JP2006102571A - 薄膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
塗布に使用する材料の使用効率が良好で、塗布液ミストを優れた面内均一性で基板表面に供給して均一な薄膜を形成する必要がある。
【解決手段】
本発明は、塗布液ミストを基板の表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置において、スリット状のエアブローノズルから供給されるキャリアガスによる流れによって、塗布パターンの液滴密度を向上した状態で、前記塗布液ミストを前記基板表面上に堆積させる機構とした。
【選択図】 図1
塗布に使用する材料の使用効率が良好で、塗布液ミストを優れた面内均一性で基板表面に供給して均一な薄膜を形成する必要がある。
【解決手段】
本発明は、塗布液ミストを基板の表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置において、スリット状のエアブローノズルから供給されるキャリアガスによる流れによって、塗布パターンの液滴密度を向上した状態で、前記塗布液ミストを前記基板表面上に堆積させる機構とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示装置用基板、プラズマ表示装置用基板、有機EL表示装置用基板、半導体基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板など(以下、基板と略す)の表面に、フォトレジスト、絶縁膜、配向膜、発光層、正孔輸送層などの塗布液の薄膜を形成する装置に係り、特に微粒子状の塗布液を基板表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
従来から、被塗布物例えば液晶表示用基板などにフォトレジストなどの塗布液を塗布する装置として、例えば、液晶表示用基板の塗布面にスプレーノズルから塗布液を供給する装置、あるいは、液晶表示用基板上にノズルから塗布液を滴下し、この後液晶表示用基板を高速回転させて遠心力により塗布液を塗布面全面に均一に拡散させる装置などが知られている。
スプレーノズルを使用して薄膜形成を行う装置には、直接基板に塗布液を吹きつける方法、及び塗布液を基板表面に供給するのではなく、塗布液を微粒化させ、この塗布液の微粒子を基板表面に供給することにより基板表面に塗布液の薄膜を形成する技術が従来より提案されている。
この種の薄膜形成装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この薄膜形成装置では、塗布室(処理室)内で基板支持台上に基板が載置されるとともに、その基板の上方位置に円錐状のミスト供給部が配置されている。このミスト供給部の下端側は基板表面全体を臨むように開口し、またミスト供給部の上端に連通されたミスト搬送配管を介して窒素ガスと共に塗布液ミストがミスト供給部に搬送され、さらに前記開口を介して基板表面に供給される。こうして、基板表面上に塗布液ミストが供給されると、前記基板表面上に堆積して塗布液の薄膜が形成される。
しかし、直接基板に塗布液を吹きつける塗布方法では、スプレーパターンの液滴密度(単位面積あたりの塗布面積の合計)が小さく、基板上の液滴が重なり合い膜にするためには、スプレーノズルと基板とのギャップを狭くする必要があり、これにより、膜厚が厚くなってしまうという問題があった。
また、特許文献1に記載されるように、塗布液を微粒化させ、この塗布液の微粒子を基板表面に供給することにより基板表面に塗布液の薄膜を形成する塗布方法では、ミスト発生室内やミスト供給部など生成された微粒子が流れる箇所の底面や内壁面に多量のミストが溜まり、材料の使用効率が1%以下となり、無駄に消費される塗布液の量が多く、塗布液の消費量が増大するという問題があった。
さらに、塗布液ミストによって選別された超微粒子は粒子径が極小であるために、基板に付着しにくいため、材料の使用効率を低下させるのみならず、装置の内部に微粒子が飛散する要因となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、塗布液ミストを優れた面内均一性で基板表面に供給して均一な薄膜を形成することができる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、塗布液ミストを基板の表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置であって、塗布液を微粒化する微粒子発生ノズルと、塗布パターン絞り用のスリット状のエアブローノズルと、塗布液ミストを吐出させる吐出部と、スリット状のエアブローノズルから供給されるキャリアガスによる流れによって、前記塗布液ミストを前記基板表面上に堆積させる機構とを備えている。
また、前記薄膜形成装置において、塗布液を微粒化する微粒子発生ノズルと、スリット状のエアブローノズルと、スリット状のエアブローノズルの先端に設けたエア分岐部と、塗布液ミストを吐出させる吐出部と、スリット状のエアブローノズルから供給されるキャリアガスによる流れによって、前記塗布液ミストを前記基板表面上に堆積させる機構とを備えている。
以上のように、本発明の塗布装置によれば、塗布液ミストを優れた面内均一性で基板表面に供給して均一な薄膜を形成することができる。
以下、図に示す実施例に基づいて、本発明を説明する。
まず、実施例1について、図1〜図3を用いて構造を説明する。図1には本発明の1実施例の図塗布装置に用いられる塗布部の断面図を示す。図2には微粒子発生ノズルから直接基板に塗布する状況を示す。図3には塗布パターンを示す。
図1に示すように、塗布装置10は、微粒子発生ノズル1からスプレーパターン2のように微粒化した塗布剤を、吐出部4に行くに従い絞るように所定の傾斜でミスト室形成部材11により形成されているミスト発生室3に吐出され、吐出部4より塗布対象物に吐出される。ミスト発生室3は基板7の幅方向に長く設けてあり、吐出部4から基板幅の塗布液が吐出される。また微粒化ノズルの前後方向にはスプレーパターン(塗布パターン)を決定する絞り用スリット状のエアブローノズル5と、微粒子付着防止用スリット状のエアブローノズル6との2種類のエアブローノズル(以下エアノズルと称す)が配置されている。この配置において、絞り用スリット状のエアノズル5のエアの吐出速度は微粒子付着防止用スリット状のエアノズル6のエアの吐出速度に比べて遅い吐出速度に設定して有る。また、絞り用スリット状のエアノズル5の吐出速度は、微粒化ノズルの塗布液の吐出速度に応じて決定され、具体的には、実際の塗布を行なう前に、実験的に吐出速度を決定して行なう。これらのエアノズルにより、微粒子発生ノズル1からの塗布液を所定形状のスプレーパターンで吐出できるようにし、かつ、ミスト発生室3の壁面に塗布液が付着することを防止している。
微粒子発生ノズル1は、気体により塗布液を破砕微粒化する二流体ノズル、もしくは超音波振動を利用した超音波アトマイジングノズルを使用し、図示しない塗布液供給タンクから供給された塗布液を平均粒子径10μm以下にして噴霧可能である。微粒子発生ノズル1から噴霧された塗布液ミストは、スプレーパターン絞り用スリット状のエアノズル5から吐出されたスリットエアによって塗布パターンの形状が絞られ、吐出部4の方向に微粒子が搬送される。搬送された微粒子状の塗布液は、微粒子付着防止用スリット状のエアノズル6からミスト発生室3の内壁面に沿って搬送されるスリットエアにより、内壁面に付着することなく吐出部4から基板7に吐出される。このとき、微粒子付着防止用スリット状のエアノズル6のエア流により、基板に付着せずに飛散する微粒子を低減できる。
また、このときの塗布パターン8は、スプレーパターン絞り用スリットエアノズル5のスリットエアによって塗布パターンの形状が絞られる。このため、図3(a)に示すように塗布パターンの液滴密度(単位面積当りの塗布面積の合計)が大きくなる。これに対し、図2に示すように従来の直接基板に塗布液を吹きつける方法では、図3(b)に示すように塗布パターンの液滴密度(単位面積当りの塗布面積の合計)が小さくなっている。
以上のように微粒子ノズル1の周囲にスプレーパターン絞り用スリットエアノズル5と微粒子付着防止用スリットエアノズル6とを配置することで、所望の形状で、所望の厚さの薄膜を形成できると共に、ミスト発生室内壁に塗布液が付着することを防止でき、無駄な塗布液の発生を防止できる。
実施例2について、図4を用いて構造を説明する。
図4において、図1と異なる点は、図1では2種類のエアノズルを配置して微粒子発生ノズルからの吐出液(吐出微粒子)の形状を決定し、かつミスト室への微粒子の付着を防止していたが、本実施例では、エアノズルを1つにしてその代わりに、スリットエア分岐部材9を設けた構成としたものである。
すなわち、スリット状のエアノズル5から吐出されたエアは、スリットエア分岐部9によって分岐される。スリットエア分岐部9に吹き付けられたエアは、コアンダ効果により分岐部の両側壁面に沿って流れる。本構成の場合、流れるエアの流速は、ミスト室壁面側の方がギャップが小さいことにより、流速が早くなり、ミスト室側(微粒子発生ノズル側)の方が遅くなる。そして、微粒子発生ノズル1から噴霧された塗布液ミストは、微粒子発生ノズル1側に搬送されたエアによりスプレーパターンの形状が絞られる。また、ミスト発生室3内壁面側に搬送されたエアにより塗布液ミストは、内壁面側に付着することなく吐出部4から基板7に吐出される。このとき、ミスト発生室3内壁面側に搬送されたエア流により、基板7に付着せずに飛散する微粒子を低減できる。
また、この場合、実施例1と比較し、エアノズルの数を少なくできることから、ミスト発生室の小型化、エア消費量の低減などの効果が期待できる。
また、一つの微粒子発生ノズル1の塗布パターンよりも広い範囲に塗布する場合には、図5に示すように、塗布パターンが重なり合うように微粒子発生ノズル1をミスト発生室3の長手方向に適当な間隔に配置することによって、広範囲に対して成膜することもできる。
なお、実施例1のように2種類のエアノズルを設けたり、実施例2のようにスリットエア分岐部9を設けずにエアノズルを1つにすることも可能である。しかし、前述のように吐出エアに速度差を設けることができないため、実施例1や実施例2に比べてパターン精度等が低下するが実用上問題無い場合には、1つにしてもよい。
図6に薄膜形成装置の全体構成を示す。薄膜形成装置は、架台72上に設けたX軸ステージ57上にY軸ステージ55が設けてあり、このY軸ステージ55はX軸ステージ上に設けられたX軸駆動源56によりX軸方向に移動されるよう構成してある。また、Y軸ステージ55上にはθ軸ステージ58が設けてあり、このθ軸ステージ58はY軸ステージ55に設けたY軸駆動源54によりY軸方向に移動できるように構成してある。θ軸ステージ58上には、θ軸駆動源53が設けてあり、このθ軸駆動源上に基板7を吸着保持するための基板保持テーブル(吸着テーブルと言う場合もある)51が取付けてある。すなわち吸着テーブル51はθ軸駆動源によりθ方向に回転される。このように、XYθステージを積み上げた構成とすることで、基板を保持する吸着テーブル51をXYθ方向に自由に移動させることができる。前述の各ステージを跨ぐように門型フレーム71が架台72上に設けてあり、この門型フレーム71の門の略中央部にZ軸ステージ62が取付けられ、このZ軸ステージ62がZ軸駆動源61によってZ軸方向(上下方向)に移動できるようになっている。このZ軸ステージ62に固定してあるヘッド取付け部材63にミスト発生室3、吐出部4などから構成される塗布装置10が、吸着テーブル51に対向する方向に吐出部4を向けて固定されている。また、塗布装置10は、基板7の幅方向(X軸方向)に吐出部4が長くなるように配置してある。
なお図示していないが、吸着テーブル51は、負圧による吸引吸着、又は静電気による静電吸着等の機構を備えている。基板52を固定した吸着ステージ51が所定の速度でY軸方向に塗布装置10のスリット部33を通過するときに塗布液ミストを吐出することで、基板表面に一様の厚さで塗布液を塗布することができる。なお、塗布液の吐出制御のために、図示していない基板の進入検出等の各種センサが吸着ステージ51の周囲又は上部に配置してある。
1…微粒化発生ノズル、2…スプレーパターン、3…ミスト発生室、4…吐出部、5…エアブローノズル、6…微粒子付着防止用スリットエアノズル、7…基板、8…塗布パターン、10…塗布装置、33…スリット部、51…基板保持テーブル、53…θ軸駆動源、54…Y軸駆動源、55…Y軸ステージ、56…X軸駆動源、57…X軸ステージ、58…θ軸ステージ、61…Z軸駆動源、62…Z軸ステージ、63…ヘッド取付け部材、71…門型フレーム。
Claims (2)
- ミスト発生室で発生した塗布液ミストを基板の表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置において、
前記ミスト発生室には、塗布液を微粒化する微粒子発生ノズルと、ノズルから発生された微粒子の塗布パターンを決定する絞り用のスリット状のエアブローノズルと、前記ミスト発生室の内壁面に微粒子が付着するのを防止するスリット状のエアブローノズルと、を備え、発生した塗布液ミストを吐出させる吐出部を具備したことを特徴とする薄膜形成装置。 - 塗布液ミストを基板の表面に供給して前記基板表面上に塗布液の薄膜を形成する薄膜形成装置において、
ミスト発生室内に塗布液を微粒化する微粒子発生ノズルと、スリット状のエアブローノズルと、スリット状のエアブローノズルの先端側に設けたエア分岐部とを備え、前記ミスト発生室に設けた吐出部から所望形状で塗布液ミストを基板上に吐出する構成としたことを特徴とする薄膜形成装置。
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