JP3044988B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP3044988B2
JP3044988B2 JP5274323A JP27432393A JP3044988B2 JP 3044988 B2 JP3044988 B2 JP 3044988B2 JP 5274323 A JP5274323 A JP 5274323A JP 27432393 A JP27432393 A JP 27432393A JP 3044988 B2 JP3044988 B2 JP 3044988B2
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岳志 駒野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然楽器の楽音をシミ
ュレートするようにした電子楽器の音源装置に関し、詳
細には自然楽器における物理モデルをシミュレートする
電子楽器、他にマルチメディア機器、ゲーム機器に好適
な楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器の分野において、例え
ば、管楽器などの自然楽器における音波の振る舞いをデ
ジタル波形の共鳴、反射等によってシミュレートする所
謂物理モデル音源が開発されており、自然楽器の音色に
極めて近い音色の楽音を発生できるようになっている。
【0003】例えば、管楽器をシミュレートする音源と
して特開平2−293898号公報、特開平4−706
99号公報に開示されたものがある。このような音源
は、可変遅延回路を含む遅延ループ回路で励振信号を循
環させるとともに、音高情報に応じて可変遅延回路の遅
延量を制御することにより倍音成分を抽出して、管楽器
の共鳴現象をシミュレートしている。
【0004】また、管楽器の吹奏圧、リードの銜え方あ
るいはマウスピースへの唇の当て方など発音指示操作の
特徴に応じた息圧信号やアンブシュア信号を励振信号と
するとともに、この励振信号を非線形テーブルやフィル
タを通すことにより、リードの特性、マウスピース内の
空気圧の特性、共鳴管の特性等をシミュレートするよう
にしている。
【0005】このように、物理モデル音源によれば、前
記のような発音指示操作の特徴や管楽器の物理的特性を
シミュレートしているので、例えば息圧に応じて音色が
微妙に変化するなど、自然楽器に近い楽音を得ることが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな物理モデル音源によれば、非線形テーブルやフィル
タの特性により、例えば息圧を変化させると音色の他に
ピッチまで変化してしまうなど、自然楽器に近い振る舞
いをすることが返って問題となることがある。
【0007】自然楽器でも当然このような現象が生じる
が、熟練した演奏者は、例えば息圧を変化させた場合ピ
ッチが変わらないように音を聴きながらアンブシュアを
制御するなどしており、このような技術を駆使するとな
ると演奏が難しくなってしまう。
【0008】しかし、電子楽器においては易しく演奏で
きることが要求される場合も多く、従来の物理モデル音
源のようなピッチ変化を抑えることが要求されている。
なお、前記のように熟練した演奏者が行う制御をシミュ
レートすることは、計算時間やパラメータ間の相関関係
等の問題で実現することが困難である。
【0009】なお、遅延ループ回路におけるフィルタは
遅延特性を持っているが、このフィルタの係数等は音色
パラメータによって設定される。したがって、この音色
パラメータを編集するとフィルタの遅延特性も変化し、
これが遅延ループ回路の遅延特性に影響して楽音信号の
ピッチが変動する。
【0010】このため、例えば特開平4−70699に
示されているように、実際に出力される楽音信号のピッ
チがキーコードに対応して予め設定されたピッチになる
ように自動調整する所謂オートチューニング機構を備え
たものもある。しかし、このオートチューニング機構で
ピッチを調整しても、前記の息圧信号やアンブシュア信
号などの条件が調整時の条件と異なると当然ピッチが狂
ってしまう。
【0011】本発明は、上記の欠点を改善するためにな
されたものであり、物理モデル音源において、簡単な構
成で息圧等の要因に対してピッチの安定した楽音を発生
できるようにすることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の楽音合成装置は、可変遅延手段とフ
ィルタ手段を閉ループ接続した閉ループ手段で発音指示
作に応じた励振信号を循環させるとともに、音高情報
に応じて上記可変遅延手段の遅延量を制御することによ
り音高情報に対応する楽音信号を発生する楽音合成装置
において、発音指示操作に伴って所定の態様の演奏操作
がなされた場合、該演奏操作に応じた制御信号を発生す
る制御信号発生手段と、前記制御信号に応じて、前記励
振信号を変動せしめる励振制御手段と、前記制御信号に
応じて前記可変遅延手段の遅延量を補正する遅延量補正
手段を備え、前記励振制御手段により変動された励振
信号によって前記閉ループ手段を励振し、かつ前記遅延
量補正手段により、前記励振信号の変動が及ぼす前記楽
音信号の音高変化を補正するようにしたことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】本発明の楽音合成装置において、発音指示操
応じた励振信号を可変遅延手段とフィルタ手段を閉ル
ープ接続した閉ループ手段で循環させるとともに、音高
情報に応じて可変遅延手段の遅延量が制御されることに
より音高情報に対応する楽音信号が発生される。また、
制御信号発生手段は、発音指示操作に伴って所定の態様
の演奏操作がなされた場合、該演奏操作に応じた制御信
号を発生し、励振制御手段は、前記制御信号に応じて、
前記励振信号を変動せしめ、遅延量補正手段は、前記制
御信号に応じて前記可変遅延手段の遅延量を補正する。
そして、前記励振制御手段により変動された励振信号に
よって前記閉ループ手段が励振され、かつ遅延量補正手
段により、励振信号の変動が及ぼす楽音信号の音高変化
補正される
【0014】なお、上記発音指示操作の特徴とは、息
圧、アンブシュア、リードの隙間やタンギング奏法にお
けるマウスピースと舌との隙間など、励振信号を変化さ
せる要因となるものである。
【0015】
【実施例】図1は本発明実施例の楽音合成装置を用いた
電子楽器の要部ブロック図であり、この実施例の電子楽
器における楽音合成回路10は管楽器の物理モデルをシ
ミュレートして楽音信号OUTを出力する。
【0016】また、この電子楽器は、鍵盤演奏を行うた
めの鍵盤20、ピッチを増減させるためのピッチベンド
操作子30、演奏に表情をつけるために操作するペダ
ル、ホイール、ジョイスティック等の演奏補助操作子4
0、オートチューニング機能を起動するためのオートチ
ューニングスイッチ50、音色を選択するための音色指
定部60を備えている。そして、音色指定部60で音色
を選択し、チューニングスイッチ50でオートチューニ
ングを行い、鍵盤20、ピッチベンド操作子30、演奏
補助操作子40の操作によって演奏が行われる。
【0017】操作子制御部1は、鍵盤20の操作イベン
トにより操作された鍵に対応するキーコードKKC、鍵
の押圧力(イニシャルタッチおよびアフタータッチ)に
応じたタッチ信号TOUCH、発音または消音を指示す
るキーオン信号KONをそれぞれ出力し、ピッチベンド
操作子30の操作イベントによりピッチの増減を指示す
るピッチベンド信号PBを出力する。
【0018】また、演奏補助操作子40における所定の
操作子の操作イベントにより、楽音に抑揚を付加するモ
デュレーション信号MOD、管楽器のリードに対するア
ンブシュアをシミュレートするためのアンブシュア信号
EMBS、管楽器演奏におけるタンギングをシミュレー
トするためのタンギング信号TANGINGをそれぞれ
出力し、さらに、オートチューニングスイッチ50の操
作イベントによりオートチューニングのオン/オフ信号
TUNEを出力し、音色指定部60の操作イベントによ
り選択された音色の音色番号TCを出力する。
【0019】なお、管楽器演奏におけるタンギングと
は、マウスピースとリードのスリット(リードのないも
のはマウスピースのスリット)を舌先で塞ぐことによ
り、吹奏圧を瞬間的に止めて音を切るような奏法であ
る。
【0020】息圧エンベロープジェネレータ2は、この
実施例における励振信号である息圧信号PRESのもと
となる息圧エンベロープ信号PEGを生成する回路であ
り、図4に示したように、この息圧エンベロープ信号P
EGは、キーオン信号KONが“H”レベル(押鍵状
態)になると立ち上がって、アタック、ディケイ、サス
ティンおよびリリースのエンベロープ形状で時間的にレ
ベルが変化する信号となる。
【0021】また、このエンベロープの形状は、息圧エ
ンベロープパラメータ供給部3から供給されるアタック
信号ATTACK、ディケイ信号DECAY、サスティ
ン信号SUSTAINおよびリリース信号RELEAS
Eにより、図4に示した量を指定することにより決定さ
れる。さらに、息圧エンベロープパラメータ供給部3
は、アタック信号ATTACK、ディケイ信号DECA
Y、サスティン信号SUSTAINおよびリリース信号
RELEASEを音色番号TCとキーコードKCに応じ
て出力し、息圧エンベロープ信号のエンベロープ形状は
音色番号とキーコードに応じたものとなる。
【0022】そして、息圧エンベロープジェネレータ2
から出力される息圧エンベロープ信号PEGは、タッチ
信号TOUCHが乗算され、さらに、モデュレーション
信号MODが加算されて息圧信号PRESとしてディレ
イ制御部4と楽音合成回路10に出力される。
【0023】なお、息圧エンベロープジェネレータ2
は、通常は図4のようなアタック、ディケイおよびリリ
ースを有するエンベロープ形状の息圧エンベロープ信号
PEGを出力するが、オートチューニング時には、チュ
ーニングコントロール信号TUNECONTの入力によ
り、息圧エンベロープ信号PEGの出力値をSUSTA
IN信号で設定される一定値に保持する。
【0024】スリットゲイン供給部5は音色番号TCに
応じたスリットゲイン信号SLITGAINをディレイ
制御部4と減算器5aに出力する。減算器5aは、この
スリットゲイン信号SLITGAINからタンギング信
号TANGINGを減算してタンギングの効果を付与し
たスリットゲイン信号SLITGとして楽音合成回路1
0に出力する。
【0025】リードダイナミックフィルタ係数供給部6
は、音色番号TC、息圧信号PRESおよびアンブシュ
ア信号EMBSに応じてリードの特性をシミュレートす
るためのパラメータRDFを楽音合成回路10に出力
し、ループフィルタ/ゲイン係数供給部7は、音色番号
TCに応じて共鳴管の特性をシミュレートするためのパ
ラメータLFおよびLGを楽音合成回路10に出力す
る。
【0026】図3は楽音合成回路10の回路図であり、
この楽音合成回路10は、ディレイ回路10a、フィル
タ10b、ゲイン調整器10c、減算器10d、リード
ダイナミックフィルタ10e、加算器10f、乗算器1
0g、非線形テーブル10hおよび乗算器10iを閉ル
ープに接続し、GRAHAM函数テーブル10jを加算
器10f、乗算器10gおよび非線形テーブル10hに
対して並列に接続し、息圧信号PRESを減算器10d
から入力するように構成されている。
【0027】ディレイ回路10aはディレイ時間が可変
になっており、後述説明するディレイ制御部4から設定
されるディレイ時間DLによって共鳴管の管長をシミュ
レートする。また、フィルタ10bは、ループフィルタ
/ゲイン係数供給部7から設定されるパラメータLFに
よって共鳴管におけるf特性をシミュレートし、パラメ
ータLGの乗算によって共鳴管における吸収(損失)特
性をシミュレートする。
【0028】また、減算器10dは、ループ信号から息
圧信号PRESを減算することにより、共鳴管とマウス
ピースとの連結部における進行波と息圧の合成をシミュ
レートし、リードダイナミックフィルタ10eは、リー
ドダイナミックフィルタ係数供給部6から設定されるパ
ラメータRDFによってリードの力学特性をシミュレー
トし、さらに、非線形テーブル10hはリードの弁とし
ての働きとその特性をシミュレートする。
【0029】また、加算器10fは、操作子制御部1か
ら入力されるアンブシュア信号EMBSをループ信号に
加算することによりアンブシュアをシミュレートし、乗
算器10gは、減算器5aから入力されるスリットゲイ
ン信号SLITGをループ信号に乗算することによりス
リット断面積による管内空気流への影響をシミュレート
し、さらに、GRAHAM函数テーブル10jは管内の
空気の圧力の飽和特性をシミュレートする。
【0030】この楽音合成回路10から出力される楽音
信号OUTのピッチとディレイ回路10aのディレイ時
間DLとの関係は、ディレイ時間DLが大きくなるとピ
ッチが下がり、ディレイ時間DLが小さくなるとピッチ
が上がる関係になる。
【0031】そして、この電子楽器は、従来の物理モデ
ル音源で問題となっている息圧変化等の要因によるピッ
チ変動を、このディレイ回路10aのディレイ時間DL
を補正することにより抑えるように構成されている。ま
た、このディレイ時間DLのもととなるディレイ時間デ
ータTotalDelayの設定により、キーコードに
応じたピッチの選択、オートチューニング時のピッチの
調整を行う。
【0032】図1において、テーブルチューニング制御
部8、KC−TDテーブル9およびセレクタ11はオー
トチューニング回路を構成している。KC−TDテーブ
ル9は、音色番号毎に全キーコード(127個)に対応
させて楽音合成回路10におけるディレイ時間のもとと
なるディレイ時間データTotalDelayをテーブ
ルデータとして記憶するテーブルであり、音色番号TC
とセレクタ8から入力されるキーコードKCに対応する
ディレイ時間データTotalDelayをディレイ制
御部4に出力する。なお、このディレイ時間データTo
talDelayの初期値はテーブルチューニング制御
部8によって設定される。
【0033】テーブルチューニング制御部8は図5の制
御フローにしたがってオートチューニングを行う。ま
た、セレクタ11は、オートチューニングのオン/オフ
信号TUNEがオフ(“0”)のときは操作制御部1か
ら入力されるキーコードKKCをキーコードKCとして
出力し、オン/オフ信号TUNEがオン(“1”)のと
きはテーブルチューニング制御部8から入力されるキー
コードTKCをキーコードKCとして出力する。
【0034】次に、図5に基づいてオートチューニング
の動作を説明する。先ず、ステップS1でオン/オフ信
号TUNEのオン/オフを判定し、オフであれば終了
し、オンであればステップS2でKC−TDテーブル9
にテーブルの初期値を設定する。次に、ステップS3で
キーコードTKCを“1”に設定し、ステップS4以降
の処理を行う。
【0035】ステップS4以降の処理は、ステップS1
0でのキーコードTKCのインクリメントとステップS
11の判定処理により127個のキーコードについて順
次行う処理であり、先ず、ステップS4でチューニング
コントロール信号TUNECONTの出力を“1”にセ
ットし、ステップS5でPLLを利用して楽音合成回路
10から出力される楽音信号OUTのピッチを検出す
る。
【0036】次に、ステップS6でピッチ検出完了か判
定し、完了していなければステップS5に戻り、完了し
ていればステップS7でキーコードTKCに対応するピ
ッチと検出ピッチとが一致しているか否かを判定する。
一致していなければステップS8でKC−TDテーブル
9のデータを微調整してステップS5以降の処理を繰り
返し、一致していればステップS9でチューニングコン
トロール信号TUNECONTの出力を“0”にリセッ
トする。なお、より高精度なチューニングを行うため
に、各キーについて複数回のチューニング処理を行い、
その結果の平均値をKC−TDテーブル9に記憶するよ
うにしてもよい。
【0037】以下、ステップS10のキーコードTKC
のインクリメントとステップS11の判定を行って、1
27個のキーコードについて同様の処理を行い、ステッ
プS11でキーコードTKC=128になったら処理を
終了してオートチューニングを完了する。
【0038】なお、上記のオートチューニングの間に、
KC−TDテーブル9は現在選択されている音色につい
てテーブルチューニング制御部8から出力されるキーコ
ードTKCに対応するディレイ時間データTotalD
elayをディレイ制御部4に出力するが、ディレイ制
御部4は、後述説明するようにこのオートチューニング
時にはディレイ時間データTotalDelayに補正
をかけないでそのままディレイ時間DLとして楽音合成
回路10に出力する。そして、楽音合成回路10はこの
ディレイ時間データTotalDelayに応じた楽音
信号OUTを発生する。
【0039】図2はディレイ制御部4の回路図である。
第1補正量テーブル4aは息圧信号PRESの変動に応
じてピッチを補正するための補正データが音色番号TC
およびキーコードKCに対応して記憶されているテーブ
ルであり、第2補正量テーブル4eはタンギング信号T
ANGINGの値に応じてピッチを補正するための補正
データが音色番号TCおよびキーコードKCに対応して
記憶されているテーブルである。
【0040】減算器4bは、サスティン信号SUSTA
INから息圧信号PRESを減算して差分ΔPとして乗
算器4cに出力し、乗算器4cは、音色番号TCおよび
キーコードKCに応じて第1補正量テーブル4aから読
み出した補正データを差分ΔPに乗算して加算器4dに
出力する。
【0041】また、減算器4fは、スリットゲイン信号
SLITGAINからタンギング信号TANGINGを
減算して差分ΔSとして乗算器4gに出力し、乗算器4
gは、音色番号TCおよびキーコードKCに応じて第2
補正量テーブル4eから読み出した補正データを差分Δ
Sに乗算して加算器4dに出力する。
【0042】加算器4dは乗算器4c,4gの出力を加
算して加算器4hに出力し、加算器4hは“1.0”を
加算して乗算器4iに出力する。乗算器4iは加算器4
hの加算出力にピッチベンド信号PBを乗算して乗算器
4jに出力し、乗算器4jは乗算器4hの乗算出力をデ
ィレイ時間データTotalDelayに乗算してディ
レイ時間DLとして出力する。
【0043】なお、ピッチベンド信号PBは“1.0”
を標準の値(ピッチベンド操作無し)として“0.5”
〜“2.0”の範囲で指数函数的に変化する信号であ
る。したがって、ピッチベンド信号PBの増減により乗
算器4jから出力されるディレイ時間DLが増減して楽
音合成回路10における遅延時間が増減するので、ピッ
チベンドの効果が得られる。
【0044】いま、ピッチ信号PBを“1.0”とし、
乗算器4gの出力を“0”として息圧信号PRESにつ
いての補正だけを考える。前記の息圧エンベロープパラ
メータ供給部3から音色番号TCおよびキーコードKC
に応じて出力される基準のサスティン信号SUSTAI
Nに対して、息圧信号PRESが越えると、差分ΔPが
負の値になって乗算器4cからは補正データが乗算され
た負の値が出力される。なお、この補正データは乗算器
4cの出力の絶対値が“1.0”に比べて小さな値とな
るようなデータである。
【0045】これによって、加算器4hの出力は“1.
0”より小さな値となり、乗算器4jからはディレイ
時間データTotalDelayを加算器4hの出力の
レートで小さくした値がディレイ時間DLとし出力され
る。
【0046】しがたって、息圧信号PRESが基準のサ
スティン信号SUSTAINを越えると、その分だけ楽
音合成回路10におけるディレイ回路10aの遅延時間
が短くなる。これにより、楽音合成回路10に入力され
る息圧信号PRESが基準のサスティン信号SUSTA
INを超えたときでも、この楽音合成回路10全体の遅
延特性が一定になり、楽音信号OUTのピッチが一定に
保たれる。
【0047】なお、タンギング信号TANGINGにつ
いても同様に補正され、息圧信号PRESの変動および
タンギング操作に対して、楽音合成回路10から出力さ
れる楽音信号のピッチを安定に保つことができる。
【0048】なお、オートチューニング時には、息圧エ
ンベロープジェネレータ2は一定のサスティンレベルの
息圧エンベロープ信号PEGを出力し、タッチ信号TO
UCHは“1”、モデュレーション信号MODは“0”
にされるので、ディレイ制御部4の減算器4b(図2)
に入力されるサスティン信号SUSTAINと息圧信号
PRESは一致して差分ΔPは“0”になる。
【0049】また、このとき減算器4fに入力されるス
リットゲイン信号SLITGAINとタンギング信号T
ANGINGは“0”になるので差分ΔSは“0”にな
り、ピッチベンド信号PBも“1”になる。
【0050】したがって、オートチューニング時には、
ディレイ時間データTotalDelayが乗算器4j
からそのままディレイ時間DLとし出力され、このディ
レイ時間データTotalDelayに基づいて前記の
ようにオートチューニングが行われる。
【0051】なお、上記の実施例では、第1補正量テー
ブル4aと第2補正量テーブル4eの2つのテーブルを
用い、息圧についての補正とタンギングについての補正
を合成するようにしているが補正量テーブルを1つにし
て、キーコードKC、音色番号TC、差分ΔP,ΔSに
よって一つの補正データを読み出すようにしてもよい。
【0052】また、実施例の楽音合成回路等は、ハード
ウェアによるだけでなく、DSP等の処理プロセッサと
マイクロプログラム、コンピュータ上のソフト処理、あ
るいは、それらの組合せ等によっても構成可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の楽音合成装
置によれば、可変遅延手段とフィルタ手段を閉ループ接
続した閉ループ手段で発音指示操作に応じた励振信号を
循環させるとともに、音高情報に応じて上記可変遅延手
段の遅延量を制御することにより音高情報に対応する楽
音信号を発生する楽音合成装置において、発音指示操作
に伴って所定の態様の演奏操作がなされた場合、該演奏
操作に応じた制御信号を発生する制御信号発生手段と、
前記制御信号に応じて、前記励振信号を変動せしめる励
振制御手段と、前記制御信号に応じて前記可変遅延手段
の遅延量を補正する遅延量補正手段を備え、前記励振
制御手段により変動された励振信号によって前記閉ルー
プ手段を励振し、かつ前記遅延量補正手段により、前記
励振信号の変動が及ぼす前記楽音信号の音高変化を補正
するようにしたので、所定の演奏操作がなされた場合
に、この演奏操作に応じて励振信号と遅延量とが制御さ
れ、例えば、管楽器におけるタンギングを忠実にシミュ
レートして高品位の楽音を発生しつつ、タンギング時の
ピッチを安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の楽音合成装置を適用した電子楽
器の要部ブロック図である。
【図2】本発明実施例におけるディレイ制御部の回路図
である。
【図3】本発明実施例における楽音合成回路の回路図で
ある。
【図4】本発明実施例における息圧エンベロープ信号の
エンベロープ形状を説明する図である。
【図5】本発明実施例におけるオートチューニングの制
御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】 2…息圧エンベロープジェネレータ、4…ディレイ制御
部、10…楽音合成回路、10a…ディレイ回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 7/08 G10H 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変遅延手段とフィルタ手段を閉ループ
    接続した閉ループ手段で発音指示操作に応じた励振信号
    を循環させるとともに、音高情報に応じて上記可変遅延
    手段の遅延量を制御することにより音高情報に対応する
    楽音信号を発生する楽音合成装置において、発音指示操作に伴って所定の態様の演奏操作がなされた
    場合、該演奏操作に応じた制御信号を発生する制御信号
    発生手段と、 前記制御信号に応じて、前記励振信号を変動せしめる励
    振制御手段と、 前記制御信号に 応じて前記可変遅延手段の遅延量を補正
    する遅延量補正手段を備え、前記励振制御手段により変動された励振信号によって前
    記閉ループ手段を励振し、かつ 前記遅延量補正手段によ
    り、前記励振信号の変動が及ぼす前記楽音信号の音高変
    化を補正するようにしたことを特徴とする楽音合成装
    置。
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