JP3042252U - 建築部材 - Google Patents

建築部材

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JP3042252U
JP3042252U JP1997002558U JP255897U JP3042252U JP 3042252 U JP3042252 U JP 3042252U JP 1997002558 U JP1997002558 U JP 1997002558U JP 255897 U JP255897 U JP 255897U JP 3042252 U JP3042252 U JP 3042252U
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光吉 渡辺
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株式会社明光ワテック
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹溝が形成される面を有する基材に、支持板
の片面に化粧シートを積層した表面材を接着する建築部
材として、基材の凹溝の内部(底面と側壁面)にも同じ
表面材を施して外観が統一された品質の高い建築部材な
どを提供する。 【解決手段】 表面材(3)が、基材(2)の凹溝
(1)が形成される面(2a)と凹溝の側壁面(1b)
とが交わる出隅部ではV字状溝(6)に沿って支持板
(4)側に折り曲げられた状態で接着されているととも
に、その凹溝(1)の底面(1a)と側壁面(1b)と
が交わる入隅部ではV字状溝(6)に沿って化粧シート
(5)側に折り曲げられた状態で接着されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、住宅等の建築に使用される鴨居、敷居、枠材等の建築部材に関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の一般住宅、集合住宅等の建築においては、合板等の基材の表面に化粧( 装飾)等の目的で表面材を被覆するように接着した構造からなる建築部材が使用 されている。
【0003】 例えば、間仕切りや押入れ等における襖等の建具を立て込むための鴨居として も、図11に示すように、断面がほぼ四角形状の角材からなる基材100の下面 に、襖の上部が差し込まれて襖の開け閉め時にガイド溝として機能する断面矩形 状の凹溝110を形成し(この図面では便宜上、凹溝が形成されている基材の面 を上向きにした状態で図示している)、その基材100の凹溝110が形成され た表面100a、側面100b及び裏面の一部100cに表面材120を被覆す るように接着した構造のものが知られている。
【0004】 このときの表面材120としては、図12に示すように、薄い木製の支持板1 21の片面(又は両面)に木目調等の模様をプリントした化粧シート122を接 着した積層構造からなるものが使用される。そして、この表面材120は、基材 100の表面や側面等が交わる出隅部130において折り曲げて使用するため、 その出隅部130に相当する支持板121の位置に断面がV字形状の溝140が 掘られるように形成されており、そのV字状溝140に沿って支持板側に折り曲 げられて支持板121側が基材100の各面100a,100b,100cに重 ね合わせられた状態で接着されている。これにより、表面材120にて覆われた 基材100の面は、表面材の化粧シート122の外観で化粧されるようになって いる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような基材と表面材を組み合わせた構造からなる建築 部材のなかでも鴨居等のように基材側に凹溝を形成する構造の建築部材では、図 11に示すように、その基材100の凹溝110の内部(底面110aとその側 壁面110b)には表面材120を施さないため、かかる凹溝の内部110a, 110bは基材100の外観がむき出した状態にあり、表面材120を施した面 の部分と比べて外観が異なり美観が損なわれるという問題があった。
【0006】 このため、上記鴨居のような建築部材においては、通常、その凹溝110の部 分に対して、その凹溝にはめ込むことができる形状に成形したプラスチック成形 品等の被覆部材150を取り付けるようになっている(図11)。しかし、この 場合であっても、凹溝の内部110a,110bが表面材120とは異なる被覆 部材150にて覆われることになるため、やはり凹溝11の部分は外観上違和感 があり美観が損なわれてしまう。しかも、表面材120の他に被覆部材150を 別に用意しなければならず、その取り付け作業も別途必要になるという難点があ る。
【0007】 本考案の目的は、このような従来技術の問題点を解消することにあり、凹溝が 形成される面を有する基材に、支持板の片面に化粧シートを積層した表面材を接 着する建築部材として、基材の凹溝の内部(底面と側壁面)にも同じ表面材を施 して外観が統一された品質の高い建築部材を提供することにある。この他、表面 材を利用して建築部材の一部形状を形成する建築部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する、請求項1に係る考案は、底面と側壁面からなる凹溝が 形成される面を有するとともに面と面とが交わる出隅部を有する基材と、支持板 の片面に化粧シートを積層してなり、その支持板側に形成されるV字状溝に沿っ て折り曲げた状態で前記基材の少なくとも凹溝が形成される面とその面と連なる 面に支持板側を重ね合わせて接着させる表面材とで構成される建築部材であって 、上記表面材が、上記基材の凹溝が形成される面と凹溝の側壁面とが交わる出隅 部ではV字状溝に沿って支持板側に折り曲げられた状態で接着されているととも に、その基材の凹溝の底面と側壁面とが交わる入隅部ではV字状溝に沿って化粧 シート側に折り曲げられた状態で接着されているものである。
【0009】 ここで、上記基材(芯材)としては、通常、断面がほぼ四角形状の角材が使用 されるが、面と面とが交わって形成される出隅部を有する形態のものであれば断 面が四角形状以外の多角形状のものであってもよい。また、この基材は、底面と 側壁面からなる凹溝が形成される面を少なくとも一つ有するものである。凹溝の 本数は任意である。そして、この基材は、通常建築に使用し得る木製の材料であ るが、他の材質からなるものであってもよい。
【0010】 上記表面材は、基本的に建築部材の用途に応じて好適な外観を付与するための ものであるが、その外観付与に加えて他の機能を付与するものであってもよい。 この表面材を構成する支持板としては、薄めの板状のものであればよく、V字状 溝を切削加工しやすい木板等が使用される。また、化粧板を構成する化粧シート としては、所望の外観を付与するための化粧が施され、しかも表面材を折り曲げ た状態で使用しても破損しにくいシート部材であれば如何なるものでも使用する ことができ、例えば、塩化ビニルシート等のシート基材に木目等の模様をプリン トしたものが使用される。また、この化粧シートは、接着剤等を用いて支持板の 片面に接着される。
【0011】 表面材の支持板には、表面材を折り曲げて使用する際の折り目として機能させ るV字状溝を切削加工する。このV字状溝は、支持板の厚さにほぼ相当する深さ からなる溝であり、その溝の広角(V字に開いた角度)は表面材を折り曲げる条 件(角度や形態)に応じて適宜設定される。例えば、表面材を90°の角度に折 り曲げる場合には、V字状溝の広角は90°とすればよい。
【0012】 そして、この表面材は、基材の各面のうち表面材を施す必要がある面に支持板 側を重ね合わせるようにして接着させるものであるが、少なくとも凹溝が形成さ れる面とその面に連なる面(例えば側面)に接着される。このとき、表面材は、 面の途中や面と面が交わる出隅部等において区切ることなく、継ぎ目のない連続 した状態で接着するように施工することが望ましい。
【0013】 このような建築部材によれば、表面材は、基本的に基材の凹溝が形成される面 とその面に連なる面に接着されており、特に、面と面とが交わる出隅部ではV字 状溝に沿って支持板側に折り曲げた状態で支持板側が重ね合わされるようにして 接着されている。そして、表面材は、基材の凹溝が形成される面と凹溝の側壁面 とが交わる出隅部ではV字状溝に沿って支持板側に折り曲げた状態で接着されて いるとともに、その凹溝の底面と側壁面とが交わる入隅部ではV字状溝に沿って 化粧シート側に折り曲げた状態で接着されている。従って、この建築部材は、表 面材が、基材の凹溝が形成される面とその面に連なる面に加えて、基材の凹溝の 内部(底面と側壁面)に対しても同じように接着されたものとなる。
【0014】 また、この建築部材においては、基材の凹溝の入隅部に、表面材の支持板の厚 さに相当する高さ及び幅からなる段部を形成することが望ましい。これは、底面 と側壁面とが単に交わる入隅部では、表面材がV字状溝に沿って化粧シート側に 折り曲げられることにより支持板のV字状溝が拡げられてその拡げられた支持板 のV字状溝と凹溝の入隅部とで囲まれるすき間が発生するが、上記段部を形成し た場合にはこのすき間が殆どなくなる。これにより、凹溝の入隅部においては、 表面材のV字状溝が形成された支持板部分が段部に支持されることにより、凹溝 に負荷がかかっても入隅部で折り曲げられた状態にある表面材が破損しにくくな り、十分な強度を有するものとなる。
【0015】 さらに、この建築部材は、凹溝を必要とする用途の建築部材として構成するこ とができる。その建築部材の種類については特に制約されない。
【0016】 例えば、この建築部材は、鴨居(なか鴨居も含む)や敷居(なか敷居も含む) として構成される。この場合、基材は、凹溝としてスライド開閉される建具のガ イド溝を形成した角材が使用される。スライド開閉される建具とは、襖、引き戸 、障子戸等である。
【0017】 また、この建築部材は、戸じゃくり付き竪枠として構成される。この場合、基 材は、凹溝としてスライド開閉させる建具の戸じゃくり溝を形成した角材が使用 される。このときの建具としては、主に引き戸等である。
【0018】 請求項6に係る考案は、面と面とが交わる出隅部を有する基材と、支持板の片 面に化粧シートを積層してなり、その支持板側に形成されるV字状溝に沿って折 り曲げた状態で前記基材の少なくとも交わる2つの面に支持板側を重ね合わせて 接着させる表面材とで構成される建築部材であって、上記表面材が、上記基材の 出隅部において、その一方の面から出隅部を越えて突出した状態でV字状溝に沿 って支持板側に折り曲げられて支持板どうしが接着されるとともに、その折り曲 げられた表面材部分が他方の面と交わる位置においてV字状溝に沿って化粧シー ト側に折り曲げられた状態で他方の面に接着されて、他方の面から隆起する突出 部を形成しているものである。
【0019】 ここで、表面材にて形成される突出部の突出高さは、用途等に応じて選定され る。このような突出部を備えた建築部材は、突出部が要求される部材として使用 することができる。例えば、折り畳み戸の竪枠として使用することができ、この 場合、表面材にて形成される突出部は折り畳み戸と竪枠との間に発生するすき間 を隠すためのすき間隠しとして利用される。このような突出部は、必要であれば 、前記した凹溝が形成される基材の出隅部において形成してもよい。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本考案の実施の形態について説明する。
【0021】 ◎実施例1 図1及び図2は、この考案を適用した鴨居又は敷居の一実施例を示すもので、 図1はその使用状態を示す断面図、図2はその斜視図と断面図である。
【0022】 図1及び図2において、20は鴨居、30は敷居、40はスライド開閉する建 具(襖、引き戸、障子戸など)である。この鴨居20の下面と敷居30の上面に は、2枚の建具40をその開閉時にガイドするための2本のガイド溝21,31 がそれぞれ直線状に平行して形成されている。この場合、建具40は、その建具 上部が鴨居20のガイド溝21に差し込まれるとともにその建具下部が敷居30 のガイド溝31に差し込まれ、その各ガイド溝21,31にガイドされつつスラ イド開閉されるようになっている。
【0023】 鴨居20(又は敷居30)は、図2や図3に示すように、ガイド溝21(31 )を形成するためのガイド溝形成用の凹溝1が2本平行して形成された基材2と 、この基材2の凹溝1が形成された面2aと側面2bと裏面の一部2cに接着さ れた表面材3とで構成されている。
【0024】 基材2は、合板からなる断面がほぼ長方形状の角材であり、その下面(又は上 面)にガイド溝形成用の凹溝1が形成されている。また、基材2において表面材 3が接着される面や部位は、最終的に鴨居(敷居)として必要となる所要寸法か ら表面材3の厚さ分だけ間引いた寸法や形状で形成されている。
【0025】 表面材3は、図2や図3に示すように、数mm程度の厚さからなる木製の支持 板4と、この支持板4の片面に接着される木目模様がプリントされた塩化ビニル シート等の化粧シート5とで構成されている。この表面材3の支持板4は、表面 材3を基材2の面と面とが交わる出隅部等において折り曲げた状態で接着させる 必要があることから、その折り曲げる必要のある部分にV字状の溝6が直線状に 形成される。このV字状溝6は、表面材3の折り曲げる状態の角度が90°であ るため、その広角θを90°に設定している。ちなみに、この場合におけるV字 状溝6の支持板4となす角度は左右とも45°である。また、この支持板4のV 字状溝6を含む表面には、基材2への接着を行うための接着剤が塗布されるよう になっている。この接着剤は基材2側に塗布しておいてもよい。
【0026】 この実施例の場合、基材2には8つの出隅部7と4つの入隅部8がある。すな わち、図3に示すように、8つの出隅部7として、凹溝1が形成された表面2a と凹溝1の側壁面1bとが交わる4つの角7(a,b,c,d)と、凹溝1が形 成された表面2aと側面2bとが交わる2つの角7(e,f)と、側面2bとと 裏面の一部2cとが交わる2つの角7(g,h)がある。また、4つの入隅部8 として、凹溝の底面1aと側壁面1bとが交わる4つの角8(a,b,c,d) がある。従って、表面材3の支持板4には、この8つの出隅部7と4つの入隅部 8において表面材3を曲げるための計12個のV字状溝6を形成する必要がある 。図3では、そのうち10個のV字状溝6(a〜j)について図示している。
【0027】 そして、この鴨居20(又は敷居30)は、基材2に表面材3を以下のように 折り曲げた状態で接着させることにより形成される。
【0028】 まず、表面材3の接着剤が塗布された支持板4側を、基材2の表面2aに対向 させて接触させる。そして、V字状溝6e,6fの間の支持板4aを基材2の2 つの凹溝1の間となる表面2aに接着させてその位置が大幅にずれることがない ように保ちながら、表面材3を凹溝1の内部に押し込むようにする。
【0029】 これにより、表面材3は、基材2の出隅部7a,7bにおいてV字状溝6e, 6fに沿って支持板4側に折り曲げられ、出隅部7c,7dにおいてV字状溝6 b,6iに沿って支持板4側に折り曲げられる。一方、表面材3は、入隅部8a ,8b,8c,8dにおいてV字状溝6c,6d,6g,6hに沿って化粧シー ト5側にそれぞれ折り曲げられる。そして、この折り曲げた状態で表面材3を化 粧シート5側から押圧すると、凹溝1の底面1aには支持板4cが接着され、そ の凹溝1の側壁面1bには支持板4b,4dがそれぞれ接着される。また、基材 2の出隅部7e,7fを構成する表面2aにも支持板4が接着される。
【0030】 続いて、表面材3の基材の側面2bと裏面の一部2cに向けて折り曲げる。こ れにより、表面材3は、基材2の出隅部7e,7fにおいてV字状溝に沿って支 持板4側に折り曲げられ、出隅部7g,7jにおいてV字状溝6a,6jに沿っ て支持板4側に折り曲げられる。そして、この折り曲げた状態で表面材3を化粧 シート5側から押圧すると、表面材4の支持板4の各部分が基材2の側面2bと 裏面の一部2cにそれぞれ接着される。
【0031】 このようにして、表面材3は、凹溝1の内部を含む基材2の表面2a全体から 側面2b及び裏面の一部2cにかけて連続した状態で接着される。また、これに より基材2の凹溝1は、その溝内部である底面1aと側壁面1bに表面材3が接 着される結果、ガイド溝21(31)となる。最後に、表面材3の支持板4に塗 布した接着剤が乾燥して固まることにより、図2に示すような鴨居20(又は敷 居30)が完成する。
【0032】 この実施例における鴨居20(及び敷居30)は、基材2の凹溝1の内部を含 む表面、側面及び裏面の一部に同じ表面材3が接着されているため、その外観が 表面材3の化粧シート5による木目模様で統一された品質の高いものである。し かも、その表面材3が、上記各表面と凹溝内部にわたって継ぎ目もなく連続した 状態で接着されているため、凹溝を有する建築部材にかかわらず、優れた美的外 観を具有するものでもある。
【0033】 なお、前記した基材2と表面材3からなる敷居30を建築部材として使用する 場合には、建具40の下部がスライド開閉時にガイド溝31上を円滑にスライド するようにするため、そのガイド溝31の底面に滑性付与シート材を貼り付ける ことが望ましい。
【0034】 ◎実施例2 図4及び図5は、この考案を適用した戸じゃくり付き竪枠の一実施例を示すも ので、図4はその使用状態を示す正面図と断面図、図5はその斜視図と断面図で ある。
【0035】 図4及び図5において、20は鴨居、30は敷居、50は戸じゃくり付き竪枠 、55は戸じゃくりのない竪枠、40はスライド開閉する建具(襖、引き戸、障 子戸など)、41は建具の引手(又は把手)、60は壁面部、61は方立である 。鴨居20及び敷居30は、ガイド溝21,31が1本であり、寸法が用途上異 なる以外は実施例1の鴨居と敷居と同じ構成からなるものである。また、戸じゃ くり付き竪枠の1つの側面には、建具40を閉めたときにその側部が当たる1本 の戸じゃくり溝51が直線状に形成されている。
【0036】 この場合、建具40は、その建具上部が鴨居20のガイド溝21に差し込まれ るとともにその建具下部が敷居30のガイド溝31に差し込まれ、その各ガイド 溝21,31にガイドされつつスライド開閉されるようになっている。そして、 建具40を閉めた場合には、その建具40の一側部が戸じゃくり付き竪枠50の 戸じゃくり溝51内に納まるようになっている。反対に建具40を開けた場合に は、その建具40の他方の側部が竪枠55の側面に当たるようになっている。な お、鴨居20及び敷居30は、公知である他の構成のものを適用してもよい。
【0037】 戸じゃくり付き竪枠50は、図4や図5に示すように、戸じゃくり溝51を形 成するための戸じゃくり溝形成用の凹溝1が1本形成された基材2と、この基材 2の凹溝1が形成された面2aと側面2bと裏面の一部2cに接着された表面材 3とで構成されている。
【0038】 基材2は、凹溝1が戸じゃくり溝形成用のものであり、各寸法等が竪枠用のも のである以外は実施例1の基材2とほぼ同じ構成からなるものである。但し、こ の基材2においては、凹溝1の底面1aと側壁面1bとが交わる入隅部に、表面 材3の支持板4の厚さに相当する高さと幅からなる段部9を形成している。
【0039】 また、表面材3は、竪枠用としての模様からなる化粧シートを使用している他 は実施例1の表面材3と同じ構成からなるものである。但し、この表面材3にお いては、その支持板4に実施例1の場合と同様に広角が90°のV字状溝6が形 成される他、基材2の一部の出隅部においてテーパー面を形成するため図6に示 すような形状のV字状溝6pが形成される。
【0040】 この実施例の場合、基材2には6つの出隅部7と2つの入隅部8がある。すな わち、図6に示すように、6つの出隅部7として、凹溝1が形成された表面2a と凹溝1の側壁面1bとが交わる2つの角7(a,b)と、凹溝1が形成された 表面2aと側面2bとが交わる2つの角7(c,d)と、側面2bとと裏面の一 部2cとが交わる2つの角7(e,f)がある。また、2つの入隅部8として、 凹溝の底面1aと側壁面1bとが交わる2つの角8(a,b)がある。従って、 表面材3の支持板4には、この6つの出隅部7と2つの入隅部8において表面材 3を曲げるための計8個のV字状溝6を形成する必要がある。図6では、そのう ち6個のV字状溝6(a〜d,p)について図示している。
【0041】 そして、この戸じゃくり付き竪枠50は、基材2に表面材3を以下のように折 り曲げた状態で接着させることにより形成される。
【0042】 まず、実施例1の場合とほぼ同様にして、表面材3の接着剤が塗布された支持 板4側を基材2の表面2aに対向させた状態で接触させた後、表面材3を凹溝1 の内部に押し込むようにする。
【0043】 これにより、表面材3は、基材2の出隅部7a,7bにおいてV字状溝6a, 6dに沿って支持板4側に折り曲げられ、一方、入隅部8a,8bにおいてV字 状溝6a,6bに沿って化粧シート5側にそれぞれ折り曲げられる。その後、こ の折り曲げた状態で表面材3を化粧シート5側から押圧すると、凹溝1の底面1 aには支持板4aが接着され、その凹溝1の側壁面1bには支持板4bが接着さ れる。また、基材2の出隅部7c,7dを構成する表面2aにも支持板4が接着 される。
【0044】 続いて、表面材3の基材の側面2bと裏面の一部2cに向けて折り曲げる。こ れにより、表面材3は、基材2の出隅部7c,7dにおいてV字状溝6pに沿っ て支持板4側に折り曲げられ、出隅部7e,7fにおいてV字状溝に沿って支持 板4側に折り曲げられる。その後、この折り曲げた状態で表面材3を化粧シート 5側から押圧すると、基材2の側面2bには表面材3の支持板4dが接着され、 裏面の一部2cには支持板4e接着される。この実施例の場合、基材2の出隅部 7c,7dにおいては、表面材3がV字状溝6pに沿って折り曲げる結果、テー パー面10が形成される。
【0045】 このようにして、表面材3は凹溝1の内部を含む基材2の表面2a全体から側 面2b及び裏面の一部2cにかけて連続した状態で接着される。また、これによ り基材2の凹溝1は、その溝内部である底面1aと側壁面1bに表面材3が接着 される結果、戸じゃくり溝51となる。最後に、表面材3の支持板4に塗布した 接着剤が乾燥して固まることにより、図5に示すような戸じゃくり付き竪枠50 が完成する。
【0046】 この実施例における竪枠50についても、実施例1の鴨居や敷居と同様に、基 材2の凹溝1の内部を含む表面、側面及び裏面の一部に同じ表面材3が接着され ているため、その外観が表面材3の化粧シート5による木目模様で統一された品 質の高いものである。しかも、その表面材3が、上記各表面と凹溝内部にわたっ て継ぎ目もなく、連続した状態で接着されているため、凹溝を有する建築部材に かかわらず、優れた美観を呈するものでもある。
【0047】 また、この実施例の場合、図7や図5に示すように、基材2の凹溝1の入隅部 に段部9を形成したことにより、凹溝1の内部に接着された表面材3のV字状溝 6a,6dが形成された支持板4a,4bの側面が段部9に支持される状態とな る。これにより、戸じゃくり溝51に建具40が当たった時などのように大きな 負荷がかかっても、表面材3は破損しにくくなる。この点、凹溝1の入隅部に上 記のような段部9を形成しない場合には、例えば、図2Bに示すように凹溝1と 表面材3(支持材)との間にすき間12ができてしまい、そのすき間12付近の 表面材3は強度の点で少し劣ることになる。
【0048】 なお、図7に示す例では、支持材4aの側面を凹溝の底面1aに向けて先細り となるようなテーパー面13としている。これにより、表面材3を凹溝1内に接 着させる際、支持材4aが段部9に挟まれた凹溝底面1a側に容易にかつ確実に 押し込むことが可能となる。
【0049】 ◎実施例3 図8及び図9は、この考案を適用した折り畳み戸用の竪枠の一実施例を示すも ので、図8はその使用状態を示す断面図、図9はその斜視図と断面図である。
【0050】 図8及び図9において、70は折り畳み戸用の竪枠、45は2組の折り畳み戸 、46は1組の折り畳み戸を構成する2枚の分割戸、47は2枚の分割戸46を 連結する蝶番、48は支軸、49はレールによりガイドされるピポットである。 竪枠70の前面側には竪枠70と折り畳み戸45との間のすき間75を目隠しす るための突出部71が形成されている。
【0051】 この場合、折り畳み戸45は、把手41をつかんで手前側に引くことにより、 支軸48における回動作用とピポット49によるガイド作用によって、2枚の分 割戸46が蝶番47により折り畳まれるような状態になって支軸48側に寄せら れて開けられる(図8の二点鎖線)。そして、開閉時の双方において折り畳み戸 45と竪枠70の間のすき間75は、竪枠70の突出部75により目隠しされる ようなっている。
【0052】 折り畳み戸用の竪枠70は、図9や図10に示すように、竪枠用の基材2と、 この基材2の上面2a、側面2b、裏面の一部2cに接着された表面材3とで構 成されている。
【0053】 基材2は、凹溝1がなく、各寸法等が竪枠用のものである以外は実施例1の基 材2とほぼ同じ構成からなるものである。また、表面材3は、竪枠用としての模 様からなる化粧シートを使用している他は実施例1の表面材3と同じ構成からな るものである。但し、この表面材3においては、その支持板4に実施例1の場合 と同様に広角が90°のV字状溝6が形成される他、テーパー面を形成するため 図10に示すような形状のV字状溝6pが形成される。
【0054】 この実施例の場合、基材2には4つの出隅部7がある。すなわち、図10に示 すように、4つの出隅部7として、上面2aと側面2bとが交わる2つの角7( a,b)と、側面2bと裏面の一部2cとが交わる2つの角7(c,d)とがあ る。従って、表面材3の支持板4には、この4つの出隅部7において表面材3を 曲げるための計4個のV字状溝6を形成する必要がある。さらに、この実施例で は、竪枠70の突出部71を表面材3を折り曲げて形成するため、さらに2つの V字状溝6(p,q)が必要である。
【0055】 そして、この折り畳み戸用の竪枠70は、基材2に表面材3を以下のように折 り曲げた状態で接着させることにより形成される。
【0056】 まず、表面材3の接着剤が塗布された支持板4側を基材2の上面2aに対向さ せて接触させた後、支持板4aを上面2aに重ね合わせる。次に、表面材3を、 基材2の一方の出隅部7bにおいてV字状溝6cに沿って化粧シート5側に折り 曲げた後、V字状溝6q,6pにそれぞれ沿って支持板4側に折り返して、支持 板4cを基材2の側面2bに接触させる。
【0057】 これにより、表面材3は、基材2の上面2aに支持板4aが接着され、また基 材2の出隅部7bにおいて基材の上面2aに対して直立した状態で支持板4bと 支持板4cが接着されると同時に基材の側面2bに支持板4cが接着される。こ れにより、基材2の出隅部7bにおいて表面材3からなる突出部71が形成され る。また、この突出部71は、V字状溝6pに沿って折り曲げた部分にテーパー 面10が形成される。
【0058】 続いて、表面材3の基材の側面2bと裏面の一部2cに向けて折り曲げる。こ れにより、表面材3は、基材2の出隅部7aにおいてV字状溝6bに沿って支持 板4側に折り曲げられ、出隅部7c,7dにおいてV字状溝に沿って支持板4側 に折り曲げられる。その後、この折り曲げた状態で表面材3を化粧シート5側か ら押圧すると、基材2の出隅部7a側の側面2bには表面材3の支持板4dが接 着され、裏面の一部2cには支持板4e接着される。
【0059】 このようにして、表面材3は、基材2の上面2a、側面2b及び裏面の一部2 cにかけて連続した状態で接着され、しかも、基材2の出隅部7bにおいて上面 2aから突出するような形態の突出部71を形成している。最後に、表面材3の 支持板4に塗布した接着剤が乾燥して固まることにより、図9に示すような折り 畳み戸用の竪枠が完成する。
【0060】 この実施例における竪枠70についても、実施例1の鴨居や敷居または実施例 2の竪枠と同様に、基材2の上面、側面及び裏面の一部に同じ表面材3が接着さ れているため、その外観が表面材3の化粧シート5による木目模様で統一された 品質の高いものである。しかも、この表面材3により、突出部71が上記各面に わたって継ぎ目もなく連続した状態で接着されているため、突出部を有する建築 部材にかかわらず、優れた美観を呈するものでもある。
【0061】 なお、表面材3による突出部71は、基材2の他の出隅部において形成しても よい。また、この突出部71の突出高さhは、表面材3の折り曲げる位置(V字 状溝6p,qの位置)によって調整すればよい。
【0062】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1に係る考案によれば、表面材が、基材の凹溝が 形成される面とその面に連なる面に加えて、基材の凹溝の内部(底面と側壁面) に対しても同じように接着されているため、その外観が表面材の化粧シートによ る化粧模様等で統一された品質の高いものである。また、従来のように凹溝の内 部に取り付けるための表面材以外の部品を用意する必要も、その取り付け作業も 必要ではなく、不要なコストアップや製造上の煩雑さを招くこともない。
【0063】 また、基材の凹溝の入隅部に、表面材の支持板の厚さに相当する高さ及び幅か らなる段部を形成した場合には、凹溝に負荷がかかっても、その入隅部で折り曲 げられた状態で接着されている表面材が破損しにくくなり、十分な強度を有する ものとなる。
【0064】 さらに、請求項6に係る考案によれば、建築部材に必要な突出部が表面材によ り形成されるため、外観が表面材により統一されたものとなる。また、基材側に 突出部を形成する必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案を適用した鴨居又は敷居の一実施例
(実施例1)を示す断面説明図である。
【図2】 実施例1における鴨居(敷居)を示すもの
で、(A)はその斜視図、(B)はB−B線断面図であ
る。
【図3】 実施例1における鴨居(敷居)を構成する各
部材を示す説明図である。
【図4】 本考案を適用した戸じゃくり付き竪枠の一実
施例(実施例2)を示す断面説明図である。
【図5】 実施例2における戸じゃくり付き竪枠を示す
もので、(A)はその斜視図、(B)はB−B線断面図
である。
【図6】 実施例2における戸じゃくり付き竪枠を構成
する各部材を示す説明図である。
【図7】 実施例2における凹溝周辺の各種構成を示す
要部拡大断面図である。
【図8】 本考案を適用した折り畳み戸用竪枠の一実施
例(実施例3)を示す断面説明図である。
【図9】 実施例3における折り畳み戸用竪枠を示すも
ので、(A)はその斜視図、(B)はB−B線断面図で
ある。
【図10】 実施例3における折り畳み戸用竪枠を構成
する各部材を示す説明図である。
【図11】 従来の鴨居を示す斜視図である。
【図12】 図11の鴨居の表面材と基材との関係を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…凹溝、1a…底面、1b…側壁面、2…基材、2a
…凹溝が形成される面、2b…側面、3…表面材、4…
支持板、5…化粧シート、6…V字状溝、7…出隅部、
8…入隅部、9…段部、20…鴨居、30…敷居、40
…建具、45…折り畳み戸、50…戸じゃくり付き竪
枠、70…折り畳み戸用竪枠、71…突出部。

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面と側壁面からなる凹溝が形成される
    面を有するとともに面と面とが交わる出隅部を有する基
    材と、支持板の片面に化粧シートを積層してなり、その
    支持板側に形成されるV字状溝に沿って折り曲げた状態
    で前記基材の少なくとも凹溝が形成される面とその面と
    連なる面に支持板側を重ね合わせて接着させる表面材と
    で構成される建築部材であって、 上記表面材が、上記基材の凹溝が形成される面と凹溝の
    側壁面とが交わる出隅部ではV字状溝に沿って支持板側
    に折り曲げられた状態で接着されているとともに、その
    基材の凹溝の底面と側壁面とが交わる入隅部ではV字状
    溝に沿って化粧シート側に折り曲げられた状態で接着さ
    れていることを特徴とする建築部材。
  2. 【請求項2】 表面材が、基材の凹溝が形成される面と
    その面と連なる面にかけて継ぎ目がなく連続して接着さ
    れている請求項1記載の建築部材。
  3. 【請求項3】 基材の凹溝の入隅部に、表面材の支持板
    の厚さに相当する高さ及び幅からなる段部が形成されて
    いる請求項1記載の建築部材。
  4. 【請求項4】 基材が凹溝としてスライド開閉させる建
    具のガイド溝を形成した角材であり、その角材に表面材
    が接着されて鴨居又は敷居として構成されている請求項
    1〜3のいずれかに記載の建築部材。
  5. 【請求項5】 基材が凹溝としてスライド開閉させる建
    具の戸じゃくり溝を形成した角材であり、その角材に表
    面材が接着されて戸じゃくり付き竪枠として構成されて
    いる請求項1〜3のいずれかに記載の建築部材。
  6. 【請求項6】 面と面とが交わる出隅部を有する基材
    と、支持板の片面に化粧シートを積層してなり、その支
    持板側に形成されるV字状溝に沿って折り曲げた状態で
    前記基材の少なくとも交わる2つの面に支持板側を重ね
    合わせて接着させる表面材とで構成される建築部材であ
    って、 上記表面材が、上記基材の出隅部において、その一方の
    面から出隅部を越えて突出した状態でV字状溝に沿って
    支持板側に折り曲げられて支持板どうしが接着されると
    ともに、その折り曲げられた表面材部分が他方の面と交
    わる位置においてV字状溝に沿って化粧シート側に折り
    曲げられた状態で他方の面に接着されて、他方の面から
    隆起する突出部を形成していることを特徴とする建築部
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011032756A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Asahi Kasei Homes Co 開口枠形成部材

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