JP3049333B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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Description
するものである。
成装置において、セレンなどの無機感光体が用いられて
いた。しかし、アモルファスセレンの結晶化の問題、産
業廃棄物になった場合の環境への悪影響から有機感光体
が次第に多く用いられるようになってきた。
を機能分離する発想が生まれてからの有機感光体の発達
は著しく、下層の電荷発生層においてはアゾ顔料、フタ
ロシアニン顔料、縮合多環顔料などで量子効率の向上が
計られ、上層の電荷輸送層においては正孔輸送性のアミ
ン系化合物の改良で電荷移動度の向上が試みられ、感度
においては無機感光体を上回る物も生まれてきた。
題がすべて解決されたわけではない。電子写真プロセス
は感光体表面に帯電させた後、露光によって静電潜像を
形成すると共に、その静電潜像をトナーによって現像
し、次いでその可視像を紙などに転写、定着させ画像を
得る。感光体は残留した付着トナーの除去や除電、表面
の清浄化が施され、長期に亘って反復使用される。
び感度が良好で更に暗減衰が小さいなどの電子写真特性
は勿論であるが、加えて繰り返し使用での耐刷性、耐磨
耗性、耐湿性など物理的耐性やオゾンや窒素酸化物、露
光時の紫外線などへの耐性など化学的耐性の向上質が要
求される。
象の一つに画像ボケがある。画像ボケは、現在も実用上
完全には克服されて無い大きな問題の一つである。冬期
石油ストーブから発生する窒素酸化物、あるはコロナチ
ャージャーより発生したオゾン、更にそれが空気中の窒
素と反応してできた窒素酸化物が原因となると考えられ
ている(小林、佐藤等 J.of Imaging S
ci.and Tec.vol39,number
6,485(1995))。
に酸化防止剤として知られるヒンダードフェノール化合
物やヒンダードアミン化合物を添加することが検討され
てきた(特開昭63−18356号、特開昭63−50
849号、特開昭63−73256号)。
上げる試みには別の問題がある。即ち、ヒンダードアミ
ン化合物はアミン化合物の常としてカチオントラップに
なりやすく残留電位の上昇や感度低下を起こしやすい。
また電気的には不活性で感光体特性に悪影響を及ぼさな
い筈の通常のヒンダードフェノール化合物でさえ、有機
化合物の常として絶縁性であり、結果として感光体中の
電荷輸送物質(CTM)濃度を下げることになり、感度
低下、残留電位の上昇を引き起こす。
年、より耐久性の良い高速のコピーが望まれてくると大
きな問題になってきた。
境性、耐オゾン性に優れ、繰り返し使用時の帯電能の低
下、感度の低下などがない良好な画像をあたえる高感度
な感光体を提供することにある。
ルアミン構造部分を有する化合物を電荷輸送物質(正孔
輸送物質)とした感光体において、酸化防止剤として特
定のヒンダードフェノール化合物(一般式(1))を添
加したとき、絶縁性の有機化合物の添加でありながら感
度がむしろアップする現象を見出だし、これに基き上記
の目的を達成することができた。
って達成された。
合物とトリアリールアミン化合物を含有することを特徴
とする電子写真感光体。
を表し、R2 はハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、又はアルコキシル基を表し、nは0〜3の整数を表
し、Arは置換、未置換のアリール基を表す。)〔2〕 nが1であることを特徴とする〔1〕記載の電
子写真感光体。 〔3〕 Arが置換、未置換のフェニル基であることを
特徴とする〔1〕または〔2〕記載の電子写真感光体。
フェニルアミン化合物であることを特徴とする〔1〕、
〔2〕又は〔3〕記載の電子写真感光体。
下記の一般式(2)〜(5)で表される化合物であるこ
とを特徴とする〔4〕記載の電子写真感光体。
を表し、R4は水素原子、置換、未置換のフェニル基を
表し、R5〜R17 はハロゲン原子、アルキル基又はアル
コキシル基を表し、mは0〜3の整数を表し、A及びB
はそれぞれ置換、未置換のアルキル基又はアリール基を
表し、A及びBは互いに結合して環を形成してもよく、
Zは連結基または水素原子を表し、kは0又は1を表
す。)一般式(1)中、R1はOH基のo(オルト)位
に位置し2級又は3級のアルキル基を表す。2級又は3
級のアルキル基としては例えばイソプロピル基、t−ブ
チル基、イソアミル基又はt−アミル基などを挙げるこ
とができる。R2 はアルキル基(2級又は3級のアルキ
ル基としては例えばイソプロピル基、t−ブチル基、イ
ソアミル基又はt−アミル基などがよい)、アリール
基、アルコキシル基、又はハロゲン原子を表し、nは0
〜3の整数を表す。
ル基、プロピル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基
など1級のアルキルの他、前述の2級又は3級のアルキ
ル基を挙げることができ、アルコキシル基としてはメト
キシ基、エトキシ基などを挙げることができ、アリール
基としては各々置換又は未置換のフェニル基、ナフチル
基を挙げることができる。nは1が好ましい。Arは置
換、未置換のアリール基、好ましくは置換又は未置換の
フェニル基を表し、置換基としてはアルキル基、アルコ
キシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、エステ
ル基などを表す。Arの置換位置は限定は特に無いが、
OH基に対してo又はp位、特にp位が好ましい。
部にその母格構造(好ましくはトリフェニルアミン構
造)を含むもので、好ましくは上記の一般式(2)〜
(5)で表わされる化合物である。
置換のフェニル基を表し、R4は水素原子、置換又は未
置換のフェニル基を表す。置換基としてはアルキル基、
アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、
エステル基などが挙げられる。R5,R6,R7はトリフ
ェニルアミン母格に直接導入された置換原子又は置換基
でアルキル基、アルコキシル基又はハロゲン原子を表
し、mは0〜3である。
員環又は6員環を形成するに必要な原子群、特に好まし
くは置換又は非置換のメチン鎖を表し、該5、6員環は
置換基を有してもよい。尚、Zは必ずしも存在しなくて
もよい、即ち水素原子であって環構造をとらなくともよ
い。R8,R9,R10,R11はアルキル基、アルコキシル
基又はハロゲン原子、水素原子を表し、mは0〜3の整
数をあらわす。
数を表し、R12、R13及びR14はアルキル基、アルコキ
シル基又はハロゲン原子を表し、mは0〜3の整数を表
す。
れ置換、未置換のアルキル基又はアリール基を表し、A
及びBは互いに結合して環を形成しても良い。R15,R
16,R17はアルキル基、アルコキシル基又はハロゲン原
子を表し、mは0〜3の整数を表す。この環は、5〜6
員環の含窒素複素環であることが好ましく、該複素環は
ベンゼン環等を含む、縮合環を形成してもよく、該複素
環は置換基を有してもよい。
はキャリア移動度の高い化合物として知られる一般式
(2)〜(4)で表される化合物である。
の合成には色々な手段が考えられる。Gordon
H.Stillson, David W.Sawye
r等(J.Amer.Chem.Soc.vol 6
7, 303(1945))のように対応するフェノー
ル化合物(2位又は6位は無置換)に対して酸触媒の存
在下、イソブチレンガスを吹き込むのも一つの方法であ
る。
に分散し、硫酸3mlを加え50〜60℃でイソブテン
(ガス)を6時間吹き込む(100g)反応終了後、ト
ルエンで稀釈し、アルカリで洗い、減圧蒸留(145〜
150/2mmHg)によって目的物を得た。
mp 101℃)次に、上記の一般式(2)〜(5)
で示される代表的な化合物を挙げる。
の化合物はいわゆるヒンダードフェノール系の酸化防止
剤の概念に含まれる。しかし、この物を電子写真感光体
に含有させたとき酸化防止能に基づく効果とは他に、従
来の酸化防止剤に見られない効果が認められた。
中に含有させると例え電子写真的に害の無いものであっ
ても、感光材料の基本素材の一つである電荷輸送物質
(CTM)の濃度を結果的に低下させるためか、感度低
下を引き起こす。これに反して本発明の芳香族置換ヒン
ダードフェノール化合物は、殆ど感度低下を起こさず、
むしろ、僅かだが逆に感度アップの効果がある優れた素
材である。
化合物と組み合わされた場合に顕著に表れる。
に制限が無く公知のもの、即ち今日広く使われている負
帯電機能分離型感光体や単層感光体更には逆層構成の感
光体にも添加できる。
M)には制限はなく公知の物を用いることができる。例
えばアゾ顔料,フタロシアニン顔料,アントラキノン顔
料、イミダゾールペリレン顔料、アンスアンスロン顔料
などを挙げることができる。これらCGMや本発明に使
用される電荷輸送物質(CTM=正孔輸送物質)は既知
のバインダによって分散或いは溶解され感光体とするこ
とができる。
スチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂などを挙げることができる。
層との間に接着性と導電性支持体からの電荷の注入の防
止等のため中間層を用いることができる。
れている公知のポリマー、例えばポリアミド樹脂、ポリ
ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などを使うことが
できる。其のほかセラミック下引きとして知られる金属
アルコキシド(例えばジルコニウムアルコキシド、チタ
ニウムアルコキシドなど)の部分加水分解物の縮合体な
どを挙げることができる。
ができる。
光体の各層に添加することができる。添加量は電荷輸送
層(CTL)に添加される場合、CTL中のCTMに対
して0.1〜100重量%,好ましくは1〜50重量%
である。
L中のバインダ樹脂に対して0.1〜100重量%、好
ましくは1〜50重量%である。
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
8000 東レ製)30gをメタノール900mlとブ
タノール100mlの混合溶媒中に投入し、50℃で加
熱溶解した。得られた溶液を室温まで冷却後、前記ドラ
ム上に浸漬塗布して0.5μm厚の中間層を形成した。
ックBX−L 積水化学製)5gをメチルエチルケトン
1000mlに溶解し電荷発生物質(CGM−1)10
gを混合した後サンドミルを用いて10時間分散した。
得られた分散液を前記中間層上に浸漬塗布して0.5μ
m厚の電荷発生層(CGL)を形成した。ついで電荷輸
送物質(2−3)200gとポリカーボネート樹脂(Z
200 三菱ガス化学製)280gと本発明の化合物
(P−1〜4、P−8、P−9)20gをジクロロメタ
ン中に溶解し、得られた溶液を前記CGL上に浸漬塗布
して25μm厚の電荷輸送層(CTL)を形成し、10
0℃で1時間加熱乾燥して本実施例の感光体とした。
(01)及び酸化防止剤の代わりにポリカーボネート樹
脂を入れてCTM濃度を実施例と同一にしたもの(0
2)更に実施例における本発明の化合物にかえて既存の
酸化防止剤(A−1、H−1、H−2、AH−1)にし
た他は実施例と同様にして比較感光体を作製した。
機(コロナ帯電器の電流量、露光量を可変とし、電位計
を装備して表面電位を測定できる様に改造したコニカ社
製U−BIX 4045改造機)に装着し、高温高湿度
下で1万回の実写テストを行い、初期及び1万コピー後
の黒紙電位(Vb)、白紙電位(Vw)、残留電位(V
r)を測定した。
ドラムを用意し、このものを5ppmの二酸化窒素雰囲
気下に10分間暴露した。ついで素早く、前記の複写機
に装着し画像評価を行った。
△:ややボケが認められるが程度は酷くはない、×:ボ
ケが明らかにある、に分けた。
見られる。それに反して既存のヒンダードフェノール系
酸化防止剤では繰り返し試験での表面電位の安定には効
果が認められるもののボケ防止効果は少なく、初期感度
を見ても無添加の物(比較O−1)に比してやや悪くな
っている(CTM濃度を薄めた為かも知れない)。また
ヒンダードアミン化合物はボケには効果があるが繰り返
し試験での残留電位の上昇が著しい。ヒンダードアミン
とフェノールを同一分子中に持つ化合物(AH−1)は
ボケにも効果があり、比較的バランスの取れた化合物で
あるが残留電位の上昇は許容限度を越えている。
なく繰り返しでの電位変化も少ない。また、初期感度を
見ても無添加物に比べてむしろ増感している。これは他
の酸化防止剤に見られない本発明の化合物の優れた特性
である。
ることが判った。そこで酸化防止剤をP−1に固定しC
TMの種類を代えて実施例Aと同様の感光体を作り、常
温常湿度下で初期感度を測定した。CGMは同一でもC
TMによって感度や帯電性が異なるので各CTMで酸化
防止剤無添加サンプル(各01)を基準としてコロナチ
ャージの電流量、露光量を調節して初期の黒紙電位(V
b)を740〜760V、白紙電位(Vw)を70〜9
0Vになるように調整した。
(各01)及び、酸化防止剤の代わりにポリカーボネー
ト樹脂を入れてCTM濃度を実施例と同一にしたもの
(各02)及びトリフェニルアミン構造を含まないCT
M(ED1)を作製した。
Mと組み合わせると明らかに感度アップが認められる。
ヒドラゾン母格も含んでいる(5)群のCTM(5−
3)も酸化防止剤でCTM濃度を希釈しないサンプルと
同程度の感度となっており、増感があったと認められ
る。
M(ED1)を使用したサンプルではCTM濃度を酸化
防止剤で希釈したと解される感度になっている。
スロン(下記「化14」に記す)25g、電荷輸送物質
として化合物(2−4)75g、バインダーとしてポリ
カーボネート樹脂(Z200 三菱ガス化学製)100
g、更に酸化防止剤として本発明の化合物(P−1)5
gに、ジクロルメタンを加え、ボールミルにて分散し、
感光体塗布液を作った。アルミニウムを蒸着したポリエ
ステルベース上に、上記の感光体塗布液を塗布して膜厚
25μmの感光体サンプルを作った。
もの、本発明外のヒンダードフェノール化合物である
(H−1)、(H−2)を添加したものを作った。
発生器(日本オゾン社製 0−12型)とオゾンモニタ
ー(エバラ実業社製 EG−2001型)を装着したも
のを用意する。+6kVのコロナ放電により帯電させ、
5秒間暗所で放置(この時の電位を初期電位V0)し、
次いで光りを当てて表面電位の減衰を測定した。電位が
半減するまでの光量を感度(E1/2)とする。
pmの状態で3時間保持し、その後オゾンガスを除去し
3時間放置後に再び帯電電位(V0′)を測定した。各
々の特性を下記表3に示す。
感光体は、負帯電感光体と同様に、オゾンに晒された後
も帯電電位の変化が少ない。本発明外のヒンダードフェ
ノール化合物である(H−1)、(H−2)を添加した
ものに比して優れていることがわかる。尚、この様な特
性を示す理由は明らかではないが、おそらく4位のフェ
ニル基がフェノール部分の励起状態の安定化に寄与して
いることが関係していると思われる。即ち活性なオゾン
から発生するラジカルをより効率的に不活性化(クエン
チング)しているためと考えられる。
ばかりでなく、単層型正帯電感光体にも有効であり、感
度及びオゾンに晒された後の帯電電位特性共に良好であ
ることがわかる。
優れ、繰り返し使用時の帯電能の低下、感度の低下など
がない良好な画像をあたえる高感度な感光体を提供する
ことが出来る。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の一般式(1)で表される化合物と
トリアリールアミン化合物を含有することを特徴とする
電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1は2級又は3級のアルキル基を表し、R2 は
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキ
シル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Arは置換、
未置換のアリール基を表す。) - 【請求項2】 nが1であることを特徴とする請求項1
記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 Arが置換、未置換のフェニル基である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光
体。 - 【請求項4】 トリアリールアミン化合物がトリフェニ
ルアミン化合物であることを特徴とする請求項1、2又
は3記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 前記トリアリールアミン化合物が下記の
一般式(2)〜(5)で表される化合物であることを特
徴とする請求項4記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R3は置換、未置換のフェニル基を表し、R4は
水素原子、置換、未置換のフェニル基を表し、R5〜R
17 はハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシル基を表
し、mは0〜3の整数を表し、A及びBはそれぞれ置
換、未置換のアルキル基又はアリール基を表し、A及び
Bは互いに結合して環を形成してもよく、Zは連結基ま
たは水素原子を表し、kは0又は1を表す。)
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-
1997
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