JP3043255B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents
スクロール型圧縮機Info
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- JP3043255B2 JP3043255B2 JP7020683A JP2068395A JP3043255B2 JP 3043255 B2 JP3043255 B2 JP 3043255B2 JP 7020683 A JP7020683 A JP 7020683A JP 2068395 A JP2068395 A JP 2068395A JP 3043255 B2 JP3043255 B2 JP 3043255B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01C—ROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
- F01C17/00—Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
- F01C17/06—Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C18/00—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C18/02—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
- F04C18/0207—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
- F04C18/0215—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
-
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- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C2240/00—Components
- F04C2240/80—Other components
- F04C2240/801—Wear plates
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば車両空調装置等
に使用されるスクロール型圧縮機に関するものである。
に使用されるスクロール型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スクロール型圧縮機においては、
ハウジング内に固定スクロールと可動スクロールを設
け、両スクロールの間に可動スクロールの公転に基づい
て容積を減少する圧縮室を形成し、ハウジングと可動ス
クロールとの間に介在した自転阻止機構によって可動ス
クロールを公転のみ可能に支持している。前記自転阻止
機構は、ハウジングに設けた固定側の受圧壁面の複数箇
所に凹設した公転位置を規制する複数の係合穴に対し可
動スクロール基板の背面に突設した複数の自転阻止用の
ピンをそれぞれ緩く挿入して構成されている。又、可動
スクロールに作用する圧縮室内の圧縮反力を前記固定側
の受圧壁面に伝えるための受圧突部が可動スクロール基
板に突設されている。(特開平5−321850号公報
参照) 圧縮機の圧縮動作が行われている場合に、可動スクロー
ルの受圧突部はハウジングの受圧壁面に摺動され摩耗す
る。このため、特に可動スクロールとハウジングが互い
に同材質の金属で形成されている場合には、摺動面の焼
付きを防止するため固定側受圧壁面と受圧突部との間に
耐摩耗性リングを介在させる必要が生じる。従来の耐摩
耗性リングの取付構造として、実開平4−87380号
公報に示すように、ハウジングの固定側受圧壁面に取り
付けるものが提案されている。
ハウジング内に固定スクロールと可動スクロールを設
け、両スクロールの間に可動スクロールの公転に基づい
て容積を減少する圧縮室を形成し、ハウジングと可動ス
クロールとの間に介在した自転阻止機構によって可動ス
クロールを公転のみ可能に支持している。前記自転阻止
機構は、ハウジングに設けた固定側の受圧壁面の複数箇
所に凹設した公転位置を規制する複数の係合穴に対し可
動スクロール基板の背面に突設した複数の自転阻止用の
ピンをそれぞれ緩く挿入して構成されている。又、可動
スクロールに作用する圧縮室内の圧縮反力を前記固定側
の受圧壁面に伝えるための受圧突部が可動スクロール基
板に突設されている。(特開平5−321850号公報
参照) 圧縮機の圧縮動作が行われている場合に、可動スクロー
ルの受圧突部はハウジングの受圧壁面に摺動され摩耗す
る。このため、特に可動スクロールとハウジングが互い
に同材質の金属で形成されている場合には、摺動面の焼
付きを防止するため固定側受圧壁面と受圧突部との間に
耐摩耗性リングを介在させる必要が生じる。従来の耐摩
耗性リングの取付構造として、実開平4−87380号
公報に示すように、ハウジングの固定側受圧壁面に取り
付けるものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
耐摩耗性リングの取付構造は、ハウジング側に該リング
が固定されているので、該リングの公転位置を規制する
複数の係合穴と対応する部分に各自転阻止用ピンの公転
を許容するための切欠凹部をそれぞれ形成する必要があ
り、このため耐摩耗性リングのラジアル方向の幅が狭く
なる幅狭部が生じ、この部分で破断し易いという問題が
あった。すなわち、圧縮動作時に耐摩耗性リングは可動
スクロール基板からスラスト方向の力を受け、この押圧
状態で可動スクロールの公転運動により耐摩耗性リング
をラジアル方向へ移動しようとする力が該リングと受圧
突部との摩擦抵抗により作用する。このため耐摩耗性リ
ングの幅狭部に応力が集中して破断し易く、破断を回避
するため耐摩耗性リング全体を十分な板厚に設定する必
要がある。しかし、該リングの板厚が大きいと、異なる
板厚の複数のリングの寸法管理が面倒で、可動スクロー
ル基板と固定側受圧壁面との間の組付上のクリアランス
に適した耐摩耗性リングを用意することが面倒となる。
又、圧縮機がリングの板厚方向に大型化してしまう。
耐摩耗性リングの取付構造は、ハウジング側に該リング
が固定されているので、該リングの公転位置を規制する
複数の係合穴と対応する部分に各自転阻止用ピンの公転
を許容するための切欠凹部をそれぞれ形成する必要があ
り、このため耐摩耗性リングのラジアル方向の幅が狭く
なる幅狭部が生じ、この部分で破断し易いという問題が
あった。すなわち、圧縮動作時に耐摩耗性リングは可動
スクロール基板からスラスト方向の力を受け、この押圧
状態で可動スクロールの公転運動により耐摩耗性リング
をラジアル方向へ移動しようとする力が該リングと受圧
突部との摩擦抵抗により作用する。このため耐摩耗性リ
ングの幅狭部に応力が集中して破断し易く、破断を回避
するため耐摩耗性リング全体を十分な板厚に設定する必
要がある。しかし、該リングの板厚が大きいと、異なる
板厚の複数のリングの寸法管理が面倒で、可動スクロー
ル基板と固定側受圧壁面との間の組付上のクリアランス
に適した耐摩耗性リングを用意することが面倒となる。
又、圧縮機がリングの板厚方向に大型化してしまう。
【0004】なお、特開昭62−199983号公報に
開示されたスクロール型圧縮機では、可動スクロールの
自転阻止機構としてハウジングの受圧壁面側に複数の固
定ピンを立設し、各固定ピンと可動スクロール側の可動
ピンとを複数の自転防止リングにそれぞれ挿入し、可動
スクロールの自転を阻止する機構が開示されている。こ
の構造においても固定側受圧壁に耐摩耗性リングを設け
ると、前述した問題が生じる。
開示されたスクロール型圧縮機では、可動スクロールの
自転阻止機構としてハウジングの受圧壁面側に複数の固
定ピンを立設し、各固定ピンと可動スクロール側の可動
ピンとを複数の自転防止リングにそれぞれ挿入し、可動
スクロールの自転を阻止する機構が開示されている。こ
の構造においても固定側受圧壁に耐摩耗性リングを設け
ると、前述した問題が生じる。
【0005】本発明の第1の目的は、耐摩耗性リングの
幅狭部をなくして、耐久性を向上することができ、リン
グの板厚を薄くして板厚の管理を容易に行うことができ
るスクロール型圧縮機を提供することにある。
幅狭部をなくして、耐久性を向上することができ、リン
グの板厚を薄くして板厚の管理を容易に行うことができ
るスクロール型圧縮機を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は上記第1の目的に加
えて、簡略な構造のスクロール型圧縮機を提供すること
にある。又、この発明の第3の目的は上記第1の目的に
加えて、固定スクロールの基板と可動スクロールの渦巻
壁とのクリアランスの調整を容易に行うことができるス
クロール型圧縮機を提供することにある。
えて、簡略な構造のスクロール型圧縮機を提供すること
にある。又、この発明の第3の目的は上記第1の目的に
加えて、固定スクロールの基板と可動スクロールの渦巻
壁とのクリアランスの調整を容易に行うことができるス
クロール型圧縮機を提供することにある。
【0007】又、この発明の第4の目的は上記第1の目
的に加えて、耐摩耗性リングの外周縁による固定側の受
圧壁面の損傷を防止することができるスクロール型圧縮
機を提供することにある。
的に加えて、耐摩耗性リングの外周縁による固定側の受
圧壁面の損傷を防止することができるスクロール型圧縮
機を提供することにある。
【0008】この発明の第5の目的は上記第1の目的に
加えて、クランク室と吸入室とを連通する冷媒ガス通路
を容易に形成することができ、可動スクロールを公転さ
せるクランク機構の潤滑性を向上することができるスク
ロール型圧縮機を提供することにある。
加えて、クランク室と吸入室とを連通する冷媒ガス通路
を容易に形成することができ、可動スクロールを公転さ
せるクランク機構の潤滑性を向上することができるスク
ロール型圧縮機を提供することにある。
【0009】この発明の第6の目的は前記第1の目的に
加えて、前記固定スクロールの基板と可動スクロールの
渦巻壁との間のクリアランスを自動調整することができ
るスクロール型圧縮機を提供することにある。
加えて、前記固定スクロールの基板と可動スクロールの
渦巻壁との間のクリアランスを自動調整することができ
るスクロール型圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1の目的を達成するため、ハウジング内に固定された
基板及び渦巻壁からなる固定スクロールと、前記固定ス
クロールの渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁から
なる可動スクロールと、前記可動スクロールの公転によ
り両渦巻壁間に形成された圧縮室が渦巻壁の中心側に容
積を減少しながら移動されて、冷媒ガスの圧縮が行われ
ることと、可動スクロールの基板背面からのスラスト方
向の圧縮反力を受けるようにハウジングに設けた受圧壁
面と、可動スクロールの基板背面に受圧壁面に指向する
ように立設固定された複数の可動ピンと、前記ハウジン
グの受圧壁面側に設けられ、かつ前記複数の可動ピンと
協働して可動スクロールの公転を許容し、かつ該可動ス
クロールの中心軸線の回りでの自転を阻止する機構とを
備え、前記可動スクロールの基板背面と前記受圧壁面と
の間に介在され、前記可動スクロールの基板背面側に固
定される耐摩耗性リングとを備えるという手段をとって
いる。
第1の目的を達成するため、ハウジング内に固定された
基板及び渦巻壁からなる固定スクロールと、前記固定ス
クロールの渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁から
なる可動スクロールと、前記可動スクロールの公転によ
り両渦巻壁間に形成された圧縮室が渦巻壁の中心側に容
積を減少しながら移動されて、冷媒ガスの圧縮が行われ
ることと、可動スクロールの基板背面からのスラスト方
向の圧縮反力を受けるようにハウジングに設けた受圧壁
面と、可動スクロールの基板背面に受圧壁面に指向する
ように立設固定された複数の可動ピンと、前記ハウジン
グの受圧壁面側に設けられ、かつ前記複数の可動ピンと
協働して可動スクロールの公転を許容し、かつ該可動ス
クロールの中心軸線の回りでの自転を阻止する機構とを
備え、前記可動スクロールの基板背面と前記受圧壁面と
の間に介在され、前記可動スクロールの基板背面側に固
定される耐摩耗性リングとを備えるという手段をとって
いる。
【0011】請求項2記載の発明は、第2の目的を達成
するため、請求項1において、前記耐摩耗性リングに前
記可動ピンを貫通する係合孔を形成し、該可動ピンによ
り前記耐摩耗性リングを可動スクロールの基板背面に固
定するという手段をとっている。
するため、請求項1において、前記耐摩耗性リングに前
記可動ピンを貫通する係合孔を形成し、該可動ピンによ
り前記耐摩耗性リングを可動スクロールの基板背面に固
定するという手段をとっている。
【0012】請求項3記載の発明は、第2の目的を達成
するため、請求項1において、前記耐摩耗性リングは厚
さの異なる複数の群から可動スクロールの基板背面と前
記受圧壁面とのスラスト方向のクリアランスに適合した
リングを選択して組付けるという手段をとっている。
するため、請求項1において、前記耐摩耗性リングは厚
さの異なる複数の群から可動スクロールの基板背面と前
記受圧壁面とのスラスト方向のクリアランスに適合した
リングを選択して組付けるという手段をとっている。
【0013】請求項4記載の発明は、第3の目的を達成
するため、請求項1において、可動スクロールの基板背
面の外周側には面取部又は角取部が形成され、耐摩耗性
リングの外周縁は可動スクロール基板背面の内周側の平
面部より面取部又は角取部側へ突出形成するという手段
をとっている。
するため、請求項1において、可動スクロールの基板背
面の外周側には面取部又は角取部が形成され、耐摩耗性
リングの外周縁は可動スクロール基板背面の内周側の平
面部より面取部又は角取部側へ突出形成するという手段
をとっている。
【0014】請求項5記載の発明は、第4の目的を達成
するため、請求項1において、可動スクロールの基板背
面にガスの通過を許容する連通溝を形成するという手段
をとっている。
するため、請求項1において、可動スクロールの基板背
面にガスの通過を許容する連通溝を形成するという手段
をとっている。
【0015】請求項6記載の発明は、第5の目的を達成
するため、請求項1において、耐摩耗性リングの断面
を、スラスト方向の圧縮反力により弾性変形可能にバネ
状に形成するという手段をとっている。
するため、請求項1において、耐摩耗性リングの断面
を、スラスト方向の圧縮反力により弾性変形可能にバネ
状に形成するという手段をとっている。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明では、耐摩耗性リングが可
動スクロールの基板の背面に固定されているので、可動
スクロール基板に突設した可動ピンの公転運動を許容す
るための凹部を耐摩耗性リングに形成する必要がない。
耐摩耗性リングのラジアル方向の幅は前記可動ピンや可
動スクロール基板に突設されるリング固定用のピンと係
合する孔の径だけ幅狭となる程度で極端に小さい幅狭部
が形成されることはなく、従って、圧縮動作時に可動ス
クロール基板の背面によって耐摩耗性リングがスラスト
方向に押圧された状態で可動スクロールの公転運動によ
り耐摩耗性リングがラジアル方向への摺動摩擦力による
応力を受けても破断されることはない。このため、耐摩
耗性リングの板厚を耐摩耗性のみを考慮して薄くするこ
とができ、薄い板材を打ち抜き形成して原寸法のまま使
用することにより耐摩耗性リングの板厚の管理を容易に
行うことができる。
動スクロールの基板の背面に固定されているので、可動
スクロール基板に突設した可動ピンの公転運動を許容す
るための凹部を耐摩耗性リングに形成する必要がない。
耐摩耗性リングのラジアル方向の幅は前記可動ピンや可
動スクロール基板に突設されるリング固定用のピンと係
合する孔の径だけ幅狭となる程度で極端に小さい幅狭部
が形成されることはなく、従って、圧縮動作時に可動ス
クロール基板の背面によって耐摩耗性リングがスラスト
方向に押圧された状態で可動スクロールの公転運動によ
り耐摩耗性リングがラジアル方向への摺動摩擦力による
応力を受けても破断されることはない。このため、耐摩
耗性リングの板厚を耐摩耗性のみを考慮して薄くするこ
とができ、薄い板材を打ち抜き形成して原寸法のまま使
用することにより耐摩耗性リングの板厚の管理を容易に
行うことができる。
【0017】請求項2記載の発明では、耐摩耗性リング
には前記可動ピンと係合する孔のみを形成すればよく、
可動スクロールには耐摩耗性リングと協働するための固
定用部材を新たに設ける必要がないため、圧縮機の構造
を簡略化できる。
には前記可動ピンと係合する孔のみを形成すればよく、
可動スクロールには耐摩耗性リングと協働するための固
定用部材を新たに設ける必要がないため、圧縮機の構造
を簡略化できる。
【0018】又、請求項3記載の発明では、可動スクロ
ール基板と固定側の受圧壁面との間のバラツキのあるク
リアランスに適した耐摩耗性リングを異種寸法のリング
群から選択して、固定スクロールの基板と可動スクロー
ルの渦巻壁とのクリアランスの調整を容易に行うことが
できる。
ール基板と固定側の受圧壁面との間のバラツキのあるク
リアランスに適した耐摩耗性リングを異種寸法のリング
群から選択して、固定スクロールの基板と可動スクロー
ルの渦巻壁とのクリアランスの調整を容易に行うことが
できる。
【0019】又、請求項4記載の発明では、可動スクロ
ールが公転運動中に組付上のクリアランスに基づいて傾
動した場合に、可動スクロール基板の外周縁に形成した
面取部が耐摩耗性リングの外周縁に接触する。従って、
耐摩耗性リングの外周縁が受圧壁面に強圧されることは
なく、受圧壁面のリングによる損傷を防止することがで
きる。
ールが公転運動中に組付上のクリアランスに基づいて傾
動した場合に、可動スクロール基板の外周縁に形成した
面取部が耐摩耗性リングの外周縁に接触する。従って、
耐摩耗性リングの外周縁が受圧壁面に強圧されることは
なく、受圧壁面のリングによる損傷を防止することがで
きる。
【0020】又、請求項5記載の発明においては、可動
スクロールの基板背面に連通溝が形成されているので、
渦巻壁の外周に形成された吸入室と可動スクロールを公
転運動させるクランク機構を収容するクランク室との間
の冷媒ガスの流れが促進されてクランク機構の潤滑性が
向上する。
スクロールの基板背面に連通溝が形成されているので、
渦巻壁の外周に形成された吸入室と可動スクロールを公
転運動させるクランク機構を収容するクランク室との間
の冷媒ガスの流れが促進されてクランク機構の潤滑性が
向上する。
【0021】さらに、請求項6記載の発明では、断面が
バネ状の耐摩耗性リングが可動スクロール基板の背面と
固定側の受圧壁面との間に弾性的に介在されているの
で、可動スクロールの渦巻壁の先端面が固定スクロール
基板に向かって弾性的に押圧され、複数のリング群を用
意しなくても両者のクリアランスの調整が自動的に行わ
れる。
バネ状の耐摩耗性リングが可動スクロール基板の背面と
固定側の受圧壁面との間に弾性的に介在されているの
で、可動スクロールの渦巻壁の先端面が固定スクロール
基板に向かって弾性的に押圧され、複数のリング群を用
意しなくても両者のクリアランスの調整が自動的に行わ
れる。
【0022】
【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図1〜
図4に基づいて説明する。図1に示すように、センタハ
ウジング11を有するアルミニウム合金製の固定スクロ
ール12には同じくアルミニウム合金製のフロントハウ
ジング13が固定されている。フロントハウジング13
内には駆動軸14がラジアルベアリング15を介して回
転可能に支持されている。駆動軸14には偏心軸16が
固着されている。偏心軸16にはカウンタウエイト17
及びブッシュ18が相対回転可能に支持されている。ブ
ッシュ18にはアルミニウム合金製の可動スクロール1
9がそのボス20において固定スクロール12と対向す
るようにラジアルベアリング21を介して相対回転可能
に支持されている。
図4に基づいて説明する。図1に示すように、センタハ
ウジング11を有するアルミニウム合金製の固定スクロ
ール12には同じくアルミニウム合金製のフロントハウ
ジング13が固定されている。フロントハウジング13
内には駆動軸14がラジアルベアリング15を介して回
転可能に支持されている。駆動軸14には偏心軸16が
固着されている。偏心軸16にはカウンタウエイト17
及びブッシュ18が相対回転可能に支持されている。ブ
ッシュ18にはアルミニウム合金製の可動スクロール1
9がそのボス20において固定スクロール12と対向す
るようにラジアルベアリング21を介して相対回転可能
に支持されている。
【0023】前記固定スクロール12は基板22と、基
板22に一体形成した渦巻壁23と、同基板22に一体
形成された前記センタハウジング11とにより構成され
ている。可動スクロール19は基板24と、基板24に
一体形成した渦巻壁25と、同じく基板24に一体形成
された前記ボス20とにより構成されている。
板22に一体形成した渦巻壁23と、同基板22に一体
形成された前記センタハウジング11とにより構成され
ている。可動スクロール19は基板24と、基板24に
一体形成した渦巻壁25と、同じく基板24に一体形成
された前記ボス20とにより構成されている。
【0024】第1図及び第3図に示すように、固定スク
ロール12及び可動スクロール19は、それらの渦巻壁
23,25において噛み合わされ、それらの両渦巻壁2
3,25間には複数の圧縮室Rが形成されている。
ロール12及び可動スクロール19は、それらの渦巻壁
23,25において噛み合わされ、それらの両渦巻壁2
3,25間には複数の圧縮室Rが形成されている。
【0025】前記偏心軸16は駆動軸14の回転に伴
い、駆動軸14の軸線L1 を中心に一定半径をもって回
転される。このため、駆動軸14の回転に伴い可動スク
ロール19は駆動軸14の軸線L1 を中心として一定半
径(軸線L1 とブッシュ18の軸線L2 との距離)をも
って公転運動される。この公転運動により圧縮室Rが渦
巻壁23,25の渦巻中心へ向かって容積を減少しなが
ら移動され、これに基づき圧縮室R内の冷媒ガスの圧縮
が行われる。
い、駆動軸14の軸線L1 を中心に一定半径をもって回
転される。このため、駆動軸14の回転に伴い可動スク
ロール19は駆動軸14の軸線L1 を中心として一定半
径(軸線L1 とブッシュ18の軸線L2 との距離)をも
って公転運動される。この公転運動により圧縮室Rが渦
巻壁23,25の渦巻中心へ向かって容積を減少しなが
ら移動され、これに基づき圧縮室R内の冷媒ガスの圧縮
が行われる。
【0026】可動スクロール19の基板24とフロント
ハウジング13の受圧壁面27との間には、可動スクロ
ール19自身の軸線L2 を中心とした回転を阻止し、か
つ前記公転を許容するための自転阻止機構26が介装さ
れている。この機構26は、前記受圧壁面27に形成し
た複数の係合凹部28(この実施例では4個)にそれぞ
れ緩く係合した円環状のリング29と、係合凹部28の
内底面に立設固定した固定ピン30と、可動スクロール
19の基板24の背面に立設固定した可動ピン31とを
備えている。そして、前記固定及び可動のピン30,3
1を前記リング29内に挿入し、各可動ピン31を固定
ピン30及びリング29によりそれぞれラジアル方向の
移動量を規制することにより可動スクロール19の軸線
L2 を中心とした自転が阻止され、公転運動のみが許容
される。
ハウジング13の受圧壁面27との間には、可動スクロ
ール19自身の軸線L2 を中心とした回転を阻止し、か
つ前記公転を許容するための自転阻止機構26が介装さ
れている。この機構26は、前記受圧壁面27に形成し
た複数の係合凹部28(この実施例では4個)にそれぞ
れ緩く係合した円環状のリング29と、係合凹部28の
内底面に立設固定した固定ピン30と、可動スクロール
19の基板24の背面に立設固定した可動ピン31とを
備えている。そして、前記固定及び可動のピン30,3
1を前記リング29内に挿入し、各可動ピン31を固定
ピン30及びリング29によりそれぞれラジアル方向の
移動量を規制することにより可動スクロール19の軸線
L2 を中心とした自転が阻止され、公転運動のみが許容
される。
【0027】前記可動スクロール19の基板24の背面
には耐摩耗性リング32が接合され、該耐摩耗性リング
32には前記複数の可動ピン31を貫通する係合孔33
が形成されている。該耐摩耗性リング32は複数の可動
ピン31によりラジアル方向への移動が規制されてい
る。又、この耐摩耗性リング32は、フロントハウジン
グ13の受圧壁面27に接触され、圧縮動作時のフロン
ト側へのスラスト反力を固定側の受圧壁面27に伝え
る。係合凹部28内に収容された自転阻止リング29
は、該リング29の公転運動時にカタギが生じないよう
に係合凹部28の底面と耐摩耗性リング32との間に微
小クリアランスをもって介在され、圧縮反力の伝達機能
はもたない。
には耐摩耗性リング32が接合され、該耐摩耗性リング
32には前記複数の可動ピン31を貫通する係合孔33
が形成されている。該耐摩耗性リング32は複数の可動
ピン31によりラジアル方向への移動が規制されてい
る。又、この耐摩耗性リング32は、フロントハウジン
グ13の受圧壁面27に接触され、圧縮動作時のフロン
ト側へのスラスト反力を固定側の受圧壁面27に伝え
る。係合凹部28内に収容された自転阻止リング29
は、該リング29の公転運動時にカタギが生じないよう
に係合凹部28の底面と耐摩耗性リング32との間に微
小クリアランスをもって介在され、圧縮反力の伝達機能
はもたない。
【0028】前記耐摩耗性リング32の材質としてSK
材等の熱処理剤が使用され、0.5〜1.5ミリ程度の
異なる厚さのリング32群から可動スクロール基板24
の背面と固定側の受圧壁面27との間の組付寸法公差を
伴うクリアランスに適合したものが選ばれる。
材等の熱処理剤が使用され、0.5〜1.5ミリ程度の
異なる厚さのリング32群から可動スクロール基板24
の背面と固定側の受圧壁面27との間の組付寸法公差を
伴うクリアランスに適合したものが選ばれる。
【0029】図1及び図4に示すように可動スクロール
19の基板24の背面には2箇所に連通溝34,35が
形成されている。フロントハウジング13には吸入口3
6が形成されている。この実施例では駆動軸14、偏心
軸16、カウンタウエイト17及びブッシュ18等によ
り可動スクロール19を公転するクランク機構Kが構成
されている。このクランク機構Kを収容するクランク室
37と、前記センタハウジング11の内側に形成された
吸入室38は前記連通溝34,35によって連通されて
いる。従って、外部冷媒ガス吸入管路(図示略)から前
記吸入口36を経てクランク室37内に導入された冷媒
ガスは、クランク機構Kをミスト状のオイルにより潤
滑、冷却するとともに、前記連通溝34,35を通って
吸入室38に導かれる。
19の基板24の背面には2箇所に連通溝34,35が
形成されている。フロントハウジング13には吸入口3
6が形成されている。この実施例では駆動軸14、偏心
軸16、カウンタウエイト17及びブッシュ18等によ
り可動スクロール19を公転するクランク機構Kが構成
されている。このクランク機構Kを収容するクランク室
37と、前記センタハウジング11の内側に形成された
吸入室38は前記連通溝34,35によって連通されて
いる。従って、外部冷媒ガス吸入管路(図示略)から前
記吸入口36を経てクランク室37内に導入された冷媒
ガスは、クランク機構Kをミスト状のオイルにより潤
滑、冷却するとともに、前記連通溝34,35を通って
吸入室38に導かれる。
【0030】固定スクロール12にはリヤハウジング3
9が固定されている。吐出室40は固定スクロール12
とリヤハウジング39との間に形成されている。固定ス
クロール12の基板22には圧縮室Rにおいて圧縮され
たガスが通過するためのポート41が形成され、吐出室
40内において固定スクロール基板22にはリード弁4
2が設けられている。リテーナ43はリード弁42の開
き過ぎを防止する。リヤハウジング39には吐出室40
内のガスが外部の冷媒ガス吐出管路(図示略)に対して
供給されるために吐出口44が形成されている。
9が固定されている。吐出室40は固定スクロール12
とリヤハウジング39との間に形成されている。固定ス
クロール12の基板22には圧縮室Rにおいて圧縮され
たガスが通過するためのポート41が形成され、吐出室
40内において固定スクロール基板22にはリード弁4
2が設けられている。リテーナ43はリード弁42の開
き過ぎを防止する。リヤハウジング39には吐出室40
内のガスが外部の冷媒ガス吐出管路(図示略)に対して
供給されるために吐出口44が形成されている。
【0031】この実施例ではセンタハウジング11、フ
ロントハウジング13及びリヤハウジング39により圧
縮機のハウジングが形成されている。次に、前記のよう
に構成されたスクロール圧縮機についてその動作を説明
する。
ロントハウジング13及びリヤハウジング39により圧
縮機のハウジングが形成されている。次に、前記のよう
に構成されたスクロール圧縮機についてその動作を説明
する。
【0032】駆動軸14がエンジン(図示略)の回転に
より回転されると、クランク機構Kにより、可動スクロ
ール19に公転運動が付与され、自転阻止機構26によ
り可動スクロール19の自転が阻止される。可動スクロ
ール19の公転運動により、吸入室38から圧縮室Rに
吸入された冷媒ガスは、圧縮室Rがその容積を減少しな
がら渦巻壁23,25の中心側に移動される過程で圧縮
される。圧縮されたガスはポート41からリード弁42
を開放させて吐出室40に流れ、その吐出室40から吐
出口44を介して外部の吐出管路に送られる。
より回転されると、クランク機構Kにより、可動スクロ
ール19に公転運動が付与され、自転阻止機構26によ
り可動スクロール19の自転が阻止される。可動スクロ
ール19の公転運動により、吸入室38から圧縮室Rに
吸入された冷媒ガスは、圧縮室Rがその容積を減少しな
がら渦巻壁23,25の中心側に移動される過程で圧縮
される。圧縮されたガスはポート41からリード弁42
を開放させて吐出室40に流れ、その吐出室40から吐
出口44を介して外部の吐出管路に送られる。
【0033】可動スクロール19には、その公転運動中
に軸線方向と同方向への圧縮反力が作用し、この反力は
耐摩耗性リング32を介して固定側の受圧壁面27に伝
達される。前記受圧壁面27には耐摩耗性リング32の
フロント側面が摺接されるが、フロントハウジング13
と耐摩耗性リング32とは前述したように異なる材料に
より形成されているので、摺動面の摩耗が抑制され焼付
きが防止される。
に軸線方向と同方向への圧縮反力が作用し、この反力は
耐摩耗性リング32を介して固定側の受圧壁面27に伝
達される。前記受圧壁面27には耐摩耗性リング32の
フロント側面が摺接されるが、フロントハウジング13
と耐摩耗性リング32とは前述したように異なる材料に
より形成されているので、摺動面の摩耗が抑制され焼付
きが防止される。
【0034】さて、この発明の実施例においては、可動
スクロール19の基板24の背面に耐摩耗性リング32
を可動ピン31によってラジアル方向の移動不能に接触
したことにより、可動ピン31を貫通するための係合孔
33以外に切欠凹部を形成する必要がなく、耐摩耗性リ
ング32の形状をラジアル方向の幅が全周にわたってほ
ぼ均一なリング状に形成できる。このため、リング32
の強度を確保するために板厚を大きくする必要はなく、
耐摩耗性能のみを考慮して板厚を薄くすることができ
る。又、複数の自転阻止用の可動ピン31を利用して耐
摩耗性リング32を固定することができるので、固定専
用のための部材を設けなくても良く、部品点数を削減す
ることもできる。
スクロール19の基板24の背面に耐摩耗性リング32
を可動ピン31によってラジアル方向の移動不能に接触
したことにより、可動ピン31を貫通するための係合孔
33以外に切欠凹部を形成する必要がなく、耐摩耗性リ
ング32の形状をラジアル方向の幅が全周にわたってほ
ぼ均一なリング状に形成できる。このため、リング32
の強度を確保するために板厚を大きくする必要はなく、
耐摩耗性能のみを考慮して板厚を薄くすることができ
る。又、複数の自転阻止用の可動ピン31を利用して耐
摩耗性リング32を固定することができるので、固定専
用のための部材を設けなくても良く、部品点数を削減す
ることもできる。
【0035】ところで、耐摩耗性リング32の板厚の選
定は、前述したように圧縮機の組付け工程において、可
動スクロールの基板24の背面とハウジング13の受圧
壁面27とのクリアランスに適した厚さのものが選択さ
れる。すなわち、耐摩耗性リング32は前記クリアラン
スの調整シムとしても使用でき、この実施例では前述し
たように耐摩耗性リング32の厚さを薄くできるため特
に研磨をすることなく既成の異種板厚寸法のプレートか
ら耐摩耗性リングを形成することにより、クリアランス
の調整を容易に行うことができる。
定は、前述したように圧縮機の組付け工程において、可
動スクロールの基板24の背面とハウジング13の受圧
壁面27とのクリアランスに適した厚さのものが選択さ
れる。すなわち、耐摩耗性リング32は前記クリアラン
スの調整シムとしても使用でき、この実施例では前述し
たように耐摩耗性リング32の厚さを薄くできるため特
に研磨をすることなく既成の異種板厚寸法のプレートか
ら耐摩耗性リングを形成することにより、クリアランス
の調整を容易に行うことができる。
【0036】次に、この発明を具体化した別の実施例を
図5〜図8に基づいて順次説明する。 (1)図5に示すように、フロントハウジング13の受
圧壁面27に対し複数の固定リング45を嵌入し、各固
定リング45内に可動ピン31をそれぞれ挿入し、基板
24背面に耐摩耗性リング32を接合し可動ピン31に
よりラジアル方向への移動を規制する自転防止機構(特
開平5−321850号公報参照)にすること。この別
例ではリング29を使用する実施例と比較して構造を簡
素化することができる。この別例において、その他の構
造及び作用効果は前記実施例と同様である。 (2)図6に示すように、可動スクロール基板24の背
面外周縁に円弧状の面取部46を形成すること。この場
合には、可動スクロール19が公転運動中に組付公差に
基づくクリアランスにより微傾動した場合、基板24の
面取部46がリング32に接触されるが、耐摩耗性リン
グ32の外周縁が受圧壁面27に強圧されることはな
い。従って、リング32の外周縁により受圧壁面27が
損傷を受けるのを防止することができる。この実施例で
は、面取部46の代わりに角取部を形成してもよい。 (3)図7に示すように、耐摩耗性リング32の外周縁
を可動スクロール基板24の外周縁よりも若干突設させ
ること。この場合にも、前述した基板24の微傾動時に
耐摩耗性リング32の外周縁が相対的に弾性変形され、
リング32の外周縁による受圧壁面27の損傷を防止す
ることができる。 (4)図8に示すように、耐摩耗性リング32の断面形
状をバネ状に形成すること。この場合には可動スクロー
ル基板24と受圧壁面27との間に耐摩耗性リング32
が弾性的に介在されるため、可動スクロール19の渦巻
き壁25が固定スクロール12の基板22に弾性的に押
圧され、複数のリング32を用意することなく、渦巻壁
25の先端面と基板22とのクリアランスを自動調整す
ることができる。 (5)前記実施例では耐摩耗性リング32を基板24の
背面に接触し、可動ピン31によりラジアル方向の移動
を阻止するようにしたが、基板24とリング32を図示
しない固定用のピン等により互いに固定すること。 (6)耐摩耗性リング32の板厚を可能な限り薄くし、
その範囲内で異なる厚さの複数のリング32群を用意
し、板厚公差のみでリング32のランク付けを行い、可
動スクロール基板24と受圧壁面27とのクリアランス
に適したリング32を選択すること。この場合には可動
スクロール19と固定スクロール11とのクリアランス
の調整がさらに容易となる。
図5〜図8に基づいて順次説明する。 (1)図5に示すように、フロントハウジング13の受
圧壁面27に対し複数の固定リング45を嵌入し、各固
定リング45内に可動ピン31をそれぞれ挿入し、基板
24背面に耐摩耗性リング32を接合し可動ピン31に
よりラジアル方向への移動を規制する自転防止機構(特
開平5−321850号公報参照)にすること。この別
例ではリング29を使用する実施例と比較して構造を簡
素化することができる。この別例において、その他の構
造及び作用効果は前記実施例と同様である。 (2)図6に示すように、可動スクロール基板24の背
面外周縁に円弧状の面取部46を形成すること。この場
合には、可動スクロール19が公転運動中に組付公差に
基づくクリアランスにより微傾動した場合、基板24の
面取部46がリング32に接触されるが、耐摩耗性リン
グ32の外周縁が受圧壁面27に強圧されることはな
い。従って、リング32の外周縁により受圧壁面27が
損傷を受けるのを防止することができる。この実施例で
は、面取部46の代わりに角取部を形成してもよい。 (3)図7に示すように、耐摩耗性リング32の外周縁
を可動スクロール基板24の外周縁よりも若干突設させ
ること。この場合にも、前述した基板24の微傾動時に
耐摩耗性リング32の外周縁が相対的に弾性変形され、
リング32の外周縁による受圧壁面27の損傷を防止す
ることができる。 (4)図8に示すように、耐摩耗性リング32の断面形
状をバネ状に形成すること。この場合には可動スクロー
ル基板24と受圧壁面27との間に耐摩耗性リング32
が弾性的に介在されるため、可動スクロール19の渦巻
き壁25が固定スクロール12の基板22に弾性的に押
圧され、複数のリング32を用意することなく、渦巻壁
25の先端面と基板22とのクリアランスを自動調整す
ることができる。 (5)前記実施例では耐摩耗性リング32を基板24の
背面に接触し、可動ピン31によりラジアル方向の移動
を阻止するようにしたが、基板24とリング32を図示
しない固定用のピン等により互いに固定すること。 (6)耐摩耗性リング32の板厚を可能な限り薄くし、
その範囲内で異なる厚さの複数のリング32群を用意
し、板厚公差のみでリング32のランク付けを行い、可
動スクロール基板24と受圧壁面27とのクリアランス
に適したリング32を選択すること。この場合には可動
スクロール19と固定スクロール11とのクリアランス
の調整がさらに容易となる。
【0037】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術思想について、以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1において、前記可動スクロール19の中
心軸線の回りでの自転を阻止する可動ピン31を係留す
る部材は、ハウジング13の受圧壁面27に嵌入固定さ
れた固定リング45であるスクロール型圧縮機。
術思想について、以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1において、前記可動スクロール19の中
心軸線の回りでの自転を阻止する可動ピン31を係留す
る部材は、ハウジング13の受圧壁面27に嵌入固定さ
れた固定リング45であるスクロール型圧縮機。
【0038】この圧縮機の場合には自転阻止機構26の
構成を簡素化することができる。 (b)請求項1において、耐摩耗性リング32の板厚を
可能な限り薄くし、その範囲内で異なる厚さの複数のリ
ング32群を用意し、板厚公差のみでリング32のラン
ク付けを行い、可動スクロール基板24と受圧壁面27
とのクリアランスに適したリング32を選択することを
特徴とするスクロール型圧縮機。
構成を簡素化することができる。 (b)請求項1において、耐摩耗性リング32の板厚を
可能な限り薄くし、その範囲内で異なる厚さの複数のリ
ング32群を用意し、板厚公差のみでリング32のラン
ク付けを行い、可動スクロール基板24と受圧壁面27
とのクリアランスに適したリング32を選択することを
特徴とするスクロール型圧縮機。
【0039】この圧縮機では、可動スクロール19と固
定スクロール11とのクリアランスの調整がさらに容易
となる。
定スクロール11とのクリアランスの調整がさらに容易
となる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は特許請
求の範囲の欄のように構成したので、次のような効果が
ある。
求の範囲の欄のように構成したので、次のような効果が
ある。
【0041】請求項1記載の発明は、耐摩耗性リングの
幅狭部をなくして、耐久性を向上することができ、リン
グの板厚を薄くして板厚の管理を容易に行うことができ
るとともに、圧縮機を板厚方向に小型化できる効果があ
る。
幅狭部をなくして、耐久性を向上することができ、リン
グの板厚を薄くして板厚の管理を容易に行うことができ
るとともに、圧縮機を板厚方向に小型化できる効果があ
る。
【0042】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、可動スクロール及び耐摩耗性リング
の構造を簡略にすことができ、製造コストを低減でき
る。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加えて、固定スクロールの基板と可動スクロールの渦
巻壁とのクリアランスの調整を容易に行うことができる
効果がある。
明の効果に加えて、可動スクロール及び耐摩耗性リング
の構造を簡略にすことができ、製造コストを低減でき
る。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加えて、固定スクロールの基板と可動スクロールの渦
巻壁とのクリアランスの調整を容易に行うことができる
効果がある。
【0043】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、耐摩耗性リングの外周縁による固定
側の受圧壁面の損傷を防止することができる効果があ
る。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加えて、クランク室と吸入室とを連通する冷媒ガス通
路を容易に形成することができ、可動スクロールを公転
させるクランク機構の潤滑性を向上することができる効
果がある。
明の効果に加えて、耐摩耗性リングの外周縁による固定
側の受圧壁面の損傷を防止することができる効果があ
る。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加えて、クランク室と吸入室とを連通する冷媒ガス通
路を容易に形成することができ、可動スクロールを公転
させるクランク機構の潤滑性を向上することができる効
果がある。
【0044】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、前記固定スクロールの基板と可動ス
クロールの渦巻壁との間のクリアランスを自動調整する
ことができる効果がある。
明の効果に加えて、前記固定スクロールの基板と可動ス
クロールの渦巻壁との間のクリアランスを自動調整する
ことができる効果がある。
【図1】 この発明を具体化したスクロール圧縮機の中
央部縦断面図。
央部縦断面図。
【図2】 図1の1−1線断面図。
【図3】 図1の2−2線断面図。
【図4】 ハウジング、リング及び可動スクロールの分
解斜視図。
解斜視図。
【図5】 この発明の別例を示す部分断面図。
【図6】 この発明の別例を示す部分断面図。
【図7】 この発明の別例を示す部分断面図。
【図8】 この発明の別例を示す部分断面図。
11…センタハウジング、12…固定スクロール、13
…フロントハウジング、14…駆動軸、16…偏心軸、
19…可動スクロール、22,24…基板、23,25
…渦巻壁、26…自転阻止機構、27…受圧壁面、31
…可動ピン、32…耐摩耗性リング、33…係合孔、3
4,35…連通溝、39…リヤハウジング、45…リン
グ、46…面取部。
…フロントハウジング、14…駆動軸、16…偏心軸、
19…可動スクロール、22,24…基板、23,25
…渦巻壁、26…自転阻止機構、27…受圧壁面、31
…可動ピン、32…耐摩耗性リング、33…係合孔、3
4,35…連通溝、39…リヤハウジング、45…リン
グ、46…面取部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 靖 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 井口 雅夫 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 岩波 重樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装 株式会社 内 (72)発明者 秋山 訓孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装 株式会社 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311
Claims (6)
- 【請求項1】 ハウジング内に固定された基板及び渦巻
壁からなる固定スクロールと、 前記固定スクロールの渦巻壁に噛み合わされる基板及び
渦巻壁からなる可動スクロールと、 前記可動スクロールの公転により両渦巻壁間に形成され
た圧縮室が渦巻壁の中心側に容積を減少しながら移動さ
れて、冷媒ガスの圧縮が行われることと、 可動スクロールの基板背面からのスラスト方向の圧縮反
力を受けるようにハウジングに設けた受圧壁面と、 可動スクロールの基板背面に受圧壁面側に指向するよう
に立設固定された複数の可動ピンと、 前記ハウジングの受圧壁面側に設けられ、かつ前記複数
の可動ピンと協働して可動スクロールの公転を許容し、
かつ該可動スクロールの中心軸線の回りでの自転を阻止
する機構とを備え、 前記可動スクロールの基板背面と前記受圧壁面との間に
介在され、前記可動スクロールの基板背面側に固定され
る耐摩耗性リングとを備えたスクロール型圧縮機。 - 【請求項2】 請求項1において、前記耐摩耗性リング
は前記可動ピンを貫通する係合孔を備え、該可動ピンに
より前記耐摩耗性リングは可動スクロールの基板背面に
固定されているスクロール型圧縮機。 - 【請求項3】 請求項1において、前記耐摩耗性リング
は厚さの異なる複数の群から可動スクロールの基板背面
と前記受圧壁面とのスラスト方向のクリアランスに適合
したリングを選択して組付られたものであるスクロール
型圧縮機。 - 【請求項4】 請求項1において、可動スクロールの基
板背面の外周側には面取部又は角取部が形成され、耐摩
耗性リングの外周縁は可動スクロール基板背面の内周側
の平面部より面取部又は角取部側へ突出形成されている
スクロール型圧縮機。 - 【請求項5】 請求項1において、可動スクロールの基
板背面にはガスの通過を許容する連通溝が形成されてい
るスクロール型圧縮機。 - 【請求項6】 請求項1において、耐摩耗性リングの断
面は、スラスト方向の圧縮反力により弾性変形可能にバ
ネ状に形成されているスクロール型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7020683A JP3043255B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | スクロール型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7020683A JP3043255B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | スクロール型圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08219053A JPH08219053A (ja) | 1996-08-27 |
JP3043255B2 true JP3043255B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=12033980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7020683A Expired - Fee Related JP3043255B2 (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | スクロール型圧縮機 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3043255B2 (ja) |
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JP4739103B2 (ja) * | 2006-04-21 | 2011-08-03 | サンデン株式会社 | スクロール型流体機械 |
JP5271679B2 (ja) * | 2008-12-02 | 2013-08-21 | 三菱重工業株式会社 | スクロール型圧縮機 |
CN102330683A (zh) * | 2011-10-20 | 2012-01-25 | 南京奥特佳冷机有限公司 | 高耐磨圈销结构涡旋式压缩机 |
KR101962280B1 (ko) * | 2013-08-21 | 2019-03-26 | 한온시스템 주식회사 | 스크롤 압축기 |
FR3045738B1 (fr) * | 2015-12-18 | 2018-01-26 | Valeo Japan Co., Ltd. | Compresseur a spirales pour une installation de conditionnement d'air pour vehicule automobile |
CN107524596A (zh) * | 2017-09-04 | 2017-12-29 | 江苏成科新能源有限公司 | 一种空调压缩机的动涡旋盘组件 |
CN107906002B (zh) * | 2017-12-15 | 2024-02-20 | 山东元清机电科技有限公司 | 一种压缩机防自转机构 |
-
1995
- 1995-02-08 JP JP7020683A patent/JP3043255B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08219053A (ja) | 1996-08-27 |
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