JP3043280U - 建築用パネルおよびパネル材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工容易な建築用パネルおよびをこれととも
に使用するパネル材を提供する。 【解決手段】 建築用パネル３は、取付金具４１、４
２、４３により柱部材３１や梁部材３２などを組み合わ
せて構成され、所定の間隔で土台上に複数並設され、こ
れら並設された建築用パネル間が柱部材や棟部材などで
結合される。パネル材５は、合板の間に断熱材を挟持し
て構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建築用パネルおよびこれにともに使用されて建物の一部を構成する パネル材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

家などの建物、例えば木造の建物を作る場合、一般的には、コンクリートなど で作った基礎の上に木製の土台を設け、この土台上に柱を所定の間隔で複数立て て固定した後、これらの柱に梁などを順次ボルトなどで結合して組み立てるとい う手順が取られる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の施工例の場合、柱や梁を１本１本結合しながら組み 立てる作業が必要であることから、手間や工期がかかり、また工費がかさむなど の欠点がある。さらに、柱や梁が精度良く結合されない場合、建物をうまく組み 上げることができず、このため、熟練した職人が作業を行う必要があった。

【０００４】 このため、このような手間がかからず、施工が容易で工期短縮および工費削減 が図れる施工法が望まれている。

【０００５】 本考案は、上記のように施工容易であり、また施工の際の工期短縮および工費 削減を図ることができる建築用パネルおよび、この建築用パネルとともに使用し て建物の一部を構成するためのパネル材を提供することを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の建築用パネルは、複数の建築部材を取付金具により取付けて構成され る建築用パネルにおいて、前記取付具は、複数の建築部材がそれぞれ固着される 複数の固着部を有し、前記複数の固着部が一体に形成されていることを特徴とす る。

【０００７】 本考案の建築用パネルにおいて、取付金具は、好ましくは、前記複数の建築部 材に接合される他の建築部材の受部分を有している。また、例えば、前記複数の 建築部材は、柱部材や梁部材などである。さらに、例えば、前記他の建築部材は 桁部材、胴差部材あるいは棟木部材などである。

【０００８】 本考案の建築用パネルにおいて、取付金具は、柱部材や梁部材などの建築部材 を所定の形状に組み合わせ、接合するために用いられる。本考案の建築用パネル は、このように、取付金具により建築部材を予め組み合わせて構成されるもので あり、これらの建築部材を精度良く結合することができる。そして、例えば、こ の建築用パネルを所定の間隔で基礎上に複数並設し、また、建築用パネルの間を 所定の部材桁部材、胴差部材あるいは棟木部材などで結合することで、建物を容 易に構成することができる。

【０００９】 また本考案によれば、上記の建築用部材とともに使用されて建物の一部を構成 することを特徴とするパネル材が提供される。このパネル材は、例えば、耐水合 板の間に断熱材を挟持して構成される。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施の形態の建築用パネルの実施の形態を説明する。 図１に、実施の形態の建築用パネル３を示した。この建築用パネル３は、所定 の間隔を空けて位置させた２本の柱部材３１の上部に、２本の梁部材３２を取付 金具４１によりそれぞれ結合して取付けるとともに、これらの梁部材３２の略中 央部に別の柱部材３３を取付金具４３により結合して構成されるものである。な お、２本の梁部材３２は、取付金具４２により一体に結合されている。また、各 部材間の結合は、ボルト締め、くぎ打ちなどの適宜な手段により行われる（以下 、同様）。

【００１１】 図２〜図６に、取付金具４１、４２、４３の一例を示した。すなわち、図２に おいて、取付金具４３は、梁部材３２の取付部４３１と柱部材３３の取付部４３ ２とを一体に形成したものである。なお、図において、符号１０は、ボルト締め やくぎ打ち用の穴である（以下、同様）。さらに、取付金具４３として、図３に 示したように、胴差７の取付部４３３やブレース取付部４３４などを形成するこ ともできる。

【００１２】 また、取付金具４１は、図４を参照して、梁部材３２の取付部４１１、柱部材 ３１の取付部４１２、および桁部材の取付部４１３を一体形成して構成されるも のである。さらに、図５に示したように、筋違６の取付部４１４をさらに形成し ても良い。

【００１３】 さらに、取付金具４２は、図６に示したように、２本の梁部材３２の取付部４ ２１、４２２、棟木部材８の取付部４２３、およびブレース取付部４２４などを 一体形成したものである。

【００１４】 次に、上記の建築用パネルを使用した木造建築の施工方法の一例を説明する。 図７を参照して、コンクリートなどで作られた基礎１の上部に木製の木枠を取り 付けて形成した土台２の上に、複数の建築用パネル３を図示したように一定の間 隔で並設する。ここで、並設される建築用パネル３の数および間隔などは、建物 の大きさや強度などによって適宜に決定される。また、建築用パネル３は、土台 に、所定の取付金具を使用しボルト締めにより取り付けられる。

【００１５】 また、これらの建築用パネル３を施工する順序は、例えば、まず、図７におい て左端側の建築用パネル３から順次右側に施工される。さらに、１つの建築用パ ネル３の施工方法は、例えば、建築用パネル３を地面において組み立て、この組 み立てた建築用パネル３をロープなどで吊して土台に固定する方法などを適宜採 用することができる。

【００１６】 次いで、図８に示したように、各建築用パネル３における梁部材３２の間を棟 木で結合し、また梁部材３２の上面に屋根部材５を結合する。さらに、各建築用 パネル３における柱部材３１の間に筋違６や胴差７、桁部材、ターンバックルな どを適宜取り付けることで、建物の支持建築用パネルが構成される。その後は、 従来公知の通常の施工手順にしたがって、屋根パネルを取付け、また野地板、断 熱材、天井板などを適宜取り付ける。

【００１７】 なお、例えば建物の妻側に位置する建築用パネルとして、管柱、門柱、サッシ 框、本筋違、防水紙、サッシ枠、外壁までも地上で施工したものを用いる構成と しても良い。

【００１８】 図９は、本考案の別の実施の形態の建築用パネル３を示したものである。この 建築用パネル９は、柱部材３３の例えば２か所に別の柱部材３４を取付金具４３ により取り付ける構造のものである。このような柱部材３４の追加は、必要とさ れる強度に応じて適宜行われる。

【００１９】 図１０に、本考案の実施の形態のパネル材を示した。このパネル材５は、合板 ５１の間に断熱材５２を挟持して構成されるものである。合板５１としては適宜 なものを使用でき、例えば、耐水性の合板が使用される。また、断熱材５２とし ては、例えばスタイロホームが使用される。このパネル材５は、例えば２階の床 面を構成するため、あるいは、建物の壁面を構成するためなどに適宜使用される 。

【００２０】 ここで、図１０に示した実施の形態では、パネル材５を構成する２枚の合板５ １のうち、一方の合板、図１０では下側の合板５１は、他方の合板５１よりも大 面積となっている。なお、本考案はこれに限定されず、２枚の合板５１は同じ面 積でも良い。

【００２１】 図１１に、このパネル材５を建物の一部として使用した場合の施工方法の一例 を示した。この例では、パネル材５は、建物の構造体、例えば上記した建物用パ ネル３と組合わされ、建物用パネル３を構成する柱部材３１とともに、建物の壁 面を構成している。より具体的には、まず、柱部材３１から間柱などの他の柱部 材６１、６２を土台上に適宜な間隔で取り付ける。次いで、柱部材３１の間、あ るいは柱部材３１と６１、さらには柱部材６１と６２の間などに、パネル材５を 取り付ける。その後は、パネル材５の建物内部側に化粧材７などが適宜組合わさ れる。

【００２２】 ここで、建築用パネル材３は、予め所定の形状および寸法に作られるものであ る。よって、この建築用パネル材３に上記のように組合わされるパネル材５は、 この建築用パネル材３に対応した寸法のものを予め作製しておくことができる。 そして、この予め作製した所定の寸法のパネル材５を建築用パネル材３に組み合 わせることで、容易に建物の壁面や床面などを構築することができる。

【００２３】 また、例えば図１１に示したように、パネル材５を構成する２枚の合板の５１ の一方を他方に比べて大面積な構成とすることで、多様な施工方法が可能となる 。

【００２４】

【考案の効果】

本考案の建物用パネルは、柱部材や梁部材を取付具により予め組合せて作った 構造体である。そして建物を施工する際には、この建築用パネルを所定の順序で 組み立てるだけで良いことから、施工が容易で、工期の短縮や工費の削減が図れ る。よって、熟練した職人だけでなく、一般のユーザーがアウトドアー感覚で家 を作ることが出来る。

【００２５】 また、本考案のパネル材を建築用パネル材と組み合わせて使用することで、建 物の壁面や床面などを施工が容易で簡単に作ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態の取付金具を使用して構成
される建築用パネルの説明図である。

【図２】（ａ）と（ｂ）は図１の建築用パネルに使用さ
れる取付金具の説明図である。

【図３】図１の建築用パネルに使用される他の取付金具
の説明図である。

【図４】図１の建築用パネルに使用されるその他の実施
の形態の取付金具の説明図である。

【図５】図１の建築用パネルに使用される別の取付金具
の説明図である。

【図６】図１の建築用パネルに使用されるさらに別の取
付金具の説明図である。

【図７】図１の建築用パネルの施工方法の説明図であ
る。

【図８】図１の建築用パネルの施工方法の説明図であ
る。

【図９】本考案の他の実施の形態の建築用パネルの説明
図である。

【図１０】本考案のパネル材の実施の形態の斜視図であ
る。

【図１１】本考案のパネル材の施工方法の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 基礎 ２ 土台 ３ 建築用パネル ３１、３３ 柱部材 ３２ 梁部材 ４１、４２、４３ 取付金具 ５ パネル材

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成９年５月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｃ 2/38 Ｅ０４Ｃ 2/38 Ｊ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の建築部材を取付金具により取付け
   て構成される建築用パネルにおいて、 前記取付具は、複数の建築部材がそれぞれ固着される複
   数の固着部を有し、前記複数の固着部が一体に形成され
   ていることを特徴とする建築用パネル。
2. 【請求項２】 前記取付金具が複数の建築部材に接合さ
   れる他の建築部材の受部分を有していることを特徴とす
   る請求項１記載の建築用パネル。
3. 【請求項３】 前記複数の建築部材が、柱部材あるいは
   梁部材であることを特徴とする請求項１または２記載の
   建築用パネル。
4. 【請求項４】 前記他の建築部材が桁部材、胴差部材あ
   るいは棟木部材であることを特徴とする請求項１、２ま
   たは３記載の建築用パネル。
5. 【請求項５】 請求項１記載の建築用部材とともに使用
   されて建物の一部を構成することを特徴とするパネル
   材。
6. 【請求項６】 合板の間に断熱材を挟持して構成される
   ことを特徴とする請求項５記載のパネル材。