布装置を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のA方向から見たスペーサー散布装置の正
面図であり、形状記憶合金を用いて形成された注入管を
熱処理する前の状態を示す。
【図3】図1のA方向から見たスペーサー散布装置の正
面図であり、形状記憶合金を用いて形成された注入管を
熱処理した後の状態を示す。
【図4】本発明のスペーサー散布装置の一例を示す斜視
図である。
【図5】図4のA方向から見たスペーサー散布装置の正
面図である。
【図6】注入管の内部でのスペーサー材を含む気体の流
速の経過時間依存性の一例を示す説明図である。
【図7】注入開始から5秒後、流量制御バルブを閉鎖制
御した場合の、注入管の内部(合流点まで)でのスペー
サー材を含まない気体の流速の経過時間依存性の一例を
示す説明図である。
【図8】注入開始から5秒後、流量制御バルブを開放制
御した場合の、注入管の内部(合流点まで)でのスペー
サー材を含む気体の流速の経過時間依存性の一例を示す
説明図である。
【図9】注入開始から5秒後、流量制御バルブ(第二制
御手段)を閉鎖制御すると同時に流量制御バルブ(第一
制御手段)を開放制御した場合の、注入管の内部(合流
点から出口まで)でのスペーサー材を含まない気体およ
び含む気体の流速の経過時間依存性の一例を示す説明図
である。
【図10】図9に示す場合において、注入管の出口直後
のスペーサー材を含まない気体および含む気体の流速の
経過時間依存性の一例を示す説明図である。
【図11】液晶以外のフラットパネルディスプレイとし
てのプラズマディスプレイの構造を示す概略斜視図であ
る。
【図12】従来例を示すものであり、液晶表示パネルに
形成されたスペーサーを示す縦断面図である。
【図13】従来のスペーサー散布装置を示す斜視図であ
る。
【図14】図13のA方向から見たスペーサー散布装置
の正面図である。
【図15】従来のスペーサー散布装置において、注入管
から注入されるスペーサー材を含む気体の流速の経過時
間依存性の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板(被散布基体) 2 吸着盤 3 透明導電性被膜 4 散布箱 9 注入管(注入手段) 9a 噴出口 11 排気管(排気手段) 12 開閉バルブ(制御手段) 30 注入管(第一注入手段) 30a 注入管(第二注入手段) 31 流量制御バルブ(第一制御手段) 32 流量制御バルブ(第二制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体のスペーサー材を気体に含ませて散
    布箱内に注入し、前記散布箱内に配置された被散布基体
    上に前記スペーサー材を散布して付着させ、前記被散布
    基体上にスペーサーを形成するスペーサー材の散布方法
    において、前記 気体のみを散布箱内に注入し、前記気体の流速が
    した後、前記スペーサー材を前記気体に含ませて前記
    散布箱内に注入することを特徴とするスペーサー材の散
    布方法。
  2. 【請求項2】 散布箱と、粉体のスペーサー材を含む気
    体を前記散布箱内に注入し、前記散布箱内に配された被
    散布基体上に前記スペーサー材を散布する注入手段と、
    を備えたスペーサー散布装置において、 前記注入手段は、第1の気体のみを前記散布箱内に注入
    する第一注入手段と、前記スペーサー材を第2の気体に
    含ませる第二注入手段と、を備え 前記散布箱の手前で第一注入手段と第二注入手段とが連
    結され、第1の気体と前記スペーサー材を含む第2の気
    体とが前記散布箱の手前で合流す ることを特徴とするス
    ペーサー散布装置。
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