JP3040598B2 - 有機・無機複合透明均質体及びその製造方法 - Google Patents
有機・無機複合透明均質体及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機・無機複合体
(有機・無機ハイブリッド)、さらに詳しく言えば、有
機ポリマーと無機物質とで形成された均質で透明な複合
体及びその製造方法に関し、この有機・無機複合透明均
質体は、例えば、多孔質体を製造する際の原材料(前駆
体)などとして使用される。
(有機・無機ハイブリッド)、さらに詳しく言えば、有
機ポリマーと無機物質とで形成された均質で透明な複合
体及びその製造方法に関し、この有機・無機複合透明均
質体は、例えば、多孔質体を製造する際の原材料(前駆
体)などとして使用される。
【0002】
【従来の技術】有機ポリマーと無機物質とを均一に配合
して得られる複合体は、種々提案されているが、従来の
複合体は、ミクロ的に見ると不均質であり、その結果、
不透明のものが殆んどであった。そこで、均質で透明な
有機・無機複合体を得るための方法として、例えば特開
平3−56535号公報や特開平3−212451号公
報には、ポリオキサゾリンのようにアミド結合を含有し
た有機ポリマーの添加の下で、ゾル−ゲル法を利用し
て、テトラアルコキシシランのような加水分解重合性無
機化合物を加水分解重合させてゲル化させることにより
シリカゲルのような無機酸化物ゲルを生成し、その無機
酸化物ゲルからなる三次元微細ネットワーク構造体(マ
トリックス)中にオキサゾリンポリマー等のアミド結合
含有非反応性ポリマーを均一に分散させた複合体を製造
する方法が開示されている。
して得られる複合体は、種々提案されているが、従来の
複合体は、ミクロ的に見ると不均質であり、その結果、
不透明のものが殆んどであった。そこで、均質で透明な
有機・無機複合体を得るための方法として、例えば特開
平3−56535号公報や特開平3−212451号公
報には、ポリオキサゾリンのようにアミド結合を含有し
た有機ポリマーの添加の下で、ゾル−ゲル法を利用し
て、テトラアルコキシシランのような加水分解重合性無
機化合物を加水分解重合させてゲル化させることにより
シリカゲルのような無機酸化物ゲルを生成し、その無機
酸化物ゲルからなる三次元微細ネットワーク構造体(マ
トリックス)中にオキサゾリンポリマー等のアミド結合
含有非反応性ポリマーを均一に分散させた複合体を製造
する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機・無機
複合透明均質体は、親水性、透明性などの特性をそのま
ま生かした種々の用途を持っている他、無機物質のマト
リックス中に分散配合された有機ポリマーを溶媒溶出或
いは加熱焼成するなどして除去することにより、被膜
状、繊維状、球状、管状、板状等の形態を保持したまま
無機多孔質体に変換して、フィルター、触媒担体、吸着
材、充填剤などとして広く利用されるものである。
複合透明均質体は、親水性、透明性などの特性をそのま
ま生かした種々の用途を持っている他、無機物質のマト
リックス中に分散配合された有機ポリマーを溶媒溶出或
いは加熱焼成するなどして除去することにより、被膜
状、繊維状、球状、管状、板状等の形態を保持したまま
無機多孔質体に変換して、フィルター、触媒担体、吸着
材、充填剤などとして広く利用されるものである。
【0004】この発明は、アミド結合、ウレタン結合及
び/又はウレア結合(尿素結合)を有する非反応性ポリ
マーと無機酸化物との有機・無機複合透明均質体の改良
に係るものであり、カラーフィルタとして利用でき、ま
た、無機多孔質体に変換したときに優れた性能を持つ触
媒などを得ることができる有機・無機複合体並びにその
製造方法を提供することを技術的課題とする。
び/又はウレア結合(尿素結合)を有する非反応性ポリ
マーと無機酸化物との有機・無機複合透明均質体の改良
に係るものであり、カラーフィルタとして利用でき、ま
た、無機多孔質体に変換したときに優れた性能を持つ触
媒などを得ることができる有機・無機複合体並びにその
製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、無機酸化
物のマトリックス中、例えばシリカゲルのマトリックス
中に、アミド結合、ウレタン結合及び/又はウレア結合
を有する非反応性ポリマー、例えばポリオキサゾリンと
共に遷移金属を均一に分散させて有機・無機複合透明均
質体を構成した。
物のマトリックス中、例えばシリカゲルのマトリックス
中に、アミド結合、ウレタン結合及び/又はウレア結合
を有する非反応性ポリマー、例えばポリオキサゾリンと
共に遷移金属を均一に分散させて有機・無機複合透明均
質体を構成した。
【0006】この発明に係る有機・無機複合透明均質体
の有機部分を形成する非反応性ポリマーは、アミド結
合、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しているの
で、この複合体の生成過程においては、シリカゲルのシ
ラノール残基(−SiOH)とアミド結合、ウレタン結
合及び/又はウレア結合のカルボニル基(−C=O)と
の水素結合による強い相互作用により、有機、無機両液
の相溶性が良くて相分離を起こしたりしないため、無機
酸化物のマトリックス中に有機ポリマーが均一に分散し
たものとなる。一方、アミド基等は、遷移金属塩とも強
い相互作用をなすことが知られており、従って、無機酸
化物のマトリックス中に遷移金属が均一に分散したもの
となる。
の有機部分を形成する非反応性ポリマーは、アミド結
合、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しているの
で、この複合体の生成過程においては、シリカゲルのシ
ラノール残基(−SiOH)とアミド結合、ウレタン結
合及び/又はウレア結合のカルボニル基(−C=O)と
の水素結合による強い相互作用により、有機、無機両液
の相溶性が良くて相分離を起こしたりしないため、無機
酸化物のマトリックス中に有機ポリマーが均一に分散し
たものとなる。一方、アミド基等は、遷移金属塩とも強
い相互作用をなすことが知られており、従って、無機酸
化物のマトリックス中に遷移金属が均一に分散したもの
となる。
【0007】上記有機・無機複合透明均質体は、加熱焼
成などにより無機酸化物体中から有機ポリマーを消失さ
せると、複合体の形態をそのまま保持した無機多孔質
体、例えば多孔質シリカが得られるが、この際、無機多
孔質体中に遷移金属が残存し、遷移金属が均一に分散さ
れた無機多孔質体が得られる。この無機多孔質体は、遷
移金属の種類を選定することにより、高効率の遷移金属
担持触媒となる。また、複合体は、遷移金属の存在によ
る着色によってカラーフィルタなどとして利用できる可
能性がある。
成などにより無機酸化物体中から有機ポリマーを消失さ
せると、複合体の形態をそのまま保持した無機多孔質
体、例えば多孔質シリカが得られるが、この際、無機多
孔質体中に遷移金属が残存し、遷移金属が均一に分散さ
れた無機多孔質体が得られる。この無機多孔質体は、遷
移金属の種類を選定することにより、高効率の遷移金属
担持触媒となる。また、複合体は、遷移金属の存在によ
る着色によってカラーフィルタなどとして利用できる可
能性がある。
【0008】上記有機・無機複合透明均質体は、例え
ば、アミド結合、ウレタン結合及び/又はウレア結合を
有する非反応性ポリマー、例えばポリオキサゾリンと共
に遷移金属塩が添加された溶液中において、アルコキシ
シランを加水分解重合させてゲル化させることにより製
造することができる。
ば、アミド結合、ウレタン結合及び/又はウレア結合を
有する非反応性ポリマー、例えばポリオキサゾリンと共
に遷移金属塩が添加された溶液中において、アルコキシ
シランを加水分解重合させてゲル化させることにより製
造することができる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について説明
する。
する。
【0010】この発明に係る有機・無機複合透明均質体
は、無機酸化物のマトリックス中にアミド結合、ウレタ
ン結合及び/又はウレア結合を有する非反応性ポリマー
と共に遷移金属を均一に分散させて形成される。そし
て、この複合体は、アミド結合含有非反応性ポリマーと
共に遷移金属塩が添加された溶液中において、アルコキ
シシランを加水分解重合させてゲル化させることにより
得られる。
は、無機酸化物のマトリックス中にアミド結合、ウレタ
ン結合及び/又はウレア結合を有する非反応性ポリマー
と共に遷移金属を均一に分散させて形成される。そし
て、この複合体は、アミド結合含有非反応性ポリマーと
共に遷移金属塩が添加された溶液中において、アルコキ
シシランを加水分解重合させてゲル化させることにより
得られる。
【0011】この場合、アミド結合−NH・CO−を有
する非反応性ポリマーとしては、オキサゾリン、2−メ
チル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリ
ンなどの開環重合によって得られるポリオキサゾリン系
ポリマーが好適であるが、それ以外のビニルピロリドン
系ポリマー、アクリルアミド系ポリマーなど、従来から
周知のものが使用可能である。また、ウレタン結合−N
H・CO・O−を有するポリマーすなわちポリウレタン
は、ポリイソシアナートとポリオールとのポリ付加反応
によって合成される。ポリウレタンの原料であるポリイ
ソシアナートとしては、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイ
ソシアナートなど、従来から周知のものを使用すればよ
く、また、ポリオールとしては、テトラメチレングリコ
ールや、多価アルコールにプロピレンオキシド、エチレ
ンオキシドなどを開環付加させて重合される低重合体、
或いはテトラヒドロフラン等の開環重合によって得られ
る重合体など、従来から周知のものを使用すればよい。
また、ポリウレタンは、種々の原料を使用し様々な方法
によって合成されるので、ウレタン結合以外にも、ウレ
ア結合や酸アミド結合、ビュレット結合、アルファネー
ト結合等の種々の結合が存在している。また、ウレア結
合−NH・CO・NH−は、ポリウレタンにも含有され
ているが、ウレア結合を有するポリマーは、アミノ基と
ホルムアルデヒドとの付加縮合によって得られるポリウ
レアである。ポリウレアは、周知の方法により、中性又
は弱アルカリ性で得られたモノメチロール尿素、ジメチ
ロール尿素、トリメチロール尿素などのメチロール化物
を加熱、硬化させて得ることができる。
する非反応性ポリマーとしては、オキサゾリン、2−メ
チル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリ
ンなどの開環重合によって得られるポリオキサゾリン系
ポリマーが好適であるが、それ以外のビニルピロリドン
系ポリマー、アクリルアミド系ポリマーなど、従来から
周知のものが使用可能である。また、ウレタン結合−N
H・CO・O−を有するポリマーすなわちポリウレタン
は、ポリイソシアナートとポリオールとのポリ付加反応
によって合成される。ポリウレタンの原料であるポリイ
ソシアナートとしては、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイ
ソシアナートなど、従来から周知のものを使用すればよ
く、また、ポリオールとしては、テトラメチレングリコ
ールや、多価アルコールにプロピレンオキシド、エチレ
ンオキシドなどを開環付加させて重合される低重合体、
或いはテトラヒドロフラン等の開環重合によって得られ
る重合体など、従来から周知のものを使用すればよい。
また、ポリウレタンは、種々の原料を使用し様々な方法
によって合成されるので、ウレタン結合以外にも、ウレ
ア結合や酸アミド結合、ビュレット結合、アルファネー
ト結合等の種々の結合が存在している。また、ウレア結
合−NH・CO・NH−は、ポリウレタンにも含有され
ているが、ウレア結合を有するポリマーは、アミノ基と
ホルムアルデヒドとの付加縮合によって得られるポリウ
レアである。ポリウレアは、周知の方法により、中性又
は弱アルカリ性で得られたモノメチロール尿素、ジメチ
ロール尿素、トリメチロール尿素などのメチロール化物
を加熱、硬化させて得ることができる。
【0012】アミド結合やウレタン結合或いはウレア結
合を有する非反応性ポリマーとしては、上記した通り従
来周知のものを使用すればよく、また、分子量などにつ
いても特に限定されない。すなわち、ポリマーの分子量
については、低分子量のものから高分子量のものまで使
用可能であり、また、上記ポリマーには、種々の共重合
体や部分変性体なども包含される。
合を有する非反応性ポリマーとしては、上記した通り従
来周知のものを使用すればよく、また、分子量などにつ
いても特に限定されない。すなわち、ポリマーの分子量
については、低分子量のものから高分子量のものまで使
用可能であり、また、上記ポリマーには、種々の共重合
体や部分変性体なども包含される。
【0013】次に、マトリックスを形成する無機酸化物
については、その目的や用途に応じて種々のものが使用
され得るが、最も一般的には、シリカやアルミナが使用
される。この無機酸化物によりゾル−ゲル法などを利用
して三次元の微細な網状構造体を得るようにする。そし
て、そのマトリックス中に上記した有機ポリマーを均一
に分散させるようにする。無機酸化物としては、シリカ
やアルミナの他、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化
物も使用し得る。
については、その目的や用途に応じて種々のものが使用
され得るが、最も一般的には、シリカやアルミナが使用
される。この無機酸化物によりゾル−ゲル法などを利用
して三次元の微細な網状構造体を得るようにする。そし
て、そのマトリックス中に上記した有機ポリマーを均一
に分散させるようにする。無機酸化物としては、シリカ
やアルミナの他、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化
物も使用し得る。
【0014】また、金属塩としては、使用する溶媒に可
溶なものであればどのようなものでもよく、例えば塩化
ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケ
ル、塩化第一銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、モリブデン酸アンモ
ニウム、タングステン酸アンモニウムなど、多種多様の
ものが使用可能である。
溶なものであればどのようなものでもよく、例えば塩化
ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケ
ル、塩化第一銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、硝酸コバル
ト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、モリブデン酸アンモ
ニウム、タングステン酸アンモニウムなど、多種多様の
ものが使用可能である。
【0015】この有機・無機複合透明均質体は、ゾル−
ゲル法を利用し、有機ポリマー、例えばポリオキサゾリ
ンの添加の下に、遷移金属塩を共存させて、テトラエト
キシシランやテトラメトキシシランのようなテトラアル
コキシシランなどの加水分解重合性化合物を加水分解重
合反応させてゲル化させることにより得るようにする。
このときの加水分解重合反応は、従来のゾル−ゲル法に
おける場合と全く同様の操作及び条件の下に実施すれば
よい。例えば、有機ポリマーとテトラアルコキシシラン
とをメタノール、エタノール等のアルコール溶媒やエー
テル溶媒に溶解させるとともに遷移金属塩を添加して均
一溶液とし、その均一溶液中へ塩酸などを酸触媒として
滴下させ、溶液を撹拌することにより反応を行なわせ
る。このときの反応温度は、室温でもよく、0〜50℃
程度の範囲内で適宜選定することができる。また、反応
時間は、例えば24時間程度でも反応させることがで
き、反応温度などとの関係で適宜決定すればよい。その
他、窒素気流下での反応や0.5〜1気圧程度の減圧下
での反応も、適宜採用し得る。
ゲル法を利用し、有機ポリマー、例えばポリオキサゾリ
ンの添加の下に、遷移金属塩を共存させて、テトラエト
キシシランやテトラメトキシシランのようなテトラアル
コキシシランなどの加水分解重合性化合物を加水分解重
合反応させてゲル化させることにより得るようにする。
このときの加水分解重合反応は、従来のゾル−ゲル法に
おける場合と全く同様の操作及び条件の下に実施すれば
よい。例えば、有機ポリマーとテトラアルコキシシラン
とをメタノール、エタノール等のアルコール溶媒やエー
テル溶媒に溶解させるとともに遷移金属塩を添加して均
一溶液とし、その均一溶液中へ塩酸などを酸触媒として
滴下させ、溶液を撹拌することにより反応を行なわせ
る。このときの反応温度は、室温でもよく、0〜50℃
程度の範囲内で適宜選定することができる。また、反応
時間は、例えば24時間程度でも反応させることがで
き、反応温度などとの関係で適宜決定すればよい。その
他、窒素気流下での反応や0.5〜1気圧程度の減圧下
での反応も、適宜採用し得る。
【0016】上記した製造方法において、ポリオキサゾ
リンとテトラアルコキシシランとの配合割合は、普通に
は、重量比でポリオキサゾリン1に対してテトラアルコ
キシシラン0.1〜100程度、好ましくは1〜10程
度である。また、遷移金属塩の添加量は、普通には、混
合液に対して0.01〜70重量%程度である。
リンとテトラアルコキシシランとの配合割合は、普通に
は、重量比でポリオキサゾリン1に対してテトラアルコ
キシシラン0.1〜100程度、好ましくは1〜10程
度である。また、遷移金属塩の添加量は、普通には、混
合液に対して0.01〜70重量%程度である。
【0017】上記した反応においては、アミド結合を有
するポリオキサゾリンは、テトラアルコキシシランとの
親和性に優れて相溶性が良好であるので、テトラアルコ
キシシランの加水分解重合反応によるゲル化の前後の何
れにおいても相分離を起こさず、ゲル化によって形成さ
れた三次元微細網状構造のシリカゲル中にポリオキサゾ
リンが均一に分散し、均質で透明な有機・無機複合体が
得られる。また、遷移金属塩とポリオキサゾリンのアミ
ド基とは強い相互作用をなすため、シリカゲル中にポリ
オキサゾリンが均一に分散することにより、遷移金属も
シリカゲル中に均一に分散することになる。そして、遷
移金属がシリカゲル中に含有されることにより、この複
合体は、使用金属塩の種類に応じた色を呈することにな
る。例えば、複合体は、塩化第一銅を使用したときには
黄褐色〜緑に着色し、酢酸銅を使用したときには緑青に
着色し、また、塩化ニッケルを使用したときには黄緑に
着色する。
するポリオキサゾリンは、テトラアルコキシシランとの
親和性に優れて相溶性が良好であるので、テトラアルコ
キシシランの加水分解重合反応によるゲル化の前後の何
れにおいても相分離を起こさず、ゲル化によって形成さ
れた三次元微細網状構造のシリカゲル中にポリオキサゾ
リンが均一に分散し、均質で透明な有機・無機複合体が
得られる。また、遷移金属塩とポリオキサゾリンのアミ
ド基とは強い相互作用をなすため、シリカゲル中にポリ
オキサゾリンが均一に分散することにより、遷移金属も
シリカゲル中に均一に分散することになる。そして、遷
移金属がシリカゲル中に含有されることにより、この複
合体は、使用金属塩の種類に応じた色を呈することにな
る。例えば、複合体は、塩化第一銅を使用したときには
黄褐色〜緑に着色し、酢酸銅を使用したときには緑青に
着色し、また、塩化ニッケルを使用したときには黄緑に
着色する。
【0018】この有機・無機複合透明均質体は、ゲル化
の前又は後に被膜状、球状、板状、管状、棒状、繊維状
などの適宜形態に成形することにより、それら様々な形
状、形態の複合体として得られ、カラーフィルタなどと
して使用される。
の前又は後に被膜状、球状、板状、管状、棒状、繊維状
などの適宜形態に成形することにより、それら様々な形
状、形態の複合体として得られ、カラーフィルタなどと
して使用される。
【0019】また、この発明に係る有機・無機複合透明
均質体は、その有機ポリマー部分を加熱焼成したり溶媒
溶出したりして除去することにより、その形状、形態を
保持したままで多孔質シリカ等の無機多孔質体へ変換さ
せて、高効率の遷移金属担持無機触媒などとして利用す
ることができる。
均質体は、その有機ポリマー部分を加熱焼成したり溶媒
溶出したりして除去することにより、その形状、形態を
保持したままで多孔質シリカ等の無機多孔質体へ変換さ
せて、高効率の遷移金属担持無機触媒などとして利用す
ることができる。
【0020】次に、この有機・無機複合透明均質体の具
体的製法例について説明する。
体的製法例について説明する。
【0021】[製法例]重合度5.7のポリオキサゾリ
ン1.6gとテトラエトキシシラン3.2gとを8.3
gのエタノール溶媒に溶解させて均一溶液とし、その溶
液中に1N塩酸0.17gを添加し、さらに塩化ニッケ
ル(NiCl2・6H2O)0.16gを添加して、混合
溶液1を調製した。同様にして、表1に示すような処方
で混合溶液2、3、4をそれぞれ調製した。
ン1.6gとテトラエトキシシラン3.2gとを8.3
gのエタノール溶媒に溶解させて均一溶液とし、その溶
液中に1N塩酸0.17gを添加し、さらに塩化ニッケ
ル(NiCl2・6H2O)0.16gを添加して、混合
溶液1を調製した。同様にして、表1に示すような処方
で混合溶液2、3、4をそれぞれ調製した。
【0022】
【表1】
【0023】それぞれの混合溶液を撹拌しながら、空気
中において室温で6日間反応を行なわせた。その結果、
何れの場合にも、均質で透明な有機・無機複合体が得ら
れた。また、得られた複合体から、ソクスレート(So
xhlet)法により、クロロホルム溶媒を用いてポリ
オキサゾリンの抽出を試みたところ、ポリオキサゾリン
は全く抽出されず、ポリオキサゾリンは、殆んど複合体
中に分散して取り込まれていることが確認された。
中において室温で6日間反応を行なわせた。その結果、
何れの場合にも、均質で透明な有機・無機複合体が得ら
れた。また、得られた複合体から、ソクスレート(So
xhlet)法により、クロロホルム溶媒を用いてポリ
オキサゾリンの抽出を試みたところ、ポリオキサゾリン
は全く抽出されず、ポリオキサゾリンは、殆んど複合体
中に分散して取り込まれていることが確認された。
【0024】また、混合溶液2及び混合溶液4からそれ
ぞれ得られた有機・無機複合体を熱分析法により600
℃まで加熱すると、それぞれ29.9重量%及び29.
7重量%の重量減少が観察された。
ぞれ得られた有機・無機複合体を熱分析法により600
℃まで加熱すると、それぞれ29.9重量%及び29.
7重量%の重量減少が観察された。
【0025】また、混合溶液2から得られた有機・無機
複合体を600℃で24時間焼成処理した。これによ
り、有機ポリマーが焼失して302m2/gの広い表面
積を有する多孔質シリカが得られた。
複合体を600℃で24時間焼成処理した。これによ
り、有機ポリマーが焼失して302m2/gの広い表面
積を有する多孔質シリカが得られた。
【0026】さらに、図1に、有機・無機複合透明均質
体を同定するための赤外線吸収スペクトルデータの1例
を示す。この複合体は、ポリ(2−メチル−2−オキサ
ゾリン)1重量部とテトラエトキシシラン2重量部と塩
化第一銅0.04重量部とを配合し、上記した製法例に
準じて製造されたものである。図1に示すように、ポリ
(2−メチル−2−オキサゾリン)のカルボニル(C=
O)収縮振動が波数1,638cm-1に観測され、これ
より、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)は、シリ
カゲルのマトリックスとの間で相互作用をなしているこ
とが分かる。また、シリカゲルのマトリックスのシロキ
サン(Si−O−Si)振動が波数1,100-1付近に
強く現れている。これらのことから、有機・無機複合透
明均質体を同定することができる。
体を同定するための赤外線吸収スペクトルデータの1例
を示す。この複合体は、ポリ(2−メチル−2−オキサ
ゾリン)1重量部とテトラエトキシシラン2重量部と塩
化第一銅0.04重量部とを配合し、上記した製法例に
準じて製造されたものである。図1に示すように、ポリ
(2−メチル−2−オキサゾリン)のカルボニル(C=
O)収縮振動が波数1,638cm-1に観測され、これ
より、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)は、シリ
カゲルのマトリックスとの間で相互作用をなしているこ
とが分かる。また、シリカゲルのマトリックスのシロキ
サン(Si−O−Si)振動が波数1,100-1付近に
強く現れている。これらのことから、有機・無機複合透
明均質体を同定することができる。
【0027】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、この発明に係る有機・無機複合透明
均質体はカラーフィルタとして有用であり、また、この
複合体から加熱焼成などによって得られる多孔質シリカ
等の無機多孔質体は、高効率の遷移金属担持無機触媒な
どとして極めて有用である。そして、この発明に係る方
法によれば、カラーフィルタや高性能の触媒などの生成
に有用な有機・無機複合透明均質体を製造することがで
きる。
かつ作用するので、この発明に係る有機・無機複合透明
均質体はカラーフィルタとして有用であり、また、この
複合体から加熱焼成などによって得られる多孔質シリカ
等の無機多孔質体は、高効率の遷移金属担持無機触媒な
どとして極めて有用である。そして、この発明に係る方
法によれば、カラーフィルタや高性能の触媒などの生成
に有用な有機・無機複合透明均質体を製造することがで
きる。
【図1】この発明に係る有機・無機複合透明均質体を同
定するための赤外線吸収スペクトルの1例を示す図であ
る。
定するための赤外線吸収スペクトルの1例を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 79/00 C08L 79/00 101/16 101/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16
Claims (6)
- 【請求項1】 無機酸化物のマトリックス中に、アミド
結合、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する非反
応性ポリマーが均一に分散されてなる有機・無機複合透
明均質体において、前記無機酸化物のマトリックス中に
遷移金属が均一に分散されたことを特徴とする有機・無
機複合透明均質体。 - 【請求項2】 非反応性ポリマーがポリオキサゾリンで
ある、請求項1記載の有機・無機複合透明均質体。 - 【請求項3】 無機酸化物のマトリックスがシリカゲル
のマトリックスである、請求項1又は2記載の有機・無
機複合透明均質体。 - 【請求項4】 アミド結合、ウレタン結合及び/又はウ
レア結合を有する非反応性ポリマーの添加の下に加水分
解重合性無機化合物を加水分解重合させてゲル化させる
ことにより、無機酸化物のマトリックス中に前記ポリマ
ーが均一に分散された有機・無機複合透明均質体を製造
する方法において、前記ポリマーと共に遷移金属塩を添
加することを特徴とする有機・無機複合透明均質体の製
造方法。 - 【請求項5】 加水分解重合性無機化合物がアルコキシ
シランであり、無機酸化物のマトリックスがシリカゲル
のマトリックスである、請求項4記載の有機・無機複合
透明均質体の製造方法。 - 【請求項6】 非反応性ポリマーがポリオキサゾリンで
ある、請求項4又は5記載の有機・無機複合透明均質体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4143521A JP3040598B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 有機・無機複合透明均質体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4143521A JP3040598B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 有機・無機複合透明均質体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310994A JPH05310994A (ja) | 1993-11-22 |
JP3040598B2 true JP3040598B2 (ja) | 2000-05-15 |
Family
ID=15340676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4143521A Expired - Lifetime JP3040598B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | 有機・無機複合透明均質体及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3040598B2 (ja) |
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KR100366087B1 (ko) * | 2000-08-04 | 2002-12-26 | 삼성에스디아이 주식회사 | 필터막 형성용 조성물 및 이로부터 형성된 필터막 |
FR2836633B1 (fr) * | 2002-03-04 | 2006-08-11 | Oreal | Utilisation de composes hybrides comme agents anti-polluants et anti-adherents, composition pour film souples |
JP4623982B2 (ja) * | 2004-03-19 | 2011-02-02 | 富士フイルム株式会社 | 有機無機複合体およびその製造方法 |
WO2015146589A1 (ja) | 2014-03-27 | 2015-10-01 | 日本碍子株式会社 | 有機無機複合体、構造体及び有機無機複合体の製造方法 |
-
1992
- 1992-05-08 JP JP4143521A patent/JP3040598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310994A (ja) | 1993-11-22 |
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