JP3048473B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置及びその組付方法 - Google Patents

エンジンのバルブタイミング制御装置及びその組付方法

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JP3048473B2
JP3048473B2 JP24644392A JP24644392A JP3048473B2 JP 3048473 B2 JP3048473 B2 JP 3048473B2 JP 24644392 A JP24644392 A JP 24644392A JP 24644392 A JP24644392 A JP 24644392A JP 3048473 B2 JP3048473 B2 JP 3048473B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊星歯車機構を利用し
たエンジンのバルブタイミング制御装置及びその組付方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンにおいてカムプーリに対
しカムシャフトの回転位相をずらすことによりバルブタ
イミングを制御する装置の中には、遊星歯車機構を利用
したものがある。例えば、特公昭61−24533号公
報には、上記遊星歯車機構を構成するサンギア、リング
ギア、及びキャリアのうちの一つをカムシャフトに固定
し、もう一つをカムプーリ側に固定し、残りの要素を適
宜回動させることにより、上記カムプーリに対するカム
シャフトの回転位相を調節するようにしたものが示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように遊星歯車
機構を利用したバルブタイミング制御装置では、次のよ
うな解決すべき課題がある。
【0004】A)カムシャフトやカムプーリ、及び遊星
歯車機構をエンジンに組付ける際には、この組付後のバ
ルブタイミング制御を正確にするため、初期設定とし
て、カムプーリに対するカムシャフトの回転角度位置を
予め定められた初期位置に厳密に合せ、かつクランクプ
ーリに対するカムプーリの回転角度位置も予め定められ
た初期位置に厳密に合せた状態で、両プーリをタイミン
グベルトで連結し、かつ上記遊星歯車機構にそのうちの
特定要素を回動駆動する駆動手段を連結しなければなら
ない。しかしながら、上記カムプーリ及びカムシャフト
はエンジン本体に対してそれぞれ個別に自由に回転でき
る状態にあるため、上記タイミングベルトを装着したり
駆動手段を連結したりする際にカムプーリやカムシャフ
トが勝手に回り易く、せっかく初期設定した相対角度位
置が狂うおそれがある。このため、上記カムシャフトや
カムプーリを組付ける作業は非常に面倒なものとなって
いる。
【0005】B)上記遊星歯車機構を円滑に作動させる
には、これに潤滑油を供給することが肝要である。この
ような供給を行うための通路は複雑となり易く、その簡
略化が望まれる。特に、自軸回りに回転するサンギアや
リングギアへの潤滑油供給に比べ、これらのギアの回転
中心軸回りに公転するプラネタリギアへの潤滑油供給は
非常に難しく、これを合理的な構造で簡単に行うことが
強く要望されている。
【0006】本発明は、上記のような課題を解決するこ
とができるエンジンのバルブタイミング制御装置及びそ
の組付方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、動力が入力さ
れる動力入力部分とカムが固定される本体部分とが分割
されたカムシャフトと、サンギア、リングギア、プラネ
タリギア、及びプラネタリギアを回転可能に支持するキ
ャリアを有し、上記カムシャフトの動力入力部分と本体
部分とを連結する遊星歯車機構と、この遊星歯車機構の
構成要素のうち上記動力入力部分に固定される要素及び
本体部分に固定される要素以外の要素を回転させること
により上記動力入力部分と本体部分との相対回転位相を
変化させる位相調節手段と、上記遊星歯車機構と隣接す
る部分に設けられ、上記カムシャフトの軸受部を構成す
るカムキャップとを備えたエンジンのバルブタイミング
制御装置において、上記遊星歯車機構の構成要素のうち
の少なくとも2つの要素と上記カムキャップとに、軸方
向に相互合致可能であってこの合致状態で位置決め部材
が挿入されることにより相対変位が規制される位置決め
部材挿入孔を形成するとともに、これらの位置決め部材
挿入孔の少なくとも一部を遊星歯車機構への潤滑油供給
通路としたものである(請求項1)。
【0008】この装置の組付方法としては、各位置決め
部材挿入孔を軸方向に合致させてこれらの位置決め部材
挿入孔に位置決め部材を挿入し、この挿入状態のままカ
ムシャフト及びカムキャップをエンジンのシリンダヘッ
ドに設置し、カムキャップを上記シリンダヘッドに固定
し、上記動力入力部分への動力源の連結作業及び遊星歯
車機構への位相調節手段の連結作業を行った後、上記位
置決め部材を抜くものが好適である(請求項5)。
【0009】上記位置決め部材挿入孔は、少なくともキ
ャリアに形成することか望ましく(請求項2)、この場
合、上記キャリアに上記プラネタリギアを回転可能に支
持する筒状のギア支持軸を固定するとともに、このギア
支持軸の中空部分を位置決め部材挿入孔としたり(請求
項3)、このキャリアを上記位相調節手段により駆動さ
れる構成要素とすることが望ましい(請求項4)。
【0010】
【作用】請求項1,5記載の装置及びその組付方法によ
れば、まず、遊星歯車機構における少なくとも2つの要
素に設けられた位置決め部材挿入孔及びカムキャップに
設けられた位置決め部材挿入孔に共通の位置決め部材を
挿入することにより、カムキャップに対するカムシャフ
トの動力入力部分及び本体部分の双方の相対回転を規制
することができる。従って、この状態のままカムキャッ
プをエンジンのシリンダヘッドに固定することにより、
このエンジンにおいてカムシャフトの両部分の回転位相
を初期位相に固定することができる。この状態で、上記
動力入力部分をエンジンの動力源に連結し、かつ遊星歯
車機構の特定要素に位相調節手段を連結した後、上記位
置決め部材を位置決め部材挿入孔から抜くことにより、
使用可能状態にすることができる。
【0011】この状態では、上記動力入力部分に入力さ
れた動力が遊星歯車機構を介して本体部分に伝達される
ことにより、バルブが開閉駆動とともに、運転状態の変
化等に応じて遊星歯車機構の特定要素が位相調節手段で
回動駆動されることにより、上記動力入力部分に対する
本体部分の回転位相が変化し、これによってバルブタイ
ミングが調節される。しかも、位置決め部材が抜き取ら
れた後の位置決め部材挿入孔は潤滑油供給通路となり、
この通路を通じて遊星歯車機構に潤滑油が供給される。
【0012】ここで、請求項2記載の装置では、キャリ
アに位置決め部材挿入孔が設けられているので、このキ
ャリアに回転可能に支持されているプラネタリギアに積
極的に潤滑油を供給することができる。より具体的に、
請求項3記載の装置では、上記プラネタリギアを支持す
る筒状の軸の中空部分を通ってプラネタリギアに内側か
ら潤滑油を供給することが可能になる。
【0013】また、請求項4記載の装置では、位相調節
手段により駆動される遊星歯車機構の構成要素をキャリ
アとしているので、このキャリア及びプラネタリギアは
通常状態で回動せず、よってプラネタリギアへの潤滑油
供給は容易となる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜4に基づいて説明
する。
【0015】これらの図において、10はエンジンのシ
リンダヘッドであり、このシリンダヘッド10に互いに
平行に延びる吸気側カムシャフト12及び排気側カムシ
ャフト14が回転可能に支持されている。
【0016】より具体的に、吸気側カムシャフト12
は、その端部が軸受16を介してシリンダヘッド10に
支持されるとともに、この端部がシリンダヘッド10か
ら外方に突出しており、この突出部分に吸気側カムプー
リ18が固定されている。そして、この吸気側カムシャ
フト12の適当な位置に吸気バルブ開閉用のカム(図示
せず)が設けられている。
【0017】これに対し、排気側カムシャフト14は、
動力入力部分22と本体部分24とに分割され、両者が
遊星歯車機構20を介して相対回転可能に連結されてい
る。動力入力部分22は、軸受25を介してシリンダヘ
ッド10に支持され、その端部にボルト26で排気側カ
ムプーリ28が固定されており、この排気側カムプーリ
28及び上記吸気側カムプーリ18が図3に示すタイミ
ングベルト29によって図外のクランクプーリに連結さ
れている。また、本体部分24の適当な位置に排気バル
ブ開閉用のカム(図示せず)が設けられている。
【0018】上記シリンダヘッド10には、上記動力入
力部分22を上から覆うようにしてカムキャップ30が
装着されており、このカムキャップ30はシリンダヘッ
ド10とともに排気カムシャフト14の軸受部を構成し
ている。なお、図2において31はカムキャップ30を
シリンダヘッド10に締結するためのボルト挿入孔であ
る。
【0019】上記遊星歯車機構20は、上記カムキャッ
プ30の内側に隣接する位置に設けられ、サンギア3
2、リングギア36、キャリア40、及びこれに支持さ
れた複数のプラネタリギア44で構成されている。
【0020】サンギア32は、上記動力入力部分22に
おいて上記本体部分24に対向する側の端部(図1,4
では右側端部)に一体形成されている。これに対し、リ
ングギア36はボルト38によって本体部分24の端部
に固定されており、このリングギア36の中央に形成さ
れた突出部39が上記動力入力部分22の中央に形成さ
れた凹部34内に嵌入されている。
【0021】キャリア40は、その中央を上記動力入力
部分22が貫通する円板状に形成され、上記カムキャッ
プ30とリングギア36との間に回転可能に配設されて
おり、このキャリア40の外周面にはウォームギア41
が形成されている。このキャリア40において上記リン
グギア36に対向する側の側面には、このリングギア3
6に向かって突出する複数本の筒状の支持軸42が固定
され、各支持軸42の周囲にプラネタリギア44が回転
可能に支持されている。各プラネタリギア44は、上記
サンギア32とリングギア36の双方に噛合され、キャ
リア40と一体にその回転中心軸回りに公転可能とされ
ている。
【0022】一方、シリンダヘッド10上の所定位置に
は、図1,4に示すような減速機付モータ52が配置さ
れ、その出力軸にウォーム54が固定されており、この
ウォーム54が上記キャリア40のウォームギア41に
噛合されている。従って、上記減速機付モータ52が作
動していない状態では、キャリア40の回転が規制され
る一方、減速機付モータ52が正逆方向に作動すること
により、キャリア40が強制的に回動駆動されるように
なっている。
【0023】さらに、この装置の特徴として、上記カム
キャップ30の適所には、軸方向に延び、かつ遊星歯車
機構20側に開口する位置決めピン挿入孔(位置決め部
材挿入孔)46が形成されている。上記キャリア40に
おいて支持軸42が固定された複数の位置及びリングギ
ア36の適所にも同径の孔47,48がそれぞれ形成さ
れ、これらの孔47,48と上記支持軸42中央の中空
部分49とで遊星歯車機構20側の位置決めピン挿入孔
が構成されている。これらの位置決めピン挿入孔には、
これらの孔が相互軸方向に合致した状態で、図1に示す
ような単一の位置決めピン50が挿入可能とされ、この
位置決めピン50の挿入により、カムキャップ30に対
するキャリア40、プラネタリギア44、及びリングギ
ア36の相対回転が規制され、これに伴ってカムキャッ
プ30に対するサンギア32の相対回転(すなわち動力
入力部分22の相対回転)も規制されるようになってい
る。
【0024】ここで、上記複数の孔47及び中空部分4
9のうち、特定の孔47及び中空部分49に位置決めピ
ン50が挿入された時の各要素の相対位置関係は、カム
キャップ30がシリンダヘッド10に固定された状態
で、クランププーリに対する排気側カムプーリ28の相
対回転位置及び本体部分24の相対回転位置が初期段階
で調節されるべき相対位置と合致するように設定されて
いる。
【0025】次に、この装置において遊星歯車機構20
に潤滑油を供給するための通路構成について説明する。
【0026】上記シリンダヘッド10において各カムシ
ャフト12,14の支持部分よりも下方の部分には両カ
ムシャフト12,14と直交する方向の通路56が形成
され、この通路56から各カムシャフト12,14の周
面に向かって通路58が延びている。
【0027】動力入力部分22の外周面において、上記
通路58に合致する位置には全周にわたって周溝69が
形成され、この周溝69から径方向内側に向かって通路
60が延びており、この通路60の中央から凹部34に
至る領域に通路62が形成されている。
【0028】これに対し、上記ボルト38において上記
通路62に対向する頭部からその側面に至るまでの領域
にL字状の通路64が形成され、リングギア32の中央
突出部において上記通路64と合致する位置にはその内
外を連通する通路66が形成されている。さらに、動力
入力部分22において上記通路66からサンギア32外
周面に至るまでの領域に通路68が形成されている。ま
た、前記支持軸42の側壁には、その内側の中空部分4
9と外側空間とを連通する径方向の貫通孔45が設けら
れている。
【0029】一方、カムキャップ30においても、上記
周溝69から前記位置決め挿入孔46に至るまでの領域
に通路70が形成されている。
【0030】次に、このバルブタイミング制御装置の組
付方法、及び組付後の作用を説明する。
【0031】まず、排気側カムシャフト14や遊星歯車
機構20をシリンダヘッド10に組付ける前に、リング
ギア36の孔48、特定の支持軸42の中空部分49、
これに対応するキャリア40の孔47、及びカムシャフ
ト30の位置決めピン挿入孔46に共通の位置決めピン
50を挿入する。これにより、カムキャップ30に対す
る動力入力部分22及びカムプーリ28の相対回転と、
カムキャップ30に対する本体部分24と及び各カムの
相対回転角度とが規制される。
【0032】この状態で、排気側カムシャフト14全体
をシリンダヘッド10に配置し、カムキャップ30を図
略のボルトでシリンダヘッド10に固定すれば、図略の
クランクプーリに対する排気側カムプーリ28及びカム
シャフト14の相対回転位置は自動的に初期位置にセッ
トされ、かつ位置決めピン50で固定された状態にな
る。従って、この状態では排気側カムプーリ28やカム
シャフト14の回転ぶれを懸念することなく、容易に排
気側カムプーリ28及び吸気側カムプーリ18にタイミ
ングベルト29を掛け、かつキャリア40のウォームギ
ア41に減速機付モータ52のウォーム54を結合する
ことができる。このようにして装置の組付を完了した
後、位置決めピン50を抜くことにより、使用可能状態
とすることができる。
【0033】このような状態において、減速機付モータ
52及びウォーム54が静止している場合には、エンジ
ンのクランク軸の回転力がタイミングベルト29及び吸
気側カムプーリ18を介して吸気側カムシャフト12に
入力されるとともに、上記タイミングベルト29及び排
気側カムプーリ18を介して動力入力部分22に入力さ
れ、この回転力は遊星歯車機構20を介して本体部分2
4に伝達される。より具体的には、ウォーム54との結
合でキャリア40が固定され、静止された状態で、上記
動力入力部分22側のサンギア32の回転が各プラネタ
リギア44を介してリングギア36に減速されながら伝
達され、このリングギア36と一体に本体部分24が回
転することとなる。
【0034】これに対し、減速機付モータ52が作動し
てウォーム54が正方向あるいは逆方向に回転駆動され
ると、上記ウォーム54と結合されているキャリア40
が回動し、このキャリア40に支持されている各プラネ
タリギア44が公転して、サンギア32に対するリング
ギア36の回転位相、還元すれば排気側カムプーリ28
に対する本体部分24の回転位相が変化し、これによっ
てバルブタイミングの調節が可能となる。
【0035】このような装置の作動中、通路56に供給
された潤滑油は、通路58、周溝69、通路60,6
4,66,68を通じてサンギア32とプラネタリギア
44との噛合部分に供給されると同時に、上記周溝69
から通路70、位置決めピン挿入孔46、キャリア40
の孔47、各支持軸42の中空部分49、及び貫通孔4
5を介して支持軸42外周面とプラネタリギア44内周
面との摺接部分に供給される。このような潤滑油の供給
により、遊星歯車機構20の円滑な作動が維持される。
【0036】以上のようにこの装置では、その組付の
際、位置決めピン50の挿入によってカムキャップ30
に対する排気側カムシャフト14の相対回転を規制して
おくことにより、これらのシリンダヘッド10への組付
作業を大幅に容易化することができる。しかも、組付後
は上記位置決めピン50を抜くことにより、この位置決
めピン50が挿入されていた位置決めピン挿入孔46、
孔47、中空部分48を潤滑油供給通路として利用する
ことができ、このような合理的かつ簡単な構造で遊星歯
車機構20への潤滑油供給を良好に行うことができる。
【0037】特に、この実施例では、キャリア40及び
支持軸42に上記位置決めピン挿入孔である孔47及び
中空部分49を設けているので、従来は困難とされてい
たプラネタリギア44への潤滑油供給をスムーズに行う
ことができる。しかも、遊星歯車機構20の構成要素の
うち、位相調節手段である減速機付モータ52に結合さ
れる構成要素をキャリア40とすることにより、このキ
ャリア40が通常の使用状態で静止するようにしている
ので、このキャリア40の孔47及び各支持軸42の中
空部分49を通じてのプラネタリギア44への潤滑油供
給をより容易にすることができる。
【0038】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0039】(1) 上記実施例では、排気側カムシャフト
14に遊星歯車機構20を設けた例を示したが、本発明
は吸気側カムシャフト12に遊星歯車機構20を設けた
ものにも適用することができる。
【0040】(2) 本発明では、遊星歯車機構20を構成
するサンギア32、リングギア36、キャリア40のう
ち、少なくとも2要素に位置決めピン挿入孔を設けるこ
とにより、カムキャップ30に対する動力入力部分及び
本体部分の相対回転を規制することができ、例えば、サ
ンギア32とリングギア36とに位置決めピン挿入孔を
設けることも可能である。ただし、上記実施例のように
キャリア40に位置決めピン挿入孔を設ければ、この挿
入孔を用いて、従来困難とされていたプラネタリギア4
4の潤滑を良好に行うことができる利点がある。
【0041】(3) 上記実施例では、サンギア32を動力
入力部分22側に、リングギア36を本体部分24側に
それぞれ設け、キャリア40を減速機付モータ52に結
合したものを示したが、本発明はそれ以外であって、上
記サンギア32、リングギア36、キャリア40のうち
の一つを動力入力部分22に固定し、もう一つを本体部
分24に固定し、残りを上記減速機付モータ52等の位
相調節手段に結合する構造とすれば、バルブタイミング
制御を行うことが可能である、ただし、上記実施例のよ
うにキャリア40を減速機付モータ52等の位相調節手
段に結合すれば、このキャリア40が通常の作動状態で
静止しているために、各プラネタリギア44への潤滑を
より容易なものにすることができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明は、遊星歯車機構を
用いたバルブタイミング制御装置において、上記遊星歯
車機構を構成する要素のうちの少なくとも2つ及びカム
キャップに位置決め部材挿入孔を形成し、組付の際、各
位置決め部材挿入孔への位置決め部材の挿入によってカ
ムキャップに対するカムシャフトの相対回転を規制する
ようにしたものであるので、この規制状態で上記カムキ
ャップやカムシャフト、遊星歯車機構等のシリンダヘッ
ド等を従来に比べ極めて容易に組付けることができる。
しかも、組付後は上記位置決め部材を抜くことにより、
この位置決め部材が挿入されていた位置決め部材挿入孔
を潤滑油供給通路として利用するようにしているので、
遊星歯車機構への潤滑油供給を合理的かつ簡単な構造で
良好に行うことができる効果がある。
【0043】特に、請求項2記載の装置では、キャリア
に位置決め部材挿入孔を設けているので、この位置決め
部材挿入孔を利用することにより、従来は困難とされて
いたプラネタリギアへの潤滑油供給を簡単な構造で良好
に行うことができる効果がある。より具体的に、請求項
3記載の装置では、各プラネタリギアを支持する支持軸
を筒状とし、その中空部分を位置決め部材挿入孔として
いるので、この中空部分を潤滑油供給通路として利用す
ることにより、各プラネタリギアに対してその径方向内
側から潤滑油を供給することが可能となる。
【0044】さらに、請求項4記載の装置では、上記遊
星歯車機構の構成要素のうち、位相調節手段に結合され
る構成要素、すなわち通常の作動状態で固定される要素
をキャリアとしているので、このキャリアに設けられた
位置決め部材挿入孔を通じての各プラネタリギアへの潤
滑油供給をより容易なものにすることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるエンジンのバルブタ
イミング制御装置及びその支持構造を示す断面側面図で
ある。
【図2】上記バルブタイミング制御装置及びその支持構
造を示す一部断面平面図である。
【図3】上記エンジンの両カムシャフトに結合されるタ
イミングベルト等を示す正面図である。
【図4】上記バルブタイミング制御装置の要部を示す断
面側面図である。
【符号の説明】
10 シリンダヘッド 14 排気側カムシャフト 20 遊星歯車機構 22 動力入力部分 24 本体部分 30 カムキャップ 32 サンギア 36 リングギア 40 キャリア 42 支持軸 44 プラネタリギア 46 位置決めピン挿入孔 47 孔(位置決めピン挿入孔) 48 孔(位置決めピン挿入孔) 49 支持軸の中空部分 50 位置決めピン(位置決め部材) 52 減速機付モータ(位相調節手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−113006(JP,A) 特開 昭54−52218(JP,A) 特開 昭51−67817(JP,A) 特開 昭50−95670(JP,A) 実開 昭56−47201(JP,U) 実開 昭50−24907(JP,U) 実開 昭49−19183(JP,U) 特公 昭61−24533(JP,B2) 特公 昭31−5136(JP,B1) 実公 昭42−18653(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/34 F01M 9/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力が入力される動力入力部分とカムが
    設けられる本体部分とが分割されたカムシャフトと、サ
    ンギア、リングギア、プラネタリギア、及びプラネタリ
    ギアを回転可能に支持するキャリアを有し、上記カムシ
    ャフトの動力入力部分と本体部分とを連結する遊星歯車
    機構と、この遊星歯車機構の構成要素のうち上記動力入
    力部分に固定される要素及び本体部分に固定される要素
    以外の要素を回転させることにより上記動力入力部分と
    本体部分との相対回転位相を変化させる位相調節手段
    と、上記遊星歯車機構と隣接する部分に設けられ、上記
    カムシャフトの軸受部を構成するカムキャップとを備え
    たエンジンのバルブタイミング制御装置において、上記
    遊星歯車機構の構成要素のうちの少なくとも2つの要素
    と上記カムキャップとに、軸方向に相互合致可能であっ
    てこの合致状態で位置決め部材が挿入されることにより
    相対変位が規制される位置決め部材挿入孔を形成すると
    ともに、これらの位置決め部材挿入孔の少なくとも一部
    を遊星歯車機構への潤滑油供給通路としたことを特徴と
    するエンジンのバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 上記位置決め部材挿入孔が形成される要
    素のうちの一つがキャリアであることを特徴とする請求
    項1記載のエンジンのバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 上記キャリアに上記プラネタリギアを回
    転可能に支持する筒状のギア支持軸を固定するととも
    に、このギア支持軸の中空部分を位置決め部材挿入孔と
    したことを特徴とする請求項2記載のエンジンのバルブ
    タイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 上記位相調節手段により駆動される構成
    要素をキャリアとしたことを特徴とする請求項2または
    3記載のエンジンのバルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエンジ
    ンのバルブタイミング制御装置をエンジンに組付ける方
    法であって、各位置決め部材挿入孔を軸方向に合致させ
    てこれらの位置決め部材挿入孔に位置決め部材を挿入
    し、この挿入状態のままカムシャフト及びカムキャップ
    をエンジンのシリンダヘッドに設置し、カムキャップを
    上記シリンダヘッドに固定し、上記動力入力部分への動
    力源の連結作業及び遊星歯車機構への位相調節手段の連
    結作業を行った後、上記位置決め部材を抜くことを特徴
    とするエンジンのバルブタイミング制御装置の組付方
    法。
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