JP3050040U - 容器とこれに組み合わされたタンパーエビデントキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器の口部の螺条に螺合する合成樹脂製蓋部
の、筒部の下端にブリッジを介してリングが一体に設け
られ、該リングの側壁に穴が形成され、又該リングの穴
の下部から、前記穴に対応して前記鍔部と上下に係合す
るストッパを設けられた形式のタンパーエビデントキャ
ップにおいて、前記穴からの塵埃の侵入を防止でき、か
つ組立製造が容易であり、又開放が容易でかつ壮快にで
きる、容器とこれに組み合わされたタンパーエビデント
キャップの提供。 【解決手段】 前記蓋部の筒部の外周に、周方向の係合
部及び上下方向の掛止部を設け、該蓋部の外側に、上壁
及び外筒を有する外蓋を嵌合させ、外筒内側に形成した
係止部及び掛止部をそれぞれ前記係合部及び掛合部に係
止、掛止させ、前記外筒下部のカバー部により前記穴を
カバーさせた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は瓶等の容器の口部に設けて用いられる容器とこれに組み合わされた タンパーエビデントキャップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、容器に収容された液体商品等の内容を保証する、容器とこれに組み合わ されたタンパーエビデントキャップが多数提供されている。その一例を示せば特 開平２−７２０６４号公報記載の閉蓋具がある。 この閉蓋具は図４及び図５に示すように形成されている。同図において５１は合 成樹脂製の蓋部分であり、頂部５２、裾部５３を有し、図５に示すように容器の 口部５４のねじ山５５に、裾部５３内側のねじ山５６により螺合している。 ５７は前記裾部５３の下端に切れ易い舌状具５８によって接続されている無断開 放防止具（以下開放防止具と略称する）であり、５９は同開放防止具５７に形成 された穴、６０は同穴５９の下部に、内方にかつ斜め上向きに設けられた突起部 であり、該突起部６０が前記容器の口部５４の首部環６１に上下方向に係合する ようになっている。 この閉蓋具を開放する場合は蓋部分５１を掴み、これを螺解させて上昇させる。 そうすると前記突起部６０は前記首部環６１の下面に係合しているため上昇でき ない。従って前記舌状具５８が切れ、前記蓋部分５１の螺解が進んで容器の口部 ５４が開放される。 即ち上記の場合舌状具５８が切断されることにより開放されたことが明らかにな るため、不正な開放が防止される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記のような種類のキャップは共通して下記のような問題を有してい る。それは、前記開放防止具５７の穴５９から塵埃が入り易いことである。この 穴５９から、空中に浮遊する塵埃が侵入し、陳列中の容器の口部５４に付着する 。このことは特に容器が薬品容器等の場合にはキャップのシールが不充分な場合 、容器内が汚染される可能性があり、衛生面で問題となる。 この考案はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は前記穴 ５９相当部からの塵埃の侵入を防止できる、容器と組み合わされたタンパーエビ デントキャップを提供することである。 又他の目的は組立製造がきわめて容易な、容器と組み合わされたタンパーエビデ ントキャップを提供することであり、又他の目的は開放がきわめて容易な、容器 と組み合わされたタンパーエビデントキャップを提供することであり、又他の目 的は開放に際して前記舌状具５８相当部が、蓋部分５１相当部の螺解により、直 ちに壮快に裂き切ることのできる、容器とこれに組み合わされたタンパーエビデ ントキャップを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するこの考案について述べるとそれは、容器１の口部２外周 に、上方から下方に順次形成された螺条３及び鍔部４；合成樹脂製で前記螺条３ に螺合する螺溝５を有する筒部６及び頂壁７を具備する蓋部８；該蓋部８の外側 に形成された、後記外蓋９と周方向に係合する係合部１０及び上下方向に掛合す る掛合部１１；前記筒部６の下端部に裂き切れ易いブリッジ１２を介して一体に 設けられた、側壁１３に複数の穴１４を有するリング１５；前記穴１４の下部か ら前記穴１４に対応して、前記リング１５の内側に斜め上向きに突設させられた 前記鍔部４の下面に係止するストッパ１６；上壁１７及び外筒１８から成り、前 記係合部１０及び掛合部１１にそれぞれ係止、掛止する係止部１９及び掛止部２ ０を有し、かつ前記穴１４をカバーするカバー部２１を有する、前記蓋部８に被 される外蓋９；から成ることを特徴とする容器とこれに組み合わされたタンパー エビデントキャップである。又、係合部１０は上下方向に形成されたローレット であり、係止部１９もローレットである前記容器とこれに組み合わされたタンパ ーエビデントキャップである。 又、掛合部１１は係合部１０の下方で、周方向に形成された凹条であり、掛止部 ２０は係止部１９の下方で周方向に形成された突条又は突起である、前記容器と これに組み合わされたタンパーエビデントキャップである。 又、カバー部２１は穴１４の外側に接しさせられている前記容器とこれに組み合 わされたタンパーエビデントキャップである。

【０００５】

【作用】

請求項１の考案は、前記のように構成されたことにより、蓋部８の上方から下 方に外蓋９を降下させて被せると、外蓋９の係止部１９及び掛止部２０が蓋部８ の係合部１０及び掛合部１１にそれぞれ係止、掛止させられ、かつ穴１４が外蓋 ９のカバー部２１により閉塞させられるから、外蓋９を蓋部８に被せるという一 動作で外蓋９の蓋部８に対する周方向の係止、上下方向の掛止、及び穴１４の閉 塞という三つの工程を一度に行なうことができる。従って組立て製造の最も容易 な、容器とこれに組み合わされたタンパーエビデントキャップを提供できる。そ して上記のように構成されたタンパーエビデントキャップは穴１４から塵埃が侵 入して容器の口部２に付着するのを防止することができる。 又蓋部８の外側に外蓋９を係止及び掛止したことにより、外蓋９を握って螺解す ると、ブリッジ１２に対し蓋部８より大径の部分を握ることになり、前記螺解の モーメントは一層大きくなるためきわめて容易にブリッジ１２を裂き切ることが できる。 請求項２の考案は係合部１０及び係止部１９はそれぞれローレットにより形成さ れたことにより、両部１０、１９の係止は、外蓋９を蓋部８に被せる場合両ロー レットが並行に摺動し、抵抗が少なくきわめて容易な動作で周方向の係止を行わ せることができる。 請求項３の考案は前記のように構成され、掛合部１１は係合部１０の下方で周方 向の凹条として形成され、又掛止部２０は係止部１４の下方で周方向の突条又は 突起に形成されたことにより、前記両部１１、２０の掛止の場合外蓋９を蓋部８ に嵌合させるのに際して、外蓋９は周方向の角度を制限されないからきわめて容 易に行なうことができる。又前記両部１１、２０の上下方向の掛止行為は比較的 長く行なわれるが、前記掛止により自動的に終了させることができる。又終了の 確認が容易である。 請求項４の考案は前記のように構成され、カバー部２０は穴１４の外側に接しさ せられたことにより、穴１４からの塵埃の侵入を充分に防止できると共に、この タンパーエビデントキャップを容器１の口部２に装着した場合に、前記カバー部 ２１は前記リング１５に対し、いわゆるたがとして作用し、このタンパーエビデ ントキャップの螺解の際に前記ストッパ１６の外方への変形を抑制する。このた め上記螺解の際にストッパ１６は前記鍔部４の付根部に押しつけられているから 、前記螺解の際に螺解の力はブリッジ１２に直達し、ブリッジ１２を直ちに壮快 に裂き切ることができる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１〜図３において１は容器であり、一例として瓶が用いられ、その口部２の 外周に上方から下方に順次に、螺条３及び鍔部４が形成されている。なお鍔部４ はその上面に外側に至る程下方となる傾斜を与えて形成されている。 ８は合成樹脂により形成された蓋部で頂壁７及び筒部６を有し、該筒部６の内側 に、前記螺条３に螺合する螺溝５が形成さている。そして前記蓋部８の外側に、 後記の外蓋９と周方向と係合する係合部１０と上下方向に掛合する掛合部１１が 形成されており、前記係合部１０は一例として上下方向のローレットが形成され 、又掛合部１１は一例として周方向の凹条が形成されている。 又、前記筒部６の下端部には裂き切れ易い、片状のブリッジ１２を介して環状の リング１５が一体に設けられている。そしてこのリング１５には図示のように複 数の穴１４が形成さており、かつ前記リング１５の内面下部から、前記穴１４に 対応させて斜め上向きにストッパ１６が設けられている。 次に９は外蓋であり、合成樹脂により形成され、上壁１７及び外筒１８から成っ ており、該外筒１８の内側にかつ上方から順に、前記係合部１０及び掛合部１１ にそれぞれ係止、掛止する係止部１９、及び掛止部２０が設けられている。そし て前記係止部１９は上下方向に形成されたローレットで、このローレットは前記 外蓋９を前記蓋部８に嵌装した際に、蓋部８の係合部１０のローレットと上下方 向に摺動して嵌合させられ、筒蓋部８の係合部１０のローレットと周方向に係止 するようになっている。 又、前記掛止部２０は一例として前記掛合部１１に上下方向に掛止するように形 成された突条又は突起であり、図示の例では突条が示されている。 次に、２１は前記外筒１８の下部に形成されたカバー部であり、前記蓋部８に外 蓋７を装着した際に穴１４の外側に接しさせられる。 そして前記外蓋９を蓋部８に被せて装着する場合は、外蓋９を、蓋部８の上方か ら下方に向けて嵌合させればよい。そうすると前記係止部１９のローレットは前 記係合部１０のローレットに、相互のローレットの山、谷をそれぞれ互の谷、山 にかみ合せ、摺動しながら嵌合を深め、前記掛止部２０の突条又は突起が掛合部 １１の凹条内に入って嵌合が終了する。そしてこの場合前記カバー部２１は前記 穴１４の外側即ち前記リング１５の外面に接して穴１４をカバーすることになり 、穴１４からの塵埃の侵入を防止する。 次に前記のように構成されたこのタンパーエビデントキャップを容器１の口部２ に装着する場合について述べると、このタンパーエビデントキャップを容器１の 口部２に螺合させ、かつ螺進させる。そうすると前記ストッパ１６は前記鍔部４ により外側方向に弾性変形されつつ同鍔部４を乗り越える。そして乗り越すと上 記の弾性変形の復元により前記ストッパ１６は前記鍔部４の下側に入り込み、内 側にかつ斜め上方に突出する形態となる。そしてこの場合前記係止部１９は前記 係合部１０と周方向に係止し、前記掛止部２０は前記掛合部１１と上下方向に掛 止した状態となる。消費者等がこのタンパーエビデントキャップを外し取る場合 は前記外蓋９を握り、これを螺解方向に回せばよい。そうすると該外蓋９の係止 部１９は蓋部８の係合部１０にモーメントを与え蓋部８を螺解方向に回動する。 そしてこの場合外蓋９の掛止部２０は蓋部８の掛合部１０と上下方向に掛止して いるため外蓋９は蓋部８と共に上昇する。この場合前記ストッパ１６は鍔部４と 係合しているため前記リング１５は上昇できず、このため前記ブリッジ１２が裂 き切られ、前記蓋部８と係止、掛止している外蓋９は前記蓋部８を共に螺解され 、前記口部２は開放される。この口部２を再度閉止する場合は前記外蓋９に装着 させられている蓋部８を前記口部２に螺合させればよい。

【０００７】

【考案の効果】 請求項１の考案は前記のように構成されたことにより、蓋部８の上方から下方 に外蓋９を下降させて被せると、外蓋９の係止部１９及び掛止部２０が蓋部８の 係合部１０及び掛合部１１にそれぞれ係止、掛止させられ、かつ穴１４が閉塞さ せられるから、外蓋９を蓋部８に被せるという一動作で外蓋９の、蓋部８に対す る周方向の係止、上下方向の掛止、及び穴１４の閉塞という三つの工程を一度に 行なうことができる。従って組立て製造の最も容易な、容器とこれに組み合わさ れたタンパーエビデントキャップを提供できる。そして上記のように構成された タンパーエビデントキャップは穴１４から塵埃が侵入して容器の口部２に付着す るのを防止することができる。 又蓋部８の外側に外蓋９を係止及び掛止したことにより、外蓋９を握って螺解す ると、ブリッジ１２に対し蓋部８よりも大径の部分を握ることになり、前記螺解 のモーメントは一層大きくなるため、きわめて容易にブリッジ１２を裂き切るこ とができる。 請求項２の考案は係合部１０及び係止部１９はそれぞれローレットにより形成さ れたことにより、両部１０、１９の係止は、外蓋９を蓋部８に被せる場合両ロー レットが並行に摺動し、抵抗が少なくきわめて容易な動作で周方向の係止を行わ せることができる。 請求項３の考案は前記のように構成され、掛合部１１は係合部１０の下方で周方 向の凹条として形成され、又掛止部２０は係止部１４の下方で周方向の突条又は 突起に形成されたことにより、前記両部１１、２０の掛止の場合外蓋９を蓋部８ に嵌合させるのに際して外蓋９は周方向の角度を制限されないからきわめて容易 に行なうことができる。又前記両部１１、２０の上下方向の掛止行為は比較的長 く行なわれるが、前記係止により自動的に終了させることができる。又終了の確 認が容易である。 請求項４の考案は前記のように構成され、カバー部２０は穴１４の外側に接しさ せられたことにより、穴１４からの塵埃の侵入を充分に防止できると共に、この タンパーエビデントキャップを容器１の口部２に装着しだ場合に、前記カバー部 ２１は前記リング１５に対し、いわゆるたがとして作用し、このタンパーエビデ ントキャップの螺解の際に前記ストッパ１６の外方への変形を抑制する。このた め上記螺解の際にストッパ１６は前記鍔部４の付根部に押し付けられているから 、前記螺解の際に螺解の力はブリッジ１２に直達し、ブリッジ１２を直ちに壮快 に裂き切ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示し、容器とこれに組み合
わされたタンパーエビデントキャップの半断面図であ
る。

【図２】図１に示すタンパーエビデントキャップの半断
面図である。

【図３】図２に示すタンパーエビデントキャップの外蓋
の半断面図である。

【図４】従来のタンパーエビデントキャップの部分断面
図である。

【図５】図４に示す従来のタンパーエビデントキャップ
を容器に組み合わせた場合を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 口部 ３ 螺条 ４ 鍔部 ５ 螺溝 ６ 筒部 ７ 頂壁 ８ 蓋部 ９ 外蓋 １０ 係合部 １１ 掛合部 １２ ブリッジ １３ 側壁 １４ 穴 １５ リング １６ ストッパ １７ 上壁 １８ 外筒 １９ 係止部 ２０ 掛止部 ２１ カバー部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器１の口部２外周に、上方から下方に
   順次形成された螺条３及び鍔部４；合成樹脂製で前記螺
   条３に螺合する螺溝５を有する筒部６及び頂壁７を具備
   する蓋部８；該蓋部８の外側に形成された、後記外蓋９
   と周方向に係合する係合部１０及び上下方向に掛合する
   掛合部１１；前記筒部６の下端部に裂き切れ易いブリッ
   ジ１２を介して一体に設けられた、側壁１３に複数の穴
   １４を有するリング１５；前記穴１４の下部から前記穴
   １４に対応して、前記リング１５の内側に斜め上向きに
   突設させられた前記鍔部４の下面に係止するストッパ１
   ６；上壁１７及び外筒１８から成り、前記係合部１０及
   び掛合部１１にそれぞれ係止、掛止する係止部１９及び
   掛止部２０を有し、かつ前記穴１４をカバーするカバー
   部２１を有する、前記蓋部８に被される外蓋９；から成
   ることを特徴とする容器とこれに組み合わされたタンパ
   ーエビデントキャップ。
2. 【請求項２】 係合部１０は上下方向に形成されたロー
   レットであり、係止部１９もローレットである請求項１
   記載の容器とこれに組み合わされたタンパーエビデント
   キャップ。
3. 【請求項３】 掛合部１１は係合部１０の下方で、周方
   向に形成された凹条であり、掛止部２０は係止部１９の
   下方で周方向に形成された突条又は突起である、請求項
   １又は２記載の容器とこれに組み合わされたタンパーエ
   ビデントキャップ。
4. 【請求項４】 カバー部２１は穴１４の外側に接しさせ
   られている請求項１、２、又は３記載の容器とこれに組
   み合わされたタンパーエビデントキャップ。