JP3046192U - コンクリート製品用の鉄筋構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート製品の内部に埋設されて、製品
の強度等を向上させるための鉄筋体を、コンクリート型
枠内の目的位置に、位置決め用のスペーサーを使用する
ことなく、正確に配設できるコンクリート製品用の鉄筋
構造（ワイヤーメッシュ及び格子組鉄筋を含む）に関す
る。 【解決手段】 コンクリート製品の内部に埋設される鉄
筋体であって、その四隅部に延伸状脚部を形成し、該脚
部の少なくとも三本の先端部がコンクリート型枠の三隅
部と対面状に位置するように、脚部を外向き拡開状に形
成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリート製品の内部に埋設されて、製品の強度等を向上させる ための鉄筋体を、コンクリート型枠内の目的位置に、位置決め用のスペーサーを 使用することなく、正確に配設できるコンクリート製品用の鉄筋構造（ワイヤー メッシュ及び格子組鉄筋を含む）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、側溝蓋等のコンクリート製品には、コンクリートのひび割れを防止 するための補強材としてのワイヤーメッシュや、コンクリートの引張耐力や剪断 耐力の強度を向上させるための補強鉄筋が使用されてきた。 本考案では、上述のワイヤーメッシュと補強鉄筋とを総称して、単に鉄筋体と 称することにするが、この鉄筋体をコンクリート型枠内に正確に配設するために は、各種形状のプラスチック製スペーサーを鉄筋体に取付けることが一般的であ る。

【０００３】 鉄筋体Ａの多くは格子状に組み立てられ、適度のカブリ厚さを確保した状態で 、コンクリート製品の内部に埋設される。 このカブリ厚さを確保する手段として、格子状鉄筋体Ａの四隅部に設けられた 垂直状の脚部１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄにはスペーサー１１（通常丸型が 多く使用される）が装着され、このスペーサー１１の縁部をコンクリート型枠５ のいずれかの表面に当接させて、格子状鉄筋体Ａがコンクリート型枠５内の目的 位置に正確に置かれていた（図７参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のようにスペーサー１１を格子状鉄筋体に装着させるというこ とは、スペーサーの装着作業に多大の手間をかけることであり、このスペーサー １１の数が多くなればなるほどその作業負担も増大し、かつスペーサーの材料コ ストも無視できない等の問題があった。

【０００５】 本考案は、鉄筋製作についての作業負担増及び経費負担増につながるスペーサ ーの装着を不要にして、コンクリート型枠内の目的位置に鉄筋体を正確に配設す ることができるコンクリート製品用の鉄筋構造を提供して、上記の問題点を解消 せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の課題を解決するための手段として、まず請求項１記載のものは コンクリート製品の内部に埋設される鉄筋体であって、その四隅部に延伸状脚部 を形成し、該脚部の少なくとも三本の先端部がコンクリート型枠の三隅部と対面 状に位置するように、脚部を外向き拡開状に形成したことを特徴とするコンクリ ート製品用の鉄筋構造である。

【０００７】 また請求項２記載のものは、 コンクリート製品の内部に埋設される鉄筋体であって、その四隅部に延伸状脚部 を形成し、各脚部の先端部がコンクリート型枠の四隅部と対面状に位置するよう に、脚部を外向き拡開状に形成したことを特徴とするコンクリート製品用の鉄筋 構造である。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案によれば、格子状に組み立てられた鉄筋体の四隅部の、少なくとも三隅 部以上に外向き拡開状に形成した脚部を形成し、その脚部の先端はコンクリート 型枠の四隅部と対面状に位置するようになっているため、コンクリート型枠の上 面よりこの鉄筋体を載置するだけで、鉄筋体はコンクリート型枠内の目的位置に 正確に置かれることになる。 この状態で、型枠内にコンクリートを充填すると、カブリ厚さを正確に確保し た適正なコンクリート製品が得られることになる。

【０００９】 上記の鉄筋体では、スペーサーを使用しないので、鉄筋体の製作に要する製作 コストが著しく低減するという特徴がある。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を実施例により具体的に説明するが、本考案はこれらに限定され るものではない。

【００１１】 本考案は、主鉄筋１と配力鉄筋２とを適当本数組み合わせて鉄筋体Ａを構成す る。 この鉄筋体Ａの四隅部３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄには、脚部４ａ、４ｂ、４ｃ、 ４ｄが設けられている。

【００１２】 この脚部４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄの少なくとも３本、あるいは全部が、外向き 拡開状に形成されている。ここで外向き拡開状とは、脚部４ａ・・・が垂直位置 よりも外側に開いた状態となっていることを意味し、その拡開角は特に制限され ない。

【００１３】 上記構成であるため、コンクリート型枠５内にこの鉄筋体Ａを載置すると、脚 部４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄの四方又は三方の先端が、自動的にコンクリート型枠 ５の四隅部６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄと対面状に位置することになる。

【００１４】 このため、鉄筋体Ａはコンクリート枠体５内の目的とする位置に、自動的に導 かれて収まり、その位置は極めて正確である。

【００１５】 さらに、前記脚部４ａ・・・の形状は直線状であることはもちろん、そのほか に脚部を内側に若干曲折した状態（図６参照）であっても構わない。この場合に は、脚部外側のカブリ厚さをどの程度必要とするか等の条件で、自由に曲折状態 を変更することが可能である。

【００１６】 つぎに、各脚部４ａ・・・の先端は、コンクリート充填後は、コンクリート製 品の表面に剥き出し状で表れることになるため、その部分から錆が発生して腐食 する惧れもある。このため、必要に応じて脚部先端にプラスチック製キャップ７ を冠設したり、ステンレスのような耐腐食性素材で脚部を製造したり、あるいは 脚部先端をメッキや塗料を塗布する等して防錆処理することで、脚部先端の錆の 発生を防止することができる。

【００１７】 完成品内の鉄筋体Ａは、コンクリート型枠内で自動的に正確な位置に収められ るため、これにより得られたコンクリート製品の外観及び強度等は従来品と比較 して全く遜色がないものとなる。

【００１８】 なお、鉄筋体Ａが大型になる場合には、その四隅部以外にも、鉄筋体の各四辺 の中間位置（図４参照）に脚部４ｘ、４ｘを補充的に設けるようにしてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

よって本考案によれば、従来必要とされていたスペーサーが全く必要なく、そ のため手作業で一本づつ各脚部に対しスペーサーを取付けるという煩雑な作業か ら解放され、またスペーサーのコストも不要となる等の優れた効果がある。

【００２０】 さらに本考案の鉄筋構造は、その四隅部の脚部が外向きで拡開されているため 、この鉄筋構造を多数積み重ねる際、上段のものが下段の内部にはまり込んで重 なり合うため、積み重ね時の容積が小さくなる等の特徴もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【図４】本考案の斜視図である。

【図５】本考案の脚部の一実施例である。

【図６】本考案の脚部の他の実施例である。

【図７】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 鉄筋体 １ 主鉄筋 ２ 配力鉄筋 ３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ 鉄筋体Ａの四隅部 ４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｘ 脚部 ５ コンクリート型枠 ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ コンクリート型枠の四隅部 ７ キャップ １０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ 従来の脚部 １１ スペーサー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート製品の内部に埋設される鉄
   筋体であって、その四隅部に延伸状脚部を形成し、該脚
   部の少なくとも三本の先端部がコンクリート型枠の三隅
   部と対面状に位置するように、脚部を外向き拡開状に形
   成したことを特徴とするコンクリート製品用の鉄筋構
   造。
2. 【請求項２】 コンクリート製品の内部に埋設される鉄
   筋体であって、その四隅部に延伸状脚部を形成し、各脚
   部の先端部がコンクリート型枠の四隅部と対面状に位置
   するように、脚部を外向き拡開状に形成したことを特徴
   とするコンクリート製品用の鉄筋構造。