JP3049248B1 - 圧延機用ル―パ― - Google Patents
圧延機用ル―パ―Info
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Abstract
ロールすることによって圧延中のストリップの弛みを適
切に除去し得る圧延機用ルーパーを提供する。 【解決手段】 圧延機間に設けられ、ストリップにロー
ルを接触させてその弛みをとる圧延機用ルーパー10に
おいて、上記のロールを油圧シリンダー20によって変
位させることとし、そのための作動油の供給系30に、
一方のみを使用するかまたは他方を使用するかを選択で
きるように、第一サーボ弁31および第二サーボ弁32
を並列に配置した。
Description
(ストリップ)を圧延する際にそのストリップの弛みを
とるべく、圧延機の間に設けられてストリップ表面にロ
ールを接触させる形式の圧延機用ルーパーに関するもの
である。
タンドの圧延機間に帯状の板(ストリップ)を通すこと
によって行われる。板厚が減少するごとに長さが増すの
で、ストリップは、圧延速度をそれぞれ適切に設定され
た複数の圧延機間を順次スピードを上げながら通過す
る。ただし実際には、各圧延機において圧延速度をつね
に適切に保てるわけではないので、隣接する圧延機間に
おいてストリップに弛みが発生し得ることになる。
蛇行したり、折れ曲がった状態で圧延機に入るいわゆる
三重がみが発生したりする可能性もある。そのような不
都合を防止する一手段として、一般的には図4のよう
に、隣接する圧延機1・2の間にルーパー(圧延機用ル
ーパー)10が設けられる。ルーパー10は、回転自在
なロール11(または同等の物)を先端部分に備え、そ
のロール11を適宜に変位(図中の仮想線を参照)させ
てストリップxに押し付けることにより、圧延機1・2
間においてそのストリップxの弛みをなくし、適切な張
力を与える。
手段により、電動機(モータ)を駆動源とする電動ルー
パーと、油圧シリンダーを駆動源とする油圧ルーパーと
に概ね分類される。いずれのルーパーにおいても、スト
リップに適切な張力を付与するには、その弛みに応じて
ロールの変位等が適切にコントロールされる必要があ
る。そのため、前者の場合には、適切な制御手段によっ
て電動機がコントロールされ、後者の場合には、各油圧
シリンダーあたり1台のサーボバルブによって当該シリ
ンダーへの油圧作動油の供給量がコントロールされてい
る。後者の手段については、関連技術が特開昭55−6
1305号公報に記載されている。
延機用ルーパーには、つぎのような点に課題がある。す
なわち、イ ) 電動機をロールの変位手段とする電動ルーパーは、
一般に、ロールを高速度で変位させることが難しい。電
動機による比較的低トルクの回転を、機械式の動作変換
手段を介して減速しながら往復直線動作に変換し、ロー
ルを変位させるからである。さらに電動ルーパーは、電
動機や駆動系の慣性が大きいために、応答が遅く加減速
に時間がかかる。動作変換にともなって摩擦等の機械的
損失が伴うという点も、ロールを高精度に円滑に変位さ
せるうえで不利である。
弁によって油圧シリンダーに作動油を送るものでは、変
位の精度と高速性とを両立させることが難しい。サーボ
弁の容量が小さい場合には、ロールの変位を高精度にコ
ントロールできるものの、ストリップの弛みに追従させ
てロールを高速度で変位させることができず、逆にサー
ボ弁の容量が大きい場合には、ロールを高速度で変位さ
せることはできるが、その変位を高精度にコントロール
することが不可能だからである。
かつ高精度にコントロールすることによって上記の課題
を解決し、圧延中のストリップの弛みを適切に除去し得
る圧延機用ルーパーを提供しようとするものである。
機用ルーパーは、圧延機間に設けられ、ストリップ(つ
まり圧延される薄板)にロール(または、ストリップに
接触しながらその表面に擦り傷を生じさせない同等の
物)を接触させてその弛みをとる圧延機用ルーパーにお
いて、上記のロールを流体圧式のアクチュエータ(油圧
シリンダーや油圧モータなど)によって変位させること
とし、そのための作動流体の供給系に、一方のみを使用
するかまたは他方を(他方のみもしくは双方を)使用す
るかを選択できるように、第一および第二のサーボ弁を
並列に配置したことを特徴とする。
って大きな力を出しやすい流体圧式のアクチュエータを
使用してロールを変位させるので、電動機による場合の
ような機械式の動作変換をする必要がない。そのため、
低慣性であるうえ、動作の減速や機械的損失を伴うこと
なく、ロールを高速かつ高精度に変位させることができ
る。
ータのための作動流体の供給系に二つのサーボ弁を並列
に配置し、一方のみを使用するか他方を使用するかを選
択可能にしたので、ロールの変位について精度と高速性
とを両立させることが可能である。ストリップの弛みに
ついて目標状態との差が少ないときには、定格流量の限
られた一方のサーボ弁のみでアクチュエータを高精度に
動作させ、目標状態との差が大きいときには他方のサー
ボ弁を使用して、多量の作動流体によりアクチュエータ
を高速度で動作させ得るからである。
速度にも高精度にも変位させることができ、圧延中、圧
延機間のストリップの弛みを適切に除去することが可能
である。弛みが除去されると、板(ストリップ)が蛇行
したり三重がみを起こしたりする不都合が防止される。
くに、第一サーボ弁の定格流量を第二サーボ弁の定格流
量よりも小さいものとし、前者のみを使用するか後者を
も同時に(つまり双方を)使用するかを選択できるよう
にしたことを特徴とする。
みにより、ロールの動作についてとくに高精度な制御か
らとくに高速度の制御まで行うことができる。目標状態
との差が小さいときには、定格流量の小さい側である第
一サーボ弁のみによってアクチュエータを細やかに動作
させ、当該差が大きいときには第一・第二の双方のサー
ボ弁を同時に使用して多量の作動流体をアクチュエータ
に供給し、ロールを高速度で動作させるからである。
使用するので、サーボ弁1台あたりの定格流量をさほど
大きくしなくとも多量の作動流体を供給することができ
る。したがって、サーボ弁として特別に大型・高額なも
のを必要としないことになり設備コストを抑制できる。
くに、 ・ ストリップに対するロールの接触荷重(押付け荷
重)について制御偏差(vi(またはve)、目標値と制
御量との差)をとり、 ・ 第一サーボ弁(31)による流量(Q31、アクチュ
エータに対し単位時間あたりに供給する作動流体の量)
は制御偏差(vi)に応じて増加させ(つまりゼロから
の制御偏差の増加に合わせて流量Q31をゼロから順に最
大定格値まで増やす)、 ・ 第二サーボ弁(32)による流量(Q32、上記と同
じく、アクチュエータに対し単位時間あたりに供給する
作動流体の量)は、制御偏差(vi)の小さい(絶対値
が小さい)部分に設定した不感帯域(−xp≦vi≦xp
の範囲)でゼロに保たせ、不感帯域を越えた部分におい
て制御偏差(vi)に応じて増加させる(つまり当該部
分からの制御偏差viの増加に合わせて流量Q32をゼロ
から順に最大定格値まで増やす) ことを特徴とする。上記の接触荷重は、荷重センサー
(ロードセル等)によって検出される当該荷重そのもの
でなくとも、圧力センサー等にて検出されるアクチュエ
ータの流体圧力等に置き換えることも可能である。な
お、上記で括弧内に示した符号は図1〜図3の例におけ
るものである。
トリップ・ロール間の接触荷重によって判断し、接触荷
重についての制御偏差(目標値−制御量)に応じてサー
ボ弁による流量を増加させる。制御偏差がゼロでないと
き、第一サーボ弁等による作動油の供給を受けて、実際
の接触荷重(制御量)が目標値に近くなるようアクチュ
エータが制御される。具体的には、まず圧延機間で弛み
が生じてストリップの張力が低くなったときには、上記
の接触荷重が下がって制御偏差が+(正の値)になるの
で、サーボ弁の流量が増し、ロールをストリップに押し
付けるようにアクチュエータが動作する。逆に、弛みが
なくなってストリップの張力が高くなったときには、実
際の接触荷重が上がって制御偏差が−(負の値)になる
ので、サーボ弁が逆向きに作動流体を流してアクチュエ
ータが上記と逆向きに動作する。このような制御によ
り、圧延機間のストリップはつねに適切な張力で張ら
れ、その結果、圧延された板の形状精度が好ましいもの
となる。
応じて流量が増加するのに対し、第二サーボ弁について
は、制御偏差の小さい部分に不感帯域を有していて、不
感帯域を越える制御偏差が生じたときはじめて流量がゼ
ロ以上になり増加を始める。そのため、制御偏差が小さ
い場合には、その制御偏差の大きさに応じた量の作動流
体を第一サーボ弁のみがアクチュエータに供給し、制御
偏差が大きい(上記の不感帯域を超える)場合には、第
一サーボ弁および第二サーボ弁がともに作動流体をアク
チュエータに供給する。制御偏差が増すと第一サーボ弁
の流量は最大定格値に達し、それのみでは、アクチュエ
ータを迅速に動作させるに十分な流量を供給できなくな
るが、不感帯域を超えた範囲ではこのようにして第二サ
ーボ弁が同時に機能するため、制御偏差がかなり大きい
場合にも、十分な流量をアクチュエータに供給すること
が可能である。
ータの動作を高精度に制御するためには、上述したよう
に、第一サーボ弁として定格流量の小さいものを使用す
るのが好ましい。また、第一サーボ弁の流量が最大定格
値に達した時点でアクチュエータへの供給流量の増加が
停止する(一時的にいわば頭打ちになる)ことを避ける
ためには、第二サーボ弁の不感帯域を第一サーボ弁の流
量が最大定格値に達するまでの部分に限定して設けてお
くのがよい。
求項3のルーパーにおいて、圧延の開始当初に限って
は、上記したロールの接触荷重に代えて、ロールの位置
について制御偏差をとる(その制御偏差に応じて上記と
同様に第一および第二サーボ弁における各流量を増加さ
せる)ことを特徴とする。
リップの先端部分を通してそのストリップに対する圧延
を開始した直後は、圧延の進行が定常状態に入った時期
とは違って、ストリップに多少の弛みをもたせるのが一
般的である。その時期には、各圧延機において圧延速度
が安定しないため、圧延機間のストリップに長さのゆと
りをもたせ、過剰な張力の発生を防止する必要があるか
らである。つまりその時期には、ストリップに一定の張
力をもたせることよりも、圧延機間のストリップに一定
長さのゆとりを持たせること、つまり、ストリップを掛
けるロールを一定位置に配置することが重要である。
ルの位置について制御偏差をとり、その制御偏差に応じ
て、請求項3の場合と同様に第一および第二のサーボ弁
における各流量を増加させる。ロールの位置について制
御偏差をとるということは、ロールの位置について目標
値を定めるとともに実際の位置(制御量)を知り、両者
の差を制御偏差としてこれをゼロにすべく制御すること
をさす。制御量としてのロールの位置を知るためには、
適切な位置センサーを使用すればよい。
ールの位置が目標の位置に近い)場合には、第一サーボ
弁のみにて作動流体の供給を受けることによりアクチュ
エータが高精度に動作し、制御偏差が大きい(実際のロ
ールの位置が目標の位置と大きく離れている)場合に
は、第一・第二の両サーボ弁にて作動流体の供給を受け
ることによりアクチュエータが高速度で動作する。この
ため、圧延の開始当初には、あらかじめ設定された長さ
のゆとりが適切かつ迅速にストリップに付与されること
になり、各圧延機の速度が安定しないその時期にも、ト
ラブルのない円滑な圧延が可能になる。
るのは圧延の開始当初に限り、圧延の進行が定常状態に
入った時点では、このルーパーでも、ストリップに対す
るロールの接触荷重について制御偏差をとる。定常的な
運転状態では圧延機の速度が安定しているためストリッ
プの長さのゆとりが小さくてもよいほか、ストリップの
端部以外の部分では、圧延材の板幅や板厚について精度
を高く保つべく、ストリップにつねに適切な張力を付与
することが重要だからである。
の一形態を示す。図1は、図4に示す圧延機用ルーパー
10における油圧シリンダー20の作動油供給系30を
示す系統図である。図2は、図1中のサーボ弁31・3
2に対する制御系40を示すブロック線図、図3は、作
動油供給系30および制御系40によって実現されるサ
ーボ弁31・32の流量特性等を示す線図である。また
図4は、圧延機用ルーパー10等を全体的に示す側面図
である。
延機1・2間に設けられる。圧延機1・2は、ストリッ
プx(鋼板)の熱間仕上げ圧延機として配置された隣接
の2スタンドである。圧延機1は、バックアップロール
1bをそれぞれ備える一対のワークロール1aによって
ストリップxを圧延し、下流側の圧延機2も、同様にワ
ークロール2aとバックアップロール2bとの作用によ
ってストリップxを圧延する。ルーパー10は、そのよ
うに圧延機1・2間を送られるストリップxに先端のロ
ール11を押し付けることにより、ストリップxの弛み
をなくして円滑な圧延を実現する手段である。
幅方向に軸心を有する回転自在なロール11を、鉛直面
内で揺動し得るレバー12の先端部に備え、そのレバー
12を油圧シリンダー20によって上下に揺動させる構
造のものである。レバー12とシリンダー20とのそれ
ぞれは、圧延機1のハウジングに固定したブラケット1
3および14に対し、鉛直面内で自在に旋回するように
取り付けている。圧延機1・2間のストリップxに弛み
が生じたとき、ルーパー10は、油圧シリンダー20を
伸ばすことによってロール11を上方へ(たとえば仮想
線の位置へ)変位させ、もってストリップxを図のよう
に(たとえば実線の位置に)張る作用をなす。
を検知する角度センサー(図示せず)をレバー12とブ
ラケット13との間に設けているほか、作動油の圧力を
検知する圧力センサー(図示せず)をシリンダー20の
油圧供給経路内に付属させている。レバー12の角度を
検知するのは、ロール11の位置、つまり基準位置(図
4の実線の位置)からの変位量を知って、圧延機1・2
間のストリップxの長さのゆとり(ロール11を変位さ
せなければ弛むはずの量)を知り、それが適切になるよ
うにフィードバック制御を行うためである。また作動油
の圧力を検知するのは、その圧力によって、ストリップ
xに対するロール11の接触荷重(押付け力)を知り、
やはりそれが適切になるようにフィードバック制御を行
うためである。たとえば接触荷重が低いときは、ロール
11の押し付けが不足であってストリップxがまだ弛み
気味であるので、シリンダー20を伸ばしてロール11
の押付け力を増す。なお、ストリップxに対するロール
11の接触荷重を知るためには、上記の圧力センサーの
ほか、レバー12に荷重センサー(ロードセル等。図示
せず)を取り付けるのもよい。
して圧延を開始した当初は、ルーパー10は、上記した
角度センサーを利用して、ロール11の位置(基準位置
からの変位量)が所定の値(目標値)になるように油圧
シリンダー20をコントロールする。圧延の開始当初は
圧延機1・2等の速度が不安定であること等から、圧延
機1・2の間のストリップxにも相当量の長さのゆとり
を持たせるのが好ましいからである。しかし、圧延機1
・2等の運転が定常状態に入ったのちは、通板速度が安
定するほか、ストリップxの厚みなど形状的な精度を高
める必要もあることから、角度センサーではなく上記の
圧力センサーを利用して、ストリップxに対するロール
11の接触荷重が所定の値(目標値)になるよう油圧シ
リンダー20をコントロールする。その接触荷重を適切
に保てば、圧延機1・2間のストリップxの張力を適切
に保持して、好ましい圧延条件を維持し得るからであ
る。したがって、このルーパー10においては、圧延の
開始当初はロール11の位置について制御偏差(目標状
態との差)をとり、その後は上記の接触荷重について制
御偏差をとって、油圧シリンダー20を操作するわけで
ある。
作(所定の位置への動作、または所定の荷重を発揮する
までの動作)は、速やかであるとともに正確である必要
がある。速やかでなければならないのは、ストリップx
が高速度で送られることに基づいて、その弛みが極めて
短時間のうちに発生しまたは大きく変動する可能性があ
るからである。正確でなければならないのは、ストリッ
プxに対するロール11の押付け力がもし不適切なら、
すでにかなり薄くなっているストリップxに不適当な伸
びをもたらし、板幅や板厚の精度を悪化させてしまう恐
れがあるからである。
とを確保するために、ルーパー10にはつぎのような手
段を講じている。
対する作動油供給系30において、それぞれ電磁式の第
一サーボ弁31と第二サーボ弁32とを並列に配置し
た。供給系30において作動油は、ポンプ33により加
圧されて供給管34に送られたうえ、配管35または配
管36(フレキシブルホース35a・36aを含む)を
通って、シリンダー20のうちピストン22のヘッド側
またはロッド23側の空間へ供給される。このときシリ
ンダー20のうち作動油が供給されない側であるロッド
23側またはピストン22のヘッド側の作動油は、逆に
配管36または配管35から戻り管37を通ってタンク
38に戻される。加圧された作動油を供給管34から配
管35・36のどちらへどれだけ供給するかは一般にサ
ーボ弁にてコントロールされるが、この供給系30で
は、そのために二つのサーボ弁31・32を並列に設け
たのである。そして供給管34と戻り管37、配管35
・36をそれぞれ分岐させ、それら4本の管をいずれの
サーボ弁31・32にも接続している。
間では定格流量(最大限に流し得る流量。最大定格流
量)において差をつけ、前者の定格流量の2〜3倍を後
者の定格流量とした。そして、シリンダー20の必要動
作量が小さくて正確さが必要な場合には第一サーボ弁3
1のみを使用し、シリンダー20の必要動作量が大きく
て高速性が必要な場合には、双方のサーボ弁31・32
を同時に使用することとした。定格流量の小さい第一サ
ーボ弁31のみを使用すれば微小範囲での精密な流量制
御が行えてシリンダー20を正確に動作させ得る一方、
定格流量の大きい第二サーボ弁32を含めて使用すれ
ば、多量の作動油(両サーボ弁31・32による流量の
合計)をシリンダー20に供給して高速な動作を実現で
きるからである。正確な動作が必要であるのは、前記し
た制御偏差が小さい範囲でシリンダー20の伸縮量を高
精度にコントロールすべきときであり、高速な動作が必
要であるのは、制御偏差が大きくてシリンダー20を速
やかに伸縮させるべきときである。
る作動油流量の制御は、図2に示す制御系40にしたが
って行うこととしている。すなわち、前述したようにロ
ール11の位置またはストリップxに対するロール11
の接触荷重のいずれかについて、目標値vdを定めると
ともに制御量(フィードバック信号)vcを検出し、双
方の差(vd−vc)によって制御偏差veをとる。PI
コントローラ41によって、その制御偏差veを増幅し
て等価制御偏差viとする一方で積分し、両信号を加算
してリミッター42に通す。第一サーボ弁31に対して
は、そのリミッター42を介して開度指令信号v01を送
るので、サーボ弁31は、定格流量となるまで偏差vi
とともに(つまり制御偏差veに応じて)作動油流量を
増加させる。増幅した上記の偏差viは、−xp≦vi≦
xpの範囲に不感帯域を形成する調節器43に通し、さ
らに増幅器44を経由させてリミッター45に通す。そ
うしてリミッター45に通した信号を第二サーボ弁32
の開度指令信号v02とするので、サーボ弁32は、偏差
viの小さい範囲で流量をゼロに保ちながら、それ以上
の範囲では、定格流量となるまで偏差viとともに(つ
まり制御偏差veに応じて)流量を増加させることにな
る。
32における作動油の流量特性と、図1の供給系30に
よって油圧シリンダー20に供給される作動油の合計流
量の変化とは、図3のように示される。すなわち、まず
サーボ弁31の流量Q31は、制御偏差veに比例する等
価制御偏差viの上昇とともに増加し、定格流量に達し
たとき以降は一定値になる。またサーボ弁32の流量Q
32は、偏差viが調節器43(図2)の不感帯域の上限
値xpになるまではゼロに保たれ、偏差viがそれを超え
た時点から、増幅器44(図2)のゲインKvに応じた
勾配で定格流量にまで増加する。流量Q32が増加を始め
るときの偏差vi、すなわち調節器43の不感帯域の上
限値xpは、流量Q31がサーボ弁31の定格流量に達す
る時点の値よりも小さく(約半分に)設定している。シ
リンダー20に供給される流量Q20は流量Q31と流量Q
32との合計であるため、図3(の実線)のように、偏差
viの増加に対し不連続な部分も息継ぎ部分も含むこと
なく、サーボ弁31が定格流量に達するまでスムーズに
増加する。なお、等価制御偏差viが負の値をとる場合
の流量Q31、Q32およびQ20についての線図は、偏差v
iが正の範囲にある図示の線図とは正負を逆にしたもの
(vi=Q=0である原点に関して点対称)になる。
ると、等価制御偏差viが小さい(つまり制御偏差veが
小さい)ときは単位時間あたり少量の作動油を供給され
て油圧シリンダー20は比較的低速で伸縮動作をし、偏
差viが大きいときは、多量の作動油を供給されてシリ
ンダー20は高速度で伸縮する。制御偏差veが大きい
ときシリンダー20は、2台のサーボ弁31・32の作
用によって十分な量の作動油の供給を受けて迅速に伸縮
する。そして偏差viが小さくなると、定格流量の小さ
いサーボ弁31のみによってシリンダー20への流量が
制御される結果、シリンダー20は高精度に制御され、
動作が正確にコントロールされる。この圧延機用ルーパ
ー10では、前述のように、圧延の開始当初はロール1
1の位置について制御偏差をとり、その後はストリップ
xに対するロール11の接触荷重について制御偏差をと
るので、ロール11の位置および接触荷重(押付け力)
のそれぞれが、当該各時期に迅速かつ正確に制御される
ことになる。その結果ルーパー10は、圧延の開始当初
は圧延機1・2の間のストリップxに適当な長さのゆと
りを持たせ、定常運転状態になったのちはストリップx
の張力を適切に保持して、圧延機1・2等によるストリ
ップxの圧延をつねに好ましく補助することができる。
よれば、ロールを高速かつ高精度に変位させ得るため、
圧延機間のストリップの弛みを適切に除去することがで
き、したがって、ストリップが蛇行したり三重がみを起
こしたりする不都合が防止される。ロールを高速かつ高
精度に変位させ得る理由は、第一には、低慣性で大きな
力を出しやすい流体圧式のアクチュエータを使用するの
で、機械式の動作変換が不要であり、動作の減速や機械
的損失が伴わないからである。また第二には、上記アク
チュエータのための作動流体の供給系に二つのサーボ弁
を並列に配置し、ストリップの弛みの量に応じて一方の
みを使用するか他方を使用するかを選択可能にしたから
である。
定格流量の小さい第一サーボ弁のみの使用と第一・第二
の双方のサーボ弁の同時使用とを選択するため、ロール
の動作についてとくに高精度な制御からとくに高速度の
制御まで行うことができる。また、サーボ弁として特別
に大型・高額なものは必要としないため、設備コストを
抑制できるという効果もある。
ストリップ・ロール間の接触荷重についての制御偏差に
応じてサーボ弁を操作するので、ストリップにつねに適
切な張力が付与され、圧延機による圧延が適切に進行す
る。制御偏差が小さい場合には第一サーボ弁のみがアク
チュエータへの作動流体の供給量を制御し、制御偏差が
大きい場合には第一および第二の両サーボ弁が当該供給
量を制御するので、ロールの押付け力をやはり高速かつ
高精度にコントロールすることができる。
始当初にはロールの位置が好ましくなるようにサーボ弁
を操作するので、あらかじめ設定された適当長のゆとり
がストリップに付与され、この時期にもトラブルのない
円滑な圧延が可能になる。その時期にも、上記と同様に
制御偏差に応じて二つのサーボ弁を選択して使用するの
で、やはり高速かつ高精度なコントロールが可能であ
る。
図4に示す圧延機用ルーパー10における油圧シリンダ
ー20の作動油供給系30を示す系統図である。
0を示すブロック線図である。
現されるサーボ弁31・32等の流量特性を示す線図で
ある。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 圧延機間に設けられ、ストリップにロー
ルを接触させてその弛みをとる圧延機用ルーパーにおい
て、 上記のロールを流体圧式のアクチュエータによって変位
させることとし、そのための作動流体の供給系に、一方
のみを使用するかまたは他方を使用するかを選択できる
ように、第一および第二のサーボ弁を並列に配置したこ
とを特徴とする圧延機用ルーパー。 - 【請求項2】 第一サーボ弁の定格流量を第二サーボ弁
の定格流量よりも小さいものとし、前者のみを使用する
か後者をも同時に使用するかを選択できるようにしたこ
とを特徴とする請求項1に記載の圧延機用ルーパー。 - 【請求項3】 ストリップに対するロールの接触荷重に
ついて制御偏差をとり、 第一サーボ弁による流量は制御偏差に応じて増加させ、 第二サーボ弁による流量は、制御偏差の小さい部分に設
定した不感帯域でゼロに保たせ、不感帯域を越えた部分
において制御偏差に応じて増加させることを特徴とする
請求項1または2に記載の圧延機用ルーパー。 - 【請求項4】 圧延の開始当初に限っては、上記したロ
ールの接触荷重に代えてロールの位置について制御偏差
をとることを特徴とする請求項3に記載の圧延機用ルー
パー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11294813A JP3049248B1 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 圧延機用ル―パ― |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11294813A JP3049248B1 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 圧延機用ル―パ― |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP3049248B1 true JP3049248B1 (ja) | 2000-06-05 |
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