JP3041478B2 - 面状発熱体の製造方法 - Google Patents

面状発熱体の製造方法

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JP3041478B2
JP3041478B2 JP8352023A JP35202396A JP3041478B2 JP 3041478 B2 JP3041478 B2 JP 3041478B2 JP 8352023 A JP8352023 A JP 8352023A JP 35202396 A JP35202396 A JP 35202396A JP 3041478 B2 JP3041478 B2 JP 3041478B2
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時一 松山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根や道路等に用
いる面状発熱体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の面状発熱体は、発熱部分を挟んで
その表裏にフィルムを張り合わせているが、全体的に薄
手として、熱効率を高めている。
【0003】しかし、融雪用に屋根に設置した場合に
は、薄手であると強風を受けた場合に飛ばされ易く、
又、これを固定するには鋲を打つ等の面倒な作業をせね
ばならず、且つ、屋根自体を痛める恐れがある。更に、
道路に敷設した場合には、薄手のシートは、走行車両に
よって直に削られてしまう等の欠点が残される。
【0004】そこで厚みを増すためには、通常は比較的
厚手のプラスチック製のシート等を接着剤で貼り合わせ
ることになるが、発熱体の熱が加わると接着剤が経時的
に劣化し、長期間の使用後には剥離し易いというあらた
な問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に基
づいてなされたもので、屋根や道路等に設置が容易な比
較的厚手の面状発熱体が形成可能であると共に、それが
長期間の使用を経ても剥離することなく、耐久性に富ん
だ面状発熱体を開発しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明面状発熱体の製造
方法は、比較的厚手の2枚の熱可塑性樹脂シートと孔を
有する発熱体とを用い、一対の対向した押圧ローラーに
前記2枚の熱可塑性樹脂シートを左右から送り、中央か
ら発熱体を送り、該熱可塑性樹脂シートを押圧ローラー
の中央接合部の付近で加熱して可塑化し、該二つのロー
ラーの間で可塑樹脂を界面流動させて発熱体の孔を介し
て互いを熱溶着させ、該シートと発熱体とを一体化させ
てなる。このとき、中央接合部に熱可塑性樹脂の可塑剤
を滴下させるのが好ましい。その結果、中央に孔を有す
る発熱体を挟んで、中央接合部の付近で加熱して可塑化
した熱可塑性樹脂シートを該発熱体の孔を介して熱溶着
させて一体化させた面状発熱体が得られる。
【0007】熱可塑性樹脂製の比較的厚手のシートが押
圧ローラーの手前付近で加熱器によって加熱されると、
その表面が可塑化し、それが押圧ローラーによって押圧
と回転力を与えられると、渦状に流動し、その流動した
樹脂の一部が発熱体の孔を潜り、新しい界面同志が接合
し、融着、一体化する。一体化した面状発熱体は、比較
的厚手となるので、屋根や道路に設置した場合にも、風
や削りに強く、且つ、加熱しても剥離等を生じない。
【実施の態様】
【0008】本発明には、装置として、図1に示す如
く、左右にシートの繰出ローラー3,4を配し、その中
間に互いに向い合せた等径の押圧ローラー1,2を配
し、その間隔は後述の樹脂の流動と接合を図るに適した
間隔を設定する。又、中央上部には、発熱体12を送り
出すための繰出ローラー5を配する。そして、その上方
に熱可塑性樹脂の表面を溶融させる熱を与えるためのガ
スバーナー等の加熱器6,7を配設する。
【0009】そして、樹脂の可塑化を容易にするため溶
融接合部に可塑剤を添加する滴下装置8,9を配するの
が望ましい。
【0010】上記装置に対し、熱可塑性樹脂のシート2
枚を用意し、その熱可塑性樹脂とは、塩化ビニル、ポリ
エリレン、ポリポロピレン等を指し、その厚さは用途が
屋根の融雪か、道路の融雪か等の目的に応じて設定す
る。例えば、一方に厚さ5mm、他方に10mm厚のP
VCとする。
【0011】発熱体12には、ニクロム線、カーボン等
の通常の素材を用い、孔12aを有する形態とするが、
その孔とは、例えば網状の格子目を有する繊維(図2参
照)、又は、板状体に孔を穿設したもの等を指し(図3
参照)、その目的は流動化した樹脂がその孔12aを潜
りぬけ可能なものとする。
【0012】該装置に対し、左右の繰出ローラー3,4
に熱可塑性樹脂のシート10,11を通し、中央の押圧
ローラー1,2へと導き、中央の繰出ローラー5から
は、発熱体12を導く。そして、左右の熱可塑性樹脂シ
ート10,11の中央接合の一歩手前付近に配したガス
バーナー等の加熱器6,7で熱可塑性樹脂シート10,
11の表面を加熱する。
【0013】すると、その熱でシート表面の樹脂が熔融
し、粘弾性を有する可塑体となり、それが押圧ローラー
1,2の間に入ると、そのローラー1,2の回転力に押
圧されて流動化し、且つ、幅狭なローラーによる回転力
と粘弾性により攪拌作用が起こり渦状となる。このと
き、DBP,DOP等の可塑剤を滴下すると、樹脂中に
可塑剤が膨潤して可塑性が高められる(図4参照)。
【0014】斯かる渦状の動きから、内部から新しい樹
脂が出て表面に新しい界面が出現し、その新界面となっ
た樹脂が、発熱体12の孔12aを潜り抜けて、接合
し、発熱体12によって隔てられた左右のシート10,
11の両者を融着させる。従って、その橋掛け効果によ
り両者が一体化すると共に、新界面により融着はより完
全となる。
【0015】斯くして、表裏の熱可塑性樹脂シートが発
熱体12の孔12aを介して接合し、比較的厚手のシー
トでも両者が一体化すると共に、接着剤を用いないので
長時間加熱を続けても剥離する恐れがなく、一体化に永
続性がある。
【0016】これを例えば溶雪用に屋根に付設すると、
厚みを維持するので多少の風があっても、飛んだりせず
安定であり、又、設置も容易である。又、道路に敷設し
た場合にも、その厚みによって、車両が上を走行して
も、削られる割合が少なく、耐久性に富む。
【0017】
【発明の効果】以上の構成及び作用に基づく本発明は、
比較的厚目の発熱体を形成できるので、風雨や走行車両
への耐久性に秀れ、且つ、それを長期間使用しても、接
着剤を使用しないので剥離等がなく、形態が安定であ
る。更に、押圧ローラーと加熱器の組み合わせにより製
造が容易なので安価に製造できる等の数々の効果を奏す
る優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法に用いる装置の模式的正面図。
【図2】本発明に用いる発熱体の一態様を示す斜視図。
【図3】本発明に用いる発熱体の一態様を示す斜視図。
【図4】本発明製造方法の過程を示す一部切欠正面図。
【符号の説明】
1,2 押圧ローラー 3,4,5 繰出ローラー 6,7 加熱器 8,9 滴下装置 10,11 シート 12 発熱体 12a 孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的厚手の2枚の熱可塑性樹脂シート
    と孔を有する発熱体とを用い、一対の対向した押圧ロー
    ラーに前記2枚の熱可塑性樹脂シートを左右から送り、
    中央から発熱体を送り、 該熱可塑性樹脂シートを押圧ローラーの中央接合部付近
    で加熱し、且つ、該中央接合部に熱可塑性樹脂の可塑剤
    を滴下させて可塑化し、 該二つのローラーの間で可塑樹脂を界面流動させて発熱
    体の孔を介して互いを熱溶着させ、 該シートと発熱体とを一体化させたことを特徴とする面
    状発熱体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101548300B1 (ko) 2013-06-03 2015-08-31 황태명 코르셋

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KR101548300B1 (ko) 2013-06-03 2015-08-31 황태명 코르셋

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