JP3042003B2 - テープパス系のテープ走行高さ修正装置 - Google Patents

テープパス系のテープ走行高さ修正装置

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JP3042003B2
JP3042003B2 JP3082329A JP8232991A JP3042003B2 JP 3042003 B2 JP3042003 B2 JP 3042003B2 JP 3082329 A JP3082329 A JP 3082329A JP 8232991 A JP8232991 A JP 8232991A JP 3042003 B2 JP3042003 B2 JP 3042003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はVTR等のテープパス系
にあってテープの走行高さを修正するテープパス系のテ
ープ走行高さ修正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばVTRではテープをヘリカルスキ
ャンのドラムに巻付けるため、ドラムの入口と出力では
テープの走行高さが異なる。一方、カセットの供給側と
巻取側ではテープの高さが同一であるため、カセット側
とテープの走行高さが異なるテープパス系の区間にはテ
ープの走行高さを修正するテープ走行高さ修正装置が設
けられる。
【0003】ここで、テープの走行高さを修正する方法
として固定ガイドを用いる手段と回転ガイドを用いる手
段とがある。前者の手段は固定ガイドをテープに対して
平行に傾斜(アジマス傾斜)して配置する。この手段は
修正スパンが短く、かつ、走行も安定するがテープとの
摩擦があるためテープ走行負荷が増すという欠点があ
る。
【0004】後者の手段は回転ガイドをテープに対して
垂直方向に傾斜(あおり傾斜)して配置する。この手段
はテープとの摩擦がほとんどないためテープ走行負荷が
大きくなりすぎることがないがテープの幅方向に外力が
働くためテープ走行が安定しないという欠点がある。
又、あまり大きな角度修正ができない。
【0005】そのため、修正スパンを短くすることがで
きず大きな修正角がある場合、例えばドラムへのラップ
角が180°以上のVTRでは固定ガイドを用いる手段
が一般に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如く
固定ガイドを用いる手段の欠点はテープ走行負荷が大き
くなることであり、このテープ走行負荷はテープのラッ
プ角にほぼ比例して大きくなる。そして、1本の固定ガ
イドで構成するよりも2本の固定ガイドで構成する方が
合計ラップ角が約半分で済むが3本以上の固定ガイドで
構成した場合には2本の固定ガイドの場合と合計ラップ
角があまり変わらない。
【0007】従って、従来では大きな修正角がある場合
には2本の固定ガイドで修正装置を構成していたが、テ
ープ走行負荷を安定な走行を保障できる程度にまで押え
ることができなかった。
【0008】そこで、本発明は固定ガイドの合計ラップ
角を小さく押えてテープ走行負荷を軽減したテープパス
系のテープ走行高さ修正装置を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明に係るテープパス系のテープ走行高さ修正装置
は、テープパス系のテープが回転ガイドとこの両側の固
定ガイドとにそれぞれ巻付くよう設け、この各固定ガイ
ドを入射側又は射出側のテープ走行方向に沿ってそれぞ
れ傾斜して配置し、前記双方の固定ガイド間の前記テー
プが同一方向に大きなあおり角を持つよう構成し、前記
回転ガイドをこの大きなあおり角を持つ前記テープに対
して垂直に配置したことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】大きなあおり角のあるテープ位置で回転ガイド
によって方向変換し、この方向変換の垂直成分によって
テープ高さが修正されるので、両側の固定ガイドによる
高さ修正は少しで足りるため両方の固定ガイドの合計ラ
ップ角が小さくて済む。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1乃至図8には本発明をVTRのテープパス系に
適用した例が示されている。
【0012】図2にはVTRのテープローディング状態
における概略平面図が示されている。図2において、カ
セット1はL,M,Sの三種類のものを使用でき、この
実施例ではLカセットが用いられている。カセット1内
には供給リール2と巻取リール3が回転自在に支持さ
れ、供給リール2から出たテープ4がテープパス系を通
って巻取リール3に戻る。
【0013】テープパス系は多数のガイド等より以下の
如く構成されている。即ち、供給リール2から出たテー
プ4はガイド5、フルイレーズヘッド6及びガイド7を
通り、テンション検出用のガイド8に巻付けられてい
る。テンション検出用のガイド8はa点を支点として回
転可能であり、テープパス系の供給側のテープテンショ
ンを検出する。
【0014】テンション検出用のガイド8を出たテープ
4は本発明に係るテープ走行高さ修正装置9の三本のガ
イド10,11,12に巻付けられて、ここでテープ高
さが下方(基準水平面に対して下降角を持つ方向)に修
正される。テープ走行高さ修正装置9の詳しい構成及び
修正角等は下記で詳説する。
【0015】そして、テープ4は傾斜の回転ガイド13
及び傾斜の固定ガイド14によって上方(基準水平面に
対して上昇角を持つ方向)に修正されてドラム15に入
る。テープ4はドラム15のリード(図示せず)に沿っ
て巻付けられ、ドラム15を出たテープ4は傾斜の固定
ガイド16で水平(基準水平面に対して平行)に修正さ
れる。従って、ここでカセット1の各リール2,3と同
じ高さで、傾きもなくなる。
【0016】この後、テープ4は2つのガイド17,1
8を介して固定ヘッド19を通り、キャプスタン軸20
とピンチローラ21間に入る。テープ4はプレイモード
時等はキャプスタン軸20より駆動力を与えられて走行
する。
【0017】キャプスタン軸20及びピンチローラ21
を出たテープ4はガイド22、テンション検出用のガイ
ド23及びガイド24を通って巻取リール3に戻る。テ
ンション検出用のガイド23はテープパス系の巻取側の
テープテンションを検出する。
【0018】図3には図2のA矢視方向から見たテープ
パス系の側面図が示されている。図3において、供給側
のガイド8とテープ走行高さ修正装置9の入射側の固定
ガイド10間のテープ4と巻取側のガイド16とガイド
18間のテープ4とが同じ高さで傾きもない。テープ4
をドラム15に巻付けるためテープ走行高さ修正装置9
にてテープ4の走行方向を下降させている。
【0019】図4にはテープ走行高さ修正装置9の斜視
図、図1にはその各ガイド10,11,12の配置を説
明する図がそれぞれ示されている。図4において、取付
ブロック26には2箇所に基準孔27,28が形成さ
れ、この基準孔27,28にベース(図示せず)側の基
準ピンが挿入されて取付ブロック26がベースに対して
位置決めされる。又、取付ブロック26には3箇所に締
結用孔29が形成され、この締結用孔29に締結ネジを
挿入等して取付ブロック26がベースに取付けられる。
【0020】前記回転ガイド11及びこの両側の前記固
定ガイド10,12は取付ブロック26にその下端が支
持されており、この実施例ではテープ走行高さ修正装置
9が1ブロック化されている。従って、組付性が良く、
又、各ガイド10,11,12の組付け精度も良い。
【0021】図1に示すように、入射側の固定ガイド1
0は入射側のテープ走行方向に沿って、又、射出側の固
定ガイド12は射出側のテープ走行方向に沿ってそれぞ
れ傾斜(アジマス傾斜)して双方の固定ガイド10,1
2は略V字状に配置されている。
【0022】そして、アジマス角に比例してテープ4の
あおり角(基準垂直面に対する傾斜角)が大きくなるた
め、固定ガイド10,12のアジマス角はできるだけ大
きくして固定ガイド10,12間のテープ4が同一方向
に大きなあおり角を持つよう構成されている。但し、ア
ジマス角は45度以上になると実用が難かしいためこれ
以下の角度で設定される。
【0023】回転ガイド11は大きなあおり角を持つテ
ープ4に対して垂直に配置されている。即ち、テープ4
に対してはアジマス角及びあおり角が可及的に0度にな
るよう設定され、図1に示す如く回転ガイド11に対す
るテープ4の接触投影面bが方形状に構成される。
【0024】回転ガイド11及び前記両側の固定ガイド
10,12間の設定条件を満たすためには各ガイド1
0,11,12の中心軸cが一点で交わるよう設計すれ
ば設計が容易にできる。尚、この実施例では自動組付け
機械の組付け条件等の理由により多少ずれて設計されて
いる。
【0025】以下、上記構成の作用について説明する。
プレイモードが選択されると、テープ4が供給リール2
側から巻取リール3側に走行される。この走行過程にあ
ってはテープ走行高さ修正装置9の入射側の固定ガイド
10まではテープ4の走行高さが変化なく走行される
が、射出側の固定ガイド12を出たテープ4は基準水平
面に対して所定の下降角(θ)に走行変更される。
【0026】入射側の固定ガイド10はアジマス角を持
って傾斜されているためテープ4が基準水平面に対して
角度θ1だけ走行方向を下降に修正し、又、射出側の固
定ガイド12も同様にして角度θ3だけ走行方向を下降
に修正する。
【0027】また、回転ガイド11はあおり角のあるテ
ープ4に対してラップ角(α)を持ってテープ走行方向
を変更するため、変更角の垂直成分(角度θ2)だけ走
行方向を下降に修正する。
【0028】従って、テープ走行高さ修正装置9は全体
でθ1+θ2+θ3=θだけテープ走行を下降させること
ができる。そして、テープ走行負荷は両側の固定ガイド
10,12で生じるが、両側の固定ガイド10,12は
θ1+θ3の修正角に要するだけの合計ラップ角で良いた
めテープ走行負荷が従来に較べて軽減される。
【0029】ここで、具体的数値によって検討する。射
出側の固定ガイド12をアジマス角を33°、ラップ角
を9°とし、射出側の固定ガイド12からテープ4を下
降角9.6°、あおり角4.6°で射出する場合につい
て説明する。
【0030】図5乃至図8には回転ガイド11のラップ
角αをパラメータとした場合の各特性線図が示され、図
7及び図8の下降角及びあおり角は基準水平・垂直面に
対するものである。
【0031】図5に示すように、入射側の固定ガイド1
0のアジマス角を大きくすればするほど回転ガイド11
のラップ角αが大きくなり、又、図8に示すように入射
側の固定ガイド10のあおり角も大きくなるため回転ガ
イド11による修正角を大きくすることができる。しか
し、上記した如くアジマス角は45°以上にすることが
できない。
【0032】また、図6に示す如く回転ガイド11のラ
ップ角が大きい方が入射側の固定ガイド10のラップ角
も小さくなるため好ましいことがわかる。但し、入射側
の固定ガイド10のラップ角が小さければ(回転ガイド
11のラップ角が大きい。)当然に入射側の固定ガイド
10の下降角が小さくなる。
【0033】入射側の固定ガイド10のアジマス角を3
9°、ラップ角を22°とすると、図5乃至図8の特性
より図1に示すような値の基準水平・垂直面に対する下
降角及びあおり角が得られる。入射側の固定ガイド10
の修正角は2°、回転ガイド11の修正角は6.6°、
射出側の修正角は1°であり、回転ガイド11によって
大きな修正角を得ている。
【0034】そして、2本の固定ガイド10,11の合
計ラップ角は31°にすぎず、同一条件で2本の固定ガ
イドのみを用いて修正しようとすると合計ラップ角は6
4°(20°+44°)になり、又、1本の固定ガイド
のみで修正しようとするとラップ角は129.6°にな
り、従来に較べてテープ走行負荷が著しく軽減されるこ
とがわかる。
【0035】また、回転ガイド11はテープ4に対して
あおり傾斜に配してテープ走行方向を修正するのではな
くテープ4に対して垂直に配してテープ走行方向を修正
する。そのため、従来の如くテープ4の幅方向に外力が
働くことがなくテープ走行も安定する。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、走行
高さの異なるテープの入射側と射出側に固定ガイドを設
け、この各固定ガイドを入射側又は射出側のテープ走行
方向に沿ってそれぞれ傾斜し、且つ、前記双方の固定ガ
イド間の前記テープが同一方向に大きなあおり角を持つ
よう配置し、前記双方の固定ガイド間に回転ガイドを設
け、この回転ガイドを前記テープに対して垂直に配置し
たので、回転ガイドでもテープ走行方向が修正されるた
め固定ガイドの合計ラップ角が小さく押えられテープ走
行負荷を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープ走行高さ修正装置の各ガイドの配置を説
明する図(実施例)。
【図2】VTRのテープローディング状態における概略
平面図(実施例)。
【図3】図2のA矢視方向から見たテープパス系の側面
図(実施例)。
【図4】テープ走行高さ修正装置の傾斜図(実施例)。
【図5】入射側の固定ガイドのアジマス角の特性線図
(実施例)。
【図6】入射側の固定ガイドのラップ角の特性線図(実
施例)。
【図7】入射側の固定ガイドを出たテープの下降角の特
性線図(実施例)。
【図8】入射側の固定ガイドを出たテープのあおり角の
特性線図(実施例)。
【符号の説明】
4…テープ、9…テープ走行高さ修正装置、10,12
…固定ガイド、11…回転ガイド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープパス系のテープが回転ガイドとこ
    の両側の固定ガイドとにそれぞれ巻付くよう設け、この
    各固定ガイドを入射側又は射出側のテープ走行方向に沿
    ってそれぞれ傾斜して配置し、前記双方の固定ガイド間
    の前記テープが同一方向に大きなあおり角を持つよう構
    成し、前記回転ガイドをこの大きなあおり角を持つ前記
    テープに対して垂直に配置したことを特徴とするテープ
    パス系のテープ走行高さ修正装置。
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