JP3040942U - プラスチック製スタティックミキサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で面間寸法を小さくでき、かつ耐食
性に優れたプラスチック製スタティックミキサーを提供
する。 【解決手段】円筒状本体１の内部に、本体１の軸線方向
に長尺で、かつ周方向に相離間して設けられた複数個の
支持体２に固定されたミキシング体３を取替え可能に装
着したプラスチック製スタティックミキサーにおいて、
ミキシング体３の上流側及び下流側に空隙１１及び１２
を設けると共に、ミキシング体３の上流側に面した表面
４に流体を混合させるための凹部及び／又は凸部５を複
数個設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、搬送ラインの途中で２種類以上の流体（主として液体）の混合に使 用されるプラスチック製スタティックミキサーに関するものであり、さらに詳し くは構造が簡単で耐食性を有するプラスチック製スタティックミキサーに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、動力源を必要とせず流体の流れのみで二種以上の流体を混合するスタッ ティックミキサーは種々の構造のものが使用されており、例えば、一定間隔に網 目の大きさや織目方向を交互にして作られた網目状筒状体の中に流体を通過させ るタイプ、筒状体の内部を一定間隔毎に流体の流れ方向が変わるように変曲させ その中に流体を通過させるタイプ、あるいは筒状体の内部にミキシングモジコー ルを内蔵させたタイプ（例えば、実用新案登録第３００３５８１号）等が挙げら れる。これらのスタティックミキサーはいずれも内部で流体に乱流を発生させ２ 種以上の流体を均一に混合させるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来のスタティックミキサーはどうしても長尺になるため 面間寸法が大きくなり流体の搬送における配管ラインにおいて不都合が生じる場 合があった。また、通常は材質として金属が使用されているため、錆の発生や薬 液等に対する腐食等が避けられないという問題があった。 本考案は以上のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その課 題は、構造が簡単で面間寸法を小さくでき、かつ耐食性に優れたプラスチック製 スタティックミキサーを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このため本考案のプラスチック製スタティックミキサーは、円筒状本体の内部 に、該本体の軸線方向に長尺で、かつ周方向に相離間して設けられた複数個の支 持体に固定されたミキシング体が取替え可能に装着されてなるプラスチック製ス タティックミキサーであって、前記ミキシング体の上流側及び下流側には空隙が 設けられると共に、ミキシング体の上流側に面した表面には流体を混合させるた めの凹部及び／又は凸部が複数個設けられていることを第１の特徴とし、前記円 筒状本体の片側又は両側に、内部に流路を有するユニオンが装着され、かつ下流 側のユニオンの上流側に面した表面には流体を混合させるための凹部及び／又は 凸部が複数個設けられていることを第２の特徴とするものである。 本考案の材質であるプラスチックとしては塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹 脂、ＰＶＤＦ等のフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド又はポリエチレン等 が好適なものとして挙げられる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案の実施の形態を説明するが、本考案 が本実施例に限定されないことは言うまでもない。 図１は本考案の一実施例を示す縦断面図、図２は図１における支持体とミキシ ング体を上流側から見た正面図、図３は図１におけるミキシング体を下流側から 見た正面図、図４は本考案の他の実施例を示す縦断面図、図５は図４における支 持体とミキシング体を上流側から見た正面図、図６は図４におけるミキシング体 の他の実施例を示す正面図、図７は同じくミキシング体の他の実施例を示す側断 面図、図８は図３におけるユニオンを上流側から見た正面図である。

【０００６】

【実施例１】 図１において、１は塩化ビニル樹脂製の円筒状本体であり（以下、材質は同一 であるので省略する）、２は円筒状本体１の軸線方向に長尺でかつ、周方向に相 離間して３個設けられた支持体である。３は支持体２の中間部に固定されている 円板状のミキシング体である。本実施例においては支持体２は３個設けられてい るが、これに限定されず円筒状本体１の口径に応じ２個以上適宜設けるものでよ い。

【０００７】 ミキシング体３の上流側に面した表面４には、図２に示されているように凹部 として１２個の円形状の穴５が設けられている。この穴の径、深さ及び数につい ては必要に応じ自由に設定できるものである。この穴は上流側から流入してきた ２種以上の流体に乱流を生じせしめ混合させる作用を有するものである。その設 け方は図２に限らず同心円状（図６参照）あるいは渦巻き状に配列して設けても よい。また、凹部の代わりに図７に示されているように凸部として突起２３を設 けるものでもよく凹部を設けた場合と同様の作用を得ることができる。さらにま た、穴や突起の他に凹溝や突条を設けるものでもよい。いずれにしても流体に乱 流を生じさせる凹部、凸部であればどのようなものでもよい。

【０００８】 支持体２へのミキシング体３の固定方法としては、図１に示されているような 嵌合方式や、一体成形による方式等いずれでもよい。ここで、一体にされた支持 体２とミキシング体３は、円筒状本体１の内部には固定されておらず移動自在に 装着されており、上流側の流体圧力により下流側のユニオン７に押圧された状態 となる。７は円筒状本体１の両側から螺合されている内部に流路６を有するユニ オンである。下流側ユニオン７の上流側に面した表面８には流体に乱流を生じさ せ混合させるための凹部としての円形状の穴９が設けられている。この凹部に代 えて前記ミキシング体３について説明したのと同様に、凸部を設けるものでもよ く、その設け方も適宜自由に設定できるものである。尚、図中１０はユニオン７ に溶着されたフランジである。

【０００９】 以上説明した本実施例の構造では、例えば流体中に含まれるゴミ等によりミキ シング体３及び支持体２部分に目詰りが生じた場合、流体の輸送を止め配管ライ ンからスタティックミキサーを取り外し、本体１の片側のユニオン７を本体１か ら取り外すことにより、目詰りの掃除あるいは支持体２及びミキシング体３の取 り替えができる。

【００１０】 次に、本実施例のプラスチック製スタティックミキサーの作用について説明す る。図１における矢印は２種以上の流体の流入流出経路を示したものである。上 流側のユニオン７の流路６へ流入した流体は、ミキシング体３に衝突し、その上 流側に設けられた空隙１１内で、ミキシング体３の表面に設けられた穴５により 乱流を生じると共に流れが変曲されて、円筒状本体１とミキシング体３との空隙 を通過する。通過した流体は下流側のユニオン７の上流側表面８に衝突し、該表 面８に設けられた穴９により再び乱流を生じると共に再混合され、再度流れを変 曲されて、下流側ユニオン７の流路６へと流出していく。 以上のような作用により、２種以上の流体の混合が充分に行われる。

【００１１】

【実施例２】 次に図４に示す他の実施例について説明する。 図４に示されたスタティックミキサーは片側にのみユニオンを設けた構造を有 するものである。 図において、１３は上流側に流路１４が設けられた塩化ビニル樹脂製の円筒状 本体である。（以下、材質は同一であるので省略する）１５は円筒状本体１３内 で、後述するユニオン２４と上流側内壁１６との間に挟持されている支持体であ る。１７はその上流側と下流側に空隙１８，１９を設けて支持体１５が嵌着され ている筒状のミキシング体である。本実施例のミキシング体１７は円板状ではな く、上流側へ筒状部２０が設けられており、流体の混合率のアップを図ったもの である。

【００１２】 実施例１の場合と同様にミキシング体１７の上流側に面した表面２１には円形 状の穴２２が設けられている。図４における支持体１５とミキシング体１７を上 流側から見た状態は図５に示されている。本実施例では、支持体１５は直角（９ ０度）方向に４個設けられている。図６はミキシング体１７の穴２２を同心円状 に設けた例を示すものであり、また図７は穴２２の代わりに突起２３を設けた場 合の断面図である。

【００１３】 図４中、２４は筒状本体１３の下流側に螺合されている内部に流路２６を有す るユニオンである。ユニオン２４の前記支持体１５と接している上流側の表面２ ５には、図８に示されているように穴２７が周方向に設けられている。この穴２ ７は必ずしも設ける必要はないものであるが、設けておいた方が流体の混合率を 上げるのに効果的である。２８は筒状本体１３の上流側の外周及びユニオン２４ の外周に螺合することにより係止リング２９を介して、フランジ３０を筒状本体 １３及びユニオン２４に固定しているキャップナットである。この実施例２にお ける作用は実施例１と同じであるので省略する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案に係るスタティックミキサーは、以上のように構成したので、構造が簡 単で面間寸法が小さくでき、かつ耐食性に優れるため長期に使用することができ る。また、支持体及びミキシング体が取り替え容易となっているため、目詰まり 等で使用できないようになった場合はこの部分だけ取り替えれば良く非常に便利 なものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】図１における支持体とミキシング体を上流側か
ら見た正面図である。

【図３】図１におけるミキシング体を下流側から見た正
面図である。

【図４】本考案の他の実施例を示す側断面図である。

【図５】図４における支持体とミキシング体を上流側か
ら見た正面図である。

【図６】ミキシング体の他の実施例を示す正面図であ
る。

【図７】ミキシング体の他の実施例を示す側断面図であ
る。

【図８】図３におけるユニオンを上流側から見た正面図
である。

【符号の説明】

１ 円筒状本体 ２ 支持体 ３ ミキシング体 ４ ミキシング体の表面 ５ 円形状の穴（ミキシング体） ６ 流路 ７ ユニオン ８ ユニオンの表面 ９ 円形状の穴（ユニオン） １０ フランジ １１ 空隙 １２ 空隙 １３ 円筒状本体 １４ 流路 １５ 支持体 １６ 上流側内壁 １７ ミキシング体 １８ 空隙 １９ 空隙 ２０ 筒状部 ２１ ミキシング体の表面 ２２ 円形状の穴（ミキシング体） ２３ 突起 ２４ ユニオン ２５ ユニオンの表面 ２６ 流路 ２７ 円形状の穴 ２８ キャップナット ２９ 係止リング ３０ フランジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状本体の内部に、該本体の軸線方向に
   長尺で、かつ周方向に相離間して設けられた複数個の支
   持体に固定されたミキシング体が取替え可能に装着され
   てなるプラスチック製スタティックミキサーであって、
   前記ミキシング体の上流側及び下流側には空隙が設けら
   れると共に、ミキシング体の上流側に面した表面には流
   体を混合させるための凹部及び／又は凸部が複数個設け
   られていることを特徴とするプラスチック製スタティッ
   クミキサー。
2. 【請求項２】円筒状本体の片側又は両側に、内部に流路
   を有するユニオンが装着され、かつ下流側のユニオンの
   上流側に面した表面には流体を混合させるための凹部及
   び／又は凸部が複数個設けられていることを特徴とする
   請求項１記載のプラスチック製スタティックミキサー。
3. 【請求項３】プラスチックが塩化ビニル樹脂、ポリプロ
   ピレン樹脂、ＰＶＤＦ等のフッ素樹脂、ポリフェニレン
   サルファイド又はポリエチレンである請求項１又は請求
   項２記載のプラスチック製スタティックミキサー。