JP3041316B2 - 変異型中性プロテアーゼii - Google Patents

変異型中性プロテアーゼii

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JP3041316B2
JP3041316B2 JP34444391A JP34444391A JP3041316B2 JP 3041316 B2 JP3041316 B2 JP 3041316B2 JP 34444391 A JP34444391 A JP 34444391A JP 34444391 A JP34444391 A JP 34444391A JP 3041316 B2 JP3041316 B2 JP 3041316B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変異型中性プロテアー
ゼII、該遺伝子、新規な組み換え体DNA、及び変異型中
性プロテアーゼIIの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】醤油を蒲鉾やハム等の練り製品に添加し
た場合に、練り製品の脆弱が起こることが知られてい
る。原因としては、醤油中に含まれる、火入れ後も失活
しない耐熱性のプロテアーゼが、練り製品に含まれる蛋
白質を分解するためであると考えられ、火入れ条件の改
変や限外濾過等により、耐熱性プロテアーゼを減少させ
ることが試みられてきた (特開平2-131554号公報) 。し
かしながら、これらの方法による醤油中の耐熱性プロテ
アーゼの除去は、醸造工程の改変による製造コストの上
昇を伴う。そこで、直接醤油醸造微生物を改変すること
による耐熱性プロテアーゼを含まない醤油の製造によ
り、低コストの練り製品添加用醤油の提供が可能である
と考えられる。
【0003】この耐熱性プロテアーゼは、黄麹菌[アス
ペルギルス・オリゼー(Aspergillusoryzae)またはアス
ペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)]の生産する
中性プロテアーゼIIであると一般に考えられている。そ
こで本発明者らは、先に、アスペルギルス・オリゼー由
来の中性プロテアーゼII遺伝子について種々検討し、中
性プロテアーゼIIcDNAの単離及び構造決定を初めて行
い、更に、当該遺伝子をサッカロマイセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae) において分泌生産させる
ことに成功し、これらについての特許出願を行なった
(特開平3-198779号公報) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
知見のみでは、耐熱性プロテアーゼを含まない低コスト
の練り製品添加用醤油の提供は困難である。そこで、本
発明は当該低コストの練り製品添加用醤油の開発という
目的に即した遺伝子工学的手法の確立を課題とするもの
である。
【0005】さらに詳細に述べれば、上記特許出願にお
いて既に開示した塩基配列より、アスペルギルス・オリ
ゼー由来の中性プロテアーゼIIの一次配列上の6箇所に
システイン残基が存在することが推定され、その一方に
おいて、本発明者は予備試験の結果により、かかる中性
プロテアーゼIIには遊離SH基が存在しないことを確認し
た。次いでこれを根拠として、一般に蛋白質の熱安定性
を増大させると考えられているジスルフィド結合が、中
性プロテアーゼ蛋白の分子内に3箇所存在するであろう
ことを突き止めた。
【0006】而して、本発明者は当該中性プロテアーゼ
IIに含まれると推定される6箇所のシステイン残基部分
のうち少なくとも1箇所を、システイン残基と大きさが
類似しているSH基を持たないアミノ酸に置換してジスル
フィド結合を除去することで、当該中性プロテアーゼII
の熱安定性を低下せしめ得ることを類推し、当該性質を
有する中性プロテアーゼIIの提供を課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のために鋭意検討した結果、アスペルギルス・オリ
ゼー由来の中性プロテアーゼIIcDNAを用い、蛋白工学手
法のうち部位特異的変異により、中性プロテアーゼIIの
アミノ酸配列におけるシステインを有しないアミノ酸に
置換したアミノ酸配列をコードする中性プロテアーゼII
cDNAを得、サッカロマイセス属に属する微生物を宿主と
して用い、変異型中性プロテアーゼIIを産生させたとこ
ろ、野生型中性プロテアーゼIIに比し、熱安定性が顕著
に低下した変異型中性プロテアーゼIIが得られること等
を見い出し本発明を完成させた。
【0008】すなわち本発明は、黄麹菌中性プロテアー
ゼIIのアミノ酸配列において、システインがSH基を有し
ないアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型
中性プロテアーゼIIであり、また、黄麹菌中性プロテア
ーゼIIのアミノ酸配列において、6位及び/または78位
のシステインがSH基を有しないアミノ酸に置換されてい
ることを特徴とする変異型中性プロテアーゼIIであり、
また、黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸において、
システインがSH基を有しないアミノ酸に置換されている
アミノ酸配列をコードする変異型中性プロテアーゼII遺
伝子であり、また、黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ
酸配列において、システインがSH基を有しないアミノ酸
に置換されているアミノ酸配列をコードする変異型中性
プロテアーゼII遺伝子をベクターDNA に挿入したことを
特徴とする新規な組み換え体DNAであり、更に本発明
は、黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸配列におい
て、システインがSH基を有しないアミノ酸に置換されて
いるアミノ酸配列をコードする変異型中性プロテアーゼ
II遺伝子を、ベクターDNAに挿入した組み換え体DNAを含
み、変異型中性プロテアーゼII生産能を有するサッカロ
マイセス属に属する微生物を培地に培養し、培養物より
変異型中性プロテアーゼIIを採取することを特徴とする
変異型中性プロテアーゼIIの製造法を提供するものであ
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、黄麹菌中性プロテアーゼII遺伝子のシステイン残基
をコードする部分を、SH基を有しないアミノ酸残基をコ
ードする配列に置換した遺伝子を用いることを必須とす
る。本発明に用いられる黄麹菌中性プロテアーゼII遺伝
子としては、例えば本発明者等が、先にアスペギルス・
オリゼー (ATCC 20386) より単離したプレプロ型中性プ
ロテアーゼIIcDNA (特開平3-198779号公報) 等を挙げる
ことができる。
【0010】かかる中性プロテアーゼII遺伝子のシステ
イン残基をコードする部分の置換法としては、例えば、
Kunkelの方法 (T.A.Kunkel, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA,82, 488 (1985))、ダブルプライマー法 (P. Carte
r, H. Bedouelle, G. Winter, Nucleic Acid Res., 13,
4431 (1985)) 、チオヌクレオチドを用いる方法 (J.W.
Taylor, J. Ott, F. Eckstern, Nucleic Acid Res., 1
3, 8764 (1985))、カセット変異導入法(J. A. Wells,
et al., Gene, 34, 315 (1985))等の方法を採ることが
できる。また、市販の遺伝子変異用キットを用いること
も可能であり、例えばオリゴヌクレオチド・ダイレクテ
ィド・イン・ビトロ・ミュータジェネシス・システム・
バージョン2 (Oligonucleotide-directed in vitro mu
tagenesis system version2)を用いる場合には、当該中
性プロテアーゼII遺伝子をpUC119、pTV118N 等の大腸菌
プラスミドに連結してそのプロトコールに従い、所望の
遺伝子変異を導入し、その部位特異的変異された中性プ
ロテアーゼII遺伝子を、制限酵素を用いて切断し、所望
の部位特異的変異された遺伝子を得ることができる。
【0011】なお、SH基を有さないアミノ酸の種類とし
ては、特に限定されないが、イオン化する側鎖を有しな
いという点で、中性アミノ酸が、具体的には、アラニ
ン、バリン、グリシン、セリン、スレオニン、ロイシ
ン、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン、チロシ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、又はプロリン
等を挙げることができる。この中で特にアラニン又はセ
リンがシステインと大きさが類似しているという点にお
いて好ましい。
【0012】次に、上記の変異型中性プロテアーゼII遺
伝子の発現ベクターの構築が必要であるが、かかる中性
プロテアーゼII遺伝子を発現し得るものであれば特に限
定されず、例えば、ファージ、プラスミド、コスミド等
を用いることができる。ただし、上記中性プロテアーゼ
II遺伝子が元来黄麹菌に由来するものであるから、ベク
ターとしても酵母由来のベクターで、特にサッカロマイ
セス属に属する酵母において、その機能を発揮し得るベ
クターであることが好ましい。具体的には、pONP29 (Mo
l.Gen.,228, 97, (1991))、pAM82 (A. Miyanohara et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 80, 1 (198
3))、AAH5 (G. Ammerer, Methods inEnzymol., 101, 19
2 (1983))等を挙げることができる。
【0013】また、上記中性プロテアーゼII遺伝子を効
率良く発現させるために、プロモーター、選択マーカ
ー、及び複製起点を上記ベクターに中性プロテアーゼII
遺伝子と共に連結することができる。かかる場合のプロ
モーター等は、宿主中で上記中性プロテアーゼII遺伝子
を効率良く発現させ得るものであれば特に限定されず、
例えば、ベクター及び宿主として、酵母由来のものを用
いる場合には、プロモーターとしては、例えばザイゴサ
ッカロマイセス・ルーキシ (Zygosaccharomyces rouxi
i) 由来のグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素
(以下、「GAPDH」と略記する)のプロモーター(T. Im
ura et al., Agric. Biol. Chem,51, 1641 (1987))、サ
ッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisi
ae) 由来のアルコールデヒドロゲナーゼIのプロモータ
ー (G. Ammer, Methods in Enzymol., 101, 192,(198
3))等を例示可能であり、特にGAPDHのプロモーターが
中性プロテアーゼIIcDNAを効率よく発現可能という点で
好ましい。選択マーカーも遺伝子のベクターへの挿入を
検知することができるものであれば特に限定されない。
ベクター及び宿主として、酵母由来のものを用いる場合
には、例えばサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae) のTRP1遺伝子(G. Tschumper and
J. Carbon, Gene, 10, 157 (1980))、サッカロマイセ
ス・セレビシエのLEU2遺伝子 (B. Ratzkin andJ. Carbo
n, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 487 (1977)) 等
を例示することができる。複製起点としても、その機能
を有効に発揮し得る限り特に限定されるものでなく、宿
主及びベクターとして酵母由来のものを用いる場合に
は、例えば2μmDNA (J. D. Beggs, Nature, 275, 10
4 (1978)),ARS1 (K. Struh1 et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 76, 1035 (1979))等を例示することがで
きる。
【0014】なお、この発現ベクターの構築方法として
は通常公知の方法を用いることができる。上記発現プラ
スミドの形質転換等を行う宿主は、選択した発現ベクタ
ーの種類に応じて決定される。例えばベクターとして酵
母由来の発現ベクターを選択した場合には、当該ベクタ
ーの発現に適した宿主、例えば、サッカロマイセス・セ
レビシエAH22 (A. Hinnen et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 75, 1929 (1978))、同SHY1 (Botstein et a
l., Gene, 8, 17 (1979))等を用いることができ、中性
プロテアーゼIIを効率よく生産し得るという点でサッカ
ロマイセス属に属する酵母、例えばサッカロマイセス・
セレビシエNA87-11A等を用いるのが好ましい。
【0015】なお、形質転換の手段は、選択した発現ベ
クター又は宿主の種類に応じた通常公知の方法を用いる
ことができる。このようにして得られた形質転換体等を
培地に培養し、かかる培養物より変異型中性プロテアー
ゼIIを採取することができる。培地等の培養条件及び変
異型中性プロテアーゼIIの採取方法は、用いた発現ベク
ターと宿主の種類に応じて決定される。例えば発現ベク
ター及び宿主共に酵母由来のものを用いる場合には、培
地としては、形質転換体の生育に適した培地、例えばYP
D 培地、SD培地等又はこれらに通常知られている各種の
炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン類等を添加したもの
を挙げることができる。さらに具体的に宿主がサッカロ
マイセス属に属する酵母の場合には、グルコース、ポリ
ペプトン、酵母エキスからなるYPD 培地に塩化亜鉛を添
加したものを挙げることができる。培養温度及び培養時
間も宿主の種類に応じて決定され、例えば宿主がサッカ
ロマイセス属に属する酵母の場合、培養温度としては25
〜35℃、好ましくは30℃程度であり、培養時間は、24〜
96時間、好ましくは72時間程度である。
【0016】上記培養により得られる活性物質を含有す
る培養物から変異型中性プロテアーゼIIは常法により得
ることができる。より具体的には、宿主が菌体外に直接
変異型中性プロテアーゼIIを分泌する場合には、培養物
を遠心分離し、培養上清を得、得られた培養上清を粗酵
素液として用いることができる。菌体外に分泌されない
場合には、通常公知の方法、例えば浸透圧ショック等の
温和な方法により菌体を破壊し、変異型中性プロテアー
ゼIIを得ることもできる。
【0017】かかる変異型中性プロテアーゼIIの単離精
製も常法に従い行うことが可能であり、例えば当該変異
型中性プロテアーゼIIの物理的又は化学的性質を利用し
た各種の処理操作に従い実施できる(例えば、「生化学
データーブックII」、pp1175〜1259、第1版第1刊、19
80年6月23日、株式会社東京化学同人発行参照)。かか
る精製単離方法として、具体的には、例えば通常の蛋白
沈澱剤による処理、限外ろ過、分子ふるいクロマトグラ
フィー、遠心分離、電気泳動、アフィニティークロマト
グラフィー、透析法、疎水クロマトグラフィー、又はこ
れらの組合せ等を採用できる。
【0018】当該変異型中性プロテアーゼIIが、直接菌
体外に分泌される場合には、上記遠心分離により得られ
た培養上清をそのまま粗酵素液として用いることも可能
であり、必要に応じて、疎水クロマトグラフィー法、例
えば、フェニルセファロースCL−4B(ファルマシア
社製)等を用いて部分精製することが可能である。上記
の如く得られた変異型中性プロテアーゼIIのアミノ酸配
列はエドマン法等通常公知の方法により確認することが
できる。
【0019】さらに、発現ベクターに組み込まれた変異
型中性プロテアーゼII遺伝子の塩基配列は、例えばマキ
サム−ギルバートの化学修飾法 (A. M. Maxam and W. G
ilbert, Methods in Enzymol, 65, 499 (1980))やM13
ファージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法 (J.
Messing and J. Vieira, Gene, 19, 269 (1982)) 等に
より確認することができる。
【0020】そして、この変異型中性プロテアーゼII遺
伝子は、通常の方法、例えばホスファイト トリエステ
ル法 (Nature, 310, 105 (1984))等の常法に従って、又
は、DNA シンセサイザーによって全合成をすることもで
きる。なお、以上述べた本発明に係る遺伝子工学的手法
において、例えばDNA の切断、結合、リン酸化等には各
種の制限酵素、DNA リガーゼ、ポリヌクレオチドキナー
ゼ、DNA ポリメラーゼ等の酵素を用いた常套手段が採用
でき、それらの酵素は市販品として容易に入手できる。
これら各操作における遺伝子ないし核酸の単離、精製も
常法、例えばアガロース電気泳動法等に従えばよい。所
望のアミノ酸配列をコードするDNA 断片や合成リンカー
は、上記化学合成により容易に製造できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明する。 (1) 中性プロテアーゼIIの遊離SH基の定量 中性プロテアーゼIIには6個のシステイン残基が含まれ
るが、ジスルフィド結合が何本形成されているかを決定
するために、以下の方法により、中性プロテアーゼIIの
遊離SH基の定量を行なった。
【0022】黄麹菌アスペルギルス・オリゼー (ATCC 2
0386) より、Sekineの方法(Agric.Biol. Chem., 36, 1
98 (1972))により、中性プロテアーゼIIを精製した。
精製中性プロテアーゼIIについて、特開平3-251175号に
記載の方法に従い、DTNB(5, 5'−ジチオビス− (2−
ニトロベンゾイック アシッド)(5,5'-dithiobis-(2-ni
trobenzoic Acid)) )とDTT(ジチオスレイトール (dit
hiothreitol))を用いて、非還元状態と還元状態の遊離
SH基の定量を行なった。なお、中性プロテアーゼIIの分
子量は、塩基配列より推定される19,000ダルトンを用
い、E1c m ,1%は9.0 A280 (H. Sekine, Agric. Biol.
Chem., 36, 198 (1972))を使用した。
【0023】定量の結果、中性プロテアーゼIIの1分子
あたりの遊離SH基は、非還元状態では0個、還元状態で
は6個であった。すなわち、中性プロテアーゼIIには6
個のシステイン残基が含まれることが確認され、更に、
中性プロテアーゼIIは3個のジスルフィド結合を有する
ことが明らかとなった。 (2) 中性プロテアーゼIIcDNA部位特異的変異用のプラ
スミドの調製 本発明者等が先に取得した、アスペルギルス・オリゼー
(ATCC 20386) に由来するプレプロ型中性プロテアーゼ
IIcDNA(該cDNAの塩基配列を配列番号1に示した。な
お、このcDNAの−7〜+24及び+216〜+239に該当する
部分は夫々配列番号2に示すプライマーA、及び配列番
号3に示すプライマーBと相同性のある部分である。な
お、成熟領域の5'末端の塩基を1番目の塩基と定め
た。) (特開平3-198779号公報記載) を、サッカロマイ
セス・セレビシエにおいて発現させるべく設計したプラ
スミドであるpONP29 (Mol. Gen. Genet., 228, 97 (199
1))を出発点として、以下に示す手順により、中性プロ
テアーゼIIcDNAを部位特異的変異させるためのプラスミ
ドであるpONP102を構築した。
【0024】最初に、組み換え体プラスミドの構築を簡
便に行なうため、中性プロテアーゼIIcDNAの3'側のEcoR
IサイトをBamHIサイトに変換した。すなわち、 DNAブ
ランティング (Blunting) キット (宝酒造社製) を用い
て、pONP29のBamHIサイトを欠失させ、 pONP29Bを得
た。次いで、 pONP29BをEcoRIで部分分解した後、 DNA
ブランティングキットと、ベックマン社の DNA合成機
(システム1Eプラス) により合成したBamHIリンカー (G
GGATCCC) を用いて、 pONP29Bの中性プロテアーゼIIcDN
Aの3'側に存在するEcoRIサイトをBamHIサイトに変換
し、pONP33を得た。
【0025】次いで、pONP33の中性プロテアーゼIIcDNA
を、通常用いられる条件に従いEcoRIとBamHIを用いて
切り出し、pUC119のポリリンカー中に存在するEcoRIサ
イトとBamHIサイトの間に挿入し、中性プロテアーゼII
cDNA部位特異的変異用のプラスミドであるpONP102を得
た。 (3) 中性プロテアーゼIIcDNAへの変異の導入 中性プロテアーゼIIは、前記(1)より6個のシステイ
ン残基を持ち、3本のジスルフィド結合を有することが
明らかとなったが、部位特異的変異により、6位と78位
のシステイン残基を夫々、システイン残基と大きさが類
似しておりSH基を持たないアラニン残基に置換すること
により、1本のジスルフィド結合を除去することを試み
た。
【0026】(1) で得られた組み換え体プラスミドpON
P102を含む大腸菌 (E.coli)JM101より、「Methods in E
nzymol., 153, 3 (1987)」に記載の方法を用いて、一本
鎖組み換え体プラスミドpONP102を得た。一方、 DNA合
成機 (ベックマン社製、システム1Eプラス) を用い、変
異を導入するためのオリゴヌクレオチドA、Bを合成し
た。オリゴヌクレオチドA、Bの構造をそれぞれ配列番
号2及び配列番号3に示した。オリゴヌクレオチドA
は、31bよりなり、中性プロテアーゼIIcDNAの6位のシ
ステインをコードする TGCコドンをアラニンに対応する
GCCコドンに変換し、更に、変異のマーカーとして Spl
Iサイトを付加するように設計されている。オリゴヌク
レオチドBは、24bよりなり、中性プロテアーゼIIcDNA
の78位のシステインをコードする TGCコドンをアラニン
に対応する GCCコドンに変換し、更に、変異のマーカー
としてSnaBIサイトを付加するように設計されている。
【0027】上記の一本鎖プラスミド、オリゴヌクレオ
チドAまたはB、更に、アマシャム社製のオリゴヌクレ
オチド・ダイレクティド・イン・ビトロ・ミュータジェ
ネシス・システム・バージョン2(Oligonucleotide-dir
ected in vitro mutagenesissystem version 2)を用い
て、アマシャム社の支持する方法により、中性プロテア
ーゼIIcDNAに部位特異的変異を導入し、変異型中性プロ
テアーゼIIcDNAを含むプラスミドであるpONP61 (オリゴ
ヌクレオチドAに由来する) とpONP62 (オリゴヌクレオ
チドBに由来する) を夫々取得した。なお、変異型プラ
スミドのスクリーニングには、pONP61の場合は SplIサ
イトが、pONP62の場合はSnaBIサイトがそれぞれ導入さ
れていることを指標にした。
【0028】変異型プラスミドpONP61及びpONP62を、榊
の方法 (「ベクターDNA」、第70頁、講談社、1986年)
に従ってアルカリ変性した後、 M13シークエンスキット
(宝酒造社製) を用いて、ジデオキシヌクレオチド鎖終
結法で変異箇所の塩基配列を決定した結果、両方のプラ
スミドの中性プロテアーゼIIcDNAにおいて、当初の設計
通りの変異が起こっていることが確認された。
【0029】(4) 変異型中性プロテアーゼII生産能を
有する組み換え酵母の作製 pONP61及びpONP62に含まれる変異型中性プロテアーゼII
cDNAを、EcoRIとBamHIを用いて切り出した。一方、pO
NP33をEcoRIとBamHIで処理し、ザイゴサッカロマイセ
ス・ルーキシ由来グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水
素酵素 (以下、GAPDHと省略する) のプロモーター、GAP
DHターミネーター、サッカロマイセス・セレビシエ (Sa
ccharomyces cerevisiae) のTRP1遺伝子、2μm DNA、
及びpBR322を含む8.0kbの断片を得、変異型中性プロテ
アーゼIIcDNAと連結した。このようにして、変異型中性
プロテアーゼIIが、サッカロマイセス・セレビシエにお
いて、GAPDHプロモーターの支配下で発現されるように
設計した組み換え体プラスミドであるpONP71 (オリゴヌ
クレオチドAに由来する) 及びpONP72 (オリゴヌクレオ
チドBに由来する) を得た (図1) 。
【0030】pONP71及びpONP72を夫々サッカロマイセス
・セレビシエNA87-11A (大阪大学大嶋泰治教授より分
譲) に、 Beggsの方法 (Nature, 275, 104 (1978))を用
いて形質転換し、形質転換体、サッカロマイセス・セレ
ビシエNA87-11A (pONP71) 及びサッカロマイセス・セレ
ビシエNA87-11A (pONP72) を得た。なお、サッカロマイ
セス・セレビシエNA87-11A (pONP71) 及びサッカロマイ
セス・セレビシエNA87-11A (pONP72) は、夫々、工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第12638 号 (FE
RM P-12638)及び12639 号 (FERM P- 12639)として寄託
されている。
【0031】(5) サッカロマイセス・セレビシエNA87-
11A (pONP71) 及びサッカロマイセス・セレビシエNA87-
11A (pONP72) による変異型中性プロテアーゼIIの生産 サッカロマイセス・セレビシエNA87-11A (pONP71) 、サ
ッカロマイセス・セレビシエNA87-11A (pONP72) 、及び
対照として、野生型中性プロテアーゼIIcDNAを含む発現
プラスミドpONP33を持つサッカロマイセス・セレビシエ
NA87-11A (pONP33) を夫々、ヒスチジン及びロイシンを
夫々60mg/lとなるように添加した、40mlのSD培地 (2%
グルコース、0.67%イースト・ナイトロジェン・ベース
w/oアミノ・アシッド (yeast nitrogen base w/o amin
o acid) (DIFCO社製))にて、30℃で、2日間、120rpmの
振とう速度にて、培養を行なった。この前培養液を、0.
2mMの塩化亜鉛を添加した2Lの YPD培地 (2%グルコ
ース、2%ポリペプトン、1%酵母エキス) に接種し、
3Lのジャーファーメンター (いわしや社製、MB-C型)
にて、30℃、通気量1vvm 、攪拌速度600rpmにて、72時
間、培養を行なった。
【0032】(6) 変異型中性プロテアーゼIIの部分精
製 (4) で得たサッカロマイセス・セレビシエNA87-11A (p
ONP71) 、サッカロマイセス・セレビシエNA87-11A (pON
P72) 、及びサッカロマイセス・セレビシエNA87-11A (p
ONP33) の培養液より、以下の方法に従い、夫々の変異
型または野生型中性プロテアーゼIIの部分精製を行なっ
た。培養液より、遠心分離により、培養上澄を得た。こ
れに、硫酸アンモニウムを1.5Mになるように加えた後、
緩衝液A(1.5M 硫酸アンモニウム、 50mM 酢酸ナトリウ
ム、 pH6.0) により平衡化したフェニルセファロース
CL-4Bゲル (ファルマシア社製) に通過させることによ
り、中性プロテアーゼIIをゲルに吸着させた。ゲルを緩
衝液Aにより洗浄した後、緩衝液B(50mM 酢酸ナトリウ
ム、 pH6.0) を用いて、中性プロテアーゼIIをゲルよ
り溶出させた。溶出画分を限外濾過膜 (アミコン社製、
YM5) を用いて濃縮し、更に、緩衝液を緩衝液Bに交換
し、粗酵素液とした。
【0033】なお、野生型中性プロテアーゼIIのアミノ
酸配列を配列番号4に示した (N末端のアミノ酸残基を
1番目と定めた。) 。また、組み換え体プラスミドpONP
71を有する酵母により生産される、6位のシステイン残
基がアラニン残基に置換されている変異型中性プロテア
ーゼIIのアミノ酸配列を配列番号5に示した。そして、
組み換え体プラスミドpONP72を有する酵母により生産さ
れる78位のシステイン残基がアラニン残基に置換されて
いる変異型中性プロテアーゼIIのアミノ酸配列を配列番
号6に示した。
【0034】(7) 変異型中性プロテアーゼIIの熱安定
性 粗精製した2種類の変異型中性プロテアーゼII及び野生
型中性プロテアーゼIIの60℃における熱安定性を、以下
の方法により調べた。粗精製酵素標品を60℃にて10分及
び20分間保温し、氷中にて急冷した後、残存活性を、ク
ルペイン (シグマ社製) を基質として、ニンヒドリン試
薬ワコーニンヒドリン試薬-L8500セット (和光純薬社
製) を用いて、測定し、その結果を表1に示した。
【0035】
【表1】 なお、組み換え体プラスミドを持たない親株のサッカロ
マイセス・セレビシエNA87-11Aを、同様の方法で培養
し、培養上澄のプロテアーゼ活性を同様の方法で測定し
たが、活性は全く検出されなかった。このことより、上
記の組み換え体プラスミドを持つサッカロマイセス・セ
レビシエの上澄に含まれる全プロテアーゼ活性は、組み
換え体プラスミド上に存在する中性プロテアーゼII遺伝
子に由来することが明らかとなった。
【0036】表1より明らかな如く、本発明の、6位及
び78位のシステイン残基を夫々アラニン残基に変換した
変異型中性プロテアーゼIIは、野生型中性プロテアーゼ
IIに比べ、顕著に熱安定性が低下したものであった。す
なわち、部位特異的変異の方法により、中性プロテアー
ゼIIのシステイン残基をアラニン残基に置換することに
より、中性プロテアーゼIIの熱安定性が低下することが
明らかとなった。
【0037】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1056 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:不明 配列の種類: cDNA to mRNA 起源:アスペルギルス・オリゼー(ATCC 20386) 配列: ATGCGTGTCA CTACTCTCTC CACTGCGCTC TTCGCGTTGA CTTCCACCGC TGTGTCAGCG -466 CCAACCGCTG GGAGCTCTTC TCCTGGTCTT GAGGTCAAGC TGACCCAGAT TGACAACACT -406 CGTGTGAAGG CGGTTGTCAA GAACACCGGC AGTGAGGAAG TGTCCTTCGT CCACCTGAAC -346 TTCTTCAAGG ACGCTGGCCC TGTCAAGAAG GTTTCCGTCT ACCGCGGCCA GGATGAGGTC -286 CAGTTCGAGG GTATCAAGCG CCGCTTGAGG AGCAGTGGCA TCACTAAGGA GGCTGTCACT -226 TCTCTCGGTG CCGGAGAGAC CCTGGAGGAT GAGTTCGATA TCGCCTCCAC CAGCGACCTG -166 GCAAGCGGCG GCCCCGTTTC CATCCGCAGC CACGGATTCG TCCCCATTGT CGTGGACGGC -106 AAGATCACCG GCTACATCCC CTACAAGTCC AACGACCTGA CCGTCAATGT TGACGGCGGT -46 AAGGCCGCCA AGGTCACCAA GGCGCTGTCG CAGCTCACCC GCCGCACCGA GGTCACCGAC 15 TGCAAGGGTG ACGCCGAGTC CTCGTTGACC ACTGCCCTTT CCAACGCTGC CAAGCTGGCC 75 AACCAGGCTG CCGAAGCCGC CGAATCCGGC GACGAGTCCA AGTTCGAGGA GTACTTCAAG 135 ACCACCGACC AGCAGACCCG CACGACCGTT GCTGAACGTC TGCGCGCTGT CGCTAAGGAA 195 GCCGGCTCTA CCTCCGGTGG CTCTACCACG TACCACTGCA ACGACCCCTA CGGCTACTGT 255 GAGCCTAACG TTCTGGCCTA CACCCTGCCC TCGAAGAACG AGATCGCCAA CTGCGACATC 315 TACTACTCTG AGCTTCCTCC CCTTGCTCAG AAGTGCCACG CCCAGGACCA GGCCACCACC 375 ACTCTTCACG AGTTCACTCA CGCCCCTGGC GTCTACCAGC CTGGTACTGA GGATTTGGGC 435 TACGGCTATG ATGCCGCTAC TCAGCTGAGT GCCCAGGATG CGTTGAACAA CGCTGATTCC 495 TATGCCTTGT ATGCCAATGC TATCGAGCTC AAGTGC 531
【0038】配列番号:2 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA プライマー 配列: 5' CCGCCGTACGGAGGTCACCGACGCCAAGGGT 3'
【0039】配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA プライマー 配列: 5' CTCTACTACGTACCACGCCAACGA 3'
【0040】配列番号:4 配列の長さ:177 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 起源:アスペルギルス・オリゼー(ATCC 20386) 配列: ThrGluValThrAspCysLysGlyAspAlaGluSerSerLeuThrThrAlaLeuSerAsn 20 AlaAlaLysLeuAlaAsnGlnAlaAlaGluAlaAlaGluSerGlyAspGluSerLysPhe 40 GluGluTyrPheLysThrThrAspGlnGlnThrArgThrThrValAlaGluArgLeuArg 60 AlaValAlaLysGluAlaGlySerThrSerGlyGlySerThrThrTyrHisCysAsnAsp 80 ProTyrGlyTyrCysGluProAsnValLeuAlaTyrThrLeuProSerLysAsnGluIle 100 AlaAsnCysAspIleTyrTyrSerGluLeuProProLeuAlaGlnLysCysHisAlaGln 120 AspGlnAlaThrThrThrLeuHisGluPheThrHisAlaProGlyValTyrGlnProGly 140 ThrGluAspLeuGlyTyrGlyTyrAspAlaAlaThrGlnLeuSerAlaGlnAspAlaLeu 160 AsnAsnAlaAspSerTyrAlaLeuTyrAlaAsnAlaIleGluLeuLysCys 177
【0041】配列番号:5 配列の長さ:177 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 起源:アスペルギルス・オリゼー(ATCC 20386) 配列: ThrGluValThrAspAlaLysGlyAspAlaGluSerSerLeuThrThrAlaLeuSerAsn 20 AlaAlaLysLeuAlaAsnGlnAlaAlaGluAlaAlaGluSerGlyAspGluSerLysPhe 40 GluGluTyrPheLysThrThrAspGlnGlnThrArgThrThrValAlaGluArgLeuArg 60 AlaValAlaLysGluAlaGlySerThrSerGlyGlySerThrThrTyrHisCysAsnAsp 80 ProTyrGlyTyrCysGluProAsnValLeuAlaTyrThrLeuProSerLysAsnGluIle 100 AlaAsnCysAspIleTyrTyrSerGluLeuProProLeuAlaGlnLysCysHisAlaGln 120 AspGlnAlaThrThrThrLeuHisGluPheThrHisAlaProGlyValTyrGlnProGly 140 ThrGluAspLeuGlyTyrGlyTyrAspAlaAlaThrGlnLeuSerAlaGlnAspAlaLeu 160 AsnAsnAlaAspSerTyrAlaLeuTyrAlaAsnAlaIleGluLeuLysCys 177
【0042】配列番号:6 配列の長さ:177 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 起源:アルペルギルス・オリゼー(ATCC 20386) 配列: ThrGluValThrAspCysLysGlyAspAlaGluSerSerLeuThrThrAlaLeuSerAsn 20 AlaAlaLysLeuAlaAsnGlnAlaAlaGluAlaAlaGluSerGlyAspGluSerLysPhe 40 GluGluTyrPheLysThrThrAspGlnGlnThrArgThrThrValAlaGluArgLeuArg 60 AlaValAlaLysGluAlaGlySerThrSerGlyGlySerThrThrTyrHisAlaAsnAsp 80 ProTyrGlyTyrCysGluProAsnValLeuAlaTyrThrLeuProSerLysAsnGluIle 100 AlaAsnCysAspIleTyrTyrSerGluLeuProProLeuAlaGlnLysCysHisAlaGln 120 AspGlnAlaThrThrThrLeuHisGluPheThrHisAlaProGlyValTyrGlnProGly 140 ThrGluAspLeuGlyTyrGlyTyrAspAlaAlaThrGlnLeuSerAlaGlnAspAlaLeu 160 AsnAsnAlaAspSerTyrAlaLeuTyrAlaAsnAlaIleGluLeuLysCys 177
【図面の簡単な説明】
【図1】組み換え体プラスミドpONP71及びpONP72を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂田井 宏 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内 (72)発明者 川辺 晴英 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−198779(JP,A) J.Biol.Chem.,Vol. 265,No.24(1990)p.14234− 14241

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸配
    列において、6位又は78位のシステインがSH基を有しな
    いアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型中
    性プロテアーゼII。
  2. 【請求項2】 SH基を有しないアミノ酸が、中性アミノ
    酸であることを特徴とする、請求項1に記載の変異型中
    性プロテアーゼII。
  3. 【請求項3】 黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸配
    列において、6位又は78位のシステインがSH基を有しな
    いアミノ酸に置換されているアミノ酸配列をコードする
    変異型中性プロテアーゼII遺伝子。
  4. 【請求項4】 黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸配
    列において、6位又は78位のシステインがSH基を有しな
    いアミノ酸に置換されているアミノ酸配列をコードする
    変異型中性プロテアーゼII遺伝子をベクターDNAに挿
    入したことを特徴とする新規な組み換え体DNA。
  5. 【請求項5】 黄麹菌中性プロテアーゼIIのアミノ酸配
    列において、6位又は78位のシステインがSH基を有しな
    いアミノ酸に置換されているアミノ酸配列をコードする
    変異型中性プロテアーゼII遺伝子を、ベクターDNAに
    挿入した組み換え体DNAを含み、変異型中性プロテア
    ーゼII生産能を有するサッカロマイセス属に属する微生
    物を培地に培養し、培養物より変異型中性プロテアーゼ
    IIを採取することを特徴する変異型中性プロテアーゼII
    の製造法。
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