JP3050256U - 廃棄物焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部に廃棄物を焼却する燃焼室を備えた廃棄物
焼却炉において、外気と遮断された状態で廃棄物を燃焼
室に投入することが可能で、設置面積が狭く、操作が簡
単で、長期間使用しても動作が円滑に行われ、保守の手
間の少ない安価な廃棄物焼却炉を提供することにある。 【解決手段】廃棄物を一時的に貯め置くホッパーを該燃
焼室の側面に設け、板状の投入蓋を燃焼室とホッパーを
仕切る位置に回動自在に配置し、投入蓋が回動し燃焼室
とホッパー内部が連通することによって、ホッパー内の
廃棄物を燃焼室に投入可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、内部に廃棄物を焼却する燃焼室を備えた廃棄物焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

廃棄物焼却炉から排出されるダイオキシンなどの有害物質を削減するために、 廃棄物焼却炉は、外気と遮断された状態で廃棄物を燃焼する構造がとられている 。具体的には、燃焼室に廃棄物を投入する際、燃焼室が大気と連通しないように するため、一旦ホッパーと呼ばれる予備室に廃棄物を収納する。次に、予備室を 大気と遮断した後、予備室を燃焼室と連通して廃棄物を燃焼室に投入するように なっている。かかる装置として、従来より、図６及び図７に示すような廃棄物焼 却炉がある。

【０００３】 従来の廃棄物焼却炉は、耐熱材料で囲まれた燃焼室６０の正面に廃棄物６を投 入するための投入口６４が設けられている。投入口６４の正面には、ホッパー７ ０が設けられており、ホッパー蓋開閉用油圧シリンダー７２によりホッパー蓋７ １を開き、廃棄物６をホッパー７０に投入する。ホッパー７０と投入口６４との 間には、投入蓋６２が設けられており、投入蓋開閉用油圧シリンダー６３によっ て上方向に引き上げられることにより、燃焼室６０とホッパー７０の内部が連通 する。また、投入蓋６２が引き下げられることにより、燃焼室６０とホッパー７ ０の内部が遮断する。プッシャー７３は、ホッパー７０の背面に設けられており 、プッシャー押出用油圧シリンダー７４が取り付けられている。プッシャー押出 用油圧シリンダー７４は、プッシャー本体フレーム７５によって水平に支えられ ており、ホッパー７０から横方向に長く突き出している。プッシャー押出用油圧 シリンダー７４が伸び、プッシャー７３によって廃棄物６は、燃焼室６０に押し 込まれる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の廃棄物焼却炉においては、投入蓋、ホッパー蓋及びプッ シャーを開閉又は移動するために、複数の油圧シリンダーを使用していた。この ため、構造が複雑で本装置のコストが上昇してしまうという問題点があった。 また、プッシャー押出用油圧シリンダーやプッシャー本体フレームなどの構造 物が燃焼室の横に長く突き出ることから、廃棄物焼却炉の設置面積が広くなって しまうという問題点があった。 また、本装置を長年使用すると、投入蓋に煤が付着したり、錆びたりすること により、投入蓋が投入口とホッパーの隙間を円滑に上下移動しなくなるという問 題点があった。 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、外気と遮断さ れた状態で廃棄物を燃焼室に投入することが可能で、設置面積が狭く、操作が簡 単で、長期間使用しても動作が円滑に行われ、保守の手間の少ない安価な廃棄物 焼却炉を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の廃棄物焼却炉は、廃棄物を一時的に貯め置くホッパーを燃焼室 の側面に設け、板状の投入蓋を燃焼室とホッパーを仕切る位置に回動自在に配置 し、投入蓋が回動し燃焼室とホッパー内部が連通することによって、ホッパー内 の廃棄物を燃焼室に投入可能とする。

【０００６】 請求項２記載の廃棄物焼却炉は、ホッパーに、底面が燃焼室に向かって下方に 傾斜した傾斜底を配してなることを特徴とする。

【０００７】 請求項３記載の廃棄物焼却炉は、傾斜底として複数の滑りローラーを配してな ることを特徴とする。

【０００８】 請求項４記載の廃棄物焼却炉は、板状のプッシャーを、前記ホッパーの内側に 配置し、該プッシャーが回動し廃棄物を押すことによって、該ホッパー内の廃棄 物を該燃焼室に投入可能とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。 図１〜図４は、本考案の廃棄物焼却炉の第１の実施例を示し、図１がその概略 側面図、図２が図１の要部断面図、図３が図１の正面図、図４が図２のＡ−Ａ線 矢視要部断面図である。

【００１０】 図１〜図４において、１０は焼却炉であり、蒲鉾型に形成され、その内壁には 、枠材である耐熱レンガ１１が取り付けられている。耐熱レンガ１１は、その内 面によって作られる燃焼室１２の熱が焼却炉１０の外に漏れ出ることを防いでい る。焼却炉１０には、焼却炉脚１４が取り付けられており、燃焼炉１０を支持し ている。焼却炉１０の上面からは、煙突１３が突き出しており、不要な燃焼ガス を燃焼室１２から外に放出している。

【００１１】 ２０はホッパーであり、板状で立方体上のホッパー筐体２０ａから形成されて いる。ホッパー筐体２０ａで囲まれた内部には、廃棄物２を収納するための空間 であるホッパー室２０ｂが設けられている。ホッパー筐体２０ａは、その側面す なわち燃焼室１２に接する側面が開口しており、ホッパー開口部２０ｃを成して いる。また、ホッパー筐体２０ａの上面も開口しており、その開口部分にはホッ パー投入蓋２４がホッパー投入蓋蝶番２６によって開閉自在に取り付けられてい る。尚、２５はホッパー投入蓋取手であり、ホッパー投入蓋２４の上面に設けら れている。

【００１２】 ホッパー開口部２０ｃには、開閉自在の投入蓋４０が取り付けられている。投 入蓋４０は、ホッパー筐体２０ａの上部両側壁に回転自在に軸支された投入蓋回 転軸４２を備え、投入蓋回転軸４２には投入蓋板４１が固定されている。投入蓋 回転軸４２は、図４に示すように、左端がホッパー筐体２０ａの側壁を貫通して 外方に突出し、更に上方に屈曲し投入蓋回転軸レバー部４２ａを成している。投 入蓋回転軸レバー部４２ａの先端付近に投入蓋錘４３が固定されている。尚、投 入蓋板４１は、燃焼室１２とホッパー室２０ｂを遮断した状態で、ホッパー室２ ０ｂの底面から突き出たホッパー内壁２１に押し当てられている。

【００１３】 ２３は滑りローラーであり、回転軸が水平になるようにホッパー筐体２０ａの 両側面に架け渡され、回転自在に複数個設置されている。複数個の滑りローラー ２３の各回転軸を、一直線上に傾斜して配することにより、滑りローラー２３の 上面が傾斜底を形成している。

【００１４】 ２７は屑出であり、屑出蝶番２９によって、ホッパー筐体２０ａの壁面に開閉 自在に取り付けられている。尚、２８は屑出取手であり、屑出２７に設けられて いる。灰出２７は、滑りローラー２３の隙間から落ちた廃棄物２を取り除くため のものである。

【００１５】 ５０はプッシャーであり、ホッパー筐体２０ａの上部両側壁に回転自在に軸支 されたプッシャー回転軸５２を備え、プッシャー回転軸５２にはプッシャー板５ １が固定されている。プッシャー回転軸５２は、図３に示すように、右端がホッ パー筐体２０ａの側壁を貫通して外方に突出し、更に上方に屈曲しプッシャー回 転軸レバー部５２ａを成している。プッシャー回転軸レバー部５２ａの先端付近 にプッシャー錘５３が固定されている。

【００１６】 本実施例の廃棄物焼却炉の動作について説明する。まず、投入蓋板４１が燃焼 室１２とホッパー室２０ｂの内部を遮断した位置ａ（図２における）、プッシャ ー板５１をホッパー筐体２０ａの側面と平行した位置ｃ（図２における）にする 。この状態で、ホッパー投入蓋取手２５を持ち上げることにより、ホッパー投入 蓋２４を開く（図２における矢印イの方向）。次に、ホッパー室２０ｂに廃棄物 ２を投入する。ホッパー室２０ｂの内部に廃棄物２を投入した後、ホッパー投入 蓋２４を閉じる。ホッパー投入蓋２４を閉じることにより、ホッパー室２０ｂは どことも連通しない閉空間となる。ホッパー室２０ｂに投入された廃棄物２は、 滑りローラー２３の上に乗り、滑りローラー２３の上を滑落した後、投入蓋板４ １に当たって停止する。このため、廃棄物２は、燃焼室１２に到ることはない。 尚、廃棄物２が投入蓋板４１を強く押しても、投入蓋４０は容易に開くことはな い。これは、投入蓋錘４３が、投入蓋回転軸４２の回転の中心から上方に伸びる 直線を、図２における矢印ロと反対の方向に越えて位置することによって、投入 蓋板４１をホッパー内壁２１に強く押し当てているためである。

【００１７】 次に、投入蓋回転軸レバー部４２ａを図２における矢印ロの方向に動かす。こ のことにより、投入蓋板４１は投入蓋回転軸４２を回転の中心として回動し（図 ２における矢印ハの方向）、図２における二点鎖線で示す位置ｂに移動する。投 入蓋板４１が位置ｂに移動したことにより、燃焼室１２とホッパー室２０ｂは連 通する。投入蓋錘４３が、投入蓋回転軸４２の回転の中心から上方に伸びる直線 を、図２における矢印ロの方向に越えて位置することによって、投入蓋板４１の 回動を助けると共に、投入蓋板４１を耐熱レンガ１１に強く押し当てて固定する 。

【００１８】 燃焼室１２とホッパー室２０ｂが連通することにより、滑りローラー２３の上 の廃棄物２は、図２における矢印ヘの方向に滑落し、燃焼室１２に投入される。 燃焼室１２に入った廃棄物１は、焼却される。

【００１９】 廃棄物２が、滑落しないで滑りローラー２３の上に留まっている場合は、プッ シャー回転軸レバー部５２ａを図２における矢印ニの方向に動かす。このことに より、プッシャー板５１はプッシャー回転軸５２を回転の中心として、図２にお ける矢印ホの方向に回動する。回動したプッシャー板５１は、廃棄物２を燃焼室 １２の方向（図２における矢印ヘの方向）に押すことになる。押された廃棄物２ は、図２における矢印ヘの方向に滑落し、燃焼室１２に投入される。プッシャー 錘５３が、プッシャー回転軸５２の回転の中心から上方に伸びる直線を、図２に おける矢印ニの方向に越えて位置することによって、プッシャー板５１の回動を 助け、プッシャー板５１が円滑に廃棄物２を押すことが可能となる。

【００２０】 投入蓋回転軸レバー部４２ａを図２における矢印ロと反対の方向に動かす。こ のことにより、投入蓋板４１は投入蓋回転軸４２を回転の中心として、図２にお ける矢印ハと反対の方向に回動し、位置ａ（図２における）に戻る。

【００２１】 次に、プッシャー回転軸レバー部５２ａを図２における矢印ニと反対の方向に 動かす。このことにより、プッシャー板５１はプッシャー回転軸５２を回転の中 心として、図２における矢印ホと反対の方向に回動し、位置ｃ（図２における） に戻る。投入蓋板４１が位置ａ、プッシャー板５１が位置ｃに戻ることにより、 再び廃棄物２をホッパー２０に投入可能な状態となる。

【００２２】 尚、本実施例においては、焼却炉の枠材として耐熱レンガを使用したが、鉄板 などの板材でもよく、耐熱レンガに限るものではない。また、本実施例において は、投入蓋板４１の上部に投入蓋回転軸４２を設けて、投入蓋４０の開閉を行っ たが、投入蓋板４１の下端、右端又は左端に投入蓋回転軸４２を設けてもよい。 また、本実施例では、投入蓋板４１に投入蓋回転軸４２を設けることによって、 投入蓋４０を回動可能にした。しかし、この構造に限らず、投入蓋４０が、燃焼 室１２とホッパー室２０ｂを仕切る位置で回動自在に配置され、それ自身が回動 し燃焼室１２とホッパー室２０ｂが連通する構造であればよい。

【００２３】 また、図５の本考案の廃棄物焼却炉の第２の実施例を示す要部断面図に示すよ うな、投入蓋回転軸５６が投入蓋板５５の中央に配された構造でもよい。これは 、投入蓋回転軸５６を中心として２枚の投入蓋板５５が同一直線上に設けられ、 燃焼室１２とホッパー室２０ｂを遮断している。また、同一直線上の２枚の投入 蓋板５５を他に複数組、互いに角度を持って配することによって風車状としてい る。投入蓋回転軸５６が図５における矢印トの方向に回転することにより、投入 蓋板５５が廃棄物２を押して滑落を助けると共に、他の投入蓋板５５が燃焼室１ ２とホッパー室２０ｂを遮断する。

【００２４】 本実施例においては、複数の滑りローラーによって傾斜底を形成し、その傾斜 底の上に直接接するように廃棄物を投入した。しかし、複数の滑りローラーに、 滑りローラーの幅方向におよぶベルトを架け渡すことによって、コンベヤ状の傾 斜底を形成してもよい。また、滑りローラーを、ホッパー２０の外側に設けられ たモーターなどの駆動装置によって回転させ、廃棄物の滑落を助ける構造にして もよい。

【００２５】

【考案の効果】

本考案の廃棄物焼却炉によれば、簡単な構造で、外気と遮断された状態でホッ パー内の廃棄物を燃焼室に投入することができる。このため廃棄物焼却炉が安価 となる。 また、横に長く突き出した構造物がないことから、廃棄物焼却炉の設置面積を 抑えることが可能となる。 また、投入蓋の表面に煤が付着したり、錆びたりしても、投入蓋の表面が他に 接することなく開閉が可能であり、保守のための手間を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の廃棄物焼却炉の第１の実施例を示す概
略側面図である。

【図２】図１の要部断面図である。

【図３】図１の正面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図５】本考案の廃棄物焼却炉の第２の実施例を示す要
部断面図である。

【図６】従来の廃棄物焼却炉の側面図である。

【図７】従来の廃棄物焼却炉の正面図である。

【符号の説明】

１，５ 燃焼中の廃棄物 ２，６ 廃棄物 １０ 焼却炉 １１ 耐熱レンガ １２ 燃焼室 １３ 煙突 ２０ ホッパー ２０ａ ホッパー筐体 ２０ｂ ホッパー室 ２１ ホッパー内壁 ２３ 滑りローラー ２４ ホッパー投入蓋 ２７ 屑出 ４０ 投入蓋 ４１、５５ 投入蓋板 ４２、５６ 投入蓋回転軸 ４２ａ 投入蓋回転軸レバー部 ４３ 投入蓋錘 ５０ プッシャー ５１ プッシャー板 ５２ プッシャー回転軸 ５２ａ プッシャー回転軸レバー部 ５３ プッシャー錘 ６０ 燃焼炉 ６１ 煙突 ６２ 投入蓋 ６３ 投入蓋開閉用油圧シリンダー ６４ 投入口 ７０ ホッパー ７１ ホッパー蓋 ７２ ホッパー蓋開閉用油圧シリンダー ７３ プッシャー ７４ プッシャー押出用油圧シリンダー ７５ プッシャー本体フレーム ７６ 油圧ユニット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に廃棄物を焼却する燃焼室を備えた廃
   棄物焼却炉において、廃棄物を一時的に貯め置くホッパ
   ーを該燃焼室の側面に設け、板状の投入蓋を該燃焼室と
   該ホッパーを仕切る位置に回動自在に配置し、該投入蓋
   が回動し該燃焼室と該ホッパー内部が連通することによ
   って、該ホッパー内の廃棄物を該燃焼室に投入可能とす
   ることを特徴とする廃棄物焼却炉。
2. 【請求項２】前記ホッパーは、その底面が前記燃焼室に
   向かって下方に傾斜した傾斜底を配してなる請求項１記
   載の廃棄物焼却炉。
3. 【請求項３】前記傾斜底として複数の滑りローラーを配
   してなる請求項２記載の廃棄物焼却炉。
4. 【請求項４】板状のプッシャーを、前記ホッパーの内側
   に配置し、該プッシャーが回動し廃棄物を押すことによ
   って、該ホッパー内の廃棄物を該燃焼室に投入可能とす
   ることを特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３記
   載の廃棄物焼却炉。