JP3043637U - 種子固定シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】アマチュア向けに、種子の無駄がなく、使用が
簡便な草花の播種育苗用シート提供すること。 【解決手段】上記課題を解決する一方法として、水溶紙
１の上に所定のパターンで塗工した点状粘着剤２上に、
種子３を搭載し、その上をポリエチレングリコールフィ
ルム４で被覆し、該フィルムの種子の周囲を水溶紙に熱
融着してなる種子固定シートを、少なくとも、該種子と
同一種類の種子から生育した植物個体の画像および該植
物の名称が表示されている絵袋５に収納する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はアマチュア向けの家庭園芸などにおいて、草花の種子を所定の間隔、 粒数で発芽を損なうことなく、容易に播種、育苗することができる播種育苗用シ ートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、家庭園芸などアマチュア分野における草花の播種作業は、通常、手播き で行われている。この場合、一般的に使用されている絵袋入りの種子は、必要量 以上に入っていることが多い。また、播種する場合も手作業により不均一となり 易いために、発芽後に間引きを余儀なくされる場合も多く、種子使用量や播種作 業に無駄が生じたり、間引きにより苗を損傷するなど種々の問題がある。

【０００３】 上記のような無駄を無くし、播種作業の効率化を目的としたシードテープ、シ ードペーパー、播種育苗用シートなどが製品化されているが、これらは主に業務 用を対象としており、家庭園芸などで簡便に使用できるこの種の播種シートは開 発されていない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、家庭園芸などアマチュアが草花を播種、育苗する場合には、 現行の絵袋入りの種子の利用による余分な種子の購入、ばら播きによる不均一な 播種が原因で必要となる発芽後の間引き作業や苗の無駄、さらに、間引きによる 苗の損傷など問題が多い。

【０００５】 本考案の目的は、上記従来技術の問題を解決し、アマチュア向けに、家庭園芸 などにおいて、草花の種子を所定の間隔、粒数で、発芽を損なうことなく、容易 に播種、育苗することができる種子固定シートを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、水溶性または水分散性シートに種子を 固定してなる種子固定シートを、少なくとも、その種子と同一種類の種子から生 育した植物個体の画像およびその植物の名称が表示されている絵袋に収納する。 さらに、この絵袋にシートの使用方法を記載しておけば、このシートの使用者は 、種子から生育する植物個体の形態を知るとともに、シートの使用方法をも知る ことができて、便利である。さらに、シートをそのまま播種に使える大きさに裁 断してから絵袋に収納すれば、使用上の便利さはさらに増す。

【０００７】 上記の手段によって、アマチュア向けに、種子の無駄がなく、使用が簡便な草 花の播種育苗用シートを提供することができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案を実施する方法の一例を示すが、本考案はこれに限定されるも のではない。

【０００９】 本考案を実施する方法の一例においては、水溶紙の上に所定の間隔に点状の粘 着剤層を設け、該粘着剤層の上に所定の粒数の草花の種子を付着させて保持し、 該種子上にポリエチレングリコールフィルムを被せ、該ポリエチレングリコール フィルムの該種子の周囲の部分を該水溶紙に熱融着して該種子を該水溶紙上に圧 着固定してなる種子固定シートを絵袋に収納する。

【００１０】 種子の付着は、種子を捕捉することのできる粘着性を持った粘着剤を水溶紙の 所定の位置に正確に点状に塗工後、その上に種子を振りかけることにより、所定 の場所に所定の間隔で達成することができる。この場合、粘着剤の点状塗工には スクリーン印刷が適している。

【００１１】 また、種子の付着に使用する粘着剤は種子の発芽、苗の生育などに対する阻害 作用がなければ、市販の粘着剤を選択して使用することができる。

【００１２】 微小な種子を一か所に一個ずつ固定するためには、種子の大きさに対応して点 状粘着剤の径も微小にしなければならない。その結果、種子と粘着剤との接着は 強固とはいえず、そのままでは運搬や播種などの作業において、脱落する種子が 出現する。そこで、水溶性の高分子フィルムであるポリエチレングリコールフィ ルムでシート全面を被覆し、種子の周囲を低温度（６０〜７０℃）で水溶紙に熱 融着することにより、障害を与えることなく種子を水溶紙に押し付けてしっかり と固定する。

【００１３】 上記種子固定シートを絵袋に入れる前に、シートをそのまま播種に使える大き さに裁断しておくことが望ましい。それでもシートが絵袋に入らない場合には、 シートを折りたたんで絵袋に入れる。

【００１４】 実施例 以下に、本考案の実施例について、図を用いて詳細に説明する。

【００１５】 図１は本考案に係る種子固定シートの断面模式図である。図１に示した種子固 定シート裁断物は次のようにして作製した。すなわち、市販の水溶紙（２８０ｍ ｍ×５８０ｍｍ）１の上にスクリーン印刷により、直径０．５ｍｍの点状にアク リル系粘着剤２を２２０個印刷し、乾燥後、その上に千日紅の種子３を振りかけ 、点状粘着剤一点当り一個の種子を搭載した。次に、このようにして作製した種 子搭載シートの全面にポリエチレングリコールフィルム４を被せ、種子と種子と の間の部分を７０℃に加熱したアルミニウム製の押し型により水溶紙１に融着し 、種子を強固に固定した。その後、上記種子固定シートを１００ｍｍ×２２５ｍ ｍに裁断し、種子固定シート裁断物とした。次に、この裁断物を１１０ｍｍ×２ ５０ｍｍの絵袋５に収納して、本考案実施の形態の一例とした。

【００１６】 図２は上記本考案実施の形態の一例の外観図である。図２において、絵袋５の 一部分が透明になっていて、その部分を通して、種子固定シートの有無や種子３ の形状などが外側から見えるようになっている。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べてきたように、本考案の実施によって、アマチュア向けに、種子の無 駄がなく、使用が簡便な草花の播種育苗用シートを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる種子固定シートの断面模式図で
ある。

【図２】本考案に係わる種子固定シートの外観図であ
る。

【符号の説明】

１…水溶紙、２…点状粘着剤、３…種子、４…ポリエチ
レングリコールフィルム、５…絵袋。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 名手 和男 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 (72)考案者 杉浦 令章 東京都世田谷区八幡山２丁目１番８号 株 式会社ミヨシ内 (72)考案者 野口 常晴 東京都世田谷区八幡山２丁目１番８号 株 式会社ミヨシ内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水溶性または水分散性シートに種子を固定
   してなる種子固定シートであり、少なくとも、該種子と
   同一種類の種子から生育した植物個体の画像および該植
   物の名称が表示されている絵袋に収納されていることを
   特徴とする種子固定シート。
2. 【請求項２】上記種子固定シートが、水溶紙の上に所定
   の間隔で点状の粘着剤層を設け、該粘着剤層の上に所定
   の粒数の草花の種子を付着させ、該種子の上をポリエチ
   レングリコールフィルムで覆い、該ポリエチレングリコ
   ールフィルムの該種子の周囲の部分を該水溶紙に熱融着
   して該種子を該水溶紙上に圧着固定してなる種子固定シ
   ートであることを特徴とする請求項１記載の種子固定シ
   ート。