JP3041032B2 - 微細孔径ストレート孔膜の製造方法 - Google Patents

微細孔径ストレート孔膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、流体中に存在する微粒子の濾過等に有効な
膜表面の平均孔径が1μm以下の細孔を高い開口率で有
する多孔質膜の製造方法に関する。
[従来技術] 保存安定性が良好で、孔径分布が狭く、開孔率が高
く、かつ膜面に対して実質的に垂直に開孔した孔(以
下、ストレート孔と略称する)を有する多孔質膜が特開
昭63−248405号公報に開示されている。また、ストレー
ト孔を高い開孔率で有する多孔質膜またはストレート孔
は有しないものの非多孔質膜(スキン層)のない多孔質
膜を、工程が簡易で、しかも低コストで製造する方法が
特開昭63−267406号公報に開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記特開昭63−248405号公報に提案さ
れている多孔質膜は、圧力損失が十分に低くなく、超高
フラックス領域においては使用できないという問題があ
った。また、特開昭63−267406号公報に提案されている
製法においては、水蒸気の温度が高く、水蒸気の供給量
が多い程、更には、良溶媒の沸点が低い程、孔径の小さ
いストレート孔が形成されやすいという傾向があった。
しかしながら、この製法により平均孔径を1μm以下
にしようとすると、凝固過程において内部の多孔質化が
発達する前に良溶媒の揮発が進行し、内部が多孔化せ
ず、実質的な開孔率が低く、実用上圧力損失が非常に高
くなるという問題があった。
[課題を解決するための手段] 本発明の多孔質膜の製造方法は、(メタ)アクリル酸
エステル系重合体または(メタ)アクリル酸エステル系
重合体を含む重合体ブレンド物をその良溶媒に溶解した
重合体溶液からなる薄膜状物を形成し、該薄膜状物の一
方の表面に水蒸気を強制的に接触させる工程を有する多
孔質膜の製造方法において、薄膜状物の表面への水蒸気
の接触を、 (a)絶対湿度が1.0×10-4〜1.0×10-3g/cm3の水蒸気
を、水蒸気線速度12〜50m/sec、接触時間0.1〜10secの
条件で接触させる第1段目の水蒸気接触処理と、 (b)絶対湿度が1.0×10-4〜1.0×10-2g/cm3の水蒸気
を、水蒸気線速度0.1〜9.0m/sec、接触時間10〜600sec
の条件で接触させる第2段目の水蒸気接触処理 とにより実施することを特徴とする。
[作用] 本発明の多孔質膜は、一方の表面において膜面に対し
て実質的に垂直に開孔したストレート孔を有するが、ス
トレート孔とは、膜面と垂直な任意の切断面において、
曲路比が1.0〜1.2で、変化比が0.6〜1.7である孔をい
う。
ここで、曲路比とは、前記切断面に現われた一つの孔
について、ストレート孔を主として有する膜表面から一
定の厚さの多孔質層(以下、ストレート孔層と称する)
の厚みをloとし、ストレート孔層におけるその孔の中心
部を通る曲線または直線の長さをlとしたときのl/lo
比をいう。
また、変化比とは、前記切断面にあらわした一つのス
トレート孔の膜表面の幅をdoとし、ストレート孔層の内
部における任意の位置のストレート孔の幅をdとしたと
きのd/doの比をいう。
変化比が0.6未満であるとストレート孔内に濾過物質
が捕捉さる確率が高く、濾過機能の回復が困難になり、
また、分画精度が低下するので好ましくない。変化比が
1.7を超えると隣接する孔間の距離が極端に小さくな
り、開口率を上げることが難しいので好ましくない。
一方、曲路比が1.2を超えると、濾過抵抗が増加して
透過率が低下し、また、ストレート孔内に濾過物質が捕
捉さる確率が高く、濾過機能の回復が困難になるので好
ましくない。
なお、細孔の曲路比および変化比が上記範囲から外れ
た多孔質膜の内部から他の面にかけての層は、ボイド層
と称され、ボイド層における細孔の径は、ストレート孔
層との界面から徐々に、または急激に増大している。
本発明の多孔質膜において、ストレート孔層の表面に
存在する孔(以下、表面孔という)は、形状が円形また
は楕円形であって、長径と短径の比は1.0〜2.0であり、
表面孔の平均孔径は1μm以下である。
本発明の多孔質膜の全体の膜厚は、5μm〜数mm程度
の値をとり得るが、精密濾過膜として用いる場合には、
5〜50μm程度であることが好ましく、ストレート孔層
の厚みは0.01〜50μm程度でよく、0.01〜20μm程度で
あることが好ましく、1〜20μm程度であることがより
好ましい。
本発明においては、各々の表面孔についての長径と短
径の相加平均をその表面孔の孔径といい、N個の表面孔
の孔径の相加平均値を平均孔径という。本発明ではNの
値として100を採用する。
本発明の多孔質膜は、ストレート孔の平均孔径が1μ
m以下と小さいものの、開孔率は50〜80%程度と非常に
高く、ストレート孔層の厚みも非常に薄く、しかも非対
称構造であり、ボイド層側開孔率も高い構造となってお
り、空気を該膜を透過させる際の圧力損失は非常に小さ
い。すなわち、該多孔質膜のストレート孔の平均孔径d
(μm)と、該多孔質膜を線速5.3cm/secで空気を透過
させた際の圧力損失ΔP(mmH2O)とが下式 d2×ΔP≦30 好ましくはd2×ΔP≦20 を満たす関係を有している。
したがって、市販の同程度の孔径を有する膜では実現
不可能な低圧力損失の高性能エアーフィルター、精密濾
過膜としての用途展開が可能であるとともに、更に取扱
い性に優れるという利点を有している。
なお、従来の水蒸気を一段で接触させて得られる多孔
質膜におけるd2×ΔPの値は100〜150程度であった。
本発明の多孔質膜に用いられる重合体は、ポリメチル
(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレー
ト等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重
合体も含む)単独系のみならずポリ(メタ)アクリル酸
エステル系重合体とこれと相溶性のある1種以上の重合
体とのブレンド物を用いることができる。このようなブ
レンド物では、ある溶剤に対して通常重合体成分の溶解
度が異なるので、その性質を利用して多孔質膜の構造を
微妙にコントロールすることができるという利点を有し
ている。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体にブレンド
して上記のような特性を呈することのできる重合体の代
表例としては、ポリ塩化ビニル、フッ化ビニリデンテト
ラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、
ポリメチルメタクリレートが好ましく、ブレンド用重合
体としてはフッ化ビニリデンテトラフルオロエチレン共
重合体が特に好ましい。
本発明において用いられるポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体または該重合体を含むブレンド物の良溶
媒としては、これら重合体を溶解しうる任意の溶媒を用
いることができるが、溶媒と水との相溶性について着目
すると、20℃の水100gに対する溶解度が約50g以下の溶
媒を良溶媒として用いると良好なストレート孔を有する
多孔質膜を効率良く製造することができる。
このような溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等
の酢酸エステル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル等のギ酸エ
ステル類、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル
類、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール等の
芳香族アルコール類、クロロホルム、ジクロロメタン、
ジクロロエタン等のハロゲン化炭素類、2,4−ペンタン
ジオン等のジケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル
類を挙げることができ、これらの溶媒の中からその重合
体の良溶媒を適宜選択して用いることができる。中でも
ケトン類では、メチルエチルケトン、エステル類では酢
酸メチルが特に好ましい。
重合体溶液中の重合体の含有量は多孔質膜の空孔率、
孔径分布等に影響を及ぼし、重合体と溶媒の種類によっ
て最適含有量は変化するが、2〜40重量%であることが
好ましく、3〜12重量%であることがより好ましい。
本発明の多孔質膜の製造方法においていう薄膜状物と
は、前記重合体溶液からなるものであって、厚みが10μ
m〜数mm程度のものをいう。この薄膜状物は、前記重合
体溶液をガラス板、金属板、重合体フィルム、回転ドラ
ム、エンドレスベルト等の表面が平滑な物体の上に流
延、塗布等することによって得ることができるが、薄膜
状物の平滑性が損われない限り多孔質重合体フィルム等
の多孔質物体を用いることもできる。
通常薄膜状物は、作製後直ちに水蒸気と接触させる
が、良溶媒の蒸発によって最終的に得られる多孔質膜の
表面に緻密層が形成されない範囲内であれば若干時間を
経過した後に水蒸気との接触を開始してもよい。
本発明の多孔質膜の製造方法においては、重合体溶液
の薄膜状物の一方の表面に水蒸気を強制的に少なくとも
2段の工程で接触させる方法が採用される。
凝固浴を用いる湿式製膜法と本発明の水蒸気を接触さ
せての製膜法の相違点は、貧溶媒(水または水蒸気)の
供給速度の差による重合体の凝固速度の差にあると考え
られ、凝固速度の速い湿式製膜法では貧溶媒と接触する
表面側に非多孔質層が形成される。
本発明の多孔質膜の製造方法において「薄膜状物の表
面に水蒸気を強制的に接触させる」とは、薄膜状物を単
に水蒸気の雰囲気下に置くのではなく、薄膜状物の表面
に対して所定量の水蒸気を所定時間内に供給するよう接
触させることを意味する。
薄膜状物の表面に対する水蒸気の供給方向は特に限定
されないが、水蒸気の供給効率を考慮すると概ね垂直方
向から供給することが好ましい。
重合体溶液薄膜状物の表面への水蒸気の強制的接触に
より重合体成分が凝固され、多孔質構造が形成される。
その際、重合体の凝固促進および再溶解防止の点から、
水蒸気の接触後において薄膜状物または多孔質化された
重合体から、良溶媒を除去することが好ましい。良溶媒
は蒸発により、または凝縮した水の水溶液として流去す
ることにより除去することができる。
重合体の凝固後に得られた多孔質膜の内部に良溶媒が
残存している場合は、必要であればこの良溶媒は乾燥・
水洗等によって除去することができる。
本発明の多孔質膜の製造方法においては、薄膜状物の
表面への水蒸気の接触による重合体溶液の凝固過程にお
いて異なった、水蒸気接触条件による2段の工程を経て
処理する。
第1段目の水蒸気接触処理では、水蒸気の線速度、絶
対湿度、接触時間を特定の範囲に選択することによっ
て、良溶媒の揮発をコントロールし、多孔質膜表面にお
けるストレート孔の平均孔径をコントロールする。
すなわち、第1段目の水蒸気接触処理は、 水蒸気線速度 12〜50m/sec 絶対湿度 1.0×10-4〜1.0×10-3g/cm3 好ましくは1.0×10-4〜5.0×10-4g/cm3 供給時間 0.1〜10秒 の条件で実施することが必要である。
水蒸気線速度が12m/secより低いと、ストレート孔層
表層の平均孔径が1μm以上となり、一方50m/secより
高いと表層の良溶媒の揮発が進行し開孔率の低い膜とな
る。また、絶対湿度が1.0×10-3g/cm-3より低いと、表
層の良溶媒の揮発が進行し、開孔率が低く、1.0×10-4g
/cm3より高いと、平均孔径が1μm以上の膜となる。接
触時間が0.1秒より短いと表層の凝固が不十分であり、1
0秒より長いと内部の良溶媒の揮発が進行し、内部が多
孔化しない膜となる。
第1段目の水蒸気接触処理に引き続く、第2段目の水
蒸気接触処理は、この間の良溶媒の揮発を抑制する意味
から、あまり時間をおかずに実施することが好ましい。
第2段目の水蒸気接触処理においては、第1段目と同
様に水蒸気の線速度、絶対湿度、接触時間を特定の範囲
に選択することによって、良溶媒の揮発をコントロール
し、特に、内部の多孔化の状態をコントロールする。
すなわち、第2段目の水蒸気接触処理は、 水蒸気線速度 0.1〜9.0m/sec 絶対湿度 1.0×10-4〜1.0×10-2g/cm3 接触時間 10〜600sec の条件で実施することが必要である。
水蒸気線速度が9.0m/secより高いと、内部の多孔化が
発達せず低開(空)孔率の圧力損失の高い膜となる。ま
た、絶対湿度が1.0×10-4g/cm3より低いと、内部の多孔
化が発達せず、低開(空)孔率の圧力損失の高い膜とな
る。供給時間が10secより短いと、最下層まで凝固せ
ず、ボイド層側が開孔しない圧力損失が非常に高い膜と
なる。
第2段目の水蒸気接触処理は、通常、連続的に実施す
るが、圧力損失を増大させない範囲で分割して実施して
もよい。
なお、本発明にいう水蒸気の線速度とは、水蒸気供給
ノズルと薄膜状物を結ぶ最短距離において、薄膜状物の
膜面の上方1cmの位置で測定した値をいう。
[実施例] 以下、実施例により本発明を説明する。実施例におい
て、平均孔径と開孔率は走査型電子顕微鏡による膜表面
の1000〜5000倍の拡大写真によって測定した。また膜面
と垂直な任意の切断面の100〜500倍の拡大写真に現われ
た100個の孔の平均値よりストレート孔層の厚みloを求
めた。ボイド層側の開孔率は面積法により測定した。圧
力損失(mmH2O)は、線速5.3cm/secの空気を透過させた
時の多孔質膜の膜間差圧を水柱により測定した。
実施例1 テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデンが20/80
(mol/mol)からなる共重合体60重量部をメチルメタク
リレート40重量部に溶解させ、窒素雰囲気中85℃で15時
間保持することによってメチルメタクリレートを重合
し、重合体組成物を得た。この重合体組成物7重量部を
メチルエチルケトン93重量部に溶解することによって重
合体溶液を調整し、続いてフィルム作製用アプリケータ
ーを用いてガラス板上に厚み400μmに流延し、重合体
溶液の薄膜状物を形成した。
次いで、3kg/cm2の飽和水蒸気供給配管のバルブを開
き、ノズルからこの薄膜状物の表面に、水蒸気を線速度
19.4m/sec、絶対湿度1.75×10-4g/cm3の条件で0.2秒間
接触させ、第1段目の水蒸気接触処理を実施し、引き続
いて水蒸気を線速度8.7m/sec、絶対湿度3.62×10-4g/cm
3の条件で120秒間接触させ、第2段目の水蒸気接触処理
を実施して重合体を凝固させた。なお供給水蒸気の状態
については水蒸気供給ノズルの直下で薄膜状物の表面よ
り1cm上方の位置で測定した。
次に、凝固した重合体(薄膜状物)に25℃の空気を1
分間吹きつけて残存溶媒等を除去した後、重合体をガラ
ス板から剥離することによって非対称構造の多孔質膜を
得た。走査型電子顕微鏡を用いて、得られた多孔質膜の
表面および膜面に垂直な断面を観察した。
水蒸気を接触させた表面には、孔径(約0.5μm)が
そろった円形または楕円形の微細孔がみられ、該表面側
の膜面に垂直な断面には孔径変化が殆んどないストレー
ト孔が約4μmの長さで観察された。また膜の内部から
他方の表面にかけてはボイド層が観察され、ボイド層側
の開孔率はほぼ50%であった。
また、多孔質膜の圧力損失を測定し、これらの評価結
果を第1表に示した。
実施例2 第1段目の水蒸気接触処理における水蒸気の線速度を
21.7m/sec、絶対湿度を1.52×10-4g/cm3、接触時間を5.
0秒としたことを除き、実施例1と全く同様にして多孔
質膜を製造し、その評価結果を第1表に示した。
実施例3 実施例1で得た重合体組成物5重量部を酢酸メチル95
重量部に溶解し、第1段目の水蒸気接触処理における水
蒸気接触時間を3.0秒としたことを除き実施例1と全く
同様にして多孔質膜を製造し、その評価試験を第1表に
示した。
実施例4 実施例1で得た重合体組成物3重量部を酢酸メチル97
重量部に溶解し、第1段目の水蒸気接触処理における水
蒸気の線速度を21.7m/sec、絶対湿度を1.75×10-4g/c
m3、接触時間を1.0秒としたことを除き実施例1と全く
同様にして、多孔質膜を製造し、その評価結果を第1表
に示した。
実施例5 第1段目の水蒸気接触処理における水蒸気の線速度を
15.5m/sec、絶対湿度を2.68×10-4g/cm3接触時間を1.0
秒としたことを除き、実施例1と全く同様にして多孔質
膜を製造し、評価結果を第1表に示した。
比較例1 第1段目の水蒸気接触処理における水蒸気の接触時間
を120秒とし、第2段目の水蒸気接触処理を実施しなか
ったことを除き実施例5と全く同様にして多孔質膜を製
造し、その評価結果を第1表に示した。実施例5と比較
した場合に、孔径は同一であったが、ボイド層側の開孔
率が20%と低いため、圧力損失が80mmH2Oと3倍以上で
あった。
比較例2 第1段目の水蒸気接触処理を実施せずに、直接第2段
目の水蒸気接触処理を実施したことを除き、その他の条
件は実施例1と同様にして多孔質膜を製造し、その構造
等を測定して表に示した。
実施例1、2で得られた多孔質膜と比較すると、スト
レート孔が大孔径化し、平均孔径2.0μmの膜が得られ
た。
比較例3〜8 ポリカーボネート薄膜に荷電粒子を照射することによ
って製造される膜面に垂直な円筒状の孔を有する均質膜
であるニュクリポア(商品名、ニュクリポア社製、孔径
1.0μm以下)の構造等を測定して第1表に示した。開
孔率が非常に低いために、圧力損失が非常に高いことが
わかる。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、少なくとも一方の表面におい
て、孔径分布の幅が狭く、孔径が殆ど変化することなく
膜面に対して実質的に垂直に開孔した孔を高い開孔率で
有し、しかも1段階水蒸気凝固法によって得られる多孔
質膜に比べ孔径が同一でありながら圧力損失の非常に低
い多孔質膜を得ることができる。
このような構造の多孔質膜は分画特性が良好で透過性
が優れた濾過膜として使用することができ、例えば表面
孔の平均孔径が0.01〜5μm程度のものは精密濾過膜と
して、水処理、食品工業、医療を始めとする種々の分野
において不純物の除去、有効成分の回収等に利用するこ
とができる。
また、本発明の方法は、凝固槽が不要で回収すべき溶
媒の量が少ないので従来の湿式凝固法と比較すると製造
コストが大幅に節約できるという利点を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−43911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸エステル系重合体また
    は(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含む重合体ブ
    レンド物をその良溶媒に溶解した重合体溶液からなる薄
    膜状物を形成し、該薄膜状物の一方の表面に水蒸気を強
    制的に接触させる工程を有する多孔質膜の製造方法にお
    いて、薄膜状物の表面への水蒸気の接触を、 (a)絶対湿度が1.0×10-4〜1.0×10-3g/cm3の水蒸気
    を、水蒸気線速度12〜50m/sec、接触時間0.1〜10secの
    条件で接触させる第1段目の水蒸気接触処理と、 (b)絶対湿度が1.0×10-4〜1.0×10-2g/cm3の水蒸気
    を、水蒸気線速度0.1〜9.0m/sec、接触時間10〜600sec
    の条件で接触させる第2段目の水蒸気接触処理 とにより実施することを特徴とする多孔質膜の製造方
    法。
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