JP3049288B1 - キノコの自動収穫装置 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】上面が開放されたトレー状等のコンテナにビン
状等の複数の栽培瓶を整列して載置した状態でキノコを
栽培した場合の、キノコの収穫作業を機械化すること。 【解決手段】開口部より生育キノコ１が伸長している栽
培瓶４が複数整列して載置されているトレー状のコンテ
ナ７を搬送し、所定位置に停止させるコンテナ用コンベ
ア１１と、そのコンベア１１上で停止されたコンテナ７
内の栽培瓶４を把持するハンド２７と、ハンド２７を動
作させるハンド駆動手段とを備え、ハンド２７によりコ
ンテナ７内の栽培瓶４を把持し、水平方向に移動させて
当該栽培瓶から伸長しているキノコを隣接するキノコか
ら離反させた後に、垂直上方向に移動させて栽培瓶４を
コンテナ７から取出すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上面が開放された
トレー状等のコンテナにビン状等の複数の栽培瓶が整列
して載置された状態で栽培されたキノコを収穫するキノ
コの自動収穫装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】シメジ等のキノコの人工栽培は、図５に
示すように、上部が開口したビン等の栽培瓶４内に培地
を収容し、栽培瓶４の上部の口からキノコ１を伸長させ
るようにして行われている。また、搬送等を容易にする
ため、上面が開放されたトレー状のコンテナ７に複数の
栽培瓶４、４…を整列して載置しており、更に、コンテ
ナ７上の栽培瓶４、４…のズレを防止するため、コンテ
ナ７の底部と栽培瓶４、４…の底部とは相互に係合する
凹凸状に形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のようにコンテナ
７に複数の栽培瓶４、４…を整列して載置し、各栽培瓶
４に保持させるようにキノコ１を栽培すると、キノコ
１、１…が栽培瓶４、４…の上部の口から側方へも成長
し、隣接するキノコ１、１…が相互に競り合うように密
生する。従って、キノコ１、１…を傷付けないように収
穫するため、従来は、手作業で収穫を行っており、作業
効率が悪い等の問題があった。

【０００４】本発明は、このような問題に鑑み、上面が
開放されたトレー状等のコンテナにビン状等の複数の栽
培瓶を整列して載置した状態でキノコを栽培した場合
の、キノコの収穫作業を機械化することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
開口部より生育キノコが伸長している栽培瓶が複数整列
して載置されているトレー状のコンテナを搬送し、所定
位置に停止させるコンテナ用コンベアと、該コンテナ用
コンベア上で停止されたコンテナ内の栽培瓶を把持する
ハンドと、該ハンドを動作させるハンド駆動手段とを備
え、前記ハンド駆動手段は、前記コンベアの上方に備え
た水平方向に向けたガイドレール上を移動する上部水平
スライド部と該水平スライド部に支持されて垂直方向に
移動する垂直スライド部と該垂直 スライド部に支持され
て水平方向に移動する下部水平スライド部とから構成さ
れ、前記下部水平スライド部に前記ハンドを支持させ、
センサーにより栽培瓶位置を認識させて前記ハンド駆動
手段により所定栽培瓶位置にハンドを差し込み、該ハン
ドによりコンテナ内の栽培瓶を把持し、水平方向に移動
させて当該栽培瓶から伸長しているキノコを隣接するキ
ノコから離反させた後に、前記ハンドを垂直上方向に移
動させて該栽培瓶を前記コンテナ内から取出すようにし
てなるキノコの自動収穫装置にある。

【０００６】尚、コンテナの底部と栽培瓶の底部とは相
互に係合する凹凸状に形成すること、及び、コンテナに
は複数の栽培瓶が縦方向及び横方向へ複数列に整列して
載置され、縦方向又は横方向に一列に整列した複数の前
記栽培瓶をハンドによりまとめて把持するようにするこ
とが好ましい。請求項１又は２に記載のキノコの自動収
穫装置。

【０００７】

【発明の実施の形態】図５は、キノコの栽培状態を示す
平面図及び立面図である。シメジ等のキノコ１の人工栽
培は、上部が開口したビン等の縦長の栽培瓶４内に培地
を収容し、栽培瓶４の上部の口からキノコ１を伸長させ
て、キノコ１を栽培瓶４に保持させるようにして行われ
ている。

【０００８】また、搬送等を容易にするため、上面が開
放されたトレー状のコンテナ７に、１８個の栽培瓶４、
４…が、縦方向へ３列、横方向へ６列に千鳥配置で整列
して載置されている。従って、収穫時には、キノコ１、
１…が栽培瓶４、４…の上部の口から側方へも成長し、
隣接するキノコ１、１…が相互に競り合うように密生す
る。なお、コンテナ７上の栽培瓶４、４…のズレを防止
するため、コンテナ７の底部と栽培瓶４、４…の底部と
は相互に係合する凹凸状に形成されている。

【０００９】図１は、栽培瓶取出装置並びにコンテナ用
コンベア及び栽培瓶用コンベアの立面図であり、図２
は、図１中の栽培瓶取出装置の平面図、図３は、図１中
のコンテナ用コンベア及び栽培瓶用コンベアの平面図で
ある。

【００１０】図１、３に示すように、台状の下方フレー
ム１０上には、ローラーコンベアからなるコンテナ用コ
ンベア１１とベルトコンベアからなる栽培瓶用コンベア
１４とが、水平縦方向へ伸延して相互に平行に設置され
ている。

【００１１】そして、コンテナ用コンベア１１には、コ
ンテナ７、７…が２個ずつ搬入され、栽培瓶用コンベア
１４には、このコンテナ７、７から取り出された栽培瓶
４、４…が６個ずつ、縦方向に一列に整列して載置され
て搬出されるようになっている。なお、栽培瓶用コンベ
ア１４の両側には、対向面がＶ字形に形成された位置矯
正部材１７、１７が、２組、相互に対向してエアシリン
ダにより開閉自在に設けられており、各組の位置矯正部
材１７、１７は、栽培瓶用コンベア１４上の３個の栽培
瓶４、４…を挾み込んで縦方向に一列に整列させるとと
もに、栽培瓶を安定させるようになっている。

【００１２】そして、図１、２に示すように、コンテナ
用コンベア１１及び栽培瓶用コンベア１４の上方には、
梁状の上方フレーム２０が設置されている。上方フレー
ム２０にハンド駆動手段が搭載されている。このハンド
駆動手段には、上方フレーム２０に支持させて、水平前
後方向（図１、図２において左右方向をいう。以下同
じ。）へ伸延して設置されたガイドレール２１、２１、
水平軸サーボユニット２２を有し、水平軸サーボユニッ
ト２２には、水平左右方向（図１、図２において上下方
向をいう。以下同じ。）に長い上部水平スライド部２３
が、サーボモーターにより水平前後方向へ移動自在に設
けられている。そして、水平スライド部２３の両端に
は、垂直方向（鉛直方向）に長い２つの垂直軸サーボユ
ニット２４、２４が下方に突出して固定されており、垂
直軸サーボユニット２４、２４には、垂直スライド部２
５、２５が、サーボモーターにより垂直方向へ移動自在
に設けられている。

【００１３】そして、垂直スライド部２５、２５の下端
には、下部水平スライド部２６、２６が、エアシリンダ
により水平左右方向へ移動自在に装着されており、下部
水平スライド部２６、２６には、ハンド２７、２７が装
着されている。各ハンド２７には、３組の把持部２８、
２８が、水平左右方向に整列して配置され、エアシリン
ダにより開閉自在に設けられており、各ハンド２７は、
水平左右方向に一列に整列した３個の栽培瓶４、４…を
まとめて把持するようになっている。

【００１４】このように構成される栽培瓶取出装置は、
上部水平スライド部２３、２３、垂直スライド部２５、
２５及び下部水平スライド部２６、２６の移動によりハ
ンド２７、２７を所定位置に位置決めし、ハンド２７、
２７を開閉するようにして、コンテナ用コンベア１１上
に積載されて搬送され、所定位置に停止されたコンテナ
７、７から栽培瓶４、４…を取り出し、その栽培瓶４、
４…を栽培瓶用コンベア１４に載置する。

【００１５】図４は、栽培瓶取出装置によるコンテナか
らの栽培瓶の取出方法を示す立面図である。コンテナ用
コンベア１１上に積載された各コンテナ７から栽培瓶
４、４…を取り出す際には、センサーにより栽培瓶位置
を認識し、左右方向へ一列に整列した３個の栽培瓶４、
４…ずつまとめて、前後方向の一方の側から順次取り出
して行く。

【００１６】この際、ハンド２７により栽培瓶４、４…
の上寄部分を把持し、図４（ａ）に示すように、ハンド
２７を水平前方へ移動させて、その栽培瓶４、４…を斜
めに傾け、その栽培瓶４、４…に保持されたキノコ１、
１…を後方向に隣接するキノコ１、１…から離反させ、
その後、図４（ｂ）に示すように、ハンド２７を垂直方
向へ移動させて、その栽培瓶４、４…をコンテナ７から
上方へ取り出す。従って、隣接するキノコ１、１…が相
互に競り合うように密生している場合でも、キノコ１、
１…を傷付けないように収穫することができる。

【００１７】なお、上述の実施の形態では、コンテナに
１５個の栽培瓶を左右３列前後５列に整列して載置し、
左右方向に整列した３個の栽培瓶ずつまとめて、前後方
向の一方の側から順次取り出して行く場合について述べ
たが、コンテナに収容される栽培瓶の総数、まとめて取
り出される栽培瓶の数等はどのように構成してもよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、開口部より生育キノコが伸長
している栽培瓶が複数整列して載置されているトレー状
等のコンテナを搬送し所定位置に停止させるコンテナコ
ンテナ用コンベアと、該コンテナ用コンベア上の所定位
置で停止されたコンテナ内の栽培瓶を把持するハンド
と、該ハンドを動作させるハンド駆動手段とを備え、前
記ハンド駆動手段は、前記コンベアの上方に備えた水平
方向に向けたガイドレール上を移動する上部水平スライ
ド部と該水平スライド部に支持されて垂直方向に移動す
る垂直スライド部と該垂直スライド部に支持されて水平
方向に移動する下部水平スライド部とから構成され、前
記下部水平スライド部に前記ハンドを支持させ、センサ
ーにより栽培瓶位置を認識させて前記ハンド駆動手段に
より所定栽培瓶位置にハンドを差し込み、該ハンドによ
り前記栽培瓶を把持し、水平方向へ移動させて当該栽培
瓶に保持された前記キノコを隣接する前記キノコから離
反させた後に、前記ハンドを垂直方向へ移動させて前記
栽培瓶を前記コンテナから取り出すようにしたことによ
って、キノコの収穫作業を機械化して作業効率を向上す
ることができると共に、隣接するキノコが相互に競り合
うように密生している場合でも、キノコを傷付けないよ
うに収穫することができる。

【００１９】なお、コンテナ上の栽培瓶のズレを防止す
るため、コンテナの底部と栽培瓶の底部とを相互に係合
する凹凸状に形成した場合には、ハンドにより栽培瓶の
上寄部分を把持し、ハンドを水平方向へ移動させること
により、その栽培瓶が斜めに傾けられ、その栽培瓶から
伸長している生育キノコを隣接するキノコから好適に離
反させることができる。

【００２０】また、多数の栽培瓶をコンテナに収容する
ため、コンテナに複数の栽培瓶を左右方向及び前後方向
へ複数列に整列して載置した場合には、左右方向又は前
後方向に一列に整列した複数の栽培瓶をまとめてハンド
により把持することによって、その栽培瓶に保持された
キノコを前後方向に隣接するキノコから好適に離反させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態であって、栽培瓶取出装置
並びにコンテナ用コンベア及び栽培瓶用コンベアの立面
図である。

【図２】図１中の栽培瓶取出装置の平面図である。

【図３】図１中のコンテナ用コンベア及び栽培瓶用コン
ベアの平面図である。

【図４】図１の栽培瓶取出装置によるコンテナからの栽
培瓶の取出方法を示す立面図である。

【図５】キノコの栽培状態を示す平面図及び立面図であ
る。

【符号の説明】

１ キノコ ４ 栽培瓶 ７ コンテナ １０ 下方フレーム １１ コンテナ用コンベア １４ 栽培瓶用コンベア １７ 位置矯正部材 ２０ 上方フレーム ２１ ガイドレール ２２ 水平軸サーボユニット ２３ 水平スライド部 ２４ 垂直軸サーボユニット ２５ 垂直スライド部 ２６ 水平スライド部 ２７ ハンド ２８ 把持部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部より生育キノコが伸長している栽培
   瓶が複数整列して載置されているトレー状のコンテナを
   搬送し、所定位置に停止させるコンテナ用コンベアと、
   該コンテナ用コンベア上で停止されたコンテナ内の栽培
   瓶を把持するハンドと、該ハンドを動作させるハンド駆
   動手段とを備え、前記ハンド駆動手段は、前記コンベア
   の上方に備えた水平方向に向けたガイドレール上を移動
   する上部水平スライド部と該水平スライド部に支持され
   て垂直方向に移動する垂直スライド部と該垂直スライド
   部に支持されて水平方向に移動する下部水平スライド部
   とから構成され、前記下部水平スライド部に前記ハンド
   を支持させ、センサーにより栽培瓶位置を認識させて前
   記ハンド駆動手段により所定栽培瓶位置にハンドを差し
   込み、該ハンドによりコンテナ内の栽培瓶を把持し、水
   平方向に移動させて当該栽培瓶から伸長しているキノコ
   を隣接するキノコから離反させた後に、前記ハンドを垂
   直上方向に移動させて該栽培瓶を前記コンテナ内から取
   出すようにしてなるキノコの自動収穫装置。
2. 【請求項２】コンテナの底部と栽培瓶の底部とは相互に
   係合する凹凸状に形成されている請求項１に記載のキノ
   コの自動収穫装置。
3. 【請求項３】コンテナには複数の栽培瓶が縦方向及び横
   方向へ複数列に整列して載置され、縦方向又は横方向に
   一列に整列した複数の前記栽培瓶をハンドによりまとめ
   て把持する請求項１又は２に記載のキノコの自動収穫装
   置。