JP3317995B2 - 折曲げ加工機の加工制御装置 - Google Patents

折曲げ加工機の加工制御装置

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JP3317995B2
JP3317995B2 JP14225592A JP14225592A JP3317995B2 JP 3317995 B2 JP3317995 B2 JP 3317995B2 JP 14225592 A JP14225592 A JP 14225592A JP 14225592 A JP14225592 A JP 14225592A JP 3317995 B2 JP3317995 B2 JP 3317995B2
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雅弘 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上部テーブルに取付
けられた上型と下部テーブルに取付けられた下型とで板
材を挟むようにして、板材をその曲げ幅方向にわたり均
一な断面形状に折り曲げるように構成された折曲げ加工
機の加工制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】板材WをV字状の断面形状に折り曲げる
には、図7に側面図で示すようにV字状溝101を有す
る下型103に板材Wを載置し、鋭角の先端部を有する
上型105が下型103のV字状溝101に所定量だけ
突込まれることにより行われる。すなわち、板材Wの下
面が下型103のV字状溝101の左右の肩部107,
107に当接して板材Wの中央部が上型105の先端部
によって下型103のV字状溝101内へ折り曲げられ
ることになる。板材Wの曲げ角度は、この左右の肩部1
07,107に対する上型105の先端部の突込み量に
応じて定まる。そしてこの折り曲げ動作の際、図6に正
面略図で示すように上型105、下型103間に介在す
る板材Wを介して、上部テーブル109と下部テーブル
111は互いに加圧反力を受けるので、上部テーブル1
09自体と下部テーブル111自体とに上下方向に僅か
ではあるが撓みが発生する。
【0003】この上,下テーブル109,111自体の
撓み量は、板材Wの曲げ幅方向(図6で左右方向)に対
して均一でなく、板材Wが介在する付近では、板材Wの
無い付近に比して大きいため、図6のように正面視で上
部テーブル109と上型105では下面が凹状に変形
し、下部テーブル111と下型103では上面が凹状に
変形する。
【0004】上部テーブル109、上型105の下面の
凹状変形と、下部テーブル111、下型103の上面の
凹状変形は、下型103に対する上型105の上記突込
み量を減少させるので、曲げ角度は所望値よりも過大と
なって、曲げ角度は板材Wの曲げ幅方向にわたり均一な
断面形状とならない。そこで、上,下テーブル109,
111自体の撓みによる凹状変形を解消して上部テーブ
ル109の下面と下部テーブル111の上との間隔
板材Wの曲げ幅方向(図6において左右方向)の全長に
亘ってほぼ等しく保持して平行に維持する必要が生じて
いる。
【0005】このため、例えば図6のように、下部テー
ブル111の左右部を左右夫々のテーブル昇降シリンダ
115,117によって昇降させる折曲げ加工機では、
下部テーブル111の左右中央線を挟んでこの中央線の
付近に左右の撓み補正用シリンダ119,121を配置
した撓み補正機溝を、付設している。これによれば、左
右の撓み補正用シリンダ119,121は下部テーブル
111の中央部付近を上方へ凸状に曲げるように作用し
ているため、下部テーブル111と下型103の上面の
前記凹状の変形は、下部テーブル111のこの凸状変形
により相殺されて下部テーブル111の上面と上部テー
ブル109の下面との間隔は全長に亘ってほぼ等しく平
が維持されることになる。
【0006】板材Wの曲げ幅wが一定の場合でも、テー
ブル昇降シリンダ115,117に供給される液体圧
(曲げ加圧力)が変動すれば、上記下部テーブル11
1、下型103などの撓み量も変わってくる。そこで、
左右の撓み補正用シリンダ119,121に供給される
べき補正用シリンダ圧力も、この曲げ加圧力に応じて調
整されねばならない。例えば折曲げ加工における曲げ角
度、曲げ加圧力と曲げ加圧時間との関係を実測したと
き、上型105の突込み速度を一定として図8に示す測
定値が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】板材Wの曲げ角度は、
この左右の肩部107,107に対する上型105の突
込み量に応じて定まるが、曲げ加圧力を解除すると、上
型105の突込み動作により折曲げられた板材Wが突込
み動作解除により弾性変形分はなくなって塑性変形分が
曲げ角度として残る。この弾性変形分は、個々の板材W
の性質(圧延による残留応力、硬化度など)や、曲げ加
圧力によってかなり変動する。そのうえ、上記下部テー
ブル111、下型103などの撓み量による突込み量の
減少作用が加わるため、所望の曲げ角度を得るための上
型105の突込み量を決定することは、極めて難しい。
そこで従来では、試し曲げとこれによる曲げ角度の測定
操作を繰り返して上型105の突込み量を決定してい
る。
【0008】ここで重要なことは、曲げ加圧力と曲げ角
度との関係は、単純な直線比例ではないことである。例
えば90°を所望の曲げ角度としているとき、最初の試
し曲げによる曲げ角度が例えば92°であったとする
と、2°に相当する突込み量だけ下部テーブル111の
上昇量をさらに増加すれば良いわけではない。すなわち
図8に示す測定値のように、92°の場合よりも90°
の場合は曲げ加圧力は小さいため、上記下部テーブル1
11、下型103などの撓み量も92°よりも小さく、
このため、90°を得るには92°の場合よりも曲げ加
圧力を小さくする必要がある。曲げ加圧力を小さくする
と下部テーブル111、上部テーブル109の間の間隔
は長くなるため、この分だけ上型105の突込み量を増
やさねばならない。
【0009】このように、試し曲げとこれによる曲げ角
度の測定操作を繰り返して上型105の突込み量を決定
する際は、上型105の突込み量と曲げ加圧力を交互に
微細に変更せねばならず、作業者に多大の経験と熟練を
必要とし、しかも試し曲げに長時間を要している。
【0010】この発明の目的は、上記従来技術のかかる
問題に鑑みて提案されたもので、曲げ角度、曲げ幅、
上,下型に対する板材の曲げ幅方向での曲げ位置、板材
の板厚、板材の材質などの加工仕様データによる折曲げ
加工中に検出された左右のテーブル昇降シリンダの昇降
シリンダ圧力、上記曲げ幅、曲げ位置を主体とするデー
タに基づき、撓み補正用シリンダに供給すべき補正用シ
リンダ圧力などを自動的に算出、設定して折曲げ加工機
に指令することができるように工夫した折曲げ加工機の
加工制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、上型を取付けた上部テーブル、下型を
取付けた下部テーブルのいずれか一方が左右のテーブル
昇降シリンダによって昇降動作して、これにより下型に
対する上型の突込み量が制御されて板材をその曲げ幅方
向にわたり均一な断面形状に折り曲げるように構成さ
れ、折り曲げ動作の際、上部テーブル、下部テーブルの
上下方向における撓みを補正するための撓み補正用シリ
ンダを、上部テーブル、下部テーブルのいずれか一方に
複数個、上記曲げ幅方向に沿って配設している折曲げ加
工機において、折曲げ加工における曲げ角度、曲げ幅、
上,下型に対する板材の曲げ幅方向での曲げ位置、板材
の板厚、板材の材質などの加工仕様データを入力するデ
ータ入力手段と、上記曲げ幅、曲げ位置を主体とするデ
ータに基づき、上記加工仕様データによる折曲げ加工で
撓み補正用シリンダに供給すべき補正用シリンダ圧力を
算定するための比例定数を演算により求めてこの比例
定数と折曲げ加工中に検出された左右のテーブル昇降シ
リンダの昇降シリンダ圧力とから補正用シリンダ圧力を
算定する演算部と、上記比例定数、加工仕様データなど
を記憶する記憶部と、上記算定された補正用シリンダ圧
力に基づき、折曲げ加工機の加工を制御する制御部とを
有している折曲げ加工機の加工制御装置である。
【0012】
【作用】折り曲げ動作の際、データ入力手段から入力さ
れている曲げ幅、曲げ位置を主体とするデータに基づ
き、上記加工仕様データによる折曲げ加工で撓み補正用
シリンダに供給すべき補正用シリンダ圧力を算定するた
めの比例定数が演算により算定され、或いは、記憶部か
ら比例定数が呼び出される。左右のテーブル昇降シリン
ダを動作して折曲げ加工を開始すると、左右のテーブル
昇降シリンダの昇降シリンダ圧力が検出され、比例定数
と検出された昇降シリンダ圧力とから、撓み補正用シリ
ンダに供給すべき補正用シリンダ圧力が、演算部により
算定される。
【0013】この算定された補正用シリンダ圧力に基づ
いて制御部の指令により撓み補正用シリンダは制御さ
れ、上部テーブル、上型の下面及び、下部テーブル、下
型の上面の直線性が維持され、板材はその曲げ幅方向に
わたり均一な断面形状に折り曲げられる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。図2は、折曲げ加工機であるプレスブレーキの正
面図を、図3は、その側面図を、図4は、図1の III−
III 線矢視断面図を、図5は折曲げ加工機の斜視図を、
および図1は、制御構成図を、夫々示している。
【0015】図2〜図5を参照するに、例示したプレス
ブレーキの加工機フレームである左右の側板1,3に
は、上部に上部テーブル5が固定され、下部に下部テー
ブル7が設けられている。この下部テーブル7は、側板
1,3に結合された左右のテーブル昇降シリンダ9,1
1によって昇降可能としている。上部テーブル5には、
上型13である例えばパンチが上型取付金具15を介し
て取外し自在に固定され、下部テーブル7には、下型1
7である例えばダイが下型取付金具19を介して取外し
自在に固定される。
【0016】折り曲げ動作の際、上型13、下型17間
に介在する板材Wを介して受ける加圧反力による上部テ
ーブル5と上型13の下面の凹状変形及び、下部テーブ
ル7と下型17の上面の凹状変形を解消してこれら下面
と上面の間隔を板材Wの曲げ幅方向(図2の左右方向)
の全長に亘ってほぼ等しく保持して平行に維持するため
の撓み補正機構として、図示例では、撓み補正用シリン
ダ構造を採用している。
【0017】すなわち、下部テーブル7には、図2で前
後に補正用シリンダ支持板21,21を配置して、左右
の連結ピン23,25によって下部テーブル7と補正用
シリンダ支持板21,21とを連結している。図2で下
部テーブル7の左右方向(板材Wの曲げ幅方向)での中
心線を挟んで対称な位置に、補正用シリンダ支持板2
1,21に切欠き27,29を設け、撓み補正用シリン
ダ31,33がこの切欠き27,29にまたがるように
して、撓み補正用シリンダ31,33を補正用シリンダ
支持板21,21に固定し、下部テーブル7の下端縁部
7aを、撓み補正用シリンダ31,33のピストンロッ
ド35,37が下から支えるようにしている。
【0018】テーブル昇降シリンダ9,11へは、例え
ばポンプと蓄圧タンクからなる流体圧生成器39から調
整弁41,43と配管45,47を介して圧力流体が供
給され、撓み補正用シリンダ31,33には、流体圧生
成器39の圧力流体を圧力制御弁49,51により例え
ば一定の比率で減圧(或いは増圧)調整して、配管5
3,55を介して供給されるようにしている。
【0019】調整弁41,43と圧力制御弁49,51
は、図1に示されているように、何れも例えば電磁ソレ
ノイド又はモータなどの電磁作動部41a,43a,4
9a,51aにより開閉動作が制御され、テーブル昇降
シリンダ9,11、撓み補正用シリンダ31,33に供
給される流体圧が調整できる構造としている。
【0020】テーブル昇降シリンダ9,11のピストン
ロッド57,59には、図2に示されているように、球
面凹部57a,59aが上端に形成してあり、下部テー
ブル7の左右の下部に支持座61,63を取付け、この
支持座61,63の下端に形成した球面凸部61a,6
3aを、ピストンロッド57,59の球面凹部57a,
59aによって支承し、ピストンロッド57,59と支
持座61,63を、ボルト65,67によって結合して
いる。これにより、テーブル昇降シリンダ9,11に対
し、下部テーブル7の若干の傾斜が許容されることにな
る。
【0021】上記構成により、撓み補正用シリンダ3
1,33のピストンロッド35,37を例えば突出する
と、下部テーブル7の図2で左右方向(板材Wの曲げ幅
方向)中央部付近での上縁は上方へ凸状に突出変形する
ことになり、突出変形量はピストンロッド35,37と
の結合部付近で最も大きい値となる。テーブル昇降シリ
ンダ9,11の作動による折り曲げ動作の際、介在する
板材Wから上部テーブル5と下部テーブル7が受ける加
圧反力により、上部テーブル5と上型13の下面と、下
部テーブル7,下型17の上面は凹状に変形するが、下
部テーブル7の凸状変形により、相殺できることにな
る。
【0022】上記折曲げ加工機は、図1にブロック図で
例示した構成によって制御される。まず、この制御構成
の基本となっているこの実施例の特徴について説明す
る。前記のように所定の曲げ角度に必要な上型の突込み
量を決定する際は、試し曲げとこれによる曲げ角度の測
定操作を繰り返して上型の突込み量と曲げ加圧力を交互
に微細に変更せねばならず、作業者に多大の経験と熟練
を必要とし、しかも試し曲げに長時間を要している。
【0023】上部テーブル5、下部テーブル7の撓み形
状は、図12から図14にわたって模型的に示すよう
に、板材Wの曲げ幅wとこの板材Wの上型13、下型1
7に対する曲げ幅方向位置(曲げ位置l)とによって定
まり、撓み量は、曲げ加圧力の値に比例していることに
着目して、撓み補正量は、曲げ加圧力と曲げ位置lの関
数として決めるようにした。これにより、実際作業で
は、上型13の突込み量のみを変更するだけで所定の曲
げ角度に必要な上型の突込み量が決定されることにな
る。
【0024】それは曲げ加圧力に比例して上部テーブル
5、下部テーブル7の撓み量が決まり、この撓み量を補
正するために必要な撓み補正量も、曲げ加圧力に比例し
ているので、比例定数のみを、曲げ幅wと曲げ位置l
(上,下型13,17の曲げ幅方向中心線に対する板材
Wの曲げ幅方向での位置)をパラメータとして求めてお
けば、種々の曲げ角度(上型13の突込み量)につい
て、板材Wの曲げ幅方向での曲げ角度誤差をできるだけ
小さく押えることができて、曲げ幅方向全幅にわたり均
一な断面形状に折り曲げることができる。
【0025】今、板材Wから下部テーブル7に加わる加
圧反力と下部テーブル7に発生する撓みの関係を、図9
に示す一本の両端支持の梁に置き換えて考える。この梁
のある範囲に荷重をかけると、梁の撓み形状は荷重の範
囲と荷重の大きさとにより定まる。最大の撓みが発生す
る位置aは荷重の大きさに関係無く、荷重の範囲によっ
て定まる。すなわち、撓み量は荷重の大きさに比例し、
発生位置aは荷重が加わる場所で定まる。
【0026】図10のように分布幅l1 の荷重P1 が梁
の中央部近くに加わっているときの最大撓みをδ1 、こ
のときの荷重位置bに対する撓みをδb とすると、 δb =δ1 ×Pb /P1 =δ1 /P1 ×Pb ここでPb は、b点を中心としてP1 と同じ範囲をもっ
た分布荷重とする。
【0027】今、δ1 /P1 =α1 とすれば、 δb =α1 ×Pb となる。
【0028】同様に、図11におけるc点に上記P1
同じ範囲をもった分布荷重Pc を加えた場合の最大撓み
をδ2 、このときの荷重位置に対する撓みをδc とする
と、 δc =δ2 ×Pc /P1 =δ2 /P1 ×Pc とな
り、 δ2 /P1 =α2 とすれば、 δc =α2 ×Pc となる。
【0029】これらは、何れも弾性変形領域における撓
みを考えたものである。
【0030】このことから、荷重の分布幅l1 及び、荷
重の加わる位置によって比例定数α1 、α2 を定めてお
けば荷重条件がきまり、このときの撓みは容易に求める
ことができる。
【0031】折曲げ加工機における上部テーブル5、下
部テーブル7の撓みも、上記両端支持の梁の撓みと同様
であることから、上部テーブル5、下部テーブル7の撓
みに対する撓み補正量も、上記数式によって算定するこ
とができる。すなわち、上部テーブル5、下部テーブル
7の撓み補正量は、荷重の分布幅(曲げ幅w)と荷重の
加わる位置(曲げ位置l)の2つの条件に基づき、この
比例定数αを、荷重の分布幅(曲げ幅w)と荷重の加わ
る位置(曲げ位置l)の関数として定めておけば、比例
定数αと曲げ荷重Pとにより、撓み補正量=α×Pとし
て算定できる。
【0032】このことから、図1の構成では、折曲げ加
工における曲げ荷重(昇降シリンダ圧力により上,下テ
ーブル5,7が受ける加圧反力)の分布幅(曲げ幅w)
と荷重の加わる位置(曲げ位置l)に対する比例定数α
の値を、計算及び実験から求めた演算式によって定め、
或いは、あらかじめ記憶されているものから呼び出し
て、曲げ荷重に比例する昇降シリンダ圧力に基づていテ
ーブル撓み補正量を調整して、所定の曲げ角度とするた
めの調整操作を、上型13の突込み量のみで行い得るよ
うに構成したものである。
【0033】以上の考察の結果に基づいて定めた図1の
構成は、曲げ角度、曲げ幅w、上,下型13,17に対
する板材Wの曲げ幅方向での曲げ位置l、板材Wの板
厚、板材Wの材質などの加工仕様データを入力するデー
タ入力手段Iと、上記加工仕様データによる折曲げ加工
中に検出された左右のテーブル昇降シリンダ9,11の
昇降シリンダ圧力、上記曲げ幅w、曲げ位置lを主体と
するデータに基づき、撓み補正用シリンダ31,33に
供給すべき補正用シリンダ圧力などを、演算により求め
るための演算部Aと、或いはデータ入力手段Iから入力
されたこの補正用シリンダ圧力を記憶する記憶部Mと、
この演算部A、記憶部Mによる補正用シリンダ圧力に基
づき、折曲げ加工機の加工を制御する制御部Cとを設け
ている。
【0034】また、入力されたデータや演算されたデー
タなどを画面で表示するデータ表示手段Dを、この構成
に設けている。
【0035】演算部A、記憶部M、制御部Cは、例えば
マイクロコンピュータ61によって構成でき、データ入
力手段Iは、例えばキーボードで、データ表示手段Dは
例えばCRTによって構成できる。テーブル昇降シリン
ダ9,11に供給されている流体圧(昇降シリンダ圧
力)は、流体圧検出器である圧力センサ71,73によ
って検出されて制御部Cに入力される。
【0036】次に演算部A、記憶部M及び、制御部Cの
機能を説明する。図2に例示のように、曲げ幅wの板材
Wを、上型13、下型17の左右方向中心P−Pに対し
て曲げ幅方向で例えば偏り量lだけ偏らせて折曲げ加工
を行うにあたり、曲げ角度、曲げ幅w、上,下型に対す
る板材Wの曲げ幅方向での曲げ位置l、板材Wの板厚、
板材Wの材質などの加工仕様データを作業者により手動
でデータ入力手段Iにより演算部Aへ入力する。
【0037】曲げ角度、板材Wの板厚、材質など毎に、
曲げ幅wと荷重の加わる位置である曲げ位置lを変数と
する比例定数α1 ,α2 が、あらかじめ実験により、或
いは、計算により算定されて、曲げ幅wと曲げ位置lの
関数として、記憶部Mに記憶されている。演算部Aへ入
力された曲げ幅wと曲げ位置lの値に対応した比例定数
α1 ,α2 が、記憶部Mから呼び出される。或いはこの
比例定数α1 ,α2 は、データ入力手段Iから入力され
た曲げ角度、曲げ幅w、上,下型に対する板材Wの曲げ
幅方向での曲げ位置l、板材Wの板厚、板材Wの材質な
どの加工仕様データに基づき、演算部Aにて入力時に算
出される。
【0038】この比例定数α1 ,α2 は、左右のテーブ
ル昇降シリンダ9,11内に現れる流体圧である昇降シ
リンダ圧力P9 ,P11と、上部テーブル5、下部テーブ
ル7の撓み補正量に対応する左右の撓み補正用シリンダ
31,33の補正用シリンダ圧力P31,P33との比率を
表している。すなわち、 α1 =P31/P9 α2 =P33/P11 となっ
ている。
【0039】下部テーブル7を上部テーブル5に対し平
行に保って下型17上に板材Wを載置し、左右のテーブ
ル昇降シリンダ9,11に圧力流体を供給して下部テー
ブル7を上昇すると、上型13と下型17とにより板材
Wが次第に折曲げられ、上型13、下型17間に介在す
る板材Wを介して上部テーブル5と下部テーブル17は
互いに加圧反力を受け、この加圧反力に対抗して左右の
テーブル昇降シリンダ9,11内に現れる流体圧である
昇降シリンダ圧力P9 ,P11が圧力センサ71,73に
よって検出されて演算部Aに入力される。
【0040】演算部Aでは、上記呼び出された比例定数
α1 ,α2 と、上記検出された昇降シリンダ圧力P9
11に基づいて、左右の撓み補正用シリンダ31,33
の補正用シリンダ圧力P31,P33が算出され、制御部C
は、調整弁41,43により流体圧生成器39からの流
体圧を上記算出された補正用シリンダ圧力P31,P33
調整して、撓み補正用シリンダ31,33に供給する。
【0041】このとき、データ入力手段Iから入力され
ている曲げ角度、曲げ幅w、上,下型13,17に対す
る板材Wの曲げ幅方向での曲げ位置l、板材Wの板厚、
板材Wの材質などの加工仕様データや呼び出された比例
定数α1 ,α2 、検出された昇降シリンダ圧力P9 ,P
11、算出された補正用シリンダ圧力P31,P33などは、
データ表示手段Dに表示される。
【0042】次に上記実施例の作用を説明する。曲げ角
度、曲げ幅w、上,下型13,17に対する板材Wの曲
げ幅方向での曲げ位置l、板材Wの板厚、板材Wの材質
などの加工仕様データを、作業者がデータ入力手段Iに
より演算部Aへ入力し、演算部Aへ入力された曲げ幅w
と曲げ位置lの値に対応した比例定数α1 ,α2 が、記
憶部Mから呼び出されるか、又は演算部Aにて検出され
る。
【0043】下部テーブル7を上部テーブル5に対し平
行に保って下型17上に板材Wを載置し、左右のテーブ
ル昇降シリンダ9,11に圧力流体を供給して下部テー
ブル7を上昇すると、上型13と下型17とにより板材
Wが次第に折曲げられ、左右のテーブル昇降シリンダ
9,11に現れる流体圧である昇降シリンダ圧力P9
11が圧力センサ71,73によって検出されて演算部
Aに入力される。
【0044】演算部Aでは、上記比例定数α1 ,α
2 と、上記検出された昇降シリンダ圧力P9 ,P11に基
づいて、左右の撓み補正用シリンダ31,33の補正用
シリンダ圧力P31,P33が算出され、制御部Cは、調整
弁41,43により流体圧生成器39からの流体圧を上
記算出された補正用シリンダ圧力P31,P33に調整し
て、撓み補正用シリンダ31,33に供給する。
【0045】データ入力手段Iから入力されている曲げ
角度、曲げ幅w、上,下型13,17に対する板材Wの
曲げ幅方向での曲げ位置l、板材Wの板厚、板材Wの材
質などの加工仕様データや、呼び出された比例定数
α1 ,α2 、検出された昇降シリンダ圧力P3 ,P11
検出された補正用シリンダ圧力P31,P33などは、デー
タ表示手段Dに表示される。
【0046】上型13が下型17のV字状溝に所定寸法
だけ突入して、板材Wの下面が下型17のV字状溝の左
右の肩部に当接し、板材Wの中央部が上型13の先端部
によって下型17のV字状溝内へ折り曲げられる。
【0047】また、左右の撓み補正用シリンダ31,3
3に上記補正用シリンダ圧力の圧力流体が供給されて、
そのピストンロッド35,37は突出作動して、下部テ
ーブル7の左右方向(板材Wの曲げ幅方向)中央部付近
での上縁は上方へ突出変形する。
【0048】この折り曲げ動作の際、介在する板材Wか
ら上部テーブル5、下部テーブル7が受ける加圧反力に
より上下方向に撓みが発生して上部テーブル5と上型1
3では下面が凹状に変形し、下部テーブル7と下型17
では上面が凹状に変形するが、左右の撓み補正用シリン
ダ9,11の上記動作による下部テーブル7、下型17
の上面の凸状変形によって上記加圧反力による凹状変形
は相殺され、上部テーブル7の下面と下部テーブル7
上面との間隔は全長に亘ってほぼ等しく平行性は維持さ
れる。これにより板材Wの折り曲げ角度は、その曲げ幅
方向全幅にわたって均一となる。
【0049】従来では、当該曲げ幅w、曲げ位置lで作
業者が試し曲げとこれによる曲げ角度の測定操作を繰り
返して、テーブル昇降シリンダの昇降シリンダ圧力と撓
み補正用シリンダの補正用シリンダ圧力を試行錯誤的に
見出していたため、多大の時間を要していたが、上記実
施例では、記憶部Mから呼び出されるか、又は、演算部
Aで算定された比例定数α1 ,α2 と、折曲げ加工中に
検出された昇降シリンダ圧力P9 ,P11に基づいて、演
算部Aにより左右の撓み補正用シリンダ31,33に供
給されるべき補正用シリンダ圧力P31,P33が自動的に
算出、設定され、制御部Cにより上記算出された補正用
シリンダ圧力P31,P33に制御されるため、板材Wはそ
の曲げ幅方向にわたり均一な断面形状に折り曲げられ、
特別の経験と熟練を要せずに、正確な折曲げ加工を容易
に達成させることができる。
【0050】尚、この発明は上述した実施例に限定され
ることは無く、適宜な変更を行うことにより、その他の
態様で実施し得るものである。例えば、図2の折曲げ加
工機は、上部テーブル5は固定され、下部テーブル7が
昇降する構造であるが、下部テーブル7は固定され、上
部テーブル5をテーブル昇降シリンダにより昇降させる
と共に、撓み補正用シリンダを上部テーブル5の側に設
けている構造の折曲げ加工機についても、支障無く適用
できるものである。撓み補正用シリンダの配設数は、
上,下テーブル5,7の長さによって定められる。ま
た、制御構成についても、図1の具体例のほか、曲げ角
度や、上型の突込み量などを自動検出し制御部Cに入力
するための種々の公知の検出器などを折曲げ加工機に付
設できるものである。
【0051】また、補正用シリンダ圧力の算出に用いら
れる比例定数α1 ,α2 は、曲げ幅wと曲げ位置lの関
数として定められるほか、曲げ角度の許容精度がゆるや
かな場合では、例えば、曲げ位置lの要素を考えずに曲
げ幅wのみの関数として定めても良く、或いは、いくつ
かの曲げ幅wと曲げ位置lについて、二次元配列表とし
て定めいるものであっても良い。
【0052】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、折り曲
げ動作の際、データ入力手段から入力されている曲げ
幅、曲げ位置を主体とするデータに基づき、上記加工仕
様データによる折曲げ加工で撓み補正用シリンダに供給
すべき補正用シリンダ圧力を算定するための比例定数が
演算により算定され、或いは、記憶部から比例定数が呼
び出される。左右のテーブル昇降シリンダを動作して折
曲げ加工を開始すると、左右のテーブル昇降シリンダの
昇降シリンダ圧力が検出され、比例定数と検出された昇
降シリンダ圧力とから、撓み補正用シリンダに供給すべ
き補正用シリンダ圧力が、演算部により自動的に算出さ
れ、この補正用シリンダ圧力に基づいて制御部の指令に
より撓み補正用シリンダは自動制御されるので、板材は
その曲げ幅方向にわたり均一な断面形状に折り曲げら
れ、特別の経験と熟練を要せずに、正確な折曲げ加工を
容易に達成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成の一実施例を示す構成ブロック
図である。
【図2】上記実施例を適用したプレスブレーキの正面図
である。
【図3】図2のプレスブレーキの側面図である。
【図4】図2の III−III 線矢視断面図である。
【図5】図2のプレスブレーキの斜視図である。
【図6】折曲げ加工における上,下テーブルの撓み変形
の説明正面図である。
【図7】折曲げ加工状態の説明側面図である。
【図8】折曲げ加工における特性図である。
【図9】加圧反力によるテーブルの撓みを示す説明図で
ある。
【図10】加圧反力によるテーブルの撓みを示す第2の
説明図である。
【図11】加圧反力によりテーブルの撓みを示す第3の
説明図である。
【図12】加圧反力による上型と下型の撓みを示す説明
図である。
【図13】加圧反力による上型と下型の撓みを示す第2
の説明図である。
【図14】加圧反力による上型と下型の撓みを示す第3
の説明図である。
【符号の説明】
5 上部テーブル 7 下部テーブル 9,11 テーブル昇降シリンダ 13 上型 17 下型 31,33 撓み補正用シリンダ 71,73 圧力センサ(流体圧検出器) W 板材 I データ入力手段 A 演算部 M 記憶部 C 制御部 w 曲げ幅 l 曲げ位置 α1 ,α2 比例定数 P9 ,P11 昇降シリンダ圧力 P31,P33 補正用シリンダ圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−23747(JP,A) 特開 昭62−176614(JP,A) 特開 昭60−247416(JP,A) 実開 昭60−186915(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型を取付けた上部テーブル、下型を取
    付けた下部テーブルのいずれか一方が左右のテーブル昇
    降シリンダによって昇降動作して、これにより下型に対
    する上型の突込み量が制御されて板材をその曲げ幅方向
    にわたり均一な断面形状に折り曲げるように構成され、
    折り曲げ動作の際、上部テーブル、下部テーブルの上下
    方向における撓みを補正するための撓み補正用シリンダ
    を、上部テーブル、下部テーブルのいずれか一方に複数
    個、上記曲げ幅方向に沿って配設している折曲げ加工機
    において、折曲げ加工における曲げ角度、曲げ幅、上,
    下型に対する板材の曲げ幅方向での曲げ位置、板材の板
    厚、板材の材質などの加工仕様データを入力するデータ
    入力手段と、上記曲げ幅、曲げ位置を主体とするデータ
    に基づき、上記加工仕様データによる折曲げ加工で撓み
    補正用シリンダに供給すべき補正用シリンダ圧力を算定
    するための比例定数を演算により求めてこの比例定数
    と折曲げ加工中に検出された左右のテーブル昇降シリン
    ダの昇降シリンダ圧力とから補正用シリンダ圧力を算定
    する演算部と、上記比例定数、加工仕様データなどを記
    憶する記憶部と、上記算定された補正用シリンダ圧力に
    基づき、折曲げ加工機の加工を制御する制御部とを有し
    ていることを特徴とする折曲げ加工機の加工制御装置。
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