JP3040961B2

JP3040961B2 - スタンディングパウチ

Info

Publication number: JP3040961B2
Application number: JP9061549A
Authority: JP
Inventors: 晃三大平; 栄伸坂内; 雅佳鈴木
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1997-03-14
Filing date: 1997-03-14
Publication date: 2000-05-15
Anticipated expiration: 2017-03-14
Also published as: JPH10258873A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スタンディングパ
ウチに関し、詳しくは、内容物である界面活性剤を含有
する液状組成物を、手軽に、迅速に且つ確実に他の容器
に移し替えることのできるスタンディングパウチに関す
る。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
二つの側面部と下部に空間を有する底面部とからなり、
且つ上方に行くに従って横断面の断面積が漸減する立体
形状を形成するように上記側面部の上端部が接着されて
なる自立可能なスタンディングパウチが、詰替用組成物
の収容容器等として食料品分野を中心に汎用されてい
る。

【０００３】しかし、界面活性剤を含有する食器用洗剤
等を詰替用組成物としてスタンディングパウチに収容
し、これを他の容器に移し替えようとする場合には、注
出口から液だれが生じたり、移し替え先の容器内に泡が
発生したりして、迅速且つ的確な詰め替えが困難であっ
た。

【０００４】従って、本発明の目的は、内容物の界面活
性剤を含有する液状組成物を、手軽に、迅速に且つ確実
に他の容器に移し替えることのできるスタンディングパ
ウチを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、内容物として液状組成物が充填されると共に
パウチ本体の上端隅部に該内容物の取出部が設けられ、
該取出部内に注出円筒体が嵌挿され、該取出部の先端を
切断することにより該内容物の注出口が開口するように
なしてあるスタンディングパウチにおいて、上記液状組
成物として、界面活性剤を特定範囲の比率で含有し且つ
特定範囲の粘度の液状組成物を充填し、上記注出円筒体
の内径を特定範囲とすることにより上記目的を達成し得
ることを知見した。

【０００６】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、二つの側面部と下部に空間を有する底面部とからな
り、且つ上方に行くに従って横断面の断面積が漸減する
立体形状を形成するように上記側面部の上端部が接着さ
れたパウチ本体を主体として構成され、該パウチ本体に
は内容物として液状組成物が充填されると共に該パウチ
本体の上端隅部に該内容物の取出部が設けられており、
上記取出部内には注出円筒体が嵌挿され、上記取出部の
先端を切断することにより上記内容物の注出口が開口す
るようになしてあるスタンディングパウチにおいて、上
記液状組成物が界面活性剤を５％〜５０％含有してその
粘度が１５ｃｐ〜１０００ｃｐであり、且つ上記注出円
筒体の内径が８ｍｍ〜１１ｍｍであることを特徴とする
スタンディングパウチを提供するものである。

【０００７】また、本発明は、厚さ８６〜２００μｍの
ＬＬＤＰＥ製フィルムを少なくとも一層とする積層シー
トから構成されている請求項１に記載のスタンディング
パウチを提供するものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明のスタンディングパ
ウチの一実施形態について図面を参照して説明する。こ
こで、図１〜図３は、本発明に係るスタンディングパウ
チの一実施形態を示すもので、図１は全体斜視図、図２
は要部拡大図、図３は図１のＡ−Ａ線断面図である。本
実施形態のスタンディングパウチ１は、図１に示すよう
に、二つの側面部２，２と下部に空間Ｓを有する底面部
３とからなり、且つ上方に行くに従って横断面の断面積
が漸減する立体形状を形成するように上記側面部２，２
の上端部が接着されたパウチ本体４を主体として構成さ
れ、該パウチ本体４には内容物として液状組成物が充填
されると共に該パウチ本体４の上端隅部に該内容物の取
出部５が設けられている。上記取出部５内には注出円筒
体６が嵌挿され、上記取出部５の先端５ａを切断するこ
とにより注出口が開口するようになしてある。

【０００９】以下、このスタンディングパウチ１につい
てより詳細に説明する。上記パウチ本体４は、下部に空
間Ｓを有する底面部３と、該底面部３の周端に連設され
且つこれと同材質の両側面部２，２とから形成され、そ
の内部に液状組成物が充填されて自立できるようになさ
れている。そして、上記パウチ本体４は、上方に行くに
従って横断面の断面積が漸減する立体形状とされてい
る。

【００１０】上記内容物の取出部５は、図２に示すよう
に、上記パウチ本体４の上端隅部に略４５の角度で上方
に突出するような形態とされており、該取出部５内に
は、上記側面部２，２それぞれに形成された窪み部を対
向させて近接配置することによって形成された薬のカプ
セル様の連通空間７が形成されている。上記連通空間７
は、パウチ本体４内部側の端部７ａにおいては上記液状
組成物が充填された内部空間８に連通されており、他端
部７ｂ及び両側端部は接合部９により囲繞され封止され
ている。尚、図２においては、上記取出部５における手
前側の側面部２ｂの図示を省略してある。

【００１１】上記注出円筒体６は、所定の厚みを有する
プラスティック製の円筒体であり、その外径は上記連通
空間７の内径と略等しい。そして、その外周面を上記連
通空間７の内周面に密着させた状態で該連通空間７内に
配置されている。上記連通空間７内の注出円筒体６は、
その外周面の一部１０を連通空間７の内壁面に溶着され
て該連通空間７の長さ方向略中央部に固定されている。
そして、このような構成を有する取出部５の先端を切断
することにより上記内容物の注出口が開口するようにな
してある。より詳細には、上記連通空間７の取出部５先
端よりの位置（図２中、一点鎖線Ｂで示す。）を、挟み
等で切断することにより上記連通空間７に囲繞された注
出口が開口するようになっている。以上のような構成は
従来公知のスタンディングパウチにおけるの同様であ
る。

【００１２】而して、本実施形態のスタンディングパウ
チ１において、上記パウチ本体４内に充填される内容物
は、界面活性剤を５％〜５０％含有し且つその粘度（２
０℃）が１５ｃｐ〜１０００ｃｐである液状組成物であ
り、上記取出部５に設けられた注出円筒体６の内径Ｗ
（図３参照）は、８ｍｍ〜１１ｍｍである。ここで、上
記界面活性剤は、ＪＩＳＫ３３６２．５．７に準拠し
て測定した界面活性剤相当分である。

【００１３】上記液状組成物の粘度（２０℃）が１５ｃ
ｐ未満であると、内容物の流出速度のコントロールが困
難となり、スタンディングパウチを詰替え用のリフィー
ル容器として使用した場合に、軽く押すだけで内容物が
噴出飛散したり、容器が急激に変形して注出口が移し替
え先の容器の注入口から外れたりするおそれがあるた
め、安心して詰め替え作業を行うことができない。一
方、上記粘度が１０００ｃｐ以上であると、注出口から
液だれが生じたり、容器内の液体組成物の全量を排出す
ることが困難になる等の不都合がある。また、注出速度
が遅く迅速な詰め替え作業が困難となる。

【００１４】上記注出円筒体６の内径Ｗ（図３参照）の
値が８ｍｍ未満であると、内容物の液状組成物が良好に
排出されず、詰め替え作業を迅速に行うことができな
い。また、液だれや液の噴出が生じる場合がある。一
方、上記注出円筒体６の内径が１３ｍｍを越えると、詰
め替え時に空気が巻き込まれて移し替え先の容器内に泡
が発生し、この泡が容器の注出口から溢れ出したり、こ
の泡のために注入すべき液体の全量が充填できない場合
が生じる。また、上記連通空間７を形成するために必要
な上記窪み部は、側面部２，２を形成するシートを加熱
延伸して形成することができるが、注出円筒体６の内径
が大きいと該延伸の際にシートに亀裂が生じる等の不都
合が生じる場合がある。尚、これらの不都合をより防止
する観点から、特に好ましい上記注出円筒体６の内径Ｗ
は８〜１１ｍｍである。

【００１５】また、上記界面活性剤の含有量が、０．１
％未満であると、液状組成物の粘度を１５ｃｐ以上に調
整するのが難しく、一方７０％を越えると、上記組成物
の粘度を１０００ｃｐ以下に調整するのが難しくなる。
尚、このような不都合をより防止する観点から、特に好
ましい上記界面活性剤の含有量は５％〜５０％である。

【００１６】本実施形態のスタンディングパウチ１にお
ける上記注出円筒体６の全長と外径、上記連通空間７の
全長、上記取出部の突出部分の長さと幅及びこれらの
〔好ましい値〕を示すと以下の通りである。尚、下記の
各項目において最初に記載した数値が本実施形態のスタ
ンディングパウチ１における数値である。・注出円筒体の全長；１８ｍｍ〔１０〜３０ｍｍ，特に
１５〜２５ｍｍ〕。・注出円筒体の外径Ｌ１（図３参照）；１１ｍｍ〔９〜
１６ｍｍ，特に９〜１３ｍｍ〕。・連通空間の全長Ｌ２（図２参照）；４０ｍｍ〔２０〜
６０ｍｍ，特に３０〜５０ｍｍ〕。・取出部の突出部分の長さＬ３（図２参照）；２８ｍｍ
〔２０〜６０ｍｍ，特に２０〜４０ｍｍ〕。・取出部の突出部分の幅Ｌ４（図３参照）；１８ｍｍ
〔１６〜２６ｍｍ，特に１６〜２３ｍｍ〕。

【００１７】上記底面部及び両側面部に使用されるシー
ト（フィルム）の素材は、特に制限されるものではない
が、本発明のスタンディングパウチを詰替え用のリフィ
ール容器として使用する場合には、リフィール容器の素
材として従来から使用されている、ＬＤＰＥ、延伸され
たナイロン（ＯＮＹ）若しくはＰＥＴ等の通常の素材を
使用することができる。また、シートは単層シートであ
っても積層シートであっても良いが、特に厚さ６０〜２
００μｍのＬＬＤＰＥ製フィルムを少なくとも一層とす
る積層シートが好ましい。このような積層シートを使用
すると、上記形態の注出口の形成を容易に行うことがで
きる。また、注出操作時にスタンディングパウチの形状
が安定して詰め替え作業がより容易になる。また、シー
ト同士の接合方法も、熱溶着等の従来公知の各種の方法
を用いることができる。また、本発明のスタンディング
パウチに充填する特定の含有率で界面活性剤を含み且つ
特定の粘度を有する液状組成物としては、食器用洗剤、
住居用洗剤、衣料用洗剤等を挙げることができる。

【００１８】本実施形態のスタンディングパウチ１から
内容物を取り出すときには、まず、上記取出部の先端部
であって、上記注出円筒体６が位置しない部分を切断す
る。本実施形態のスタンディングパウチにおける取出部
５には、上記注出円筒体６が配設されているため、切断
時に該取出部５を挟持しても上記連通空間７が押し潰さ
れることはない。この切断により上記取出部５に内容物
の注出口が形成されるので、該注出口から従来のスタン
ディングパウチにおけるのと同様にして内部の液体組成
物を排出し、他の容器に移し替えれば良い。

【００１９】本実施形態のスタンディングパウチ１にお
いては、上記注出口が上記取出部５の先端に突出した状
態で形成されるので、該注出口を移し替え先の容器の口
から内部に挿入して注入することができるため、内容物
の移し替えに際し内容物が外部に漏れること危険性が一
層防止される。また、本実施形態のスタンディングパウ
チにおいては、上記注出円筒体６の内部を通過して上記
液状組成物が注出されるようになしてあるため、注出路
が変形して流出速度が急激に低下または増加することが
防止される。

【００２０】また、上記液状組成物が、界面活性剤を５
％〜５０％含有し且つその粘度（２０℃）が１５ｃｐ〜
１０００ｃｐであり、上記取出部５に設けられた注出円
筒体６の内径Ｗが８ｍｍ〜１１ｍｍであるため、移し替
えの開始から終了に至るまで注出速度が非常に安定した
ものとなり、更に液はねや泡の発生も殆ど生じない。従
って、移し替え先の容器の口径の大小に拘わらず、内容
物を手軽に、迅速に且つ確実に補充すべき容器内に移す
ことができる。

【００２１】尚、本発明に係るスタンディングパウチ
は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明
の目的を逸脱しない範囲においてその寸法・形状等を適
宜変更することができる。

【００２２】

【実施例】

＜実施例＞上記実施形態のスタンディングパウチを詰替
え用のリフィール容器として用い、以下に示す詰め替え
試験を行った。尚、実施例で用いたスタンディングパウ
チ１における注出円筒体６の内径Ｗ（図３参照）及び液
状組成物の粘度は、表１及び表２に示す通りである。ま
た、内部に充填した液状組成物は、界面活性剤の含有率
が７％の液状の食器用洗剤５００ｍｌとした。＜比較例＞また、比較のために、注出円筒体６の内径Ｗ
及び液状組成物の粘度を表１及び表２に示すように代え
た他は実施例におけるのと同様にして詰め替え試験を行
った。

【００２３】（１）詰め替え時間の計測及び泡の発生の
評価５００ｍｌの内容物を移し替えるのに要する時間を計測
した。上記取出部の先端を切断して注出口を形成し、上
記取出部５の突出方向が真下となるようにスタンディン
グパウチを吊り下げ、注出開始後、全量が注出されるま
での時間を計測した。また、その際の泡の発生状況を目
視により観察し、以下の基準に従って評価した。表１
に、これらの結果を示した。＜泡の発生＞ ○；泡の発生が殆ど認められなかった。 △；泡の発生が認められた。 ×；泡が多量に発生した。

【００２４】

【表１】

【００２５】（２）作業性の評価１０人の成人女性に、５００ｍｌの食器用洗剤（界面活
性剤３５％，粘度２００ｃｐ）が充填された上記スタン
ディングパウチを実際に用いて詰め替え作業を行っても
らい、詰め替え作業の作業性の良否を調べた。その結果
を以下の基準で評価し表２に示した。表２は、「詰め替
えやすい」の評価及び「詰め替えにくい」の評価となっ
た人数を示したものである。表２中、※１は、液だれや
液の飛び出しが気になる人が多く、※２は、泡立ちが気
になる人が多かったことを示している。尚、移し替え先
の容器は、口径２１ｍｍの容器とした。・詰め替えやすい；詰め替え作業が容易で、詰め替え時
間も苦にならない。・詰め替えにくい；詰め替え作業に不安を感じ、又は、
注出時間が長時間で苦痛を感じた。

【００２６】

【表２】

【００２７】表１に示すように、詰め替え時間の計測及
び泡の発生の評価においては、実施例（注出円筒体の内
径９ｍｍ又は１１ｍｍ、粘度３０ｃｐ又は３００ｃｐ）
の場合には、泡の発生もなく、迅速な詰め替えが可能で
あった。一方、比較例の場合には、泡が発生したり注出
に長時間を要するため詰替用のリフィール用容器として
不適であることが分かる。また、表２に示すように、作
業性の評価においては、実施例（注出円筒体の内径９ｍ
ｍ又は１１ｍｍ）の場合には、詰め替え作業が容易にで
き、詰め替え時間も苦にならず、詰め替えの作業性に優
れるものであった。一方、注出円筒体の内径が７．５ｍ
ｍ以下の比較例においては、液だれや液の飛び出しが気
になった人が多く、作業性に劣るものであった。内径が
１５ｍｍの比較例においては、泡立ちが多くなり、同様
に好ましくないものとなった。

【発明の効果】本発明のスタンディングパウチによれ
ば、移し替えの開始から終了に至るまで注出速度が非常
に安定したものとなり、更に液はねや泡の発生も殆ど生
じない。従って、内容物を手軽に、迅速に且つ確実に補
充すべき容器内に移すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のスタンディングパウチの一実
施形態を示す斜視図である。

【図２】図２は、図１に示すスタンディングパウチの要
部を示す図である。

【図３】図３は、図１のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１スタンディングパウチ２側面部３底面部４パウチ本体５取出部６注出円筒体７連通空間８内部空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平９−24956（ＪＰ，Ａ) 特開平８−2538（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 75/58 B65D 30/16 B65D 33/38 C11D 1/12

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】二つの側面部と下部に空間を有する底面
部とからなり、且つ上方に行くに従って横断面の断面積
が漸減する立体形状を形成するように上記側面部の上端
部が接着されたパウチ本体を主体として構成され、該パ
ウチ本体には内容物として液状組成物が充填されると共
に該パウチ本体の上端隅部に該内容物の取出部が設けら
れており、上記取出部内には注出円筒体が嵌挿され、上記取出部の
先端を切断することにより上記内容物の注出口が開口す
るようになしてあるスタンディングパウチにおいて、上記液状組成物が界面活性剤を５％〜５０％含有してそ
の粘度が１５ｃｐ〜１０００ｃｐであり、且つ上記注出
円筒体の内径が８ｍｍ〜１１ｍｍであることを特徴とす
るスタンディングパウチ。
【請求項２】厚さ６０〜２００μｍのＬＬＤＰＥ製フィ
ルムを少なくとも一層とする積層シートから構成されて
いる請求項１に記載のスタンディングパウチ。