JP3045790U

JP3045790U - 回転型裏刃付カッタ

Info

Publication number: JP3045790U
Application number: JP1997007211U
Authority: JP
Inventors: 恵司山崎
Original assignee: 山崎機工株式会社
Priority date: 1997-07-30
Filing date: 1997-07-30
Publication date: 1998-02-13
Anticipated expiration: 2003-07-30

Abstract

(57)【要約】【課題】カッタ刃刃先と裏刃刃先の段差調整を容易に
行え、カッタ刃が再研磨不能となった時には、取替え可
能な回転型裏刃付カッタを提供することにある。【解決手段】カッタ刃ユニット２及び裏刃ユニット３
を回転型裏刃付カッタ本体１に着脱可能に形成し、さら
に、回転型裏刃付カッタの裏刃ユニット３の装着面１ｂ
が、逃げ面２ａ₂ と平行であることにより、カッタ刃２
ａ刃先と裏刃３ａ刃先の段差調整をする際に、ボルトＢ
Ｌ₂ を緩め、カッタ本体１に設けられた装着面１ｂに添
ってスライドさせるだけで調整が可能となり、経験に寄
らず容易に行える。また、カッタ刃ユニット２がカッタ
本体１と別体であるため、カッタ刃２ａが再研磨不能と
なった時には、そのユニット単位で取替え可能であり、
カッタ本体１そのものを交換する必要がないため経済的
効果が大きい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は木材等を切削する回転型裏刃付カッタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

木材を切削する回転型裏刃付カッタにおいて、連続した切屑は、被削物の先割や逆目ぼれの原因となるが、これを防ぐ重要な要因として、カッタ刃刃先と裏刃刃先の段差が上げられ、これは、木材の材質等により可変とする必要がある。また、すくい面の研磨により段差のレベルが変わるため、微調整する必要がある。これらを解決するための従来技術として、特公昭５７−１５５２１号公報等により開示されているようなものが知られている。

【０００３】図１１及び図１２に示すように、回転型裏刃付カッタ本体１は、略円筒形状であり、該円筒形状の外周には、円周外方に拡開するコ字型溝Ｍが設けられており、該コ字型溝Ｍの一側には、カッタ刃２ａが回転型裏刃付カッタ本体１外周より突出するようにロ−付けされている。また、該カッタ刃２ａには、裏刃ユニット３にロ−付けされた裏刃３ａがカッタ刃２ａより半径方向内方に対置されており、裏刃ユニット３は、前記拡開するコ字型溝Ｍに入り込む断面逆台形状の裏刃押え板ＰＬを介してボルトＢＬにより固定されている。そして、カッタ刃２ａ刃先と裏刃３ａ刃先の段差調整は、前記ボルトＢＬを緩め、裏刃押え板ＰＬをフリ−にした状態で、裏刃ユニット３の高さを調整することにより行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、木材の材質等の変更や、すくい面２ａ₁ の研磨により、カッタ刃２ａ刃先と裏刃３ａ刃先の段差の調整の必要が生じた時に、裏刃ユニット３の高さを調整するためには、相当の経験を要するため、未経験者には長時間を要していた。また、カッタ刃２ａを回転型裏刃付カッタ本体１に直接ロ−付けする必要があるため、加熱と加圧を伴い、回転型裏刃付カッタ本体１に歪を生じてしまい、歪取りの作業工程が必要となる。さらに、カッタ刃２ａが再研磨不能となる迄使用した際には、回転型裏刃付カッタ本体１ごと交換する必要がある。

【０００５】本考案は、上記従来の問題を解決することを課題としてなされたもので、その目的とするところは、カッタ刃刃先と裏刃刃先の段差調整を容易に行え、カッタ刃を回転型裏刃付カッタ本体に歪みを生ずることなく取付け可能で、カッタ刃が再研磨不能となった時には、カッタ刃のみを取替え可能な回転型裏刃付カッタを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、略円筒形状の回転型裏刃付カッタ本体と、被削物を切削するすくい面と、該すくい面先端からすくい面の対向面に連続する逃げ面とにより形成されるカッタ刃と、該カッタ刃のすくい面に密着しつつ、該すくい面先端より一定量半径方向内方に対置される裏刃とを設けた回転型裏刃付カッタにおいて、カッタ刃ユニット及び裏刃ユニットを回転型裏刃付カッタ本体に着脱可能に形成し、さらに、回転型裏刃付カッタ本体の裏刃ユニット装着面が、前記逃げ面と平行であることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

図１及び図２に示すように、カッタ刃ユニット２及び裏刃ユニット３を回転型裏刃付カッタ本体１に着脱可能に形成し、さらに、回転型裏刃付カッタ本体１の裏刃ユニット３装着面の１ｂが、カッタ刃２ａの逃げ面２ａ₂ と平行であることにより、カッタ刃２ａ刃先と裏刃３ａ刃先の段差調整をする際に、ボルトＢＬ₂ を緩め、裏刃ユニット３を回転型裏刃付カッタ本体１に設けられた装着面１ｂに添ってスライドさせるだけで調整可能となり、また、カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ を研磨した際の位置決めも同様に可能となる。

【０００８】また、カッタ刃ユニット２が回転型裏刃付カッタ本体１と別体であるため、カッタ刃２ａが再研磨不能となった時には、そのユニット単位で取替え可能であり、さらに、カッタ刃２ａをカッタ刃ユニット２にロ−付した後に、回転型裏刃付カッタ本体１に取付可能となるので、回転型裏刃付カッタ本体１に熱応力による歪みを生ずることもない。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図１乃至図１０に基いて説明する。なお、本実施の形態において従来例と同一部材は同一符号を使用する。図１乃至図４に示すように、本考案にかかる回転型裏刃付カッタは、略円筒形状の回転型裏刃付カッタ本体１と、被削物を切削するすくい面２ａ₁ と、該すくい面２ａ₁ 先端からすくい面２ａ₁ の対向面に連続する逃げ面２ａ₂ とにより形成されるカッタ刃２ａと、該カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ に密着しつつ、該すくい面２ａ₁ 先端より一定量半径方向内方に対置される裏刃３ａと、回転型裏刃付カッタ本体１に着脱可能なカッタ刃２ａを有するカッタ刃ユニット２及び裏刃３ａを有する裏刃ユニット３とにより大略構成される。

【００１０】さらに、回転型裏刃付カッタ本体１は、図１に示すように、略円筒形状であり、その外周面には複数の凹部が形成されており、該凹部には、カッタ刃ユニット２と、裏刃ユニット３とが一対で装着される。また、図３に示すように、カッタ刃ユニット２と、裏刃ユニット３とが装着される装着面１ａ及び装着面１ｂには、回転型裏刃付カッタ本体１の長手方向に沿って複数のネジ孔が穿設されており、カッタ刃ユニット２と、裏刃ユニット３とが一対で装着された後、カッタ刃ユニット２はボルトＢＬ₁ により装着面１ａに固設され、裏刃ユニット３は裏刃押え板４を介してボルトＢＬ₂ で装着面１ｂに固設されることとなる。さらに、裏刃ユニット３の装着面１ｂは、カッタ刃ユニット２が装着される部位からボルトＢＬ₂ が螺合されるネジ孔に向って上方に傾斜する傾斜面とされる。

【００１１】また、カッタ刃ユニット２は図５及び図６に示すように、略長方体形状であり、その断面は、カッタ刃２ａが固着される固着面２ｓ₁ と、該固着面２ｓ₁ に対向する回転型裏刃付カッタ本体１への突当面２ｓ₃ 、２ｓ₄ と、該突当面２ｓ₄ から前記固着面２ｓ₁ に向って上方に傾斜する傾斜面２ｓ₅ とにより形成されるが、固着面２ｓ₁ は、カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ とほぼ平行であり、傾斜面２ｓ₅ は、カッタ刃２ａの逃げ面２ａ₂ とほぼ平行である。

【００１２】さらに、前記傾斜面２ｓ₅ の中心付近には、カッタ刃ユニット２を回転型裏刃付カッタ本体１の装着面１ａにボルトＢＬ₁ により固設するための複数の孔２₁ 、２₂ 、２₃ が長手方向に沿って穿設されている。さらに、カッタ刃２ａがロ−付により固着される固着面２ｓ₁ には、該固着面２ｓ₁ と交差する鍵状の固着面２ｓ₂ も形成されている。

【００１３】次に、裏刃ユニット３は、図７及び図８に示すように、略三角柱形状であり、傾斜面３ｓ₃ の対角一辺に、固着面３ｓ₁ と、該固着面３ｓ₁ に交差する鍵状の固着面３ｓ₂ とが形成され、この固着面３ｓ₁ 、３ｓ₂ に裏刃３ａが固着される。ここで、傾斜面３ｓ₃ が回転型裏刃付カッタ本体１の傾斜する装着面１ｂに装着されることにより、カッタ刃２ａと裏刃３ａが面接触（密着）することとなる。さらに、固着面３ｓ₁ とほぼ直角をなす上面３ｓ₄ は、固着面３ｓ₁ 付近からなだらかに傾斜し、裏刃３ａの先端傾斜面３ａ₂ に連続するように形成されている。また、上面３ｓ₄ には、中心付近から前記固着面３ｓ₂ の反対側に解放するように、複数の長孔３₁ 、３₂ 、３₃ が三角柱の長手方向に沿って穿設されている。該長孔３₁ 乃至長孔３₃ により裏刃ユニット３が長孔方向に自由に可動となり、カッタ刃２ａ刃先と裏刃３ａ刃先の段差調整が可能となる。

【００１４】さらに、カッタ刃２ａは、図６に示すように、すくい面２ａ₁ の頂点刃先から逃げ面２ａ₂ を形成し、すくい面２ａ₁ の対向面には、固着面２ａ₃ が形成されており、カッタ刃ユニット２の固着面２ｓ₁ 及び２ｓ₂ にロ−付けすることにより、固着される。また、カッタ刃２ａの材料は、超硬製材料等の耐摩耗性に優れたものとする。

【００１５】裏刃３ａは、図８に示すように、カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ と密着するよう取付けられる密着面３ａ₁ が形成され、該密着面３ａ₁ の対向面には、固着面３ａ₃ が形成されており、該固着面３ａ₃ は裏刃ユニット３の固着面３ｓ₁ 及び３ｓ₂ にロ−付けすることにより固着される。さらに、前記固着面３ａ₃ から密着面３ａ₁ にかけて傾斜する傾斜面３ａ₂ が形成されており、該傾斜面３ａ₂ はカッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ と相まって、連続した切屑を抑える役割をする。さらに、裏刃３ａの材料は、超硬製材料等の耐摩耗性に優れたものとする。

【００１６】また、裏刃押え板４は図９及び図１０に示すように、略平板形状であり、裏刃ユニット３を押える押え面４ｓ₁ と、該押え面４ｓ₁ に垂直で回転型裏刃付カッタ本体１への突当面４ｓ₂ と、該突当面４ｓ₂ の対向面に形成された傾斜面４ｓ ₄ と、前記押え面４ｓ₁ に対向する上面４ｓ₃ とにより形成され、該上面４ｓ₃ にはボルトＢＬ₂ を連通させる複数の孔４₁ 、４₂ 、４₃ が平板形状の長手方向に沿って穿設されている。

【００１７】次に、カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ の研磨時の調整方法を図３及び図４により説明すると、まず、裏刃ユニット３をボルトＢＬ₂ を取り外し、裏刃押え板４を外すことにより回転型裏刃付カッタ本体１から外した後に、カッタ刃２ａのすくい面２ａ₁ と逃げ面２ａ₂ を研磨して外周精度を出す。次に、カッタ刃２ａと裏刃３ａの段差調整をすることとなるが、裏刃ユニット３が装着される装着面１ｂは、カッタ刃ユニット２が装着される部位からボルトＢＬ₂ が螺合されるネジ孔に向って上方に傾斜し、さらに、研磨されているので、裏刃ユニット３の傾斜面３ｓ₃ を回転型裏刃付カッタ本体１の装着面１ｂに合わせ、スライドさせることにより、段差調整が完了することになる。

【００１８】つまり、回転型裏刃付カッタ本体１の裏刃ユニット３の装着面１ｂの形成角度 βが、カッタ刃２ａの逃げ角αと同一であるため、回転型裏刃付カッタ本体１の裏刃ユニット３の装着面１ｂと逃げ面２ａ₂ とが平行となり、カッタ刃２ａの研磨量Ｌ分だけ裏刃ユニット３をカッタ刃ユニット２方向にスライドさせれば、常にカッタ刃２ａと裏刃３ａの段差γは相対的に同一に保たれることになる。なお、段差γが足りない場合には、裏刃ユニット３の傾斜面３ｓ₃ と、回転型裏刃付回転型裏刃付カッタ本体１の装着面１ｂとの接触面にシムを入れる等の調節も可能である。

【００１９】

【考案の効果】

カッタ刃ユニット及び裏刃ユニットを回転型裏刃付カッタ本体に着脱可能に形成し、さらに、回転型裏刃付カッタ本体の裏刃ユニットの装着面が、カッタ刃の逃げ面と平行であることにより、カッタ刃と裏刃の段差調整をする際に、ボルトを緩め、裏刃ユニットを回転型裏刃付カッタ本体に設けられた装着面に添って落下させるだけで調整が可能となり、経験に寄らず短時間で容易に行え、しかも精度が確実に出せる。また、カッタ刃のすくい面を研磨した際の位置決めも同様に容易となる。

【００２０】また、カッタ刃ユニットが回転型裏刃付カッタ本体と別体であるため、カッタ刃が再研磨不能となった時には、そのユニット単位で取替え可能であり、回転型裏刃付カッタ本体そのものを交換する必要がないため経済的効果が大きい。さらに、カッタ刃をカッタ刃ユニットにロ−付した後、該カッタ刃ユニットを回転型裏刃付カッタ本体に取付可能とすることで、回転型裏刃付カッタ本体に熱応力による歪みを生ずることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態にかかる回転型裏刃付カッ
タの縦断面図を示す。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図を示す。

【図３】本考案の実施の形態にかかる回転型裏刃付カッ
タのカッタ部の詳細を示す。

【図４】本考案の実施の形態にかかる回転型裏刃付カッ
タのカッタ刃刃先と裏刃刃先の段差調整を示す。

【図５】本考案の実施の形態にかかるカッタ刃ユニット
を示す。

【図６】図５のＢ−Ｂ断面図を示す。

【図７】本考案の実施の形態にかかる裏刃ユニットを示
す。

【図８】図７のＣ−Ｃ断面図を示す。

【図９】本考案の実施の形態にかかる裏刃押え板を示
す。

【図１０】図９のＤ−Ｄ断面図を示す。

【図１１】従来例にかかる回転型裏刃付カッタの斜視図
を示す。

【図１２】図１１の回転型裏刃付カッタから裏刃ユニッ
トを取りはずした状態を示す。

【符号の説明】

１カッタ刃本体２カッタ刃ユニット２ａカッタ刃２ａ₁ すくい面２ａ₂ 逃げ面３裏刃ユニット３ａ裏刃４裏刃押え板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】略円筒形状の回転型裏刃付カッタ本体
と、被削物を切削するすくい面と、該すくい面先端から
すくい面の対向面に連続する逃げ面とにより形成される
カッタ刃と、該カッタ刃のすくい面に密着しつつ、該す
くい面先端より一定量半径方向内方に対置される裏刃と
を設けた回転型裏刃付カッタにおいて、カッタ刃ユニッ
ト及び裏刃ユニットを回転型裏刃付カッタ本体に着脱可
能に形成し、さらに、回転型裏刃付カッタ本体の裏刃ユ
ニット装着面が、前記逃げ面と平行であることを特徴と
する回転型裏刃付カッタ。