JP3045384U - 従車の全方位位置決め可能なマルタクロス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従車の全方位位置決め可能なマルタクロス。 【解決手段】 原車の盤面の対称位置に高駆動ピンと低
駆動ピンが設けられ、原車の盤面の中心位置に二つの位
置決め円桿或いは半円形の係止ブロックが設けられ、原
車の駆動により間欠運動を形成する従車の歯の前端が延
伸され半円凸弧が形成され、別に従車にあって上記低駆
動ピンの経路に方向案内円弧溝と凹溝が設けられ、低駆
動ピンによる方向案内円弧溝の引導及び高駆動ピンと低
駆動ピンによる半円凸弧の挟持及び二つの位置決め円桿
或いは半円形の係止ブロックによる適時の係止により、
従車に対して全方位の位置決めを達成して従車の非常態
性の移動を防止できるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のマルタクロスに関し、さらに詳しくは原車に設けた高低の駆動 ピンで従車の歯の半円凸弧を挟持し、原車の二つの位置決め円桿或いは半円形の 係止ブロックで、従車の歯を位置決めすることと、従車の歯の方向案内円弧溝に よる駆動ピンに対する制限により、従車を全方位で位置決めして非常態性の移動 を発生させないようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在、マルタクロスを使用した総合切削機械或いはその他の加工機械の伝動バ イトホルダには、位置決め時に非常態性の移動が発生して完全に位置決めできな い状況が発生しやすかった。伝統的な構造では、一般に原車の駆動ピンの駆動に より従車に間欠運動を発生させてそれが定位置に至った時、従車の円周に設けら れた凹弧部が原車の約１８０°の半月形の係止ブロックの係止を受けるようにし て、係止ブロックで従車を次に駆動されるまで、位置決め状態に保持して従車に 固定されたバイトホルダをそれ以上移動させないようにし、加工機とバイトホル ダがバイト交換時に干渉と刃物の衝突を発生するのを防いでいる。

【０００３】 伝統的なマルタクロスの位置決め構造では、回転角度変化の関係から半月形の 係止ブロックは１８０°より小さく設けられ、従車の係止溝は半円形態とされ、 且つ原車の駆動軸と従車はそれぞれ回転経路を有しているため、半月形の係止ブ ロックが回転して適当な角度に至ると、その半月形の係止ブロックの特殊設計に より、回転時に従車との間に間隙が形成され、係止ブロックが９０°から１２０ °回転するとき、即ち垂直或いは１２０°回転するとき、間隙は最大に達し、こ のような移動間隙が操作と機械構造の安全性に厳重な影響を与えた。

【０００４】 図１、２、３を参照されたい。従車の歯１０が原車１１の駆動ピン１２で駆動 されるとき、原車１１の半月形の係止ブロック１３は駆動ピン１２の回転により 歯１０の半円凹溝１４に適時嵌入し、それにより歯を位置決めする。しかし、半 月形の係止ブロック１３はゆっくりと半円凹溝１４に嵌入するため、駆動ピン１ ２がすでに歯１０を離脱した時、半円形の係止ブロック１３はただ半分しか進入 しておらず、このため、図に示されるθ長さの間隙が形成され、その間隙は半円 形の係止ブロック１３のゆっくりした回転に伴い漸次縮小するとはいえ、駆動ピ ン１２が回転してもう一辺の半円形の係止ブロック１３が漸次離脱する時、θ長 さの間隙が再び発生して漸次大きくなり、この間隙は従車が振動或いはその他の 揺動を受けた時に滑移状況を発生する場合があり、この時、もし機械アーム或い は各式の刃物を装着してあるバイトホルダが加工機の主軸部分に進入して刃物を 取り出す動作を進行すると、刃物に衝突したり或いは干渉現象が発生して機械が 損傷する恐れがあり、またもし操作員が横で操作していれば危険であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、原車の高低駆動ピンと二つの位置決め円桿或いは半円形の係止ブロ ックで、原車により駆動され間欠運動を行う従車の歯を挟持することで、従車に 非常態性の位置ずれや滑動を発生させず、従車に取り付けた刃物の出し入れを正 確に行えるようにし、並びに駆動ピンを正確に駆動軌跡に案内して駆動ピンと二 つの位置決め円桿或いは半円形の係止ブロックと従車との間に干渉現象を発生さ せないようにした、一種のマルタクロスを提供することを課題としている。

【０００６】 本考案は次に、従車に延伸凸設された半円凸弧により駆動ピンの従車の歯との 係止角度と係止時間を増せるようにした、一種のマルタクロスを提供することを 課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、駆動軸末端に設けられて該駆動軸に連動する原車により円 周に放射状に歯が設けられた従車を駆動して間欠運動を行わせるマルタクロスに あって、 原車の盤面上の対称位置に高駆動ピンと低駆動ピンが設けられ、原車の盤面上 にさらに二つの位置決め円桿が設けられ、従車の歯の前端に、該高駆動ピンの経 路内周となるよう延伸されて半円凸弧が設けられ、該歯にあって該低駆動ピンの 経路に方向案内円弧溝と凹溝が設けられ、高駆動ピンが歯の駆動開始点に至る時 に低駆動ピンが上記凹溝に至り、二つの位置決め円桿が従車に設けられた半円凹 溝を離脱し、高駆動ピンが歯の移動終点に至る時、低駆動ピンが接続する歯の前 端に至り、こうして歯の停止段階で高駆動ピンと低駆動ピンによる係止を受ける ことと二つの位置決め円桿による半円凹溝に対する係止と、低駆動ピンが方向案 内円弧溝に制限されることで、従車が正確に位置決めできるようにしてなる、従 車の全方位位置決め可能なマルタクロスとしている。

【０００８】 請求項２の考案は、前記二つの位置決め円桿の代わりに半円形の係止ブロック が設けられて、該半円形の係止ブロックが従車の半円凹溝に係止されることを特 徴とする、請求項１に記載の従車の全方位位置決め可能なマルタクロスとしてい る。

【０００９】 請求項３の考案は、従車の歯の底前方に、該従車の中心を延伸として原車の中 心までを半径として欠け部が設けられ、該欠け部を設けた歯の中央の適当な位置 に内に凹んだ半円凹溝が設けられ、欠け部が二つの位置決め円桿或いは半円形の 係止ブロックの逃れ空間とされ、半円凹溝が二つの位置決め円桿或いは半円形の 係止ブロックの係止溝とされた、請求項１に記載の従車の全方位位置決め可能な マルタクロスとしている。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案の従車の全方位位置決め可能なマルタクロスは、原車の盤面の対称位置 に高駆動ピンと低駆動ピンが設けられ、原車の盤面の中心位置に二つの位置決め 円桿或いは半円形の係止ブロックが設けられ、原車の駆動により間欠運動を形成 する従車の歯の前端が延伸され半円凸弧が形成され、別に従車にあって上記低駆 動ピンの経路に方向案内円弧溝と凹溝が設けられ、低駆動ピンによる方向案内円 弧溝の引導及び高駆動ピンと低駆動ピンによる半円凸弧の挟持及び二つの位置決 め円桿或いは半円形の係止ブロックによる適時の係止により、従車に対して全方 位の位置決めを達成して従車の非常態性の移動を防止できるようにしてある。

【００１１】

【実施例】

図４、８に示されるように、本考案のマルタクロスは、駆動軸２１に設けられ た原車２２の盤面上の対称位置に、高駆動ピン２３と低駆動ピン２４が設けられ 、原車２２の中心位置に二つの位置決め円桿２６、２７或いは半円形の係止ブロ ック２５が設けられ、半円形の係止ブロック２５の凹弧２５１は高駆動ピン２３ に対向している。従車３０の歯３１の前端には半円凸弧３６が延伸され、その延 伸長さは高駆動ピン２３の回転半径により定められ、別に従車３０にあって、低 駆動ピン２４の経路の底側に方向案内円弧溝３２が設けられ、該方向案内円弧溝 ３２と低駆動ピン２４は精密な位置制限と案内を行い、低駆動ピン２４が方向案 内円弧溝３２内にある時、半円凸弧３６は位置ずれを発生しない。

【００１２】 図７、１１に示されるのは従車３０の歯部分の断面であり、該高駆動ピン２３ の高度は従車３０の半円凸弧３６の縁の高さと同じとされ、従車３０の歯３１の 前底側に、従車３０を中心として原車２２の中心長さを半径とした一つのラジア ンを有する欠け部３５が設けられ、該欠け部３５の位置の歯の中心側が凹んで一 つの半円凹溝３４が設けられ、該欠け部３５の深さは方向案内円弧溝３２の深さ より浅く、また低駆動ピン２４の高さより浅く、これにより低駆動ピン２４が欠 け部３５位置を進行する時、二つのピンの係止作用により歯３１の縁に沿って進 行することができる。

【００１３】 図５、６、９、１０に示されるように、高駆動ピン２３が歯３１の半円凸弧３ ６に沿って進行する時、低駆動ピン２４はちょうど歯３１の方向案内円弧溝３２ に進入し、該歯３１がちょうど高駆動ピン２３と低駆動ピン２４により挟まれて 任意に揺動しない状態とされ、それと同時に二つの位置決め円桿２６、２７或い は半円形の係止ブロック２５が漸次半円凹溝３４に進入し、この高駆動ピン２３ と低駆動ピン２４による挟持と二つの位置決め円桿２６、２７或いは半円形の係 止ブロック２５の係止の下で高駆動ピン２３が歯３１の揺動駆動開始点で止まり 、こうして高駆動ピン２３と低駆動ピン２４及び二つの位置決め円桿２６、２７ 或いは半円形の係止ブロック２５の作用位置関係により正確な位置決め効果が達 成する。

【００１４】 また高駆動ピン２３が歯３１を駆動して移動させる時、該低駆動ピン２４は凹 溝３３より歯３１を離脱し、二つの位置決め円桿２６、２７或いは半円形の係止 ブロック２５は欠け部３５より歯３１に移動し、高駆動ピン２３が歯３１を駆動 して移動させてその行程が結束した時、高駆動ピン２３は即ちそれに接続する歯 ３１の低駆動ピン２４が離脱した方向案内円弧溝３２にあり、このとき、該低駆 動ピン２４は接続する歯３１の前縁に接触し、このとき接続する歯３１は再度、 高駆動ピン２３と低駆動ピン２４に二つの位置決め円桿２６、２７或いは半円形 の係止ブロック２５の組み合わせによる係止状態に進入し、高駆動ピン２３が再 度歯３１を駆動するまで停止する。こうして、連続して歯３１が随時高駆動ピン ２３と低駆動ピン２４に二つの位置決め円桿２６、２７或いは半円形の係止ブロ ック２５の組み合わせによる係止を受けることで、間欠運動を行う従車３０が非 常態性の回転移動を発生せず、刃物取り出し時に刃物が衝突する状況を防ぐこと ができ、バイトホルダの使用の安全性を確保することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上の構造により、本考案のマルタクロスは従車を全方位で位置決めでき、バ イトホルダの使用上の安全性を保障できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知のバイトホルダのマルタクロスの動作表示
図である。

【図２】周知のバイトホルダのマルタクロスのもう一つ
の動作表示図である。

【図３】周知のバイトホルダのマルタクロスの一部動作
表示図である。

【図４】本考案の斜視図である。

【図５】本考案の部分動作表示図である。

【図６】本考案のもう一つの部分動作表示図である。

【図７】本考案の部分断面図である。

【図８】本考案のもう一つの実施例の斜視図である。

【図９】本考案のもう一つの実施例の部分動作表示図で
ある。

【図１０】本考案のもう一つの実施例のもう一つの部分
動作表示図である。

【図１１】本考案のもう一つの実施例の部分断面図であ
る。

【符号の説明】

２１ 駆動軸 ２２ 原車 ２３ 高駆動ピン ２４ 低駆動ピン ２５ 半円形の係止ブロック ２５１ 凹弧 ３０ 従車 ３１ 歯 ３２ 方向案内円弧溝 ３３ 凹溝 ３４ 半円凹溝 ３５ 欠け部 ３６ 半円凸弧

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動軸末端に設けられて該駆動軸に連動
   する原車により円周に放射状に歯が設けられた従車を駆
   動して間欠運動を行わせるマルタクロスにあって、 原車の盤面上の対称位置に高駆動ピンと低駆動ピンが設
   けられ、原車の盤面上にさらに二つの位置決め円桿が設
   けられ、従車の歯の前端に、該高駆動ピンの経路内周と
   なるよう延伸されて半円凸弧が設けられ、該歯にあって
   該低駆動ピンの経路に方向案内円弧溝と凹溝が設けら
   れ、高駆動ピンが歯の駆動開始点に至る時に低駆動ピン
   が上記凹溝に至り、二つの位置決め円桿が従車に設けら
   れた半円凹溝を離脱し、高駆動ピンが歯の移動終点に至
   る時、低駆動ピンが接続する歯の前端に至り、こうして
   歯の停止段階で高駆動ピンと低駆動ピンによる係止を受
   けることと二つの位置決め円桿による半円凹溝に対する
   係止と、低駆動ピンが方向案内円弧溝に制限されること
   で、従車が正確に位置決めできるようにしてあり、以上
   の構成よりなる、従車の全方位位置決め可能なマルタク
   ロス。
2. 【請求項２】 前記二つの位置決め円桿の代わりに半円
   形の係止ブロックが設けられて、該半円形の係止ブロッ
   クが従車の半円凹溝に係止されることを特徴とする、請
   求項１に記載の従車の全方位位置決め可能なマルタクロ
   ス。
3. 【請求項３】 従車の歯の底前方に、該従車の中心を延
   伸として原車の中心までを半径として欠け部が設けら
   れ、該欠け部を設けた歯の中央の適当な位置に内に凹ん
   だ半円凹溝が設けられ、欠け部が二つの位置決め円桿或
   いは半円形の係止ブロックの逃れ空間とされ、半円凹溝
   が二つの位置決め円桿或いは半円形の係止ブロックの係
   止溝とされた、請求項１に記載の従車の全方位位置決め
   可能なマルタクロス。