JP3041831B2 - 電場応答性流体 - Google Patents

電場応答性流体

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    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M171/00Lubricating compositions characterised by purely physical criteria, e.g. containing as base-material, thickener or additive, ingredients which are characterised exclusively by their numerically specified physical properties, i.e. containing ingredients which are physically well-defined but for which the chemical nature is either unspecified or only very vaguely indicated
    • C10M171/001Electrorheological fluids; smart fluids

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電場を印加することにより固化し又は粘度
を増加を示す流体に関し、詳しくは、粒子とその粒子を
懸濁又は分散させる電気絶縁性液体とからなるウインズ
ロー効果を有する電流応答性液体に関する。
〔従来の技術〕
電気絶縁性媒体中に特定の固体微粒子を分散させた液
体(でんぷん、小麦粉、石膏、カーボン、石灰石等の親
水性粉体を鉱油、オリーブ油、トランス油等の絶縁性油
に懸濁させた特定の流体)を用い、これに外部電界を与
えると液体の粘度が著しく増大する現象がみられるが、
これはウインズロー効果として知られている(USP24178
50)。そして、この現象はクラッチ、衝撃吸収器(ダン
パー)、油圧制御機器、プリンター、振動素子などへの
応用が期待されている。だが、ここに開示されるデンプ
ン、小麦粉等を粒子とした電場応答性流体は得られる剪
断力が小さいため、実用に供するには装置を大型化しな
ければならず、また、印加する電圧を高電圧になしなけ
ればならない。
かかる現象を示す液体(電場応答性流体)の改良を提
案するものは幾つかなされており、代表的な事例をあげ
れば、粒子として強酸性陽イオン交換樹脂又は強塩基
性イオン交換樹脂を用いる、即ち、解離可能なアニオン
基又はカチオン基を有する高分子重合体を用いる(特公
昭52−30273号公報)、導電性粒子を電気絶縁性薄膜
で被覆した誘電体微粒子を電気絶縁性油状媒体に分散さ
せたものを用いる(特開昭64−6093号公報)、粒子と
して有機固体粒子の表面に導電性薄膜層、電気絶縁性薄
膜層を積層したものを用いる(特開昭63−97694号公
報)などである。
だが、これらの電場応答性液体においては、次のよう
な問題点が残されている。
即ち、前記では、イオン交換樹脂を用いた流体にお
いては比較的大きな剪断力が得られるが、粒子の比重が
比較的高いため、ハロゲン元素を含むような安全面から
好ましくない液体化合物を絶縁性液体として用いない
と、粒子の沈降を防止することが出来ない。
前記では、導電性粒子を絶縁層で被覆した粒子を用
いており、導電性粒子としてアルミニウム等の金属を用
いると粒子の比重が著しく大きくなり、粒子の沈降が急
速に生じるようになる。また、このような流体では必ず
しも大きな剪断力が得られないばかりか、電界を印加す
ると異常に大きな電流が流れたり、粒子が片側の電極に
凝集してしまったりする。
前記では、有機固体粒子に導電性層、絶縁性層を順
次積層した粒子が用いられているが、必ずしも大きな剪
断力が得られるとは限らない。また前記と同様に、時
として、異常電流が流れたり、電極への凝集が生じる。
〔発明が解決しようとする問題〕
この発明は上記のような問題点を解決し、加えて、低
電界においても大きな剪断力が得られ、比重1.2以下の
一般の有機溶剤のような電気絶縁性液体を用いても長期
放置で粒子の沈降が生じることがなく、更には、電界印
加時において電流密度を小さくできる、新規な電場応答
性の流体を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、比重が0.89〜1.20である熱可塑性樹脂化合
物を芯材とし、その芯材に親水性化合物を被覆し層を形
成させることにより構成される粒子が前記芯材と同一の
比重を有するものであり、この粒子が電気絶縁性液体中
に懸濁又は分散されていることを特徴とする電場応答性
流体である。
以上のような特徴点を有する本発明発明により、前記
課題を解決したものである。
以下に、本発明を添加の図面に従がいながらさらに詳
細に説明する。
第1図は、本発明に係る液体中に懸濁又は分散されて
いる粒子の代表的な一例である。図中、1は芯物質、2
は表面被覆層である。
芯物質1は、比重が0.89〜1.20である熱可塑性樹脂化
合物を用いて構成さている。芯物質1の外側には、親水
性化合物2を被覆することにより、粒子全体は芯物質1
及び親水性化合物2からなる層を形成させることにより
構成されている。熱可塑性樹脂化合物からなる芯物質1
中には実質的は、空気或いはその他の気体の気泡などに
よる空隙を有していない。
従って、粒子は、芯材を構成する熱可塑性樹脂化合物
の比重と同一の比重を有するものである。もっとも、こ
の場合には、親水性化合物2による層が芯材の外側に形
成されており、後で述べるように親水性化合物2による
層の体積は無視できる程度に薄いものであるということ
を前提にして述べているが、このような場合であって
も、その体積を無視すべきでないということであれば、
このような場合の同一とは、親水性化合物による層によ
る体積の影響を差し引いた粒子の比重が同一であるとい
うことを意味している。又、粒子の比重の測定による誤
差を含むことが考えられるが、そのような誤差を考慮し
た範囲内での同一と言うことであり、このような場合に
はほぼ同一であるということが同一に含まれるというよ
うに考えておくべきである。
本発明の「比重が0.89〜1.20である熱可塑性樹脂化合
物を芯材とし、その芯材に親水性化合物を被覆し層を形
成させることにより構成される粒子」の比重は、粒子1c
m3当たりの重量を4℃の同体積の水の重量と比較して得
られる値である。ここで、粒子自体の比重とは、空気を
含む粒子の集合体による比重(かさ比重)ではなく、粒
子一つ一つの比重を意味している。
以上述べたことから明らかなように、本発明の粒子が
熱可塑性樹脂の比重と同一の比重を有すると言うこと
は、粒子を構成する芯材中に実質的には気泡などの空隙
を含まないものであることを表現しているものであると
いうことを中心にして解すべきものである。
本発明の粒子を構成する芯物質1の材料は、次の通り
である。ポリエチレン(0.91〜0.96);ポリプロピレン
(0.89〜0.91);ポリアロマー(0.90);天然ゴム(0.
93);ニトリルゴム(1.0);ブチルゴム(0.90);ABS
樹脂(1.01〜1.07);ポリアクリル酸エステル(1.12〜
1.16);ナイロン6,11,66,610(1.09〜1.14);ポリビ
ニルブチレート(1.07〜1.20);アイオノマー、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂(1.18〜1.2
0)、ポリスチレン(1.04〜1.10)、ポリスチレン(1.0
5〜1.07)、ポリカーボネート(1.2)等からなる熱可塑
性樹脂。この芯物質1を被覆する親水性化合物(表面被
覆層2)としては−OH、−COOH、−SH、−SO3H等のアニ
オン性基、第1級〜第4級のアミン等のカチオン性基を
有する化合物が好ましい。より具体的には、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カル
ボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アルギン酸、デンプン、アラビアゴム、タンニン、
ロジン、リグニンスルホン酸、ゼラチン、カゼイン、ポ
リエチレンオキサイド、無水マレイン酸共重合物、ポリ
スチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジ
ン等の高分子化合物、更に下記のような構造を含むカチ
オン性高分子化合物 などが例示できる。
また、シリカゲル、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等
の無機化合物も表面被覆層2として使用できる。アニオ
ン性の化合物ではそのカウンターイオンとしてH+,Na+,K
+,Li+,NH4 +,4級アンモニウムイオン等の解離し易いカチ
オンを含んでいることが好ましい。アニオン性化合物に
おいては同様にOH-,Cl-,Br-,I-,F-,BF4 -,NO3 -等を含ん
でいることが好ましい。
本発明の粒子は、比重が0.89〜1.20である熱可塑性樹
脂化合物を芯材とし、その芯材に親水性化合物を被覆し
層を形成させることにより構成される粒子であり、その
具体例を第1図に基づいて説明してきたが、粒子の形状
は第1図に示されるような球形である必要はないし、そ
の芯材及び親水性化合物からなる層は第1図に示される
ように芯材1の表面が親水性化合物により直接被覆され
ている必要もない。例えば、必要に応じて、(1)芯材
1と表面被覆層2(親水性化合物層)2との間に、これ
らの接着性を向上させる等の目的で、中間層が設けられ
てもよいし、(2)芯材1を二層構造とすることもでき
るし、(3)芯材1及び親水性化合物層2はそれぞれが
単一化合物でなくても二種又はそれ以上の化合物を混合
したものとすることもできる。
芯材1は、その形状は必ずしも球形である必要はない
が、その大体の大きさは粒径0.01〜100μmくらいで、
好ましくは0.1〜10μm程度である。また、表面被覆層
2の厚さは0.0001〜30μmくらい好ましくは0.001〜10
μm程度である。更に、前記の中間層としてはポリビニ
ルブチラール、ポリアクリルエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリウレタ
ン、ナイロン、カゼイン、エチルセルロース、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、ミランカツプリング剤等の重合
物;ガラス、水ガラス、ZnO、SiO2、Al2O3、TiO2、BaCO
3、CaCO3等の無機化合物などをあげることができ、その
厚さは5μm程度以下である。
芯材1の表面に親水性化合物層2を被覆させるには、
それぞれの化合物において最適の手段が選択されるべき
であるが、以下の方法が用いられる。
(i)芯物質の粒子を気流中に浮遊させておき、被覆物
質の溶液をスプレーし霧状にして気流中に混合し、表面
に被覆物を生じて密度が高くなった粒子を沈降させ回収
する固−液接触法、 (ii)微粒子状にした被覆物質と芯物質との両者をジエ
ット気流で搬送し、衝突させる固−固接触法、 (iii)真空にしたチエンバー内で芯物質を撹拌しなが
ら、被覆化合物のモノマーを導入し、芯物質表面でプラ
ズマ重合又は光重合を生ぜしめる固−気接触法。
前記の固−気接触法では、シリカゲル等溶液としにく
い化合物の表面被覆層を設けるのに特に有効である。ま
た、固−気接触法では、あらかじめ芯物質表面に重合を
促進するための開始剤や触媒を付着又は吸着せしめてお
くことは生成効率を上昇させるのに有効である。
一方、こうした親水性化合物被覆粒子を懸濁又は分散
させる電気絶縁性液体としては、固有電気抵抗が105Ωc
m以上の有機化合物が用いられる。固有電気抵抗が105Ω
cmより小さい化合物を用いると、電界を印加した時に液
媒体(電気絶縁性液体)を通じて流れる電流値が大きく
なり過ぎて熱が発生する、大きな容量の電源装置が必要
となるといった問題が発生するばかりでなく、本質的に
充分な電気粘性効果が発現されにくくなってしまう。
かかる要求にあった絶縁性液体の具体例としては、n
−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、イソオクタ
ン、リグロイン、石油エーテル、灯油等の脂肪族炭化水
素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類;ジフェニルメタン、モノエチルジフェニル、トリ
エチルジフェニル、ジエチルジフェニル、ジフェニル、
水素化トリフェニル、ターフェニル、1,4−ジフェニル
ベンゼン、テルフェニル、フェニルキシリルエタン、ア
ルキルナフタレン等のアルキル化芳香族炭化水素又は多
環芳香族炭化水素類;アニソール、フェネトール、メト
キシトルエン、ジフェニルエーテル、ベラロール等のエ
ーテル類;シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ケイ
皮酸エチル、アビエチン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、酢酸ベンジル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ−
2−エチルヘキシル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジト
リデシル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット
酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソ
デシル、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、アジ
ピン酸ジブチル、アジピン酸デシル、ステアリン酸ブチ
ルエポキシ化物、モノアセチン、ジアセチン、トリアセ
チン、モノブチリン、リン酸トリメチル、リン酸トリフ
ェニル、リン酸トリクレシル等のエステル類;オレイン
類、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、ポリジメチルシロ
キサン、ポリメチルフェニルシロキサン、α−メチルス
チレン変性ポリジメチルシロキサン、α−オレフィン変
性ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイル類等で
ある。
これらは用途に応じた粘度、使用する粒子の比重等を
考慮して1種の化合物又は2種以上の化合物を混合して
使用される。特に粒子の比重と液媒体の比重とはほぼ等
しく、望ましくは完全に一致しているのが有利である。
そのような関係が保たれている場合には、粒子の沈降や
浮上の生じることがない。これは、粒子にかかる重力と
浮力とが一致するためである。比重をほぼ又は完全に一
致させるためには2種以上の液媒体を混合することが好
ましい。
また、本発明の電場応答性流体においては、液媒体
(電気絶縁性液体)中に親水性化合物被覆粒子が安定し
て懸濁又は分散しているが、その懸濁又は分散状態がよ
り一層安定させるため、あるいは、より大きな剪断力を
得るためなどの理由で、界面活性剤を添加することがで
きる。
そうした界面活性剤としては、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル
類、ポリオキシエチレンアルキルソルビタンエステル
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、グリセリン
脂肪類エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレ
ングリコール脂肪類エステル類等のノニオン系界面活性
剤;アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
酢酸塩類、アルキルベンゼンスルフォン酸塩類、N−ア
シルアミノ酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アル
キルリン酸塩類等の陰イオン系界面活性剤;ベンザルコ
ニウム塩類などの第4級アミン類等の陽イオン系界面活
性剤;パーフルオロアルキルリン酸エステル類、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩類、パーフルオロアルキル
ベタイン類等のフッ素系界面活性剤などがあげられる。
これら界面活性剤は、必要に応じて、単独又は二種以
上が併用されて電場応答性流体中に存在せしめられる
が、その添加量は流体全体の5重量%以下くらいであ
る。
本発明の電場応答性液体は、前記のように、いろいろ
な分野において使用ないし応用されうるが、プリンター
等のインクとして用いる場合には、染料や顔料を添加し
て液媒体又は粒子を着色せしめる。この際には、親水基
を有する顔料を固−固接触法により芯物質表面に打ち込
む方法が高色調高濃度の画像得るのに好ましい。また、
イオン基を有する反応性染料を表面被覆層に染着せしめ
るのも好ましい方法である。
なお、粒子に含有させる水分量は、表面被覆層に用い
る化合物に応じて適当な範囲があり調整されなければな
らない。一般に、スルホン酸や4級アンモニウムの塩の
ような強解離性の基を有する粒子を用いるときには粒子
は水分を含ませる必要はなく、カルボン酸、第1,第2又
は第3級アミノ基のような弱解離型の基を有する粒子を
用いるときには表面被覆層中に被覆層の1〜30重量%に
相当する水分を含有させる方が大きな剪断力を得るのに
効果がある。
適当な水分量は表面被覆層中の親水性基の量(モル
比)やカウンターイオンの種類や量により異なり、これ
らの条件に応じ適正値に調整(調湿)する必要がある。
〔実施例〕
次に実施例及び比較例を示す。ここでの%は重量基準
である。
実施例1 平均粒径約5μmであり、実質的に気泡を含まないポ
リエチレンの球状粒子を63℃に加熱した気流中に浮遊さ
せ、前記化合物(1)の塩化物5%水溶液をスプレーガ
ンより噴霧し気流中に流し、ポリエチレン球状粒子表面
に固着させた。表面被覆層の膜厚は約0.4μmであっ
た。次いで 粒子(表面被覆粒子) 25% 燐酸トリフェニル 11.3% フタル酸イソデシル 63.7% の処方にて、混合撹拌した後、超音波洗浄器に容器ごと
入れ10分間の超音波印加による分散を行なった。
得られた流体を同軸二重円筒型の粘度計に入れ、内外
円筒間に直流電圧を印加した後、外側電極に回転力を与
えて、内側電極と外側電極との間にすべりが生じる時の
トルクを測定した。
印加電圧に対するトルクの測定結果は第2図に示した
曲線Aのようになった。
保存安定性の測定は共栓付試験管内に流体を入れてお
き、室温で3ケ月放置後の粒子の沈降の有無を目視で判
定して行なった。上記で得られた流体においては、3ケ
月放置後においても粒子の沈降はまったく観察されなか
った。
比較例1 市販の下記の構造を有する強塩基型のイオン交 換樹脂を真空乾燥した後、粉砕、分級して平均粒径約6
μmの粒子を得た。この粒子を実施例1の粒子に置き換
えて同様に撹拌、分散し試験を行なった。
剪断力は、第2図に示した曲線Bのようであり、実施
例1の流体とほぼ同様な傾向が得られたが、沈降試験に
おいては2時間後に粒子の沈降の生じるのが観察され、
2日間放置後には完全に沈降してしまった。
実施例2 平均粒径約2μmであり、実質的に気泡を含まないポ
リスチレンの球状粒子を乳化重合法により合成、乾燥し
て得た。一方、市販のポリアクリル酸(酸型)を粉砕、
分級して約0.5μm以下の粒子を得た。両者の粒子をジ
エット気流中で衝突させることにより、ポリアクリル酸
ナトリウムの約0.4μm厚の表面被覆層を設けたポリス
チレン粒子を得た。この粒子を20℃、50%RHの環境下で
24時間放置した後、下記の処方の流体を実施例1と同様
にして得た。
粒 子 20% フタル酸ブチルベンジル 71% リン酸トリクレシル 9% 得られた流体の電場印加による剪断力の測定結果は第
3図に示した曲線Cのようになった。
比較例2 アクリル酸モノマーとN,N′−メチレンビスアクリル
アミドの水溶液を界面活性剤としてソルビタンエステル
を用いてヘキサン中に乳化し、加熱、重合、乾燥を行な
うことにより球形の架橋構造を有する粒子を得、更に、
分級操作を行なって平均粒径約4.5μmの粒子を得た。
この粒子を実施例2と同様に調湿した後、実施例2の流
体における粒子をこの粒子に置き換えた処方の流体を同
様に撹拌、分散して得た。
実施例2と同様な試験をしたところ、第3図に示した
曲線Dのようにほぼ実施例2と等しい剪断力が得られた
が、沈降試験においては1時間後に沈降が観察され始
め、1日放置後には完全に沈降してしまった。なお、こ
の粒子を用いた時には流体処方において液媒体として比
重の大きなリン酸トリクレシルのみを用いても、沈降速
度は少し遅くなるものの、3日後には完全に沈降してし
まっていた。
実施例3,4,5及び6 実施例1と同様にして、粒子比率が20%の下記処方の
流体を調製した。
これらの流体を実施例1で用いたのと同じ装置により
試験したところ表−1に示したような結果が得られた。
なお、表−1においては、電極間に流れる電流値が3mA
となるときの電界、及び、その時に得られるトルクを示
し、また、各流体の3ケ月放置後の流体における粒子の
沈降の有無を観察したが、いづれも沈降はまったくみら
れなかった。
〔発明の効果〕 本発明によれば下記のような効果がもたらされる。
(1)芯物質として比重の小さな化合物を用いているた
めに、電場応答性流体に用いる液媒体(電気絶縁性液
体)の選択性が広く、従来用いられていたようなハロゲ
ン系溶剤を用いなくとも、粒子の沈降が生じることがな
い。また、ハロゲン系溶剤を用いたときのように電極材
料の劣化を生じることがない。
一方、粒子表面には親水性化合物で形成されているた
め従来と同等の剪断力が得られる。
(2)イオン解離性の高分子化合物を表面に有する粒子
が使用するために、比較的低い電界においても大きな剪
断力が得られる。なお、ガラス、金属、セラミックなど
は親水性物質であるが、これを表面に設けた粒子では全
く又は殆ど剪断力は得られない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電場応答性液体における粒子表面被覆
粒子の一例の模式図である。 第2図及び第3図は本発明並びに比較の電場応答性流体
における印加電圧とトルクとの関係を示したグラフであ
る。 1……芯物質 2……表面被覆層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−81898(JP,A) 特開 昭63−305196(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比重が0.89〜1.20である熱可塑性樹脂化合
    物を芯材とし、その芯材に親水性化合物を被覆し層を形
    成させることにより構成される粒子が前記芯材と同一の
    比重を有するものであり、この粒子が電気絶縁性液体中
    に懸濁又は分散されていることを特徴とする電場応答性
    流体。
  2. 【請求項2】前記親水性化合物は水中で解離可能なアニ
    オン性基又はカチオン性基を有する高分子化合物である
    請求項1記載の電場応答性流体。
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