JP3050247U - 海藻処理用箱船の異物除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 養殖網で養殖される海藻中に混入する異物、
エビ、グロ虫等を海藻処理用箱船の船外で人手を要せず
に除去することができる。 【解決手段】 海藻処理用箱船１の左右の船縁４，４に
軸受５，５を設け、該軸受５，５を中心に回転し、且
つ、先端部９が船首側の船縁７より突出する左右の支持
腕３，３を軸受５の軸６に枢着する。左右の支持腕３，
３の先端部９，９に船縁７と平行に海水切りアーム８を
架設する。海水切りアーム８より下側位置で且つ、船縁
７側寄りの内側位置に前方に向かって海水を噴射するノ
ズル１１，１１，…を設けたノズル幹管１０を前記支持
腕３，３に船縁７と平行に架設する。ノズル幹管１０に
船内に設けた海水汲上げポンプからの送水管１３を連通
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は養殖用の網を巻き上げ海藻（例えば海苔）を処理する海藻処理用箱船 の異物除去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来例えば、養殖用の網に海苔を育成したものを摘み取る方法としては、海苔 処理用箱船（通称名、手入れ船）に円筒形回転刃が回転する回転式海苔摘み機を 積載し、前記回転刃の上側を海苔の垂れ下がる網を通過せしめて海苔を切り落と し、摘み取る方法が採用されており、また、海苔処理用箱船に消毒液を収容し、 海苔網を消毒液中を通過させて消毒する装置等も知られている。（例えば、特開 平６−２２５６５４号公報参照）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

養殖用の網に育成した海苔を海藻処理用箱船に巻き上げる際には、どうしても 網の上に浮いている異物や、網に付着しているエビ、グロ虫等が共に混入し、品 質を低下さすのみならず、衛生面でも問題を生じるために製品加工上これらの混 入する異物、エビ、グロ虫等を除去することが大きな問題点であり、かなりの労 力を費やして除去しているのが現状である。

【０００４】 本考案はこれらの問題点に鑑み、海苔を摘み取る初期段階において労力を必要 とせずに簡単な構造で異物やエビ、グロ虫等を除去することのできる海藻処理用 箱船の異物除去装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

海藻処理用箱船の左右の船縁に設けた軸受を中心に回転し、先端部が船首側の 船縁より突出する左右の支持腕を軸受の軸部に枢着し、前記左右の支持腕の先端 部に船縁と平行に海水切りアームを架設し、海水切りアームより下側位置で、且 つ、船縁側寄りの内側位置に前方に向かって海水を噴射するノズル群を設けたノ ズル管を前記支持腕に船縁と平行に架設し、ノズル管にポンプから送水し、ノズ ルから海水を養殖網の下面側に噴射し、異物を吹き飛ばし洗い落とす。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案を図面に基づいて説明すると、図１〜図３において海藻処理用箱船１は 平面から視た場合、略短形の浅底の箱形状に形成し、船尾には船外機２が装備さ れている。支持腕３，３は左右の船縁４，４に設けた軸受５，５の軸６，６を中 心に回動が可能で、且つ、先端部が船首側の船縁７と直角方向（船の前進方向） に向かって左右に突出するように枢着する。海水切りアーム８は前記支持腕３， ３の先端部９，９に船縁７と平行に架設する。ノズル幹管１０は、中空の鋼管で 形成し、前記海水切りアーム８より下側位置で、且つ、船縁７側寄りの位置に船 縁７と平行に支持腕３，３に架設することが望ましい。ノズル１１は、ノズル幹 管１０の長手方向に並列し、且つ、中空の内側と連通して設ける。海水汲上げポ ンプ１２は船内に設け、海水汲上げポンプ１２の送水管１３の一端部は前記ノズ ル幹管１０に連通して取付ける。回転式海苔摘み器１４は、例えば従来と同様に 船中に装備し、海苔を養殖した養殖網１５は、船の前進方向（図１において船首 側）と平行に回転式海苔摘み器１４上を通過させて養殖網１５に付着養殖した海 苔１６…を回転式海苔摘み器１４で摘み取る。

【０００７】

【実施例】

図４に示す如くノズル幹管１０の両端部に雄ネジ１７を刻設して支持腕３に刻 設した雌ネジ１８中に螺入するようにするとノズル幹管１０が回転できるのでノ ズル１１の噴射方向を変えることができる。また、ノズル幹管１０は、本考案の テスト機では長さ２mのパイプを用い、ノズル１１を８０mm間隔としてポンプの 水量毎分２８０lを１５０l位に落とし、水圧を約1.6〜1.8kg/cm²に調整して均等 にノズルより噴射せしめると好成績を得たが、かならずしもこれに限定されるも のではなく、生産地の養殖網の大きさ、付着環境等により、ノズル幹管１０は複 数とし、上下から噴射するようにしてもよく、また、水圧、水量を大にして対応 するとよい。

【０００８】 また、支持腕３の基部を軸６に取付ける一例としては、支持腕３の基部に環体 １９を形成し、環体１９の円形内面に嵌合溝２０を形成し、軸６に形成した軸部 の嵌合溝２１に挿嵌後にナット２２で締め付けると、嵌合溝の噛み合わせ位置で 支持腕３は所定の角度で確実に固定することができる。

【０００９】

【作用】

異物や、エビ、グロ虫等が付着した養殖用の網が船の前進と共に海水切りアー ム８で掬い上げられて船上に運ばれるが、この場合網が海水切りアーム８で掬い 上げられた状態で略鉛直方向となる下面側に位置するノズル１１から海水汲上げ ポンプ１２から送水された強力な噴射水を噴き付け、異物や、エビ、グロ虫等を 流し落とし、これらが除去された清潔な状態の海苔１６の吊り下がった網は、回 転式海苔摘み器１４側へ送られる。

【００１０】 また、ナット２２を緩めると支持腕３は、図３に示す如く海藻処理用箱船内に 倒伏させることができるので、作業終了後母船に近づく時や接岸時には便利であ り、更に図４に示す如く分解も可能で嵩張らない。

【００１１】

【考案の効果】

以上述べた如く本考案を実施すると、海藻処理用箱船に網が巻き上げられる以 前に強力な噴射水で異物や、網に付着しているエビ、グロ虫等がはね飛ばされ、 洗い流されて、清潔な海苔のついた網が船上に送られて海苔を摘み取ることが可 能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面図である。

【図２】縦断した側面図である。

【図３】支持腕の船内外への傾倒状態を示す一部縦断し
た側面図である。

【図４】実施の一例を示す一部分解した斜視図である。

【符号の説明】

１ 海藻処理用箱船 ２ 船外機 ３ 支持腕 ４ 船縁 ５ 軸受 ６ 軸 ７ 船縁 ８ 海水切りアーム ９ 先端部 １０ ノズル幹管 １１ ノズル １２ 海水汲上げポンプ １３ 送水管 １４ 回転式海苔摘み器 １５ 養殖網 １６ 海苔 １７ 雄ネジ １８ 雌ネジ １９ 環体 ２０ 嵌合溝 ２１ 軸部の嵌合溝 ２２ ナット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 海藻処理用箱船１の船首側の船縁７の左
   右位置に船縁７より先端部９が突出する支持腕３，３を
   設け、左右の支持腕３，３の先端部９，９に海水切りア
   ーム８を船縁７と平行に架設し、海水切りアーム８より
   下側位置で、且つ、船縁７側寄りの内側位置に前方に向
   かって海水を噴射するノズル１１，１１，…を設けたノ
   ズル幹管１０を船縁７と平行に前記支持腕３，３に架設
   し、ノズル幹管１０に船内に設けた海水汲上げポンプ１
   ２からの送水管１３を連通してなる海藻処理用箱船の異
   物除去装置。
2. 【請求項２】 海藻処理用箱船１の左右の船縁４，４に
   設けた軸受５，５を中心に回転し、且つ、先端部９が船
   首側の船縁７より突出する左右の支持腕３，３を軸受５
   の軸６に枢着し、前記左右の支持腕３，３の先端部９，
   ９に船縁７と平行に海水切りアーム８を架設し、海水切
   りアーム８より下側位置で、且つ、船縁７側寄りの内側
   位置に前方に向かって海水を噴射するノズル１１，１
   １，…を設けたノズル幹管１０を前記支持腕３，３に船
   縁７と平行に架設し、ノズル幹管１０に、船内に設けた
   海水汲上げポンプ１２からの送水管１３を連通してなる
   海藻処理用箱船の異物除去装置。
3. 【請求項３】 支持腕３の基部に形成した環体１９の内
   面に嵌合溝２０を形成し、軸受５の軸６に形成した軸部
   の嵌合溝２１に嵌合溝２０を挿入し、ナット２２で締め
   付けることを特徴とする請求項２記載の海藻処理用箱船
   の異物除去装置。