JP3140161B2 - ロール間ギャッププロフィル制御方法及び圧延機並びに圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

ロール間ギャッププロフィル制御方法及び圧延機並びに圧延方法及び圧延装置

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JP3140161B2
JP3140161B2 JP04106670A JP10667092A JP3140161B2 JP 3140161 B2 JP3140161 B2 JP 3140161B2 JP 04106670 A JP04106670 A JP 04106670A JP 10667092 A JP10667092 A JP 10667092A JP 3140161 B2 JP3140161 B2 JP 3140161B2
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/28Control of flatness or profile during rolling of strip, sheets or plates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B13/00Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories
    • B21B13/02Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories with axes of rolls arranged horizontally
    • B21B13/023Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories with axes of rolls arranged horizontally the axis of the rolls being other than perpendicular to the direction of movement of the product, e.g. cross-rolling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロールをクロスさせて
金属板材の圧延を行う圧延機の制御に係わり、特にロー
ル間ギャッププロフィルの制御量の調整が可能なロール
間ギャッププロフィル制御方法及びこの方法を用いた圧
延機並びにこの圧延機を応用した圧延方法及び圧延装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属板材の特に熱間圧延に於ける
板クラウン制御方法として上下のロールをクロスする方
法がしばしば採用されている。この一例として、三菱技
報Vol21,No.6(1984年)p61〜67に記載のように、ロール
をクロスすることにより作業ロールに過大なスラスト力
が働くことを避けるため、作業ロールと補強ロールとを
共にクロスするペアークロスミル方式があり、これは現
在実用化されている。しかし、この方法においては、補
強ロールチョックがクロスビームを介し圧下スクリュー
に支えられているため、圧延中に作業ロールと共に補強
ロールを同時に動かしてクロス角を変更することが困難
であった。即ち、クロス角の設定は圧延作業前に予め設
定しておくプリセット方式であり、圧延中に圧延荷重が
変化してロールの撓みが変化することによりロール間の
ギャッププロフィルが変化しても、作業ロールベンディ
ング(撓み)による小さなプロフィル修正可能範囲内で
しかロール間ギャッププロフィルを修正することができ
なかった。従って、圧延速度を加減速すること等による
非定常部での板クラウン精度を向上させることは難しか
った。また、数本のバー材をつないで連続して圧延を行
う連続ミルにおいては、板幅変化や板厚変化に全く対応
できなかった。
【0003】これに対して、特開昭56−74310号
公報、特開昭56−74312号公報、特開昭58−1
28212号公報に記載のように、圧延機において、圧
延荷重、クロス角、板厚、ロール交差点、板幅等を検出
し、これらより最適ロール間ギャップを算出して圧延荷
重を制御し、板厚が一定になるようにする方法が提案さ
れている。
【0004】また、特願平3−66007号公報に記載
のように、作業ロールのみをクロスさせ、作業ロールと
補強ロールの間を潤滑してロールに働くスラスト力を小
さく抑えることのできる作業ロールクロスミルが提案さ
れている。これによって圧延作業中に容易にクロス角を
変更することができるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭56−74
310号公報、特開昭56−74312号公報、特開昭
58−128212号公報に記載の技術によれば、圧延
材の板厚を一定に制御することができるが、板幅方向の
形状、即ち板クラウン(ロール間ギャッププロフィル)
を制御することができない。
【0006】また、上記特願平3−66007号公報に
記載の技術によれば、圧延作業中にクロス角を変更する
ことは容易であるが、このクロス角の変更をどのような
条件及びロジックに従って行い、板クラウン(ロール間
ギャッププロフィル)を制御するかが示されていない。
【0007】本発明の目的は、圧延作業中に上下作業ロ
ールのクロス角を変更することができる圧延機に於い
て、圧延中の圧延荷重の変化に応じてロール間ギャップ
プロフィルの制御が行えるロール間ギャッププロフィル
制御方法及び圧延機を提供することである。
【0008】また、本発明の他の目的は、上記のような
圧延機を複数台配置してタンデム圧延を行う場合に、配
置される圧延機の位置に応じてロール間ギャッププロフ
ィルの制御量を調整できる圧延方法及び圧延装置を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わるロール間ギャッププロフィル制御方
法は、上下作業ロールと、前記上下作業ロールを支持す
る補強ロールとを有し、少なくとも前記上下作業ロール
を所定のクロス角でクロスさせることにより上下作業ロ
ールのロール間ギャッププロフィルを制御する圧延機の
ロール間ギャッププロフィル制御方法において、圧延荷
重を検出し、前記検出した圧延荷重の変化に応じて前記
ロール間ギャッププロフィルが所定の形状になるように
前記クロス角を制御するようにしたものである
【0010】好ましくは、前記クロス角をθ、前記圧延
荷重の変化量をΔP、前記クロス角に対するロール間ギ
ャッププロフィルの変換係数をk、前記圧延機の横剛性
係数をKH、前記圧延機の横剛性制御係数をαとして、
前記圧延荷重の変化量ΔPに対するクロス角調整量Δθ
を、
【0011】
【数3】
【0012】に従って求め、前記クロス角調整量Δθに
基づいて前記クロス角θを制御する。
【0013】また、好ましくは、前記圧延機の横剛性制
御係数αを変化させることにより前記クロス角調整量Δ
θを調整する。
【0014】また、好ましくは、駆動側及び操作側の前
記上下補強ロールのロールチョックとハウジングとの間
にかかる合計4箇所の圧延荷重を検出し、前記検出した
それぞれの圧延荷重の総和の1/2の値が前記圧延荷重
として用いられる。
【0015】また、上記目的を達成するため、本発明に
係わる圧延方法は、上記のような圧延機を複数台配置し
てタンデム圧延を行う圧延方法において、圧延工程の少
なくとも前段に位置する圧延機においては、前記圧延機
の横剛性制御係数αを1に近い値としてロール間ギャッ
ププロフィルを一定に保つ制御を行い、前記圧延工程の
少なくとも後段に位置する圧延機においては、前記ロー
ルの横剛性制御係数αを1より小さくして圧延荷重変化
に対応して所定の割合でロール間ギャッププロフィルを
変化させる。
【0016】また、上記目的を達成するため、本発明に
係わる圧延機は、上下作業ロールと、前記上下作業ロー
ルを支持する補強ロールとを有し、少なくとも前記上下
作業ロールを所定のクロス角でクロスさせることにより
ロール間ギャッププロフィルを制御する圧延機におい
て、前記上下作業ロールの圧延荷重を検出する圧延荷重
検出手段と、前記上下作業ロールのクロス角を検出する
クロス角検出手段と、前記圧延荷重検出手段により検出
した圧延荷重の変化量を求め、この圧延荷重の変化量に
応じて前記ロール間ギャッププロフィルが所定の形状に
なるように前記クロス角調整手段を制御する制御手段と
を有する。
【0017】好ましくは、前記制御手段は、前記クロス
角をθ、前記圧延荷重の変化量をΔP、前記クロス角に
対するロール間ギャッププロフィルの変換係数をk、前
記圧延機の横剛性係数をKH、前記圧延機の横剛性制御
係数をαとして、前記圧延荷重の変化量ΔPに対するク
ロス角調整量Δθを、
【0018】
【数4】
【0019】に従って求める手段を含む。
【0020】また、好ましくは、前記制御手段は、前記
上下作業ロールのクロス角を検出するクロス角検出手段
と、前記クロス角調整量に基づいてクロス角の目標値を
求める手段と、前記クロス角検出手段で検出したクロス
角を前記目標値に一致させるよう前記クロス角調整手段
を制御する手段とを含む。
【0021】また、好ましくは、前記圧延荷重検出手段
は、駆動側及び操作側の前記上下補強ロールのロールチ
ョックとハウジングとの間に設置された合計4つの圧延
荷重検出器を含み、前記圧延荷重検出器によって検出し
たそれぞれの圧延荷重の総和の1/2の値が前記圧延荷
重として用いられる。
【0022】また、好ましくは、前記クロス角調整手段
は、駆動側及び操作側の前記作業ロールのロールチョッ
クの少なくとも対角線上に設けられた油圧ジャッキを含
み、対角線上に相対向する前記油圧ジャッキは、圧油を
同じ割合で供給する同調シリンダーによって駆動され、
前記同調シリンダーに設けられた位置検出器の変位は前
記クロス角検出手段によって検出される。
【0023】また、上記目的を達成するため、本発明に
係わる圧延装置は、上記のような圧延機をタンデム圧延
可能に複数台配置した圧延装置において、圧延工程の少
なくとも前段に位置する圧延機においては、前記圧延機
の横剛性制御係数αを1としてロール間ギャッププロフ
ィルを一定に保つ制御を行い、前記圧延工程の少なくと
も後段に位置する圧延機においては、前記ロールの横剛
性制御係数αを1より小さくして圧延荷重変化に対応し
て所定の割合でロール間ギャッププロフィルを変化させ
る。
【0024】
【作用】上記のように構成した本発明によるロール間ギ
ャッププロフィル制御方法及び圧延機においては、検出
した圧延荷重の変化に応じてロール間ギャッププロフィ
ルが所定の形状になるようにクロス角を制御することに
よって、圧延の加減速や材料温度変化等の非定常な圧
延、または板幅や板厚変更を伴うエンドレス圧延等によ
る圧延荷重の変化に応じたロール間ギャッププロフィル
の制御を行うことができる。
【0025】また、クロス角θ、圧延荷重の変化量Δ
P、クロス角に対するロール間ギャッププロフィルの変
換係数k、圧延機の横剛性係数KH、圧延機の横剛性制
御係数αを用いて、
【0026】
【数5】
【0027】に従って圧延荷重の変化量ΔPに対するク
ロス角調整量Δθを求め、これに基づいてクロス角θを
制御することにより、ロール間ギャッププロフィルを定
量的かつ適切に制御することができる。
【0028】また、上記圧延機の横剛性制御係数αを変
化させて、クロス角調整量Δθを調整することによっ
て、例えば、配置される圧延機の位置に応じて、圧延荷
重Pの変化に関係なくロール間ギャッププロフィルを一
定に制御したり、ロール間ギャッププロフィルを無理矢
理一定にするのではなく圧延荷重の変化に対応して一定
の割合でロール間ギャッププロフィルを変化させるよう
制御するなど、ロール間ギャッププロフィルの制御量を
任意に調整できる。
【0029】また、前記圧延荷重Pとして、駆動側及び
操作側の前記上下補強ロールのロールチョックとハウジ
ングとの間にかかるそれぞれの圧延荷重の総和の1/2
の値を用いることによって、ロールがクロスすることに
よりロールに働くスラスト力に起因するモーメントを相
殺でき、操作側及び駆動側に働く圧延荷重の違いを補正
することができる。
【0030】また、駆動側及び操作側の前記作業ロール
のロールチョックの対角線上に相対向して設けられた油
圧ジャッキを、圧油を同じ割合で供給する同調シリンダ
ーによって駆動することによって、ロールの駆動側及び
操作側にそれぞれ別個に設置されていたクロス角調整手
段を1つの同調シリンダで連動させることができ、ま
た、同調シリンダーに設けられた位置検出器の変位によ
ってクロス角を検出することにより、ロールの駆動側及
び操作側にそれぞれ別個に設置されていたクロス角検出
手段によるクロス角の検出を1つの位置検出器で行うこ
とができる。従って、部材点数を半減することができ
る。
【0031】また、上記のような圧延機を複数台配置し
てタンデム圧延を行う場合、圧延工程の前段から中段に
おいては圧延材の高温塑性変形が起こりやすいので、ロ
ール間ギャッププロフィルを一定に保つ制御を行ったと
しても板幅方向の塑性流動が生じ圧延材の形状を乱すこ
とがないが、熱間圧延仕上機群の後段以後においては圧
延材の塑性変形が起こりにくいので、上記と同じ程度の
ロール間ギャッププロフィルの制御を行うと板の長手方
向の塑性流動が生じ圧延材の形状を乱す恐れがある。こ
のことを避けるためには、設置される作業圧延機の位置
に応じてロール間ギャッププロフィルの制御の程度を変
化させることが必要である。本発明による圧延方法及び
圧延装置においては、圧延工程の少なくとも前段に位置
する作業圧延機においてロールの横剛性制御係数αを1
に近い値とすることによって、α=1に対応するクロス
角調整量Δθに基づいてθが調整されて見かけのミルの
横剛性が無限大となり、ロール間ギャッププロフィルを
一定に保つ制御を行うことができる。また、圧延工程の
少なくとも後段に位置する作業圧延機においてロールの
横剛性制御係数αを1よりも小さくすることによって、
α<1に対応するクロス角調整量Δθに基づいてθが調
整されて見かけのミルの横剛性が有限の値となり、圧延
荷重変化に対応するようにロール間ギャッププロフィル
を一定の割合で変化させ、圧延材の形状の乱れを抑制す
る制御を行うことができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例によるロール間ギャ
ッププロフィル制御方法及び圧延機について図1から図
3を参照しながら説明する。
【0033】まず、本発明による圧延機の構成及び各部
材の機能について図1及び図2により説明する。図1は
本実施例による圧延機の構成を一部断面図で示した図で
あって、ロールの駆動側を表す。尚、ロールの操作側も
これと同様の構成である。図1に示すように、本実施例
による圧延機は、上下の作業ロール1とこれらの作業ロ
ール1を支持する上下の補強ロール2とを備えている。
各作業ロール1のロール端には作業ロールチョック3が
設けられ作業ロール1を回転可能に支持している。同様
に各補強ロール2のロール端には補強ロールチョック4
が設けられ補強ロール2を回転可能に支持している。
【0034】これら作業ロールチョック3および補強ロ
ールチョック4は圧延機のロール軸方向に離間して垂直
方向に設置された一対のハウジング5のウィンドー面5
aに面してそれぞれ配置されており、このハウジング5
に上部または下部に設けられた圧下ジャッキ4a(図1
では上端)から圧延荷重を上記各ロール1,2に働かせ
て圧延材10を圧延する構成となっている。また、圧延
荷重の検出は、下の補強ロールチョック4とハウジング
5との間に設置された圧延荷重検出器6によって行われ
る。
【0035】また、この圧延機は、特願平3−6600
7号(出願日:平成3年3月29日)に開示された作業
ロールのみをクロスする方式を採用した4段圧延機、即
ち作業ロールクロスミルであって、作業ロールと補強ロ
ールとの間に潤滑剤を供給することにより、ロールクロ
スによってロールに発生するすラスト力を小さく抑える
と共に、高いクラウン制御能力を持ちつつ、圧延中のク
ラウン変更を容易にするものである。このため、作業ロ
ール1と補強ロール2とのロール間には潤滑剤を供給で
きるように、ロール軸に沿って潤滑剤供給ノズル200
が配設され、また、ロールを挟んでその反対側に、ロー
ル面に付着した潤滑剤を取り除くための洗浄ノズル20
1が設置されている。上記潤滑剤供給ノズル200の配
置位置は図示した箇所に限る必要はなく、結果的に両ロ
ール間に潤滑剤が供給可能な箇所であればよい。
【0036】上記のように上下作業ロールをクロスさせ
るため、各作業ロール1の両ロール端(操作側及び駆動
側)を支持する作業ロールチョック3の両側面に面しハ
ウジング5に取り付けられたプロジェクトブロック7に
は、クロス角調整装置として油圧ジャッキ12,13が
それぞれ設けられている。この油圧ジャッキ12,13
それぞれに設けられた油圧ラム12a,13aを互いに
逆方向に移動させることによって、上下作業ロール1の
ロール軸線のみを補強ロール2のロール軸線に対して水
平面内で傾斜させ、かつ上下作業ロール1のロール軸線
が相互にクロスするように作業ロール1を傾斜させるこ
とができる。
【0037】図2にこの油圧ジャッキ12,13を駆動
操作するための油圧システムを示す。油圧ジャッキ12
には切換弁14を介して圧油が供給されるようになって
おり、また、油圧ジャッキ13には減圧弁15を介して
圧油が供給され、必要な押圧力でロールチョック3を押
圧しており、これによって作業ロール1が水平面内で傾
斜する。
【0038】また、油圧ジャッキ12の油圧ラム12a
の移動量の検出は、クロス角検出器16によって検出さ
れる。このクロス角検出器16は、油圧ラム12aに取
り付けた変位検出ロッド16a及びセンサー16bによ
り構成され、変位検出ロッド16aの変位量をセンサー
16bで検出する。この変位検出ロッド16aの変位量
をもとに、後述するクロス角演算装置19(図3参照)
においてクロス角θが算出される。このクロス角検出器
16及び上記切換弁14は、後述する作業ロールクロス
角コントローラ20のフィードバック部20c(図3参
照)の一部を構成する。
【0039】上記油圧ジャッキ12及びクロス角検出器
16は、圧延機を上から見て、作業ロール1の駆動側と
操作側とでロールを挟んで対角線上に上側に各2組、下
側に各2組合計各4組配置され、かつ上側の各2組の油
圧ジャッキ12及びクロス角検出器16を結ぶ対角線
と、下側の2組の油圧ジャッキ12及びクロス角検出器
16を結ぶ対角線とは互いに交差するように配置され
る。例えば、上側の油圧ジャッキ12及びクロス角検出
器16が、圧延材10の入側は作業ロール1の駆動側
に、出側は操作側に設置されたとすれば、下側の油圧ジ
ャッキ12及びクロス角検出器16は、圧延材10の入
側は作業ロール1の操作側に、出側は駆動側に設置され
る。これ以外の位置は油圧ジャッキ13が設置される。
尚、油圧ジャッキ13を用いずに、全ての位置に油圧ジ
ャッキ12及びクロス角検出器16を設置してもよい。
【0040】また、図3に示すように、作業ロール1の
クロス角の制御手段としての作業ロールクロス角コント
ローラ20は、演算部20a、制御部20b及びフィー
ドバック部20cより構成される。後で詳述するよう
に、演算部20aは、圧延荷重のロックオン値P0と圧
延荷重検出器6によって検出された圧延荷重Pからその
変化量ΔPを求め、この変化量ΔPとクロス角のロック
オン値θ0とからクロス角調整量Δθを演算する構成と
なっている。また、制御部20bは、クロス角調整量Δ
θをクロス角のロックオン値θ0に加算してクロス角の
目標値を計算し、この値に基づく信号をアンプ17で増
幅する構成となっている。また、フィードバック部20
cは、クロス角調整用の切換弁14を制御するアンプ1
8、上記クロス角を検出するクロス角検出器16及び変
位検出ロッド16aの変位量をもとクロス角θを算出す
るクロス角演算装置19を含み、クロス角θを上記目標
値に一致させるよう油圧ジャッキ12を駆動する構成と
なっている。この作業ロールクロス角コントローラ20
によって、作業ロール1のクロス角が調整され、ロール
間ギャッププロフィルが制御される。
【0041】次に、作業ロールクロス角設定コントロー
ラ20において行われるロール間ギャッププロフィルの
制御、即ちクロス角の調整の原理について説明する。ロ
ール間ギャッププロフィルの変化要因のうち、圧延荷重
の変化に伴うロールの撓み変化は大きな割合を占める。
従って、本実施例においては圧延荷重の変化を検出し、
この変化によるロールの撓みを補正するために作業ロー
ルのクロス角を調整し、これによって上下作業ロール間
ギャッププロフィルを一定に保つという考え方を基本と
している。
【0042】以下、クロス角調整量を導出する。まず、
上下作業ロール1をロール胴部中心Oのまわりに水平面
内で反対方向にそれぞれクロス角θだけクロスさせたと
き、ロール中心Oでの上下ロールの間隙とそれより距離
bだけ軸方向にはなれた点Bでの上下ロールの間隙との
差Cb1は、作業ロール1の半径をR、係数をmとして、
近似的に次式で表される。 Cb1=mθ22/R・・・(1) 一方、作業ロール1の撓みによるロール中心Oでの上下
ロールの間隙と点Bでの上下ロールの間隙との差C
b2は、圧延機の横剛性係数をKHb、圧延荷重をPとする
と、次式で表される。 Cb2=P/KHb・・・(2) (1)式及び(2)式よりB点での上下作業ロール1の
ロール間ギャッププロフィルCbは、ロール中心Oでの
上下ロールの間隙と点Bでの上下ロールの間隙との差C
b1から撓みによるロール中心Oでの上下ロールの間隙と
点Bでの上下ロールの間隙との差Cb2を差し引いた値と
して、 Cb=Cb1−Cb2=mθ22/R−P/KHb =kθ2−P/KHb・・・(3) で表される。但しk=mb2/Rとおいた。従って、Cb
の微小変化分、即ちロール間ギャッププロフィルの制御
量は次式で表すことが出来る。 ΔCb=2kθΔθ−ΔP/KHb・・・(4) 今、上記間隙を圧延荷重の変化に対応して、以下のよう
に(5)式または(6)式をもとに制御すると仮定す
る。 Cb=kθ2−αP/KHb=const・・・(5) または、 ΔCb=2kθΔθ−αΔP/KHb=0・・・(6) ここに、αは圧延機の横剛性制御係数であって、作業ロ
ールクロス角設定コントローラ20に予め入力されクロ
ス角調整量Δθを状況に応じて任意に調整可能とする定
数である。(6)式よりクロス角調整量Δθは次式で表
される。
【0043】
【数6】
【0044】即ち、クロス角調整量Δθは、クロス角θ
及び圧延荷重Pの変化量ΔPを用いて上記(7)式に従
って計算されることになる。
【0045】ここで、横剛性制御係数αについて説明す
る。上記(7)式を(4)式に代入し整理すると、次式
が得られる。 ΔCb=αΔP/KHb−ΔP/KHb =(α−1)ΔP/KHb・・・(8) (8)式は、状況に応じて作業ロールクロス角設定コン
トローラ20中に予め入力される横剛性制御係数αの値
を調整することにより圧延荷重変化によるみかけ上のロ
ールの撓みを抑えたり緩和したりすることができるとい
うことを表している。即ちα=1の場合には、本実施例
によるロール間ギャッププロフィル制御によりΔCb
0、即ち見掛けの横剛性が無限大となり、撓みを0にし
てロール間ギャッププロフィルを一定に保つ制御を行う
ことができ、α<1の場合には、ΔCb≠0、即ちみか
けの横剛性が有限の値となり、ある程度の撓みをもたせ
て、圧延荷重変化に対応するようにロール間ギャッププ
ロフィルを一定の割合で変化させ、圧延材の形状の乱れ
を抑制する制御を行うことができる。このように、状況
に応じて横剛性制御係数αを変化させ、これに対応して
(7)式に従って計算されたクロス角調整量Δθによっ
てクロス角θを調整するので、ロール間ギャッププロフ
ィルの制御量を任意に調整できる。
【0046】次に、本実施例による圧延機のクロス角調
整のための制御動作について図3により説明する。ただ
し、ここではロール間ギャッププロフィルを一定に保つ
制御を行う場合について説明する。まず、予め設定して
おいたクロス角のロックオン値θ0に上下作業ロール1
のクロス角が設定されるが、この時の圧延荷重のロック
オン値をP0とすると、(3)式よりロール間ギャップ
プロフィルのロックオン値Cb0は、 Cb0=kθ0 2−P0/KHb・・・(9) で表される。今、横剛性制御係数αを1とすると、
(7)式よりΔθ=ΔP/2kθKHbとなり、これを
(6)式に代入すると、 ΔCb=ΔP/KHb−ΔP/KHb=0・・・(10) となりロール間ギャッププロフィルの変化分が0、即ち
ロール間ギャッププロフィルを一定に保つ制御を行うこ
とができる。
【0047】上記のように、(9)式におけるロール間
ギャッププロフィルのロックオン値Cb0を一定に保つよ
うに制御するため、作業ロールクロス角設定コントロー
ラ20には、上記横剛性制御係数αとして1に近い値を
予め入力しておき、またミルの横剛性係数KHb及び定数
kも予め入力しておく。そして、上下作業ロール1のク
ロス角がロックオン値θ0に設定され圧延が行われる。
この時の圧延荷重はロックオン値P0である。しかし、
実際には圧延の加減速や材料温度変化等の非定常な圧
延、または板幅や板厚変更を伴うエンドレス圧延等によ
り圧延作業中に圧延荷重が変化するため、上記と同一の
クロス角θ0のままではCb0を一定に保つことができ
ず、ロール間ギャッププロフィルを一定に保つことがで
きなくなる。このため、本実施例では、上記のような圧
延荷重の変化に対応してクロス角を調整することにより
ロール間ギャッププロフィルCb0を一定に保つ。
【0048】上記のような考え方に基づく作業ロールク
ロス角設定コントローラ20における制御について説明
する。まず、演算部20aに圧延荷重検出器6で検出し
たの圧延荷重Pが入力され、これと圧延荷重のロックオ
ン値P0とが比較されて圧延荷重変化ΔPが算出され
る。次に、この圧延荷重変化ΔPより上記(7)式に従
ってクロス角調整量Δθが演算されるが、図3中演算部
20aにおけるクロス角Θとして当初はクロス角のロッ
クオン値θ0が使用される。演算部20aで求められた
クロス角調整量Δθは制御部20bに入力される。尚、
ここでは、実際にクロス角検出器16で検出されたクロ
ス角θと区別するため、クロス角を表す記号としてΘを
用いた。
【0049】制御回路20bにおいては、このクロス角
調整量Δθがクロス角のロックオン値θ0に加算されて
クロス角の目標値(Δθ+θ0)が計算され、アンプ1
7で増幅されて、フィードバック部20cに送られる。
また、このクロス角の目標値(Δθ+θ0)は演算部2
0aにおいて次回の演算にクロス角Θとして使用され
る。
【0050】フィードバック部20cにおけるアンプ1
8では、上記目標値(Δθ+θ0)に基づく各油圧ジャ
ッキ12の変位量xi(iは上下作業ロールの駆動側及
び操作側の合計4種類の異なる変位量があることを表
す)が計算される。これに従って切換弁14が制御さ
れ、油圧ポンプ14aから油圧ジャッキ12に供給され
る圧油の流量が調整され、クロス角が調整される。そし
て、クロス角検出器16で各油圧ジャッキ12の変位量
iが検出され、フィードバック部20cのクロス角演
算装置19で実際のクロス角θが算出され、上記目標値
(Δθ+θ0)と比較される。そして、検出されたクロ
ス角θが目標値(Δθ+θ0)に一致するように、即
ち、クロス角検出器16で検出されたクロス角θが目標
値(Δθ+θ0)になるまでフィードバック部20cを
作動させ、油圧ジャッキ12を駆動する。このようにし
て作業ロール1のクロス角θが調整されるが、さらにこ
の後に圧延荷重が変化したときにも作業ロールクロス角
設定コントローラ20において上記と同様の制御が行わ
れ、作業ロール1のクロス角が再び調整されて、ロール
間ギャッププロフィルが制御される。
【0051】ここではロール間ギャッププロフィルを一
定に保つ制御について説明したが、圧延荷重の変化に対
応してロール間ギャッププロフィルを一定の割合で変化
させる制御を行う場合には、前述したように横剛性制御
係数αを1未満とする。この時、(8)式よりロール間
ギャッププロフィルの制御量ΔCbは、αΔP/KHb
即ちΔPにαの重みをかけた分だけ補正されることにな
る。つまり、ロール間ギャッププロフィルを無理矢理一
定にするのではなく、圧延荷重変化に対応するようにロ
ール間ギャッププロフィルを一定の割合で変化させ、圧
延材の形状の乱れを抑制する制御が行われる。
【0052】以上のように本実施例によれば、圧延荷重
検出器6で圧延荷重Pを検出し、作業ロールクロス角設
定コントローラ20の演算部20aにおいて圧延荷重P
の変化量ΔPに対するクロス角調整量Δθを(7)式に
従って求め、制御部20bにおいてクロス角の目標値
(Δθ+θ0)を求め、フィードバック部20cにおい
てクロス角が上記目標値に一致するよう油圧ジャッキ1
2を制御するので、圧延の加減速や材料温度変化等の非
定常な圧延、または板幅や板厚変更を伴うエンドレス圧
延等による圧延荷重の変化に応じたロール間ギャッププ
ロフィルの制御を行うことができる。
【0053】また、横剛性制御係数αを変化させること
によって、圧延荷重の変化量ΔPに対する圧延材のロー
ル間ギャッププロフィルの制御量ΔCbを任意に調整で
きる。
【0054】次に、本発明の他の実施例によるロール間
ギャッププロフィル制御方法及び圧延機について図4に
より説明する。本実施例においては、圧延荷重の検出方
法及びこれに係わる構成が異なること以外は、ロール間
ギャッププロフィル制御方法も圧延機の構成も前述の実
施例と同様である。
【0055】一般に、ロールをクロスさせる圧延機にお
いては、ロールがクロスすることによりロールに働くス
ラスト力がモーメントとなり、操作側及び駆動側ロール
チョックで支持されるため、操作側及び駆動側ロールチ
ョックにかかる圧延荷重はそれぞれ異なる。本実施例は
このような検出される圧延荷重の違いを補正するもので
ある。
【0056】本実施例においては、図4に示すように、
上下操作側及び駆動側の補強ロールチョック4A,4
A,4B,4Bとハウジング5との間に各々合計4個の
圧延荷重検出器6a,6b,6c,6dを設置する。但
し、参照番号に付したA,Bの記号は、それぞれロール
の駆動側、操作側を表す。これら圧延荷重検出器6a〜
6dによって上下の補強ロールの駆動側及び操作側それ
ぞれにかかる合計4種類の圧延荷重を検出し、これら圧
延荷重の総和の1/2の値を圧延荷重Pとして用いるこ
と、即ち総和の変化量を圧延荷重の変化量の2倍として
用いることによって、上記スラスト力によるモーメント
を補正でき、操作側及び駆動側ロールチョックに働く圧
延荷重の差を補正することができる。
【0057】以上のように本実施例によれば、図1から
図3の実施例と同様の効果が得られるだけでなく、圧延
荷重Pとして上下の補強ロールの駆動側及び操作側それ
ぞれにかかる合計4種類の圧延荷重の総和の1/2の値
を用いるので、ロールに働くスラスト力に起因するモー
メントを相殺でき、操作側及び駆動側に働く圧延荷重の
差を補正することができる。
【0058】次に、本発明の他の実施例によるロール間
ギャッププロフィル制御方法及び圧延機について図5に
より説明する。本実施例においては、クロス角調整装置
及びクロス角検出器の構成が異なること以外は、ロール
間ギャッププロフィル制御方法も圧延機の構成も前述の
2つの実施例と同様である。
【0059】図5に示すように、本実施例の圧延機の上
下作業ロール1に対してそれぞれ同調シリンダー21が
設置され、同調シリンダー21の接続口21aが油圧ジ
ャッキ12Aに、接続口21bが油圧ジャッキ13A
に、接続口21cが油圧ジャッキ12Bに、接続口21
dが油圧ジャッキ13Bにそれぞれ接続されている。
尚、図5は上下作業ロールのうち上または下の一方のみ
について示した。また、参照番号に付したA,Bの記号
は、それぞれロールの駆動側、操作側を表す。
【0060】また、同調シリンダー21のピストン21
Aはシリンダー21B中のピストン21Cに接続されて
おり、切換弁22を切り換えてピストン21Cを移動さ
せることにより摺動し、接続口21a〜21dの圧油に
よって油圧ジャッキ12A、油圧ジャッキ13A、油圧
ジャッキ12B、及び油圧ジャッキ13Bが駆動されて
作業ロール5が所定のクロス角だけ傾斜する。また、油
圧ジャッキ12A〜13Bの各ラムに対して駆動側と反
対側には減圧弁23を介して圧力調整弁24が接続され
ており、この圧力調整弁24及び減圧弁23によって油
圧ジャッキ12A〜13Bの背圧が適正に設定される。
また、作業ロール5のクロス角の検出、即ち油圧ジャッ
キ12A〜13Bの位置検出は、同調シリンダー21に
備えられた位置検出器25によって行われる。
【0061】上記のように、同調シリンダー21を用い
ることによって、駆動側油圧ジャッキ12A,13Aと
操作側油圧ジャッキ12B,13Bの両方を駆動するこ
とができ、前述の2つの実施例に比べて必要な油圧ジャ
ッキ駆動用の切換弁及びクロス角検出器の点数が半分で
よく、部品点数を減らすことができる。
【0062】以上のように本実施例によれば、図1から
図3の実施例と同様の効果が得られるだけでなく、1つ
の同調シリンダー21で駆動側及び操作側両方の油圧ジ
ャッキを駆動することができ、油圧ジャッキ駆動用の切
換弁及び位置検出器の点数を半減することができる。
【0063】尚、上記3つの実施例のように作業ロール
1のクロス角調整に油圧を用いるのでなく、メカニカル
スクリューとモーターとを用い、スクリューまたはモー
ターの回転数よりクロス角を検出することも出来る。
【0064】また、上記3つの実施例では作業ロールの
みをクロスさせる場合についてのものであるが、これに
とどまらず、作業ロール及び補強ロールをクロスさせる
ペアークロスミルに本発明を適用することもできる。但
し、この場合には、ペアークロスミル方式において、補
強ロールチョックとハウジングの間に転り式平面軸受を
置くことにより、圧延作業中にクロス角を変更可能なよ
うにする。
【0065】次に、本実施例によるロール間ギャッププ
ロフィル制御方法及び圧延機を応用した一実施例による
圧延方法及び圧延装置について図6により説明する。前
述したように、上記実施例に示した圧延機を複数台配置
してタンデム圧延を行う場合、圧延工程の前段から中段
においては圧延材の高温塑性変形が起こりやすいので、
ロール間ギャッププロフィルを一定に保つ制御を行った
としても板幅方向の塑性流動が生じ圧延材の形状を乱す
ことがないが、熱間圧延仕上機群の後段以後においては
圧延材の塑性変形が起こりにくいので、上記と同じ程度
のロール間ギャッププロフィルの制御を行うと板の長手
方向の塑性流動が生じ圧延材の形状を乱す恐れがある。
このことを避けるためには、設置される圧延機の位置に
応じてロール間ギャッププロフィル制御の程度を変化さ
せることが必要である。
【0066】そこで本実施例では、圧延工程の少なくと
も前段に位置する圧延機においてロール間ギャッププロ
フィルを一定に保つ制御を行い、圧延工程の少なくとも
後段に位置する圧延機において圧延荷重変化に対応する
ようにロール間ギャッププロフィルを一定の割合で変化
させ、圧延材の形状の乱れを抑制する制御を行う。
【0067】図6に示すように、本実施例による圧延装
置は、圧延材100がタンデム圧延可能なように前述の
いづれか1つの実施例の構成を有する7つの圧延機31
〜37を配置しており、それぞれの作業ロールのクロス
角の調整は各プロジェクトブロックに設置された油圧ジ
ャッキ41〜47によって行い、クロス角の検出は作業
ロールクロス角コントローラ70の一部を構成するクロ
ス角検出器51〜57によって行い、また圧延荷重の検
出は各補強ロールチョックに設置された圧延荷重検出器
61〜67によって行う。また、本実施例の作業ロール
クロス角コントローラ70は、全ての圧延機の作業ロー
ルクロス角コントローラをまとめて1つにしたものであ
り、圧延機31〜37のそれぞれにおけるロール間ギャ
ッププロフィルを制御するものである。
【0068】上記作業ロールクロス角コントローラ70
において、圧延工程の前段から中段に位置する圧延機3
1〜34の横剛性制御係数αとしては予め1に近い値が
入力され、また、圧延工程の後段に位置する圧延機35
〜37の横剛性制御係数αとしては0〜−1の範囲のう
ち状況に応じた適正な値が予め入力される。
【0069】上記のように、圧延機31〜34の横剛性
制御係数αを1に近い値とすることによって、このαに
対応するクロス角調整量Δθに基づいてθが調整されて
見かけのミルの横剛性が無限大となり、ロール間ギャッ
ププロフィルを一定に保つ制御を行うことができる。ま
た、圧延機35〜37の横剛性制御係数αを0〜−1と
することによって、このαの値に対応するクロス角調整
量Δθに基づいてθが調整されて見かけのミルの横剛性
が有限の値となり、圧延荷重変化に対応するようにロー
ル間ギャッププロフィルを一定の割合で変化させ、圧延
材の形状の乱れを抑制する制御を行うことができる。
【0070】以上のように本実施例によれば、圧延材の
高温塑性変形が起こりやすい圧延工程の前段から中段に
位置する圧延機においてロールの横剛性制御係数αを1
に近い値とするので、ロール間ギャッププロフィルを一
定に保つ制御を行うことができる。また、圧延材の塑性
変形が起こりにくい圧延工程の後段に位置する圧延機に
おいてロールの横剛性制御係数αを0〜−1とするの
で、圧延荷重変化に対応するようにロール間ギャッププ
ロフィルを一定の割合で変化させ、圧延材の形状の乱れ
を抑制する制御を行うことができる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、検出した圧延荷重の変
化に応じてロール間ギャッププロフィルが所定の形状に
なるようにクロス角を制御するので、圧延荷重の変化に
応じたロール間ギャッププロフィルの制御を行うことが
できる。
【0072】また、圧延荷重の変化量に対するクロス角
調整値を求め、これに基づいてクロス角を調整するの
で、ロール間ギャッププロフィルを定量的かつ適切に制
御することができる。
【0073】また、ロールクロスミルの横剛性制御係数
を変化させてクロス角調整量を調整するので、ロール間
ギャッププロフィルの制御量を任意に調整できる。
【0074】また、圧延荷重として、駆動側及び操作側
の上下それぞれにかかる圧延荷重の総和の1/2の値を
用いるので、操作側及び駆動側に働く圧延荷重の違いを
補正することができる。
【0075】また、同調シリンダを用いるので、クロス
角調整手段及びクロス角検出手段の部材点数を半減する
ことができる。
【0076】また、上記のようなロールクロスミルを複
数台配置してタンデム圧延を行う場合、圧延工程の少な
くとも前段においてはロール間ギャッププロフィルを一
定に保つ制御が行え、圧延工程の少なくとも後段におい
ては圧延荷重変化に対応するようにロール間ギャッププ
ロフィルを一定の割合で変化させ、圧延材の形状の乱れ
を抑制する制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による圧延機の構成を一部断
面図で示した図である。
【図2】図1のII−II方向から見た断面図であっ
て、図1に示した圧延機の油圧ジャッキを駆動操作する
ための油圧システムを示す図である。
【図3】図1に示したロール間ギャッププロフィル制御
方法を説明する制御図である。
【図4】本発明の他の実施例による圧延機を正面から見
た概略図であって、圧延荷重検出器の設置位置を示す図
である。
【図5】本発明のさらに他の実施例による圧延機の油圧
ジャッキを駆動操作するための油圧システムを示す図で
ある。
【図6】本実施例によるロール間ギャッププロフィル制
御方法及び圧延機を応用した一実施例による圧延方法及
び圧延装置を示す図である。
【符号の説明】
1 作業ロール 2 補強ロール 3 作業ロールチョック 4 補強ロールチョック 6 圧延荷重検出器 6a,6b,6c,6d 圧延荷重検出器 10 圧延材 12 油圧ジャッキ 13 油圧ジャッキ 16 クロス角検出器 16a 変位検出ロッド 16b 変位センサー 17 アンプ 18 アンプ 19 クロス角演算装置 20 作業ロールクロス角コントローラ 20a 演算部 20b 制御部 20c フィードバック部 21 同調シリンダー 25 位置検出器 37〜37 圧延機 41〜47 油圧ジャッキ 51〜57 クロス角検出器 61〜67 圧延荷重検出器 70 作業ロールクロス角コントローラ 100 圧延材

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下作業ロールと、前記上下作業ロール
    を支持する補強ロールとを有し、少なくとも前記上下作
    業ロールを所定のクロス角でクロスさせることにより上
    下作業ロールのロール間ギャッププロフィルを制御する
    圧延機のロール間ギャッププロフィル制御方法におい
    て、圧延荷重を検出し、前記検出した圧延荷重の変化に
    応じて前記ロール間ギャッププロフィルが所定の形状に
    なるように前記クロス角を制御することを特徴とするロ
    ール間ギャッププロフィル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記クロス角をθ、前記圧延荷重の変化
    量をΔP、前記クロス角に対するロール間ギャッププロ
    フィルの変換係数をk、前記圧延機の横剛性係数を
    H、前記圧延機の横剛性制御係数をαとして、前記圧
    延荷重の変化量ΔPに対するクロス角調整量Δθを、 【数1】 に従って求め、前記クロス角調整量Δθに基づいて前記
    クロス角θを制御することを特徴とする請求項1記載の
    ロール間ギャッププロフィル制御方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延機の横剛性制御係数αを変化さ
    せることにより前記クロス角調整量Δθを調整すること
    を特徴とする請求項2記載のロール間ギャッププロフィ
    ル制御方法。
  4. 【請求項4】 駆動側及び操作側の前記上下補強ロール
    のロールチョックとハウジングとの間にかかる合計4箇
    所の圧延荷重を検出し、前記検出したそれぞれの圧延荷
    重の総和の1/2の値が前記圧延荷重として用いられる
    ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記
    載のロール間ギャッププロフィル制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の圧延機を複数台配置して
    タンデム圧延を行う圧延方法において、圧延工程の少な
    くとも前段に位置する圧延機においては、前記圧延機の
    横剛性制御係数αを1に近い値としてロール間ギャップ
    プロフィルを一定に保つ制御を行い、前記圧延工程の少
    なくとも後段に位置する圧延機においては、前記ロール
    の横剛性制御係数αを1より小さくして圧延荷重変化に
    対応して所定の割合でロール間ギャッププロフィルを変
    化させることを特徴とする圧延方法。
  6. 【請求項6】 上下作業ロールと、前記上下作業ロール
    を支持する補強ロールとを有し、少なくとも前記上下作
    業ロールを所定のクロス角でクロスさせることによりロ
    ール間ギャッププロフィルを制御する圧延機において、
    前記上下作業ロールの圧延荷重を検出する圧延荷重検出
    手段と、前記上下作業ロールのクロス角を検出するクロ
    ス角検出手段と、前記圧延荷重検出手段により検出した
    圧延荷重の変化量を求め、この圧延荷重の変化量に応じ
    て前記ロール間ギャッププロフィルが所定の形状になる
    ように前記クロス角調整手段を制御する制御手段とを有
    することを特徴とする圧延機。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記クロス角をθ、前
    記圧延荷重の変化量をΔP、前記クロス角に対するロー
    ル間ギャッププロフィルの変換係数をk、前記圧延機の
    横剛性係数をKH、前記圧延機の横剛性制御係数をαと
    して、前記圧延荷重の変化量ΔPに対するクロス角調整
    量Δθを、 【数2】 に従って求める手段を含むことを特徴とする請求項6記
    載の圧延機。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記上下作業ロールの
    クロス角を検出するクロス角検出手段と、前記クロス角
    調整量に基づいてクロス角の目標値を求める手段と、前
    記クロス角検出手段で検出したクロス角を前記目標値に
    一致させるよう前記クロス角調整手段を制御する手段と
    を含むことを特徴とする請求項6記載の圧延機。
  9. 【請求項9】 前記圧延荷重検出手段は、駆動側及び操
    作側の前記上下補強ロールのロールチョックとハウジン
    グとの間に設置された合計4つの圧延荷重検出器を含
    み、前記圧延荷重検出器によって検出したそれぞれの圧
    延荷重の総和の1/2の値が前記圧延荷重として用いら
    れることを特徴とする請求項6記載の圧延機。
  10. 【請求項10】 前記クロス角調整手段は、駆動側及び
    操作側の前記作業ロールのロールチョックの少なくとも
    対角線上に設けられた油圧ジャッキを含み、対角線上に
    相対向する前記油圧ジャッキは、圧油を同じ割合で供給
    する同調シリンダーによって駆動され、前記同調シリン
    ダーに設けられた位置検出器の変位が前記クロス角検出
    手段によって検出されることを特徴とする請求項8記載
    の圧延機。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の圧延機をタンデム圧延
    可能に複数台配置した圧延装置において、圧延工程の少
    なくとも前段に位置する圧延機においては、前記圧延機
    の横剛性制御係数αを1としてロール間ギャッププロフ
    ィルを一定に保つ制御を行い、前記圧延工程の少なくと
    も後段に位置する圧延機においては、前記ロールの横剛
    性制御係数αを1より小さくして圧延荷重変化に対応し
    て所定の割合でロール間ギャッププロフィルを変化させ
    ることを特徴とする圧延装置。
  12. 【請求項12】 上下作業ロールと、前記上下作業ロー
    ルを支持する補強ロールとを有し、前記上下作業ロール
    のみを所定のクロス角でクロスさせることによりロール
    間ギャッププロフィルを制御する作業ロールクロスミル
    において、前記上下作業ロールの圧延荷重を検出する圧
    延荷重検出手段と、前記上下作業ロールのクロス角を検
    出するクロス角検出手段と、前記圧延荷重検出手段によ
    り検出した圧延荷重の変化量を求め、この圧延荷重の変
    化量に応じて前記ロール間ギャッププロフィルが所定の
    形状になるように前記クロス角調整手段を制御する制御
    手段とを有することを特徴とする作業ロールクロスミ
    ル。
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