JP3048724U - 介護用折曲げ式吊り担架 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ホイストを利用し被介護者を仰臥
姿勢から座臥姿勢にして吊り上げ移動するためのもの
で、介護をする人の負担を軽減する補助具である。 【構成】 シートの周囲に枠パイプを設けて枠体を形成
し、該枠体を上枠体と下枠体に分割して、ピンを中心に
互いに回動するように構成し、上枠体に切欠き部をもつ
カムを設け、下枠体にはピンと共に回動するストッパー
を設け、ストッパーはバネ力で絶えずカムの外周に接触
摺動して、上枠体が回動してカムの切欠き部にストッパ
ーが係合すると、上下枠体は回動停止し、ストッパーを
解除して、別の位置でも回動停止し固定するようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は被介護者を介護用のホイストを利用して用便や入浴等に吊り上げ移動 させる時に用いる介護器具に関し、被介護者をホイストで仰臥姿勢から座臥姿勢 にさせ、トイレや入浴施設、あるいは車椅子等に移動させる場合の補助具として 、介護者の負担を軽減するためのものである。

【０００２】

【従来の技術】

被介護者をベットや布団から吊り上げて移動する器具としては、特型のハンモ ック様の吊り上げシートが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の特型シートで被介護者を座臥させ、一定の姿勢に静止さ せるには敷布状の素材だけでは無理があり、専用のベットを利用するか、介護者 が起き上がらせて背中や頭を支えた状態から吊り上げるしかなく、介護者に負担 を強いるという問題があった。

【０００４】 又、被介護者を座臥姿勢で移動させる場合には窮屈であり、仰臥姿勢で移動さ せるには困難であったり、シートの形状により吊り上げ方法を考えなければなら ないという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点を解決ずるために、シートの周囲に枠パイプを設けて被 介護者の吊り上げ、支持を確実にするための枠体を形成し、該枠体を上下に２分 割し、上枠体には切欠き部をもつカムを設け、下枠体にピンと共に回動するスト ッパーを設け、前記カムの切欠き部にストッパーが係合すると、上枠体と下枠体 は側面から見て直線形で回動停止し、仰臥用担架として利用でき、カムの別の切 欠き部にストッパーが係合すると、略Ｌ字形をなして停止固定し、座臥姿勢で吊 り上げ移動ができるようにした。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、上枠体に切欠き部を持つカムを設け、下枠体にはストッパー とピンを設け、上枠体は下枠体に設けたピンを中心にして回動し、カムの切欠き 部にストッパーが係合すると、上下枠体は直線形で回動停止し固定され、次にス トッパーを外し上枠体を回動させ別の切欠き部にストッパーが係合すると上下枠 体は略Ｌ字形で回動停止し固定されるので、直線形の吊り担架としても、略Ｌ字 形の座臥用吊り担架としても利用でき、上枠体で被介護者の上半身を支え、下枠 体で下半身を支えることができる。

【０００７】 又、シートはナイロン系素材を用いているので、直接担架に載せたまま入浴さ せられ、下枠体に取り付けるシートは用便が足せるように穴を設けてあるので、 被介護者は座臥姿勢に吊り上げられた状態のままで用便ができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図面に示す１実施例に基づいて説明すると、図１は本考案の１実 施例の全体平面図で、下シート８はナイロン系素材を用い、用便が足せるように 穴を設けてあり、図２は被介護者を仰臥姿勢に載せて吊り上げた状態を示し、図 ３は担架を略Ｌ字に折り曲げ固定し、座臥姿勢で吊り上げた状態を示す側面図で 図４はカム付き連結具３を示し、図５は下枠体のストッパー付き連結具４を示し 、図６はストッパー７と解除用のハンドル９を示し、図７は上枠体１と下枠体５ にカム付き連結具３、ストッパー付き連結具４、ピン６、ストッパー７、バネ１ ３の組立部分断面図を示し、上枠体と共に回動するカムの切欠き部に下枠体に設 けたストッパーが係合すると、上下枠体は直線形と略Ｌ字形とに固定停止するこ とができる。

【０００９】 図７は上枠体１のパイプにカム付き連結具３を装着し、ピン６をカムに貫通し て回動自在に設け、該ピンに下枠体５のパイプにストッパー付き連結具４にスト ッパーを組み付け、前記ピンとストッパーをバネ１３で連結し、ストッパー７は カムの外周部に絶えず摺動するように組み付け構成されている。

【００１０】 図６に示すストッパー７は下枠体５のパイプを貫通して設けたハンドル９に連 結帯１４で結ばれ、カムの切欠き部に係合すると、上枠体は回動停止し、ハンド ルを引くと、ストッパーはカムの切欠き部から外れて回動自在になるようにして ある。

【００１１】 図４はカム付き連結具３の詳細図で、切欠き部を２つ示し、これにストッパー が係合すると上枠体は回動停止するようにしてあるが、さらに上枠体の停止位置 を増やすには、切欠きを適宜増設することにより、任意の位置で回動停止できる ようになる。

【００１２】 図２は吊り具ベルト１２を示し、仰臥姿勢で吊り上げるための下リング１１と 座臥姿勢で吊り上げるための上リング１０を設け、ハンドル９を引くとストッパ ー７がカムの切欠き部から外れるので、上枠体は回動自由になり、上リング１０ を介護用ホイストのフックに連結して吊り上げると、上枠体は回動して図３の位 置でストッパーはカムの別の切欠き部に係合されるので回動停止する。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案は、切欠き部を持つカムを上枠体と共 に回動させて、上枠体が所望の位置に来たときにストッパーがカムの切欠き部に 係合するように構成してあるので、上枠体は回動停止する。さらに、上下枠体を 回動させる場合は、ハンドルでストッパーを解除すると、次の切欠き部にストッ パーが係合するまで回動できるように構成したので、操作が簡単で、かつ被介護 者はホイストで吊り上げられても、枠体に支持され、一定の姿勢を保ち、安全な 介護が受けられる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の平面図である。

【図２】図１の側面図で、仰臥姿勢の吊り上げ図であ
る。

【図３】図１の側面図で、座臥姿勢の吊り上げ図であ
る。

【図４】カム付き連結具の正面図である。

【図５】ストッパー付き連結具の正面図である。

【図６】ストッパーの構成図である。

【図７】枠体パイプ、カム、ストッパー、ピンの部分組
立断面図である。

【符号の説明】

１ 上枠体パイプ ２ 上シート ３ カム付き連結具 ４ ストッパー付き連結具 ５ 下枠体パイプ ６ ピン ７ ストッパー ８ 下シート ９ ハンドル １０ 上リング １１ 下リング １２ 吊りベルト １３ バネ １４ 連結帯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートを取り付けた略Ｕ字形の上下２つの
   枠体をピンで略長方形に連結し、上枠体には明り欠き部
   を持つカムを設け、下枠体には連結具と、カムと係合す
   るストッパーを設けて、上枠体と下枠体の回動を制御す
   る事を特徴とした介護用折曲げ式吊り担架。