JP3042259U - 清拭ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄用の水や洗浄剤を使わずとも、また、清
拭作業にそれほど労力をかけなくても、器物の洗浄が可
能な清拭ブラシを提供する。 【解決手段】 ブラシ台に取り付けた毛を、ポリ酢酸ビ
ニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤
を含浸、乾燥させた繊維２とした清拭ブラシ１とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、清拭剤を含浸させた清拭ブラシに関し、特に、台所の食器や調理器 具や流し台、あるいは風呂場の浴槽や床や壁、更にはトイレ便器や床や壁などの 金属、陶器、プラスティック製器物の清浄化、或いは洗剤を使用できない大理石 材の清浄化に使用するに適した清拭ブラシに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知の通り、一般的に前記各器物の清浄化には、清浄化対象物や、汚れや付着 物等の除去対象物に対応して、種々の洗剤、石鹸等の化学洗浄剤が多用されてい る。また、これらの洗浄には、比較的大量の洗浄水も合わせて使用される。そし て、これら化学洗浄剤には、洗浄対象物に対して無害であることと除去対象物に 対して洗浄乃至除去効果を有することが求められている。また、更には、使用者 の人体や皮膚に対して無害であることや、自然環境を害さないことが求められて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、これら化学洗浄剤に対する要求特性のうち、特に、使用者の身体や皮 膚に対して無害であることや自然環境を害さないことと、除去対象物に対して洗 浄乃至除去効果を有することは、相矛盾する技術的課題である。この矛盾は、特 に、除去対象物が脂汚れや、器物に強固に付着した汚れなど、所謂落ちにくい汚 れになればなるほど大きくなる。

【０００４】 また、もともと自然界には存在しない、人工の化学洗浄剤の排出や、化学洗浄 剤を含む洗浄水の排出、更には除去した汚れの排出自体が、基本的には河川の水 質等の自然環境保護上問題となる。従って、自然環境保護上は、これら化学洗浄 剤の排出量自体を抑制する、そして可能であれば化学洗浄剤自体を排出しないこ とが望ましい。

【０００５】 更に、生活や使用環境上からも、化学洗浄剤や洗浄水の使用や排出が制約され る場合がある。即ち、夏の渇水期や災害時における給水制限や断水時、あるいは 、キャンプや野外活動など水道や排水設備の乏しい、もしくは化学洗剤などの使 用が禁止されている自然環境下での生活などである。また、大理石製の墓石や建 材、あるいは特定のプラスチック製器物など、洗浄に際し、素材に悪影響を与え るため、洗剤を使用できないものもある。

【０００６】 このように、日常の生活あるいは屋外での生活や活動などにおいても、化学洗 浄剤や洗浄水の排出量自体を規制する乃至すべき方向にあり、また、化学洗浄剤 や洗浄水自体が使えない制約も現に存在する中で、脂汚れや、器物に強固に付着 した汚れなど、所謂落ちにくい汚れを除去できる手段が求められている。

【０００７】 しかしながら、洗浄すべき器物の汚れには、落ちにくい脂汚れもあり、また、 陶器や金属あるいはプラスティック製等の器物に強固に付着した汚れや付着物は 、中々完全には除去できず、実際には、酸やアルカリ等の洗浄力が強力で、かつ 自然環境保護上は問題がある洗浄剤が多用されているのが実情である。

【０００８】 このような従来技術の問題点に鑑み、本考案は、自然環境などの破壊を防止し て、自然を保護するために、洗浄用の水や洗浄剤が充分使えない状況でも、ある いは洗浄用の水や洗浄剤を使わずとも、陶器や金属あるいはプラスティック製等 の器物の洗浄可能であり、しかも洗浄作業にそれほど労力をかけなくても、脂汚 れや強固に付着した汚れを、比較的簡便に除去できる清拭具を提供することを目 的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案では、ブラシ台に取り付けた毛を、ポリ 酢酸ビニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾燥させ た繊維または布片とした清拭ブラシを清拭具とする。

【００１０】 本考案では、清拭剤と、清拭剤を含浸させた繊維毛または布片との相乗効果に より、優れた清拭機能を発揮する。まず、清拭剤は、ポリ酢酸ビニルエマルジョ ンと汎用ゴムラテックスを含むものとすることによって、洗剤や洗浄水を要する ことなく、また、それ自体から有害な物質を出さず、環境を汚したり、使用者の 人体や皮膚を害したりすることなく清拭作業が可能となる。また清拭される器物 を擦る力をかけずとも、水や湯に濡らして使用するだけで、脂汚れや強固に付着 した汚れなど、単に紙や布による清拭では落ちにくい器物の汚れを確実に除去す ることができる。

【００１１】 これは、清拭剤中の汎用ゴムラテックスの、ゴムとしての性質である吸油力と 摩擦力により、言い換えると消しゴムのような要領で、器物の脂汚れや強固に付 着した汚れが、効率良く除去できることによる。但し、消しゴムとの相違は、本 考案の清拭剤の機能を発揮させるためには、消しゴムのような乾いた環境下での 使用ではなく、清拭ブラシを水や湯などに濡らし、清拭剤を湿潤状態で使用する 必要がある点である。

【００１２】 この機能を発揮し、器物の汚れをより確実に除去するためには、ポリ酢酸ビニ ルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとの好ましい混合割合を、固形分換算でポ リ酢酸ビニルエマルジョンを30〜70重量％、汎用ゴムラテックスを70〜30重量％ とすることが好ましい。

【００１３】 ポリ酢酸ビニルエマルジョンを多く含有させていくと、硬さが増し腰が強くで きる反面、汎用ゴムラテックスの含有量が少なくなるため清拭機能が少しずつ低 くなる。しかし、前記混合割合の範囲であれば、確実に腰ができ、洗剤が不要な 程度の清拭機能を持たせることができる。更に好ましくは、ポリ酢酸ビニルエマ ルジョンと汎用ゴムラテックスとの両者の混合割合は半々に近い割合がよい。た だ、この混合割合は、前記した好ましい量的範囲の中で、目的や用途に合わせて 適宜選択される。

【００１４】 また必要に応じて、前記清拭剤に、界面活性剤、溶剤あるいはベントナイト、 綿粉等の無機又は有機物質の粉末、シリコンオイル、ポリビニルアルコール(PVA ) 等の水溶性樹脂等を加えることができる。

【００１５】 本考案では、清拭剤を繊維毛または布片に、前記ポリ酢酸ビニルエマルジョン と汎用ゴムラテックスを含む清浄剤を予め含浸、乾燥させているので、清浄剤を 均一に含浸させることができるとともに、ブラシ本体に取り付ける部分も清浄剤 が均一に含浸しているので全体に腰ができ、繊維毛先や布片先が張って清拭部を 形成し、清拭対象物の表面に、しかもその表面形状にフィットする形で、一定の 弾力をもって適合しやすくなる。したがって、ポリ酢酸ビニルエマルジョンと汎 用ゴムラテックスを含む前記清拭剤との相乗効果によって清拭力が向上し、洗剤 を要することなく、また清浄対象器物表面に疵をつけることなく、しかも清浄対 象器物を擦る力をかけずとも、清拭作業が効率的に行える。

【００１６】

【考案の実施の形態】

本考案の繊維毛や布片の生地としては、清浄化対象物や、汚れや付着物等の除 去対象物に対応して、綿、羊毛、麻、あるいは塩化ビニール、レーヨン、ポリエ ステル等の化繊など、公知の繊維が適宜選択される。しかし、太さの細い繊維毛 または厚さの薄い布片を用いる場合には、剛性が不足し易いので、繊維毛の生地 としては、これら生地の中でも剛性の高い塩化ビニールが好ましい。

【００１７】 また、繊維毛や布片の太さや厚さ、あるいはブラシ本体に設ける本数なり枚数 は、清浄対象物や除去対象汚れなどの使用条件や環境により、適宜選択される。

【００１８】 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１〜２は、本考案に係る 清拭ブラシの斜視図である。図１（ａ）の清拭ブラシ１ａは、台所の食器やザル などの調理器具の清浄化に適したものである。このため、塩化ビニール製の繊維 毛２に、前記ポリ酢酸ビニルエマルジョン50重量％と汎用ゴムラテックス50重量 ％とを含む清拭剤を含浸、乾燥させ、この繊維２を、片手で挟持できる大きさに 形成されたポリプロピレン製ブラシ台３ａに植設してブラシ毛とした構造からな る。なお、ブラシ本体３ａには、ブラシ本体と一体に形成された柄４ａが設けら れ、この柄４ａには、例えば清拭ブラシの保管に便利なハンガーへの係止用孔７ ａが形成されている。清拭ブラシ１ａは以上の構成であるので、洗剤を用いずと も、また洗浄水を多量に使わずとも、本清拭具を水やお湯に浸して用いるだけで 、前記器物の、特に油汚れなどの落ちにくい汚れを効率的に除去することが可能 である。

【００１９】 図１（ｂ）の清拭ブラシ１ｂは、風呂場の浴槽や床や壁、更にはトイレ便器や 床や壁などの金属、陶器、プラスティック製器物の清浄化に使用するに適したも のである。このため、塩化ビニール製の繊維２に、前記清拭ブラシ１ａと同様に 、ポリ酢酸ビニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾 燥させ、この繊維２を、ポリプロピレン製ブラシ台３ｂに植設してブラシ毛とし た構造からなる。なお、ブラシ台３ｂには、ブラシ本体と一体に形成された片手 で持てる短尺の柄４ｂが設けられている。清拭ブラシ１ｂは以上の構成であるの で、酸やアルカリなどの強力な化学洗浄剤等を用いずとも、また洗浄水を多量に 使わずとも、本清拭クロスを水やお湯に浸して用いるだけで、前記器物の特に落 ちにくい汚れなどを効率的に除去することが可能である。

【００２０】 図１（ｃ）の清拭ブラシ１ｃは、そのブラシ台３ｃとブラシ毛２の構造は、基 本的に、前記図１（ｂ）の清拭ブラシ１ｂの構造と同じである。ただ、ブラシ台 ３ｃと一体に形成された柄４ｃがより長尺となっており、身体を清浄化対象器物 より離して、清拭作業を行いたい、トイレ便器や床や壁などの清浄作業に適する 。また柄４ｃには、例えば清拭ブラシの保管に便利なハンガーへの係止用孔７ｃ が形成されている。

【００２１】 図２（ａ）の清拭具１ｄも、風呂場の浴槽や床や壁、更にはトイレ便器や床や 壁などの金属、陶器、プラスティック製器物の清浄化に使用するに適したもので ある。清拭具１ｄの、ブラシの毛部分に相当する清拭作用部Ａは、ウレタンフォ ームのスポンジからなる芯材５の表面に、ポリエステルの不織布であって、前記 ポリ酢酸ビニルエマルジョン50重量％と汎用ゴムラテックス50重量％とを含む清 拭剤を含浸、乾燥させた布片６を、接着剤で張り合わせた構造からなる。そして 、この清拭作用部Ａを二つ折りして端部を、ブラシ台３ｄの先割れした先端部Ｂ で挟持し、ブラシとして一体に形成する。また、ブラシ台３ｄと一体的に形成さ れた長尺の柄４ｄには、例えば清拭ブラシの保管に便利なハンガーへの係止用孔 ７ｃが形成されている。清拭具１ｄは以上の構成であるので、酸やアルカリなど の強力な洗浄剤を用いずとも、また洗浄水を多量に使わずとも、本清拭具を水や お湯に浸して用いるだけで、前記器物の特に落ちにくい汚れを効率的に除去する ことが可能である。また、本考案における清拭剤は、前記した通り、水やお湯に 湿潤して用いることを必須とするが、本実施例では、清拭作用部Ａの芯材のスポ ンジが多孔質であるため、水やお湯等の水分を保持する保水効果が高い。このた め、スポンジが軟質で弾力性を有することと相まって、使用者が清拭具を使用し た場合、清浄化対象物に押しつける加圧力の加減によって、スポンジが伸縮し、 スポンジに保持されている水分が、スポンジ表面の布地に含浸された清拭剤に、 適度な量供給可能とされることにより、前記清拭剤の清拭効果が持続的となる効 果も有する。

【００２２】 図２（ｂ）の清拭具１ｅも、その清拭作用部Ａの構造は基本的に、前記図２ （ａ）の清拭ブラシ１ｄの構造と同じである。ただ、ブラシ台３ｅと一体に形成 された柄４ｅがより短尺となっており、また、清拭作用部Ａは、ブラシ本体の先 端部Ｂにピン８で係り止められた構造をしている。そして、前記清拭ブラシ１ｄ と同様の効果を有する。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る清拭ブラシは、自然環境を保護するために 、洗浄用の水や洗浄剤が充分使えない状況でも、あるいは洗浄用の水や洗浄剤を 使わずとも器物等が洗浄可能であり、しかも洗浄作業にそれほど労力をかけなく ても、器物や身体の脂汚れや強固に付着した汚れを比較的簡便に除去できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る清拭具の一実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】本考案に係る清拭具の他の実施例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ａ〜１ｅ：清拭ブラシ ２：繊維毛 ３：ブラシ本体 ４：柄 ５：スポンジ ６：不織布 ７：係止孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブラシ台に取り付けた毛を、ポリ酢酸ビ
   ニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤
   を含浸、乾燥させた繊維または布片としたことを特徴と
   する清拭ブラシ。
2. 【請求項２】 前記清拭剤が固形分換算でポリ酢酸ビニ
   ルエマルジョンを30〜70重量％、汎用ゴムラテックスを
   70〜30重量％含む請求項１に記載の清拭ブラシ。
3. 【請求項３】 前記繊維毛が塩化ビニール製である請求
   項１または２に記載の清拭ブラシ。
4. 【請求項４】 前記布片が、前記清拭剤を含浸させた布
   地を芯材としてのスポンジ表面に設けたものである請求
   項１乃至３のいずれか１項に記載の清拭ブラシ。