JP3047517B2 - 多点測距装置 - Google Patents

多点測距装置

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JP3047517B2 JP15798391A JP15798391A JP3047517B2 JP 3047517 B2 JP3047517 B2 JP 3047517B2 JP 15798391 A JP15798391 A JP 15798391A JP 15798391 A JP15798391 A JP 15798391A JP 3047517 B2 JP3047517 B2 JP 3047517B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の測距情報により
撮影距離を決定する多点測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多点測距装置において、複数の測距情報
に基づいて撮影距離を決定する方法としては例えば、
最近距離を選択するもの、最近被写体距離と中央部被
写体距離との平均距離とするもの、中央部被写体距離
に重み付けをするものがある。一方、最短撮影距離を
0.5〜0.6mとした近接撮影(以下マクロ撮影とい
う)を可能としたカメラも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たマクロ撮影のときには、被写界深度が浅いことや撮影
光軸とファインダー中心とが視差によりずれる等の理由
により、複数の測距情報から撮影距離として中央部被写
体距離が選択された場合には、この中央部被写体距離と
実際に撮影される画面の中央部の被写体距離とが異な
り、結果的に誤測距を行なうことになってしまう。
【0004】これを図2(b)を参照しながら説明する。
図2(b)は通常撮影時とマクロ撮影時とのそれぞれの撮
影画面に対する測距点の位置関係を示した斜視図であ
る。この図2(b)に示すように、通常撮影時では測距点
Aが撮影画面の中央部に位置しているが、この測距点A
はマクロ撮影時になると撮影画面の中央部から左斜め上
方向にずれてしまい、その中央部に位置するのは測距点
C’となる。つまり、近接撮影時に撮影画面の中央部で
被写体をとらえていたとしても、実際に測距を行なう測
距点は中央部のものではないために誤測距を行なってし
まう。
【0005】本発明の目的は、マクロ撮影時に実際に撮
影されるべき画面中央部に存在する被写体に対して誤測
距を行なうことなく確実にピントの合った写真が得られ
る多点測距装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる多点測距
装置は、少なくとも通常撮影モードと近接撮影モードと
のいずれか一方を択一的に選択可能な選択手段(5)を
含む多点測距装置において、前記通常撮影モード時にお
いて、ファインダー内の中央領域(P c )と、前記中央
領域の斜め下の領域(P L ,P R )とを含む複数の領域に
対応した被写体距離を各々別々に測距可能な測距手段
(1)であって、前記中央領域の斜め下の領域は、前記
近接撮影モード時において、ファインダー内の中央領域
近傍にくるように構成され、前記選択手段によって前記
通常撮影モードが選択されたときは、前記複数の領域で
得られた測距情報に基づいて撮影距離を決定し、前記選
択手段によって前記近接撮影モードが選択されたとき
は、前記中央領域の斜め下の領域で得られた測距情報に
基づいて撮影距離を決定する決定手段(2)を有する
のであり、これにより上記課題を解決する。
【0007】
【作用】本発明の多点測距装置によれば、選択手段によ
って近接撮影モードが選択されたときは、ファインダー
内の中央領域の斜め下の領域がファインダー内の中央領
域近傍にくるようにし、この中央領域の斜め下の領域で
得られた測距情報に基づいて撮影距離を決定するので、
マクロ撮影時に実際に撮影されるべき画面中央部に存在
する被写体に対して誤測距を行なうことなく確実にピン
トの合った写真が得られる多点測距装置を提供すること
ができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図3は本発明に係わる多点測距装置の実施
例を示したものであって、図1はブロック図、図2はフ
ァインダー内視野枠を示した図、図3は動作を説明する
フローチャートである。 (構成の説明)本実施例における多点測距装置は、図1
に示す如く、測距手段1と、CPU2と、記憶手段3
と、レンズ駆動手段4と、選択手段5等とから主に構成
される。
【0009】測距手段1は、図2(a)に示すように、撮
影画面6内の中央部PC,左下部PL,右下部PRの3ポ
イントが測距点である。この多点測距装置が適用される
カメラを図4に示す。カメラ7はその前面に撮影レンズ
8、測距投受光部9、ファインダー部10、ストロボ1
1をそれぞれ有しており、さらに上面にはレリーズボタ
ン12を有している。そして、図2(a)に示す如く、カ
メラ7は測距点PC,PL,PRに存在する被写体までの
撮影距離RC,RL,RRをそれぞれ測距可能である。
【0010】測距手段1の出力は、CPU2を介して記
憶手段3に一時記憶される。CPU2は、記憶手段3に
記憶されている測距情報に基づいて、後述するフローチ
ャート(図3)に従って、中央部PC と他の部分PL
R の被写体間の相対距離を演算すると共に、演算され
た被写体距離を比較して最適な撮影距離を演算するため
のものである。
【0011】CPU2の出力は、レンズ駆動手段4に接
続されている。レンズ駆動手段4はCPU2が決定した
撮影距離に基づいて、図示しない焦点調節用レンズを移
動させるものである。選択手段5は、通常撮影モードと
マクロ撮影モードとの何れか一方を択一的に選択するも
のであり、これは例えばカメラ7に外部操作可能に設け
られた選択スイッチによって通常撮影モードとマクロ撮
影モードとの何れか一方を選択設定するものである。ま
た測距手段1の出力に基づいて撮影者の操作によらず前
記撮影モードを自動的に選択設定することも可能であ
る。
【0012】(動作の説明) 次に、主に図3のフローチャートを参照しながら本実施
例の動作を説明する。先ず、ステップS190では選択
手段5の出力に基づいて撮影モードがマクロ撮影モード
であるか否かを判定する。 −マクロ撮影モード− 撮影モードがマクロ撮影モードである場合、すなわちカ
メラ7に外部操作可能に設けられた選択スイッチの出力
によりマクロ撮影モードが選択設定されていると判断さ
れた場合には、ステップS200で撮影画面の中央部P
Cで得られた測距情報を無視し、撮影画面の中央部PC
近い測距点からの測距情報に基づいて撮影距離を制御す
る。この測距点は、撮影レンズ8と測距投受光部9との
位置関係によって決定される。本実施例の場合は図2
(a)および図2(b)に示す如く測距点PRで得られる測距
情報に基づいて撮影距離が決定される。なお、マクロ撮
影モードか否かの判断は測距点PRで得られた測距情報
がマクロ領域であるか否かをみることによっても行なう
ことができる。
【0013】−通常撮影モード− 撮影モードがマクロ撮影モードでない場合、すなわち通
常撮影モードであるときには、ステップS201におい
て、中央部分の被写体距離RC に対して、その被写界深
度DRC内に他の部分の被写体距離RL ,RR が含まれる
か否かを判断する。中央部分の被写体距離RC の被写界
深度DRC内に他の部分の被写体距離RL ,RR が含まれ
るときには、中央部分の被写体距離RC を撮影距離とし
て選択し(ステップS212)、そうでないときにはス
テップS202へ進む。
【0014】次に、ステップS202では、中央部分の
被写体距離RC が最もカメラ側に近い被写体距離RMIN
であるか否かを判断し、等しい(RC =RMIN )ときに
は、その中央部分の被写体距離RC を撮影距離として選
択し(ステップS212)、そうでないときはステップ
S203へ進む。次に、ステップS203では左側部分
の被写体距離RL と右側部分の被写体距離RR のうちで
最もカメラ側に近い被写体RMIN (=RL またはRR
が、遠距離撮影か近距離撮影かを判断する遠近基準値a
(例えば1.5m)より近いか否かを判定する。近距離
撮影(RMIN ≦a)のときには、ステップS204へ進
み、遠距離撮影(RMIN >a)のときには、ステップS
205へ進む。
【0015】ステップS204では、中央部分の被写体
距離RC と最もカメラ側に近い被写体距離RMIN との距
離間隔ΔR(=RC−RMIN )を演算し、その距離間隔
ΔRと基準距離A(例えば50cm)とを比較する。中
央部分と最もカメラ側に近い被写体の距離間隔ΔRが基
準距離A内にある(ΔR≦A)ときには、中央部分の被
写体距離RC を撮影距離として選択し(ステップS21
2)、そうでないときには最もカメラ側に近い被写体距
離RMIN (=RL )を撮影距離として選択する(ステッ
プS211)。
【0016】一方、ステップS209では、最もカメラ
側に近い被写体距離RMIN (=RL またはRR )が、変
数X(例えば5m)より近いか否かを判定する。最もカ
メラ側に近い被写体距離RMINが変数Xより近い(R
MIN ≦X)ときには、ステップS210へ進み、遠いと
きには最もカメラ側に近い被写体距離RMIN を撮影距離
として選択する(ステップS211)。
【0017】ステップS210では、中央部分の被写体
距離RC と最もカメラ側に近い被写体距離RMIN との距
離間隔ΔR(=RC−RMIN )を演算し、その距離間隔
ΔRと基準距離B(例えば1m)とを比較する。中央部
分と最もカメラ側に近い被写体の距離間隔ΔRが基準距
離A内にある(ΔR≦B)ときには、中央部分の被写距
離RC を撮影距離として選択し(ステップS212)、
そうでないときには最もカメラ側に近い被写体距離R
MIN (=RL )を撮影距離として選択する(ステップS
211)。
【0018】以上の如く、本実施例における多点測距装
置によれば、マクロ撮影モードが選択されたときに、フ
ァインダー中央部分から得られた測距情報は無視し、中
央部分以外から得られた測距情報に基づいて撮影距離を
決定するので、マクロ撮影時に実際に撮影されるべき画
面中央部に存在する被写体に対して誤測距を行なうこと
なく確実にピントの合った写真が得られる多点測距装置
を提供することができる。
【0019】ところで、上述した実施例では測距手段1
が撮影画面内の3ポイントを測距可能なものを対象した
が、測距手段の構成としては図5(a)、図5 (b)に示す
ようなものでも良い。図5(a)に示す測距手段はAF受
光素子が画面横方向に広がって構成されているもので、
X、Y、Zの3つの領域について測距可能である。図5
(b)に示す測距手段はさらに5つの領域(X、Y1 、Y
2 、Z1 、Z2 )について測距可能である。これら図5
(a)、図5(b)の測距手段は所謂パッシブ方式のものを想
定している。図6は通常撮影時とマクロ撮影時とのそれ
ぞれの撮影画面に対する測距点の位置関係を示した斜視
図である。
【0020】なお、測距手段1を、ファインダー内の中
央領域を含む複数領域PC 、PR 、PL に対応した被写
体距離を各々別々に測距する第1モードと、中央領域を
除いた複数領域の何れか一つPR 、PL の被写体距離を
測距する第2モードとに切換可能に構成し、マクロ撮影
モードが選択されたときに自動的に第2モードに切り換
えられるように構成しても良い。
【0021】
【発明の効果】本発明の多点測距装置によれば、選択手
段によって近接撮影モードが選択されたときは、ファイ
ンダー内の中央領域の斜め下の領域がファインダー内の
中央領域近傍にくるようにし、この中央領域の斜め下の
領域で得られた測距情報に基づいて撮影距離を決定する
ので、マクロ撮影時に実際に撮影されるべき画面中央部
に存在する被写体に対して誤測距を行なうことなく確実
にピントの合った写真が得られる多点測距装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる多点測距装置のブロック図
【図2】(a)ファインダー内視野枠を示す図 (b)通常撮影時とマクロ撮影時とのそれぞれの撮影画面
に対する測距点の位置関係を示した斜視図
【図3】 本実施例の動作を説明するフローチャート
【図4】 本実施例の多点測距装置が適用されるカメラ
の正面図
【図5】(a)ファインダー内視野枠を示す図 (b)ファインダー内視野枠を示す図
【図6】 通常撮影時とマクロ撮影時とのそれぞれの撮
影画面に対する測距点の位置関係を示した斜視図

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも通常撮影モードと近接撮影モ
    ードとのいずれか一方を択一的に選択可能な選択手段を
    含む多点測距装置において、 前記通常撮影モード時において、ファインダー内の中央
    領域と、前記中央領域の斜め下の領域とを含む複数の領
    域に対応した被写体距離を各々別々に測距可能な測距手
    段であって、 前記中央領域の斜め下の領域は、前記近接撮影モード時
    において、ファインダー内の中央領域近傍にくるように
    構成され、 前記選択手段によって前記通常撮影モードが選択された
    ときは、前記複数の領域で得られた測距情報に基づいて
    撮影距離を決定し、 前記選択手段によって前記近接撮影
    モードが選択されたときは、前記中央領域の斜め下の領
    で得られた測距情報に基づいて撮影距離を決定する
    定手段を有することを特徴とする多点測距装置。
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