JP3042257U - 清拭タオル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄用の水や洗浄剤を使わずとも、また、清
拭作業にそれほど労力をかけなくても、顔や身体の洗浄
が可能な清拭タオルを提供する。 【解決手段】 綿の織布２に、ポリ酢酸ビニルエマルジ
ョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾燥
させた清拭タオル１とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、清拭剤を含浸させた清拭タオルに関し、特に、顔面または身体等の 清拭に使用する清拭タオルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知の通り、一般に身体等の洗浄には、種々の洗浄剤、石鹸等の化学洗浄剤が 多用されている。また、洗浄には、比較的大量の洗浄水も合わせて使用される。 これら化学洗浄剤には、身体や皮膚、肌に対して無害であり、悪影響を及ぼさな いことと、特に落ちにくい化粧剤や油汚れなどの除去対象物に対して洗浄乃至除 去効果を有することが求められている。また、更には、河川などの自然環境を害 さないことが求められている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、これら化学洗浄剤に対する要求特性のうち、特に、使用者の身体や皮 膚に対して無害であることや自然環境を害さないことと、除去対象物に対して洗 浄乃至除去効果を有することは、相矛盾する技術的課題である。この矛盾は、特 に、除去対象物が化粧剤や脂汚れなど、所謂落ちにくい汚れになればなるほど大 きくなる。

【０００４】 例えば、顔や身体の化粧落としなどの場合でも、最近は益々落ちにくくなって いる化粧剤落としのため、クレンジングクリームなどを使用して、これをティッ シュやガーゼ等で拭き取ったのち、洗顔や入浴により洗浄するのが通例であり、 この手間が煩雑となっている。このため、最近では、クレンジングクリームの代 わりとなり、化粧落としと洗浄とを同時にできる洗顔料も販売されてはいるが、 これらは、基本的にアルコール系溶剤などの有機溶剤を用いるものであり、この 薬液の使用自体が、基本的に身体や肌そのものにとっても好ましくない。

【０００５】 このような従来技術の問題点に鑑み、本考案は、洗浄用の水や洗浄剤が充分使 えない状況でも、また、有機溶剤や化学洗剤などを使わずとも、油汚れや化粧落 としなどの顔や身体の洗浄が可能で、しかも洗浄作業にそれほど労力をかけなく ても、化粧や脂汚れ、強固に付着した汚れなどを、比較的簡便に除去できる清拭 具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案では、清拭具を、綿の織布に、ポリ酢酸 ビニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾燥させた清 拭タオルとする。

【０００７】 本考案では、清拭剤と、清拭剤を含浸させた綿の織布との相乗効果により、優 れた清拭機能を発揮する。まず、清拭剤は、ポリ酢酸ビニルエマルジョンと汎用 ゴムラテックスを含むものとすることによって、洗剤や洗浄水を要することなく 、また、それ自体から有害な物質を出さないので、環境を汚したり、身体や皮膚 、肌を害したり悪影響を与えることなく、清拭作業が可能となる。また清拭され る器物や身体を擦る力をかけずとも、水や湯に濡らして使用するだけで、脂汚れ や化粧品など、単に紙や布による清拭では落ちにくい汚れを確実に除去すること ができる。

【０００８】 これは、清拭剤中の汎用ゴムラテックスの、ゴムとしての性質である吸油力と 摩擦力により、言い換えると消しゴムのような要領で、器物の脂汚れや強固に付 着した汚れが、効率良く除去できることによる。但し、消しゴムとの相違は、本 考案の清拭剤の機能を発揮させるためには、消しゴムのような乾いた環境下での 使用ではなく、清拭タオルを水や湯などに濡らし、清拭剤を湿潤状態で使用する 必要がある点である。

【０００９】 この機能を発揮し、汚れをより確実に除去するためには、ポリ酢酸ビニルエマ ルジョンと汎用ゴムラテックスとの好ましい混合割合を、固形分換算でポリ酢酸 ビニルエマルジョンを30〜70重量％、汎用ゴムラテックスを70〜30重量％とする ことが好ましい。

【００１０】 ポリ酢酸ビニルエマルジョンを多く含有させていくと、硬さが増し腰が強くで き、清拭具としての全体形状が保持できる反面、汎用ゴムラテックスの含有量が 少なくなり、清拭機能が少しずつ低くなる。しかし、前記混合割合の範囲であれ ば、確実に腰ができ、清拭具としての全体形状が保持できるとともに、洗剤が不 要な程度の清拭機能を合わせ持たせることができる。更に好ましくは、ポリ酢酸 ビニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとの両者の混合割合は半々に近い割合 がよい。勿論、この混合割合は、前記した好ましい量的範囲の中で、除去対象の 汚れや、用いる身体の部分に合わせて適宜選択される。

【００１１】 また必要に応じて、前記清拭剤に、界面活性剤、溶剤あるいはベントナイト、 綿粉等の無機又は有機物質の粉末、シリコンオイル、ポリビニルアルコール(PVA ) 等の水溶性樹脂等を加えることができる。

【００１２】 本考案では、清拭剤を綿の織布地に予め含浸、乾燥させているので、清拭剤を 均一に含浸させることができ、布地の生地全体に腰ができる。また、綿の織布に よるタオル地自体は肌触りが良く軟質であるため、この布地の軟質性と清拭剤含 浸による生地全体の腰との相乗効果により清拭効果が増す。したがって、清拭タ オル自体の清拭力が向上し、清拭剤の清拭力と相まって、清拭対象物に擦る力を かけずとも、清拭対象物の清拭作業が効率的に行える。そしてこのことが、軟ら かく傷つきやすい身体の肌の洗浄用に使えるという効用を生み出す。

【００１３】 また、本考案における清拭剤は、前記した通り、水やお湯に湿潤して用いるこ とを必須とするが、綿の織布が多孔質で、しかも厚みのあるタオル地であるため 、水やお湯等の水分を保持する保水効果が高い。このため、使用者が清拭タオル を使用中に、綿の織布に保持されている水分が、布地に含浸された清拭剤に、適 度な量供給可能とされることにより、前記清拭剤の清拭効果が持続的となる効果 も有する。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案の布の生地としては、綿を基本とするが、綿１００％のみならず、タオ ル全体の伸縮性を重視して、綿に加えてポリエステル等の化繊を加える、あるい は剛性を上げるために麻などの比較的硬い繊維を加える等の変更が適宜可能であ る。これらの繊維を組み合わせ、基本的には比較的厚手のタオル地に構成する。 また、清拭タオルに含ませる水を切る場合には、清拭タオル自体を強く握って体 積を縮小させるが、この水切れを良くするために、あるいは布地表面を粗くして 清拭効果を上げたい等の場合には、綿の織布全体あるいはその一部に、織り目を 粗くして、繊維間に空隙を多く設けたメッシュ地を用いることが好ましい。

【００１５】 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１は、各々本考案に係る 清拭タオルの斜視図である。図１（ａ）の清拭タオル１ａは、入浴時、身体全体 の汚れや化粧を落とすための清拭に適したボディークリア用である。このため、 綿製の縦糸と横糸とを直角に組み合わせた平織りの長尺の織布２に、前記ポリ酢 酸ビニルエマルジョン50重量％と汎用ゴムラテックス50重量％とを含む清拭剤を 含浸、乾燥させている。清拭タオル１ａは以上の構成であるので、石鹸やシャン プー等の洗浄剤を用いずとも、また洗浄水を多量に使わずとも、本清拭タオルを 水やお湯に浸して用いるだけで、背中などの身体の特に落ちにくい汚れや化粧を 余計な労力や無理な姿勢なしで効率的に除去することが可能である。

【００１６】 図１（ｂ）の清拭タオル１ｂは、顔面の毛穴の汚れや化粧を落とすのに適した フェイスクリア用である。このため、綿の平織りの織布２は、清拭タオル１ａよ りも短尺で、前記ポリ酢酸ビニルエマルジョン50重量％と汎用ゴムラテックス50 重量％とを含む清拭剤を含浸、乾燥させている。なお、３は、清拭具タオル１ｂ の裏地に設けたガーゼであり、顔面の清拭後、このガーゼを使って、仕上げの拭 き取りを行うと便利である。また、このガーゼに代えてメリヤスとしても良い。 清拭タオル１ｂは以上の構成であるので、石鹸やシャンプー等の洗浄剤を用いず とも、また洗浄水を多量に使わずとも、本清拭具を水やお湯に浸して用いるだけ で、身体の特に落ちにくい汚れを除去することが可能で、しかも洗いにくい背中 などを余計な労力や無理な姿勢なしで効率的に除去することが可能である。

【００１７】 図１（ｃ）の清拭タオル１ｃは、入浴時に身体の垢すりに適したボディークリ ア用である。このため、綿製の縦糸と横糸とを直角に組み合わせた平織り織布の 織り目を粗くして、メッシュ地４としている。このメッシュ地４に、前記ポリ酢 酸ビニルエマルジョンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾燥させて いる。清拭タオル１ｃは以上の構成であるので、石鹸やシャンプー等の洗浄剤を 用いずとも、また洗浄水を多量に使わずとも、本清拭具を水やお湯に浸して用い るだけで、身体の垢すりを行うことが可能で、しかも余計な労力や無理な姿勢な しで効率的に除去することが可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る清拭タオルは、自然環境を保護するため、 洗浄用の水や有機溶剤や化学洗剤が充分使えない状況でも、あるいは有機溶剤や 化学洗剤を使わずとも、顔や身体の洗浄が可能で、しかも洗浄作業にそれほど労 力をかけなくても、脂汚れや化粧品を、比較的簡便に除去できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る清拭具の一実施例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ａ〜１ｃ：清拭具 ２、４：織
布 ３：ガーゼ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 綿の織布に、ポリ酢酸ビニルエマルジョ
   ンと汎用ゴムラテックスとを含む清拭剤を含浸、乾燥さ
   せたことを特徴とする清拭タオル。
2. 【請求項２】 前記清拭剤が固形分換算でポリ酢酸ビニ
   ルエマルジョンを30〜70重量％、汎用ゴムラテックスを
   70〜30重量％含む請求項１に記載のタオル。
3. 【請求項３】 前記綿の織布が、化繊との混合織布で伸
   縮性を有する請求項請求項１または２に記載の清拭タオ
   ル。
4. 【請求項４】 前記綿の織布の裏地にガーゼ、またはメ
   リヤスを設けた請求項１乃至３のいずれか１項に記載の
   清拭タオル。
5. 【請求項５】 前記綿の織布が、メッシュ地部分を有す
   る請求項１乃至４のいずれか１項に記載の清拭タオル。
6. 【請求項６】 用途が顔面または身体清拭用である請求
   項１乃至５のいずれか１項に記載の清拭タオル。