JP3048457U - 介護用入浴補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢者や身体が不自由な人を容易に入浴さ
せ、かつ、介護者が楽な姿勢で高齢者や身体が不自由な
人の身体を洗うことができるとともに、構成が非常に簡
易で低廉、かつ、安全な介護用入浴補助具を提供する。 【解決手段】 介護用入浴補助具を、座部を有し、か
つ、所要の高さを有して構成されていると共に、該補助
具本体の長さ寸法が少なくとも浴槽内の長さ寸法の半分
以下の寸法を有して構成し、浴槽内に沈めて使用するよ
うに構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、寝たきり高齢者や身体障害者等の体が不自由な人を楽に入浴させ ることができる介護用入浴補助具に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

現在の日本は、世界でも最長寿国といわれるように高齢者社会が進んでおり、 これに伴って、介護が必要な高齢者が益々増加してきており、また、化学や機械 文明が進むにつれて心身障害者も増加してきており、在宅介護の必要性が増加し ている。

【０００３】 そして、これらの高齢者や身体が不自由な者（以下、要介護者という。）は、 自分の力で風呂に入って体を洗うことは勿論できないため、要介護者が仰向けに 寝たまま入浴するためには、他人による介護が必要となる。

【０００４】 ところで、日本の浴槽は、欧米諸国の浴槽と異なり、座った状態でほぼ肩まで 沈める程度の深さに形成されているのが一般的であるため、要介護者を浴槽内に 入れた場合には、介護者は無理な姿勢で要介護者の体を洗わなければならず、こ れが非常な労力を必要とし、家族にとっても精神的、かつ、肉体的な負担が非常 に大きくなってきている、という深刻な問題を有していた。

【０００５】 このような要請に応えるべく、最近では、浴槽の床を所望の位置まで昇降させ る各種の床面昇降装置が提案されているが、これら従来の床面昇降装置は、いず れのものも構成が非常に複雑でその取り扱いも煩雑であると共に、高価である、 という問題を有していた。

【０００６】 この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするとこ ろは、非常に簡易、かつ、廉価な補助具を使用することで、要介護者の身体を楽 な姿勢で容易に入浴させ、かつ、体を洗うことができる安全性にも優れた介護用 入浴補助具を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案に係る介護用入浴補助具は、浴槽内に沈め て使用するもので、補助具本体は、座部を有し、かつ、所要の高さを有して構成 されていると共に、該補助具本体の長さ寸法が少なくとも浴槽内の長さ寸法の半 分以下の寸法を有して構成されていることを特徴とするものである。

【０００８】 この発明において、上記補助具本体は、具体的には、平板状の座部と、この座 部の下面に配設された脚部と、で構成したことを特徴とするものである。この場 合、上記脚部は、例えば、ヒンジ状或はＸ字状の折り畳み自在な脚または前記座 部の下部に着脱自在な筒状の脚で形成するのが望ましい。勿論、上記補助具本体 を、単純に断面略逆凹状に、或は、踏み台状に形成してもよい。

【０００９】 以上のように構成された補助具本体は、耐水性が良好で成形が簡単であり、し かも、コストが低廉なアルミニウム等の金属材或はポリ塩化ビニール等の合成樹 脂材または体に優しい桧材等の木材で形成するのが望ましい。

【００１０】 また、上記補助具本体は、上記目的を達成する他の手段として、空気或は液体 が封入可能な袋状体で形成したことを特徴とするものである。

【００１１】 そして、この袋状体で形成された補助具本体は、空気或は液体給排口が座部以 外の部分、例えば、供給口を補助具本体の側面に配設し、また、排出口を底部に 配設するのが望ましい。勿論、上記供給口には、公知の逆止弁を配設するのが望 ましい。

【００１２】 さらに、この発明においては、上記補助具本体を一個沈めて、要介護者が座っ て介護を受けることができるが、該補助具本体を、浴槽内に一対を並べることで 、要介護者が寝そべったままで介護を受けるように使用することもできる。

【００１３】

【考案の実施の形態例】

以下、添付図面に基きこの考案の実施の形態例について説明する。

【００１４】 図１に示すように、本発明に係る介護用入浴補助具は、家庭用の浴槽（バスタ ブ）Ｂ内に張った湯内に沈めて使用するもので、該介護用入浴補助具は、特に説 明をしない限り原則として、その補助具本体Ａの長さ寸法が少なくとも浴槽Ｂの 内部長さ寸法の半分以下の寸法を有して構成されている。

【００１５】 このように補助具本体Ａを一個沈めることで、浴槽Ｂ内には段差が形成され、 従って、要介護者は補助具本体Ａに座った姿勢を取ることができるので、介護者 は楽な姿勢で要介護者の身体を洗うことができる。

【００１６】 また、上記補助具本体Ａを複数個、例えば、一対を一組として浴槽Ｂ内に並べ ることで、浴槽Ｂの深さを浅くすることができると共に、要介護者を寝そべった 姿勢で入浴させることができるので、要介護者がリラックスした楽な姿勢で入浴 することができ、また、既存の深い浴槽Ｂであっても、介護者が楽な姿勢で要介 護者の身体を洗うことができる。勿論、上記補助具本体Ａを一対以上で形成して 使用することもできる。

【００１７】 図２は、この発明の実施の第１形態例に係る介護用入浴補助具を示しており、 この形態例に係る介護用入浴補助具の補助具本体１は、例えば、アルミニウム等 の成型が容易な金属材やポリ塩化ビニール（ＰＥ）等の合成樹脂材または体に優 しい桧材等の木材で形成されており、平板状に形成された座部２と、この座部２ の下面に配設された伸縮自在な一対の脚体３と、で構成されており、上記脚体３ の伸縮量を調整することで、座部２の高さを所望高さに調整することができるよ うに構成されている。尚、図中符号４は、上記脚体３の接地端部に装着されたゴ ム等で形成されてなる滑止具である。

【００１８】 勿論、この発明にあっては、上記脚体３を、例えば、図３に示すように、ヒン ジ金具（図示せず）で折り畳み自在に形成し、或は、図４に示すように、前記座 部２の下部四隅に着脱自在な筒状の受筒部５を突設し、これら各受筒部５に略凸 状に形成された脚部材６を夫々着脱自在に挿着して構成することができる。

【００１９】 図２乃至図４に示すように、補助具本体１の脚体３を折り畳み自在に構成する ことで、該補助具本体１の未使用時には小型化して浴室等に収納することが容易 となる。

【００２０】 図５は、この発明の実施の第２形態例に係る介護用入浴補助具を示しており、 この形態例に係る介護用入浴補助具の補助具本体１０は、第１形態例と同様、金 属材或は合成樹脂で踏み台状に形成されており、基本的な使用方法は第１形態例 と同様であるが、これを並べて使用する場合には、一対の補助具本体１０の一方 を天地逆にして踏部１７を重ね合わせることで、一方の座部１２と他方の底部１ ８とが面一となるように構成されている。

【００２１】 図６は、この発明の実施の第３形態例に係る介護用入浴補助具を示しており、 この形態例に係る介護用入浴補助具の補助具本体２０は、この発明において最も 単純な断面略逆凹状に形成されている。このように構成することで、該補助具本 体２０をかたずける場合には、一方の補助具本体２０の天地を逆にして積み重ね ることで、場所を取らずにかたずけることができる。

【００２２】 図７は、この発明の実施の第４形態例に係る介護用入浴補助具を示しており、 この形態例に係る介護用入浴補助具の補助具本体３０は、ポリ塩化ビニール等の 合成樹脂やゴム等で袋状に形成されており、空気或は液体が封入可能に形成され ている。

【００２３】 そして、この袋状体で形成された本形態例に係る補助具本体３０は、空気或は 液体給排口３１，３２が座部３３以外の部分、即ち、公知の逆止弁が配設された 供給口３１を補助具本体３０の側面３４に配設し、また、排出口３２を底部３５ に配設して構成されている。尚、本形態例に係る補助具本体３０を空気封入式で 形成した場合には、該補助具本体３０を湯内に沈める必要があるため、特に図示 はしないが、底部に重錘等を配設して構成する。

【００２４】 このように構成することで、本形態例に係る介護用入浴補助具にあっては、必 要なときに空気或は水等を入れて補助具本体３０を膨らませて使用することがで きるので、浴槽を介護環境に設定するのが非常に容易であり、しかも、該補助具 本体３０は、空気或は水等を封入した場合には、クッション性が発生するので、 要介護者が座っても或は寝そべっても身体が痛くならず、楽な姿勢で介護を受け ることができ、また、使用しない場合には、空気或は水等を抜くことで、該補助 具本体３０を容易に圧縮することができ、後かたずけも容易となる。

【００２５】 また、本形態例に係る介護用入浴補助具にあっては、例えば、水を封入したま ま浴槽Ｂに水を入れ、これを加熱して使用する場合には、水量及び加熱のための 燃費を節約することができると共に、該補助具本体３０内の水も加熱されるので 、この補助具本体３０に座っても或は寝そべっても、温度差による違和感が生じ ないので、リラックスした状態で身体を洗う作業を受けることができる、という 優れた効果が得られる。

【００２６】 尚、本形態例では、補助具本体３０の形状を図示のように構成した場合を例に とり説明したが、この考案にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、 図５や図６に示す形状に形成してもよいことは勿論である。

【００２７】

【考案の効果】

この考案に係る介護用入浴補助具は、以上説明したように構成されているので 、要介護者を容易に入浴させ、かつ、介護者が楽な姿勢で要介護者人の身体を洗 うことができるとともに、構成が非常に簡易で低廉に提供することができ、しか も、安全性に優れている等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る介護用入浴補助具の使用状態を
示す断面説明図である。

【図２】この考案の実施の第１形態例に係る介護用入浴
補助具の構成を示す斜視図である。

【図３】同介護用入浴補助具の変形例を示す斜視図であ
る。

【図４】同介護用入浴補助具の他の変形例を示す斜視図
である。

【図５】この考案の実施の第２形態例に係る介護用入浴
補助具の構成を示す斜視図である。

【図６】この考案の実施の第３形態例に係る介護用入浴
補助具の構成を示す斜視図である。

【図７】この考案の実施の第３形態例に係る介護用入浴
補助具の構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 介護用入浴補助具 Ｂ 浴槽 １，１０，２０，３０ 補助具本体 ２，１２ 座部 ３，３３ 脚体 ３１ 空気或は液体の供給口 ３２ 空気或は液体の排出口 ３４ 側面 ３５ 底部

【手続補正書】

【提出日】平成９年１１月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項８

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽内に沈めて使用するもので、補助具
   本体は、座部を有し、かつ、所要の高さを有して構成さ
   れていると共に、該補助具本体の長さ寸法が少なくとも
   浴槽内の長さ寸法の半分以下の寸法を有して構成されて
   いることを特徴とする介護用入浴補助具。
2. 【請求項２】 前記補助具本体は、平板状の座部と、該
   座部の下面に配設された脚部と、で構成されていること
   を特徴とする請求項１に記載の介護用入浴補助具。
3. 【請求項３】 前記脚部は、折り畳み自在な脚または前
   記座部の下部に着脱自在な筒状の脚で形成されているこ
   とを特徴とする請求項２に記載の介護用入浴補助具。
4. 【請求項４】 前記補助具本体は、断面略逆凹状に形成
   されていることを特徴とする請求項１に記載の介護用入
   浴補助具。
5. 【請求項５】 前記補助具本体は、踏み台状に形成され
   ていることを特徴とする請求項１に記載の介護用入浴補
   助具。
6. 【請求項６】 前記補助具本体は、金属材或は合成樹脂
   材または木材で形成されていることを特徴とする請求項
   １乃至請求項５のいずれかに記載の介護用入浴補助具。
7. 【請求項７】 前記補助具本体は、空気或は液体が封入
   可能な袋状体で形成されていることを特徴とする請求項
   １に記載の介護用入浴補助具。
8. 【請求項８】 前記袋状体で形成された補助具本体の空
   気或は液体給排口が座部以外の部分に配設されているこ
   とを特徴とする請求項８に記載の介護用入浴補助具。
9. 【請求項９】 請求項１乃至請求項８のいずれかに記載
   の介護用入浴補助具は、一対が一組で形成されているこ
   とを特徴とする介護用入浴補助具。