JP3042808B2 - 焼結性粉末射出成形用バインダおよび組成物 - Google Patents

焼結性粉末射出成形用バインダおよび組成物

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JP3042808B2
JP3042808B2 JP4270097A JP27009792A JP3042808B2 JP 3042808 B2 JP3042808 B2 JP 3042808B2 JP 4270097 A JP4270097 A JP 4270097A JP 27009792 A JP27009792 A JP 27009792A JP 3042808 B2 JP3042808 B2 JP 3042808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属粉末、セラミックス
粉末またはサーメット粉末(以下、焼結性粉末と総称す
る)の射出成形用バインダおよび組成物(コンパウン
ド)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、焼結製品は、焼結性粉末と結
合剤(バインダ)を混練して、鋳込み法、押し出し法、
ロクロ法、プレス成形法などによって成形後、焼成して
製造されているが、これらの方法では複雑な形状の焼結
製品を得ることは難しい。このため、より複雑な形状の
製品を得る方法として、焼結性粉末射出成形法が用いら
れる。
【0003】焼結性粉末射出成形法は小型複雑形状の焼
結部品を大量生産する方法として利用される技術であ
る。この方法においては、まず原料である焼結性粉末と
バインダを混練して、射出成形原料コンパウンドとす
る。このコンパウンドは熱可塑性を有し、射出成形機に
よって所望の形状に成形される。この成形工程は本質的
にプラスチック材料の成形と変わる所がなく、大量成形
が可能である。次に、得られた成形体から不要のバイン
ダを除去する。この工程を脱脂という。脱脂方法には、
加熱してバインダを成形体から蒸発あるいは流出させる
方法、溶媒中に成形体を保持してバインダを抽出する方
法、またこの二つを組合わせる方法などが知られてお
り、バインダの種類に応じて脱脂方法は選ばれる。最後
に脱脂体を焼結して部品を得る。
【0004】焼結性粉末射出成形法は高い焼結密度が得
られる焼結性の微粉を成形できることに特徴がある。従
来、平均粒径が10μm以下であるような微粉は、流動
性が悪いという問題や、金型のかじりの問題からプレス
による成形が困難であったが、この方法によれば微粉で
も容易に成形ができ、しかも3次元的な複雑形状まで成
形可能である。このような利点を持つことから、最近純
鉄部品、Fe−Ni系合金部品、ステンレス部品の製造
などにも焼結性粉末射出成形法が利用されることが多く
なり、磁性材料や超硬材料にも応用が広がりつつある。
【0005】焼結性粉末射出成形法において用いられる
バインダの種類としては、熱可塑性、熱硬化性に大別さ
れるが、スプル、ランナ等の再生を考慮すると再生不能
な熱硬化性のバインダはあまり使用されていない。主流
である熱可塑性のバインダの成分としては熱可塑性の樹
脂、ワックス、可塑剤、滑剤などが挙げられる。樹脂は
バインダの主成分として原料コンパウンドに可塑性を与
え、また常温での成形体強度をもたせる。さらに、脱脂
性、流動性の改善のために、樹脂よりも低分子の有機物
であるワックスや可塑剤などを添加する。樹脂成分とし
てはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体(EEA)、ポリメタクリル
酸アルキルエステル、ポリアミドなど公知であって、
これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いら
れる。樹脂よりも低分子の成分としてはパラフィンワッ
クス、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸アミド、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル等のフタル酸エステルなどの1種または2種以上
を組み合わせて用いられる。このように焼結性粉末射出
成形用原料コンパウンドは粉末と樹脂、ワックス、可塑
剤など数種の有機物との混合物であるのが一般的であ
る。
【0006】ところで、金属粉末やセラミックス粉末な
どの焼結性粉末の表面は親水性に近いために、有機物が
主体の疎水性バインダとは濡れ性が極めて悪い。このた
め、これらの焼結性粉末をバインダ中に均一に分散させ
ることは難しく、凝集粉が生成しやすい。コンパウンド
中にバインダと濡れていない凝集粉が存在すると、コン
パウンドは高粘度となり、成形性が悪化するうえ、グリ
ーン成形体の強度が激減しクラックを発生しやすい。さ
らに、脱脂時にもクラック、れを発生しやすい。
【0007】凝集粉の生成は、バインダの分子量が高い
ほど顕著である。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)は、古くか
ら粉末射出成形用バインダに用いられてきたが、これら
の樹脂は焼結性粉末と濡れが悪いために、コンパウンド
の流動性は極めて悪く、射出成形が困難であったり、得
られる成形体の強度が低い問題があった。
【0008】焼結性粉末とバインダの濡れを良くする方
法としては、焼結性粉末表面を処理して疎水性にする方
法と、焼結性粉末の親水性表面と濡れるような官能基を
バインダ成分中に導入する方法が知られている。前者の
方法の具体例としては、シラン系カップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤(特公昭59−41949号公
報)、アルミニウムキレート化合物(特開昭61−24
2947号公報)による焼結性粉末表面処理が知られて
おり、後者の具体例としては、界面活性剤を用いる例
(特開昭59−182267号公報、同59−3505
8号公報)や、カルボキシル基、エステル、アミノ基、
水酸基、酸無水物などの焼結性粉末表面と相互作用する
ような官能基を導入したバインダ成分の使用、例えばエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(特開昭52−
117909号公報、同58−135173号公報)、
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)(特
開昭59−121150号公報)、シクロペンタジエン
−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体またはその水素添
加物(特開昭62−12658号公報)、α−メチルス
チレン−不飽和酸無水物共重合体(特開昭63−252
951号公報)、ステアリン酸(特公昭36−7883
号公報)、ベヘニン酸(特開平02−267156号公
報)、ポリアルキレンカーボネート(特開平01−25
7158号公報)などが知られている。このような方法
を用いることにより焼結性粉末とバインダ間の濡れ性は
改善され、粉末はバインダ中に良好に分散し、容易に射
出成形可能となったうえに、良好な成形体も得られるよ
うになった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】焼結性粉末射出成形法
においてバインダの選択が重要であるが、従来のバイン
ダ組成では次のような問題があった。
【0010】バインダとしてポリエチレンやポリプロピ
レンなどの樹脂を使用すると、これらの樹脂は焼結性粉
末とれが悪いために、粉末を分散させることが困難で
あり、凝集粉が残って均一で良好な流動性を有したコン
パウンドとならない。また、ワックスなどの低分子成分
を加えて成形性を改善しても、やはり焼結性粉末となじ
みが悪いためにバインダと粉末の分離が起こるなど射出
成形時にトラブルを生じていた。さらに、脱脂工程で加
熱脱脂を用いる場合、加熱中に成形体が変形してしまっ
たり、膨れやクラックなどの脱脂欠陥を生じる。このよ
うな脱脂欠陥を回避するために、脱脂時間を長くする必
要があり、脱脂工程に時間がかかるという問題があっ
た。
【0011】エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)は極性を持った官能基を有しており、焼結性粉末と
なじみがよく射出成形用バインダの成分としてよく利用
されている樹脂である。これらの樹脂をバインダとして
使用する場合そのコンパウンドは成形性もよく、成形体
強度も優れる。しかしながら、その性能を十分に発揮す
るためには酢酸ビニルあるいはエチルアクリレートの含
有量がある程度多くなければならず、そのために軟化点
が低くなってしまう。このため、脱脂工程において、成
形体の変形が非常に起こりやすく、膨れなどの欠陥も生
じやすい。したがって、欠陥のない健全な脱脂体を得る
ためにはやはり長時間の脱脂を必要とする。
【0012】また、ポリスチレンやポリメタクリル酸ア
ルキルエステルは優れた解重合性を有するため、脱脂性
に優れておりバインダとして使用されることが多い。し
かし、これらの樹脂は焼結性粉末とのれが悪くポリエ
チレンなどと同様、成形に問題がある。
【0013】したがって、射出成形用コンパウンドには
これらの樹脂を2種あるいは3種以上、組み合わせて用
いることが提案されているが、どれも一長一短があり、
成形性と脱脂性の両方に優れた性能を示すバインダはい
まだに開発されていないのが実状である。
【0014】さらに、焼結性粉末を表面処理する方法
は、表面処理剤が高価、表面処理の工程が一つ増える、
表面処理剤のチタン、シリコン、アルミニウムが焼結体
に残留し、物性に悪影響を及ぼす等の欠点がある。ま
た、界面活性剤や高級脂肪酸の添加は、バインダの軟化
点の低下を招くために、加熱脱脂時に変形や膨れなどの
欠陥を生じやすい。また、特開昭62−12658号公
報では、ポリマー中の不飽和結合が存在するため、混練
中にゲル化が起こりやすく、コンパウンドの粘度が高く
なる、スプルーやランナーのリサイクルが困難等の欠点
がある。特開昭63−252951号公報では、ポリ
α−メチルスチレン−不飽和酸無水物共重合体の軟化点
や粘度が高いために、トルエンやアルコールなどの多量
の溶剤を併用しなければならず、溶剤揮散による密度変
化が著しく、また強度も著しく低いため、射出成形は困
難である。さらに、いずれの方法を用いた場合でも、変
形しないように加熱脱脂するためには長時間が必要であ
り、脱脂時間を短縮すると膨れ、変形を起こす欠点があ
った。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、バインダの成分、配合を検討した結果、本発明
者らは、焼結性粉末射出成形用バインダの成分として、
エポキシ基含有オレフィン系(共)重合体を必須成分と
して用いると、粉末とのれもよく成形性も良好で、脱
脂においても成形体の変形が少なく、脱脂欠陥も生じな
いコンパウンドとなることを見いだした。
【0016】
【0017】すなわち、本発明は、(a)エポキシ基を
分子内に1個以上有する分子量2000超のオレフィン
系(共)重合体3〜80重量%、(b)分子量2000
超のスチレン系樹脂および/またはアクリル系樹脂70
重量%以下、および、(c)分子量2000以下の有機
化合物20〜80重量%を含有する焼結性粉末射出成形
用バインダを提供する。さらに前記(b)成分が、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、およびスチレ
ンのうち1種または2種以上を(共)重合してなる単独
重合体および/または共重合体である焼結性粉末射出成
形用バインダを提供する。
【0018】また、本発明は、上記バインダを平均粒径
0.01〜1000μmの焼結性粉末と混練してなる焼
結性粉末射出成形用組成物(コンパウンド)を提供する
ものである。
【0019】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
のバインダが使用できる原料粉末としては金属粉末、セ
ラミックス粉末およびサーメット粉末であるならばどの
ような粉末を用いてもよい。金属粉末の例をあげると、
鉄、銅、チタン、タングステン、ニッケル、モリブデ
ン、クロム、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、ベリ
リウム、ゲルマニウム、コバルト、シリコン、スカンジ
ウム、イットリウム、ランタニド、アクチニド、ハフニ
ウム、トリウム、バナジウム、タンタル、マンガン、テ
クネチウム、レニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、銀、カドミ
ウム、タリウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマ
ス、テルル、ポロニウムの粉末およびこれらの合金ある
いは混合粉、例えば、ステンレス鋼、鉄−ニッケル系合
金、鉄−シリコン系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−ボ
ロン系合金、鉄−コバルト−バナジウム系合金などが挙
げられる。セラミックスとしては、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化
ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タン
タル、酸化モリブデン、酸化マンガン、酸化タングステ
ン、酸化バナジウム、酸化テクネチウム、酸化レニウ
ム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸
化ロジウム、酸化カドミウム、酸化タリウム、酸化ゲル
マニウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化ビ
スマス、酸化テルル、酸化インジウム、酸化バリウム、
酸化ガリウム、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸
化ストロンチウム、酸化ランタン、酸化セレン、酸化ス
カンジウム、酸化アクチニウム、酸化トリウム、酸化ハ
フニウム、酸化クロム、酸化パラジウム、酸化オスミウ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉛、チタン酸バリウ
ム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ストロンチウム、チタン
酸ジルコン酸鉛、チタン酸マグネシウム、チタン酸マン
ガン、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、チタン酸ニッケ
ル、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化
タングステン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハ
フニウム、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化クロ
ム、炭化バナジウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、
窒化ホウ素、窒化チタン、ホウ化チタン、ホウ化ジルコ
ニウム、ホウ化ランタン、2ケイ化モリブデン、硫化カ
ドミウム、硫化亜鉛およびこれらの2種以上の混合物を
挙げることができる。さらに、サーメットとしては、前
記セラミックスと金属との合金、あるいは混合粉を挙げ
ることができる。また粉末の製造法別に挙げると、カル
ボニル粉、水アトマイズ粉、ガスアトマイズ粉、粉砕粉
などを挙げることができる。さらに、これらのうちの2
種以上の混合粉を用いることも可能である。焼結性粉末
の平均粒径は0.01〜1000μm、特に0.1〜1
000μmの範囲が使用可能である。さらに好ましい平
均粒径の範囲は0.1〜50μmである。焼結性粉末粒
径は、小さいほど射出成形時の流動性が良く、焼結性も
良いので有利であるが、微粉にするためには膨大なエネ
ルギーを必要とするため実用上不利である。また、10
00μmを越えると、コンパウンドの流動性が悪化し、
射出成形が実質的に不可能となる。
【0020】本発明の成分(a)は、エポキシ基含有不
飽和単量体および/またはこれと共重合可能なオレフィ
ンモノマーの1種または2種以上を共重合してなるエポ
キシ基含有オレフィン系(共)重合体であり、分子量2
000超のものである。このエポキシ基含有オレフィン
系共重合体の共重合の様式は、ランダム共重合、ブロッ
ク共重合、グラフト共重合等のいずれであっても良い。
【0021】本発明でいうエポキシ基含有不飽和単量体
とは一般式
【0022】
【化1】 (ここでR1 はオレフィン系不飽和結合を有する炭化水
素基を表す)で表されるような不飽和グリシジルエステ
ル類、および一般式
【0023】
【化2】 (ここで、Xは−CH2 −O−または
【化3】 であり、R2 はオレフィン系不飽和結合を有する炭化水
素基を表す)で表されるような不飽和グリシジルエーテ
ル類、あるいは一般式
【0024】
【化4】 (ここで、R3 はハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R4 はオレフィン系不飽和結合を有する炭化水素基
を表す)で表されるエポキシアルケン類である。
【0025】具体例をあげるとグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、イタコン酸モノグリシ
ジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエ
ステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、
ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、および
α−クロロアリル、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸
等のグリシジルエステル類、またはビニルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシ
エチルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジル
エーテル等のグリシジルエーテル類、あるいは、p−グ
リシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、
3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−
エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチ
ル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、
および1,2−エポキシ−4−シクロヘキセンなどを挙
げることができる。
【0026】本発明において用いる共重合可能なオレフ
ィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブ
チレン、1−ブテン、ブタジエン、メチルペンテン、シ
クロペンテン、シクロペンタジエン、イソプレンなどの
オレフィン類やビニルアルコール、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルなどのビニルモノマー
が挙げられる。
【0027】本発明のエポキシ基含有オレフィン系共重
合体を製造する方法としては、公知のラジカル共重合が
用いられるほか、オレフィン系単独重合体あるいはオレ
フィン系共重合体にラジカル発生剤を存在させ、エポキ
シ基含有不飽和単量体を溶剤あるいは分散媒の存在下ま
たは非存在下でラジカルグラフト反応させる方法を挙げ
ることができる。なかでも溶融状態でグラフトさせる場
合、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融
混練機を用いることにより、簡略化された方法で短時間
に求めるエポキシ基含有オレフィン系共重合体を得るこ
とができる。
【0028】本発明で提示するエポキシ基含有オレフィ
ン系共重合体の例としては、エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体、エチレン−グリシジルアクリレー
ト共重合体などの2元共重合体や、エチレン−酢酸ビニ
ル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重
合体などの3元共重合体が挙げられる。
【0029】本発明におけるエポキシ基含有オレフィン
系(共)重合体のエポキシ基含有不飽和単量体は分子中
に1個以上含有される。さらに、好ましいエポキシ基含
有不飽和単量体の含有率は0.02〜30重量%であ
る。
【0030】エポキシ基を分子内に1個以上有する重合
体の好ましい分子量は約2,000 〜500,000 である。分子
量2,000 以下では成形体の強度が不足するため成形時に
割れを発生しやすく、また脱脂時に変形を起こす。500,
000 を超えると、溶融粘度が高くなるため成形性が悪化
する。さらに好ましい分子量は、50,000〜300,000 であ
る。
【0031】本発明においてはバインダの成分(b)と
して使用し得る重合体は、本発明の粉末射出成形用バイ
ンダの脱脂を容易にするため加えるものであり、熱また
は溶剤で脱脂できるものである。好ましいものは、溶剤
脱脂時に、エポキシ基を分子内に1個以上有する樹脂
(a)を溶解しない溶剤に可溶であるもの、あるいは熱
脱脂時に急激な分解による膨れやクラック発生を防ぐた
め、エポキシ基を分子内に1個以上有する重合体(a)
と熱分解温度が異なるものである。具体的な例として
は、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)ア
クリル酸メチル、スチレン−(メタ)アクリル酸エチ
ル、スチレン−イソプロピル(メタ)アクリレート共重
合体、スチレン−n−ブチル(メタ)アクリレート共重
合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、EE
A、EMA、EMMA、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アク
リル酸−n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ポ
リ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル
酸イソプロピル、ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、
ポリ(メタ)アクリル酸イソブチル、ポリ(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル
ヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸n−ドデシル、ポリ
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メ
チル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル
酸ブチル−メタクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体
などのアクリル系樹脂ある。これらの重合体の分子量
は、2,000 〜500,000 の範囲が好ましく、さらに好まし
くは50,000〜300,000 である。分子量が2,000 以下では
成形体の強度が不足するため、成形時に割れが発生しや
すく、500,000 を越えると溶融粘度が高くなるため、成
形性が悪化する。
【0032】さらに、好ましくは、エポキシ基を分子内
に1個以上有する樹脂以外の樹脂としてアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、およびスチレンのうち1
種または2種以上を(共)重合してなる単独重合体およ
び/または共重合体を用いる。これらの樹脂を用いる場
合、エポキシ基を分子内に1個以上有する重合体とし
て、エチレン系重合体を用いるのがよい。この組み合わ
せでは、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンなどの
溶剤で成形体から簡単にスチレン系、アクリル系樹脂を
脱脂できるし、加熱脱脂でも、分解温度が低いスチレン
系、アクリル系樹脂がまず分解し、次にエチレン系樹脂
が分解するため、急激な分解ガス発生を抑制でき、脱脂
時のれ、クラック発生を防ぐことができる。
【0033】本発明においてはバインダ成分として上記
(a)および(b)の樹脂の他に、それらよりも低分子
の有機化合物、すなわち分子量2000以下の有機化合
物(c)を用いる。バインダに使用される低分子成分と
しては、ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、高級
脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、ア
ジピン酸エステル、セバチン酸エステルなどが使用でき
る。さらに具体的に使用可能な低分子の成分を挙げる
と、ワックスとしてはノルマルパラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、ペトロラ
タム、酸化ペトロラタム、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、モンタンワックス誘導体のような
合成ワックスやモンタンワックス、カルナバワックス、
ビーワックス、鯨ろう、密ろう、羊毛ろう、キャンデリ
ラワックス、木ろう、ナリキュリーワックス、サトウキ
ビろう、オゾケライトワックス、セレシン、リグナイト
ワックスなどの天然ワックスが挙げられる。これらのワ
ックスの分子量は300〜2000が好ましい。これは
分子量が300未満であると成形体に適度な強度を付与
することができないからであり、分子量が2000超で
あると脱脂性が悪くなるからである。ワックスは樹脂と
相溶性が良く、しかも安価であるためバインダ成分とし
て最もよく使用される。
【0034】高級脂肪酸としては、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ラウリン酸、バルチモン酸、イソステアリン
酸、ステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘ
ニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが使
用できる。これらは滑剤としての効果があるが、あまり
に多量に配合すると、成形体からのブリードアウトが激
しくなるとともに、成形体の強度も低下させるので、配
合比はバインダ全体に対して10重量%以下にとどめる
のが好ましい。
【0035】また、高級アルコールとしては、セチルア
ルコール、ラウリルアルコール、セリルアルコール、メ
リシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリル
アルコールなどの1価高級アルコールや、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどの2価アルコール
の類が使用できる。
【0036】高級脂肪酸アミドとしてはステアリン酸ア
ミド、ラウリン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸
アミド、ベヘン酸アミド、ベヘニン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリ
ン酸アミド、硬化牛脂酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド、メ
チレンビスアミド、エチレンビスアミド、エチレンビス
ステアリン酸アミドなどが挙げられる。これらのアミド
類は比較的樹脂と相溶性がよく脂肪酸やアルコール類に
比べ多量に配合しても問題ない。
【0037】脂肪酸エステルとしては、C12〜C22の脂
肪酸のC1 〜C22の1価アルコールエステルあるいはグ
リコールエステルなどの多価アルコールエステルがバイ
ンダとして使用できる。具体的にはブチルステアレー
ト、ブチルラウレート、オクチルパルミテート、イソプ
ロピルパルミテート、セチルパルミテート、ミリシルパ
ルミテート、ミリシルセロチネート、トリエチレングリ
コール−2−エチルブチラート、ステアリン酸モノグリ
セライド、ソルビタントリオレート、落花生油、大豆
油、ヤシ油、パーム油、アマニ油、水添油、魚油、動物
油などが挙げられる。
【0038】フタル酸エステル、アジピン酸エステル、
セバチン酸エステルなどはプラスチック用可塑剤として
一般的に使用されているものであるが、焼結性粉末射出
成形用のバインダとしても優れた性能を有している。具
体的には、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、
フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ
デシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシ
ル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸オクチルベンジ
ル、フタル酸ブチルオクチル、アジピン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジデシル、
アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸オクチルデシル、
セバチン酸ジブチル、セバチン酸ジブチル、セバチン酸
ジ2−エチルヘキシル、セバチン酸ブチルベンジルなど
が挙げられる。また、マレイン酸ジブチル、マレイン酸
ジ2−エチルヘキシル、フマル酸ジブチルなどのマレイ
ン酸、フマル酸のエステルも使用できる。さらにリン酸
トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、
リン酸トリフェニルなどのリン酸エステルやホウ酸トリ
エチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリオクチルなどの
ホウ酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの高級
脂肪酸塩も使用できる。
【0039】低分子有機化合物成分は20〜80重量%
の範囲で配合する。低分子成分の配合比が20重量%未
満であると、コンパウンドの流動性が悪く成形性が悪化
するので好ましくなく、配合比が80重量%を超える
と、脱脂が困難となるので好ましくない。
【0040】(c)の化合物の分子量は、2,000 以下で
あり、好ましくは300 〜1,000 である。分子量が300
未満であると成形体に適度な強度を付与することができ
にくくなるからであり、分子量が1,000 を越えると成形
性と脱脂性が悪くなり、2,000 を越えると精密成形品の
成形は不可能であり、また脱脂時間も極めて長くなり、
本発明の目的である複雑形状の精密部品を高精度で効率
良く生産できなくなるからである。
【0041】溶剤脱脂を用いる場合は、分子量2,000 以
下の有機化合物は、エポキシ基を分子内に1個以上有す
る樹脂を溶解しない溶剤に可溶であることが望ましい。
また、加熱脱脂を用いる場合は、脱脂工程中の変形、膨
れなどの欠陥を避けるために、分子量2,000 以下の有機
化合物の成分は沸点の異なるものを2種以上配合するこ
とが好ましい。これは、脱脂工程中の欠陥が樹脂分解温
度より低い温度において、低分子成分の除去される時に
発生しやすい傾向にあるので、それらの欠陥を避けるた
めに分子量2,000以下の有機化合物を2種以上配合
することにより、除去する温度域を広範囲にしたほうが
良いからである。
【0042】本発明におけるエポキシ基を分子内に1個
以上有する分子量2000超のオレフィン重合体(a)
は、バインダ中に3〜80重量%含有される。3重量%
未満であると、焼結性粉末表面を当該樹脂が十分に覆う
ことができず、焼結性粉末とバインダの濡れ性が改善さ
れない。この結果、成形体強度が低く割れやすい、脱脂
時に変形したり、れやクラックが発生するなどの欠点
を生じる。80重量%を越えると、コンパウンドの粘度
が高くなり、成形性が悪化するうえ、脱脂時にクラッ
ク、れの欠陥を生じやすくなる。
【0043】本発明における(a)以外の分子量200
0超の重合体(b)は、脱脂時間短縮のために、バイン
ダ中に70重量%以下含有される。70重量%を越える
と、コンパウンド粘度が高くなり、成形性が悪化するう
え、脱脂時にクラック、膨れの欠陥が生じやすくなる。
【0044】(a)と(b)のそれぞれの樹脂成分の、
バインダ中のより好ましい配合比は、ほぼ同量とするの
が好ましく、このうち(a)エポキシ基含有重合体は焼
結性粉末表面を十分に覆うことができる量として10〜
70重量%であり、(b)前記(a)以外の重合体は、
これに対して10〜60重量%である。前者(a)と後
者(b)の重合体成分の和は20〜70重量%が好まし
く、残部は(c)の分子量2,000 以下の有機化合物であ
る。
【0045】さらに、本発明の粉末射出成形用組成物に
は、酸化防止剤、流動剤、界面活性剤などの添加剤を適
宜加えてもよい。
【0046】本発明の金属粉末、セラミックス粉末また
はサーメット粉末の焼結性粉末射出成形用コンパウンド
は金属粉末、セラミックス粉末またはサーメット粉末1
00重量部に対して本発明の粉末射出成形用バインダ3
〜20重量部と混練して製造するのが好ましい。3重量
部未満では粉末射出成形用バインダが各粉末間の隙間を
埋め切れないために、コンパウンドの流動性が悪く射出
成形が困難となる。また、20重量部を越えると流動性
が良化し、容易に射出成形ができるものの、脱脂時の形
状保持ができなくなるので好ましくない。
【0047】本発明の焼結性粉末射出成形用バインダと
金属粉末、セラミック粉末またはサーメット粉末の混練
方法に制限はなく、各焼結性粉末とすべてのバインダ成
分とを同時に混練しても良いし、すべてのバインダ成分
を混練後、各焼結性粉末を投入して混練しても良い。ま
た各焼結性粉末とバインダのある成分を先に混練し、後
から残りのバインダ成分を加えても良い。混練機として
はヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロールミル、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュ
ー押出機など、バインダと焼結性粉末を混練できるもの
ならば何でも使用できる。
【0048】上述した本発明のバインダと焼結性粉末を
混練したコンパウンドは粉砕あるいは造粒して成形材料
とする。射出成形機は一般的な熱可塑性プラスチック用
射出成形機を用いることができる。射出成形は射出温度
100℃〜250℃の範囲で行うが、射出温度が高すぎ
るとバインダ成分の変質が顕著になり、再生材の成形
性、脱脂性の変化をきたすので、好ましくは射出温度は
100℃〜180℃の範囲がよい。
【0049】脱脂は加熱脱脂法、溶剤抽出法のいずれも
利用できる。加熱脱脂法の場合は窒素、アルゴン、水素
などの気流中で行うか、あるいは減圧中でバインダを除
去するのが好ましい。昇温速度は成形体の厚さにもよる
が10℃/h〜100℃/hの範囲で昇温する。脱脂の
最高温度は450℃〜800℃ぐらいがよい。脱脂の最
高温度が450℃未満であるとエポキシ基含有オレフィ
ン系(共)重合体が効率的に分解除去されないので好ま
しくなく、また800℃以上に昇温してもエポキシ基含
有オレフィン系(共)重合体の分解除去速度はさほど変
わらず、逆に脱脂時間の延長になるだけである。
【0050】溶剤抽出法の場合は成形体からエポキシ基
含有オレフィン系(共)重合体以外の低分子成分のうち
の1種または2種以上を溶剤で抽出除去し、しかる後、
加熱脱脂を行い残りのバインダ成分を除去する。
【0051】焼結工程は脱脂工程終了後、引き続き同一
炉内で行ってもよいし、脱脂体を脱脂炉から取り出し
後、異なる炉で行ってもよい。焼結は800℃〜200
0℃の温度で10分〜6時間保持して行うが、これら焼
結条件、焼結雰囲気は用いる焼結性粉末の材質、粉末特
性に応じて適宜選択して決める。
【0052】次に本発明のバインダおよびコンパウンド
に関する特徴について述べる。
【0053】実施例で後述するように、EVA、EE
A、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
クリル樹脂などのバインダとして従来用いられてきたも
のに比較してエポキシ基を含む共重合体は溶剤による分
離後の焼結性粉末の残留炭素量が金属粉末の場合で0.
01%〜0.08%、セラミックス粉末の場合で0.4
8〜0.56%多い。これはエポキシ基に起因する共有
結合によって焼結性粉末表面と樹脂が強固に結合してい
ると思われる。すなわち、グリシジルメタクリレートや
グリシジルアクリレートは従来用いられてきた様なエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体(EEA)のように焼結性粉末
表面の水酸基と水素結合をするのではなく、下記の様な
共有結合によってより強固な結合をつくると思われる。
【0054】
【化5】
【0055】エポキシ基を含むような樹脂焼結性粉末
成形用バインダとして使用可能なことが特開昭59−1
82266号や特開昭57−38896号に開示されて
いる。しかし、これらは前述したような焼結性粉末との
相互作用に着目したものではなく、成形材料もドクター
ブレード法などに用いるようなスラリー状であり、焼結
性粉末射出成形用コンパウンドとは性質が異なるもので
ある。また特開平01−257158号には分子中に1
個以上のエポキシ基を含む化合物を必須成分とするセラ
ミックス成形体製造用組成物について開示されている。
しかし、これも樹脂成分としてポリアルキレンカーボネ
ートを結合剤として必須成分とし、エポキシ化合物はそ
れより低分子量であるのが好ましいとしており、本発明
のエポキシ基含有オレフィン系重合体とは異なるもので
ある。本発明は焼結性粉末射出成形用バインダとして前
述した原理に基づき、エポキシ基含有不飽和単量体を共
重合させた樹脂を提示するもので全く新規なものであ
る。
【0056】さらに具体的にこのことを説明する。混練
時の焼結性粉末の分散性、コンパウンドの流動性、成形
体の強度には焼結性粉末表面とバインダのれ、すなわ
ち相互作用の強さが大きく影響する。化学的な共有結合
は、最も強い結合の一つであり、焼結性粉末表面の水酸
基と共有結合しうるエポキシ基含有不飽和単量体を共重
合させた樹脂、すなわち本発明によるエポキシ基含有オ
レフィン系(共)重合体は非常に性能のよい焼結性粉末
射出成形用バインダとなるのである。
【0057】すなわち、エポキシ基含有オレフィン系
(共)重合体をバインダ成分として使用すれば、混練時
に焼結性粉末の分散が非常に良好で均一な原料コンパウ
ンドが得られるうえに、凝集粉の残存による流動性の悪
化もなく、バインダ量が少なくてすむ。さらに、焼結性
粉末とのれが、強固な共有結合のために成形体強度が
高く、成形体のクラックもなくなり、ハンドリングでの
変形も少ない。脱脂時においてもエポキシ基含有オレフ
ィン系(共)重合体と粉末とのれが良好なため、脱脂
欠陥が少なく、従来、いられていたバインダよりも、
成形体の変形はほとんどなく、れ、ボイド、クラック
などの脱脂欠陥が起こらない。
【0058】さらに、本発明においてはバインダ成分と
して前述したエポキシ基含有オレフィン系(共)重合体
(a)分子量が 2,000超のスチレン系樹脂および/ま
たはアクリル系樹脂(b)を配合する。また好ましく
は、エポキシ基含有オレフィン系共重合体(a)以外の
重合体(b)はアクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルおよびスチレンのうち1種または2種以上を(共)
重合してなる単独重合体および/または共重合体である
のが良い。これらの重合体および共重合は解重合に優れ
るので、樹脂分解除去温度での脱脂欠陥の発生を抑制す
るのである。
【0059】樹脂成分としてエポキシ基含有オレフィン
系(共)重合体だけを用いると樹脂を分解除去する30
0℃以上の温度域で脱脂体にクラック、表面剥離などの
欠陥を生ずる場合がある。これは、樹脂成分が1種類で
あるために分解がある温度から急激に始まるからであ
る。ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合
体、プロピレン系共重合体など加熱分解が350℃〜
400℃からランダム開裂によって急激に始まるのに対
し、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は30
0℃〜350℃から解重合によって徐々に分解する。し
たがって、本発明においてはこれらの樹脂を配合して樹
脂分解温度を広範囲にして脱脂欠陥を抑制する。これに
よって、脱脂時の昇温をより早く設定することができ、
脱脂時間を短縮できる。
【0060】さらに、エポキシ基含有オレフィン系共重
合体としてエチレン系共重合体あるいはプロピレン系共
重合体を用いると成形体が薄肉である場合などに成形体
の段階でクラックが入りやすくなるが、これもポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体を配合することに
よって、改善することができる。とくに、低分子成分に
前述したフタル酸エステル、アジピン酸エステル等の可
塑剤を用いると流動性もよくなり成形性が著しく改善さ
れる。
【0061】しかしながら、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体は焼結性粉末とのぬれが良くないの
で、エポキシ基含有オレフィン系共重合体の効果を損な
わぬように配合比は70%以下にとどめる方がよい。
【0062】本発明においては他のバインダ成分として
前述した樹脂成分(a)および(b)よりも低分子量の
成分を加える。これは、バインダが樹脂成分だけでは脱
脂が困難なためであるが、成形時の流動性をさらに改善
する意味もある。
【0063】このように、本発明はエポキシ基含有オレ
フィン系(共)重合体の性能を生かしながら、成形性、
脱脂性を改良した結果見いだされたものであり、提示す
るバインダは従来のものよりも非常に優れたものであ
る。
【0064】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、まず実施例中で用いる原材料および評価方法
について説明する。
【0065】1)バインダ原料 表1にバインダとして使用した樹脂の原料モノマー成分
とその共重合比(重量%)および平均分子量を示す。パ
ラフィンワックスは平均分子量380のものを用いた。
その他の成分としてはジブチルフタレート(DBP)、
ジオクチルフタレート(DOP)、ステアリン酸、ステ
アリルアルコール、ベヘン酸アミドを用いた。
【0066】2)物性評価法 金属粉末、セラミックス粉末、サーメット粉末に結合し
ている有機物量 粉砕したコンパウンドから、トルエン溶媒を用いてソッ
クスレー抽出器でバインダを抽出除去し分離した粉末の
炭素量を測定した。この炭素量と混練する前の原料粉末
の炭素量の差(粉末炭素増加量)は、トルエンによって
粉末から除去されない樹脂に起因するものであり、その
多少によってバインダと各粉末の相互作用の強さを評価
することができる。 3)脱脂試験 コンパウンドを図1に示す厚さ4mmの板を平面部1と
支持部2,2を有する台状に射出成形した(成形体)。
他の部分の形状は、図1に示すとおりである。この試験
片を、減圧下、常温から250℃まで12時間で昇温
し、250℃で1時間保持した。その後、窒素を導入し
て以後は窒素気流中500℃まで1時間で昇温してさら
に1時間保持後冷却した。図2は脱脂前の成形体(a)
と脱脂後の成形体(脱脂体(b))を示す断面図であ
り、脱脂変形量として、脱脂工程前後における成形体の
平面部1の中央での変形量を測定した。変形量は、脱脂
時に自重により変形したものである。さらに、脱脂体に
ついては膨れ、クラックなどの脱脂欠陥の有無を観察し
た。
【0067】(実施例) (発明例1〜7、および比較例1〜5)金属粉末として
平均粒径9.5μmの水アトマイズステンレス鋼粉を用
い、表2の配合で射出成形用コンパウンドを作製した。
バインダ添加量はすべてステンレス鋼粉末100重量部
に対して9.8重量部とした。
【0068】混練は加圧ニーダーで行った。加圧ニーダ
ーを140℃に加熱した後、バインダ成分を投入して溶
融させ、金属粉末を徐々に投入して全量投入後1時間混
練した後、混練物を粉砕して射出成形用原料コンパウン
ドとした。得られた原料コンパウンドについて前述した
方法で、粉末と結合した有機物量の測定、脱脂試験を行
った。表2にその結果を示す。
【0069】発明例1〜3はバインダとして本発明によ
るグリシジルメタクリレートの共重合比が5重量%であ
るエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(E−
GMA)を使用し、かつ発明例1、2ではポリスチレン
を、発明例3ではポリブチルメタクリレートを配合して
いる。低分子成分としてはパラフィンワックス、ステア
リン酸、DBPを配合してバインダとしたものである。
それぞれの配合比も適切であるので、これらのコンパウ
ンドを射出成形した成形体は健全であり、脱脂体の外観
についても膨れ、クラックなどの欠陥も見いだされなか
った。さらに、脱脂体の変形量も非常に少ない。発明例
4はエチレン−グリシジルアクリレート共重合体(E−
GA)およびポリスチレンを、発明例5はエチレン−酢
酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体(E−G
MA−VA)およびポリブチルメタクリレートをバイン
ダとして用いた例である。これらの例もグリシジルアク
リレートまたはグリシジルメタクリレートの共重合比が
適切なエポキシ基含有共重合体をバインダとして使用し
ており、ポリスチレンあるいはポリブチルメタクリレー
トも含むので成形性、脱脂性とも優れたバインダとなっ
た。
【0070】発明例6、7は低分子成分として他にステ
アリルアルコール、ベヘン酸アミド、ジオクチルフタレ
ート(DOP)などを使用した配合例であるが、これら
も成形性、脱脂性ともに非常に優れている。
【0071】比較例1、2は発明例と同じグリシジルメ
タクリレートの共重合比が5重量%であるエチレン−グ
リシジルメタクリレート共重合体を使用しているのであ
るが、比較例1ではその配合比が2重量%と3重量%よ
り少ないためエチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体の優れたバインダ効果が発揮されず成形体が脆く、
クラックが入った。また、比較例2では分子量2000
以下の有機化合物であるパラフィンワックス、ステアリ
ン酸、DBPの合計配合比が8重量%と20重量%未満
のため流動性が悪く成形において充填不足を生じたう
え、脱脂体は大きく変形していた。
【0072】比較例3〜5は、バインダとして従来用い
られてきた、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合
体)、EEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合
体)、PE(ポリエチレン)を配合したバインダを使用
したものである。比較例3、4はそれぞれEVA、EE
Aを樹脂成分として用いたものである。これらは、流動
性に優れ、成形体も健全で成形性も良好であった。しか
し、脱脂においては両者とも膨れ、だれを生じた。比較
例5はPE−ワックス−ステアリン酸系のバインダであ
る。このバインダを使用したものは脆く成形体にクラッ
クが入り良好な成形体が得られなかった。比較例6はエ
ポキシ基を含む化合物をバインダに配合しているがその
分子量が2000以下のために脱脂において欠陥を発生
し変形量も大きかった。
【0073】粉末炭素増加量についてみると、EVA,
EEA,PEに起因する粉末炭素増加量が0.01〜
0.03重量%であるのに対し(比較例3〜5)、エポ
キシ基含有共重合体を使用した実施例1〜7の分離粉末
の残留炭素量は0.06〜0.09重量%と高く、バイ
ンダと粉末の結合が強いことがわかる。前述したように
これは粉末表面とグリシジルメタクリレートまたはグリ
シジルアクリレートの式1のような結合によるものと考
えられ、本発明の提示する樹脂が粉末とれがよく優れ
たバインダとなることの具体的な証明となっている。
【0074】(発明例8、比較例7、8)表3には溶剤
抽出用のバインダの配合例を示した。使用した粉末は発
明例1〜7と同じ粉末であり、混練、射出成形も発明例
1〜7と同様に行った。脱脂は射出成形体をノルマルヘ
プタンに4時間保持した後、取り出して加熱脱脂を行っ
た。加熱脱脂は窒素気流中、常温から500℃まで6時
間で昇温し、その温度で1時間保持後冷却した。
【0075】発明例8はグリシジルメタクリレートの共
重合比が5重量%のエチレン−グリシジルメタクリレー
ト共重合体を用いてバインダを配合したものである。こ
のコンパウンドを成形した成形体は充填も良好でクラッ
クも発生しなかった。これをノルマルヘプタン中に4時
間浸漬した脱脂体(溶剤脱脂体)は何の欠陥も見られ
ず、加熱脱脂体の外観も良好であった。比較例6はポリ
エチレンと水添パーム油を配合した溶剤脱脂用のバイン
ダであり、比較例7はポリエチレンのかわりにポリプロ
ピレンを使用したものである。これら比較例のコンパウ
ンドは成形性が悪く成形体にクラックが発生した。さら
に溶剤脱脂体は非常に脆く脱脂炉へ装入時のハンドリン
グで割れてしまった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【0080】(発明例9〜10、比較例9〜11)表4
に示す配合のバインダを使用して、セラミックス粉末射
出成形用コンパウンドを作製した。まず、加圧ニーダを
140℃に加熱した後、バインダ12重量部を投入して
溶融させ、平均粒径1.0μm の窒化ケイ素粉末94重
量%、平均粒径0.4μm の酸化イットリウム粉末3重
量%および平均粒径0.3μm の酸化アルミニウム粉末
3重量%の混合粉100重量部を徐々に投入した。粉末
を全量投入してから1時間混練した後、混練物を取り出
し、冷却後粉砕した。前述した方法で粉末と結合した有
機物量の測定、脱脂試験を行った。表4にその結果を示
す。
【0081】比較例9は粉末とバインダの濡れ性が悪
く、射出成形時に粉末とバインダが分離し、成形不能で
あった。EVA、EEAを用いた場合(比較例10およ
び11)は、良好な成形体が得られるものの、脱脂時に
れが発生したり、著しい変形を起こしたりした。しか
し、発明例9〜10に示すように、エポキシ基を含む樹
脂を用いた場合は、いずれも成形性が良好で、成形体、
脱脂体にれやクラックなどの欠陥がなく、脱脂変形も
小さかった。また粉末炭素増加量もエポキシ基を含む樹
脂を使用した発明例9、10では0.52〜0.58重
量%と高く粉末をバインダのれが良好であることがわ
かった。
【0082】
【表4】
【0083】(発明例11〜13、比較例12〜16)
表5に示すバインダ組成を使用する以外は発明例9およ
び10と同様に混練、粉砕、射出成形、脱脂を行なっ
た。結果を表5に示す。比較例12はエポキシ基を含む
樹脂をバインダ成分として使用しているがその配合比が
1重量%と3重量%より少ないため成形体にクラックが
発生した。比較例13、14では分子量が分子量200
0以下の有機化合物であるパラフィンワックス、DB
P、DOPの合計配合比が15重量%と20重量%以下
のために成形性が悪いうえ脱脂時の変形が著しかった。
比較例15では分子量2000以下の成分の配合比が8
5重量%と80重量%以上のために脱脂性が悪かった。
分子量3000のポリエチレンワックスを用いた比較例
16では脱脂体に膨れやクラックが発生するうえ変形が
著しかった。これに対し、発明例11〜13では成形
性、脱脂性ともに良好で脱脂時の変形も小さかった。
【0084】
【表5】
【0085】(発明例14) E−GMA/水素化アマニ油/DBP=50/30/2
0(重量比)の組成比のバインダを用いる以外は発明例
9と同様に混練、粉射出成形を行なった。成形体をヘ
プタン中に12時間浸漬し、可塑剤の大部分を抽出した
後、30分間真空乾燥した。乾燥後の成形体は窒素気流
中で常温から500℃まで4時間で昇温し、500℃で
1時間保持後冷却した。成形体外観、溶剤脱脂体外観、
熱脱脂体外観のいずれも欠陥発生がなく良好であり、変
形も10μm と小さかった。次に脱脂体を、アルゴンガ
ス下、200℃/時間で昇温し、1800℃で6時間保
持して焼結した。焼結体の密度は理論値の98%であ
り、外観に優れていた。
【0086】(比較例17)E−GMAの代わりにPE
を使う以外は発明例14と同様に行なったが、射出成形
時に成形体のいくつかにクラックが発生した他、熱脱脂
時にクラックが発生し、変形も3500μmと大きかっ
た。 (発明例15〜17)E−GMA−VA33重量%、P
BMA22重量%、パラフィンワックス(m.p.55
℃)20重量%、DBP25重量%より成るバインダを
使用した。表6に示すセラミックス粉末とバインダ量を
用いて、発明例9と同様に混練、成形、脱脂をした。脱
脂体は、アルゴン気流中で、常温から200℃/時間で
昇温し、表6に示す温度と時間で焼結した。いずれの場
合も、欠陥のない良好な焼結品が得られた。
【0087】
【表6】
【0088】
【発明の効果】本発明によるバインダを使用することに
よって、コンパウンドの成形性、脱脂性が大幅に改善さ
れ、金属粉末、セラミックス粉末またはサーメット粉末
射出成形法による部品製造の生産性が大きく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において作製した試験片の寸法を示す図
である。
【図2】変形量の測定を説明する図であり、(a)は成
形体、(b)は脱脂体である。
【符号の説明】
1 平面部 2 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/08 B22F 3/02 M (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/622 - 35/636

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エポキシ基を分子内に1個以上有す
    る分子量2000超のオレフィン系重合体および/また
    は共重合体3〜80重量%、 (b)分子量2000超のスチレン系樹脂および/また
    アクリル系樹脂70重量%以下、および、 (c)分子量2000以下の有機化合物20〜80重量
    %を含有することを特徴とする焼結性粉末射出成形用バ
    インダ。
  2. 【請求項2】前記(b)成分が、アクリル酸エステル、
    メタクリル酸エステル、およびスチレンのうち1種また
    は2種以上を(共)重合してなる単独重合体および/ま
    たは共重合体であることを特徴とする請求項に記載の
    焼結性粉末射出成形用バインダ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の焼結性粉末射出
    成形用バインダと金属粉末、セラミックス粉末またはサ
    ーメット粉末とを含有することを特徴とする焼結性粉末
    射出成形用組成物。
  4. 【請求項4】前記金属粉末、セラミックス粉末またはサ
    ーメット粉末が、平均粒径0.01〜1000μmであ
    る請求項に記載の焼結性粉末射出成形用組成物。
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