JP3040390U - 博多織地を使用した風呂敷 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 付加価値の高い豪華さと温雅優麗なる外観が
得られ、博多織による独特な風合いを兼備し、締括時に
締め易く且つ解け難く、更に皺の発生を可及的に阻止す
る。 【解決手段】 博多織による独特な地文様を全体に備え
た白生地に、友禅染による花鳥山水その他の所望図柄文
様を表現する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、古来より物品を包む四角な布帛として周知されている風呂敷に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来より冠婚葬祭、或いは各種営業上や日常生活に於いて、物品を包むために 方形状の布帛である風呂敷が使用され、９０cm四方の並物から２２０cm四方以上 を呈した大型の風呂敷まで多種のものがあり、慶事には絹物、普段には木綿や化 繊物が用いられている。斯かる風呂敷は、羽二重、縮緬、木綿等よりなる白生地 に染色加工して、全部を色無地染としたもの、絞模様を染出したもの、或いは友 禅染、更紗染、大唐草染等の所望図柄文様状に染模様を入れたもの、若しくは刺 繍や定紋を入れたもの等々、多種類におよんでいる。

【０００３】 これ等の風呂敷は、仮令友禅染等にて美麗な図柄文様に表現し得るとしても、 用いる風呂敷素材が極く普通の平織、斜文織等の織成法により製出された白生地 に過ぎず、風呂敷としての豪華さに欠如し、良好な風合いを維持出来ないばかり か、風呂敷を締括した場合に、弛緩が生じて解け易くなる欠陥を備え、また締括 部分に皺が招来するもので遺憾とされたところである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然るに、本考案が茲に開発した博多織地を使用した風呂敷にあっては、既述従 来の欠陥に鑑みて鋭意研究の結果に提案されたものであって、風呂敷そのものに 博多織独特の地文様が出現し、且つ当該風呂敷に友禅染を施して成るもので、在 来に見ない優れた風合いと共に豪華さを奏し、締括部分による風呂敷の皺を可及 的に防止すると同時に、締括し易くして弛緩し難い風呂敷を提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を有効に達成するがために、本考案になる博多織地を使用した風 呂敷にあっては、博多織で織成された白生地１の一面に、友禅染による花鳥山水 その他の所望の図柄文様２を顕出した博多織地を使用した風呂敷を特徴とするも のである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案の博多織地を使用した風呂敷にあっては、博多織で一定の広幅に織成 された白生地に対して、花鳥山水その他の所望の図柄文様を友禅染の技法を用い て顕出し、これを所望に裁断して風呂敷に縫成しているので、図柄文様が表現さ れた当該風呂敷は、その地文様が博多織独特の文様となると共に、在来に見ない 独自の風合いを醸し出し、豪華さが顕著な外観を呈し、風呂敷を締括した際に招 来する結び皺が甚少となり、且つ締括し易く容易に解けないものとなる。

【０００７】

【実施例】

次いで、本考案になる博多織地を使用した風呂敷に関する実施の一例を詳述す る。

【０００８】 Ａは本考案の風呂敷であって、当該風呂敷Ａは９０cm四方の並物乃至２２０cm 四方の大型の風呂敷に形成されており、方形に断ち切られた端縁に沿っては、糸 の解けを防止するために、小さく三ツ折りとなし、その面状を針目正しく縫成３ されている。斯かる方形の風呂敷Ａは、上記寸法以外のものもあり、種々一様で はない。

【０００９】 １は白生地であって、風呂敷Ａの素材と成るこの白生地１は、博多織の織成法 によって織成された絹織物地で、当該白生地１には博多織独特の風合いを持つ地 文様が織成されている。即ち経糸の密度を多くし、これに太い緯糸を用いて強く 打込み、横畝状を呈するように織成したもので、経糸を浮かせて各種文様、例え ば柄による紋織、献上、筋入、独鈷等を表現して成るものである。従って、博多 織で織成された白生地１には、経糸による博多織独特の地文様４が出現している ものである。

【００１０】 ２は友禅染の技法を用いて、前記白生地１の面状に顕出された花鳥山水その他 の所望の図柄文様であって、斯かる友禅染による図柄文様２は、染めるべき白生 地１を地張し、青花汁にてその表面に模様の下絵を描き、糸目糊、白糊を施し、 色挿しと称する筆または刷毛に適宜の顔料、染料を含ませて、好みの文様を濃淡 適度に鮮明に描出し、これに伏糊を施し地染を行い、蒸箱で蒸し水洗糊落した後 乾燥し、更に彩色を加えてゆのし仕上げをした、手工にて絵画式に染出す本友禅 と称するもの、或いは捺染板の上で型紙を用い、同一柄を生産的に手工捺染する 型友禅と称するもの、その他の友禅染が適宜選択実施される。

【００１１】 博多織にて織成された白生地１に顕出される友禅染による図柄文様２は、既述 した花鳥山水等の創作文様の柄以外に、有職文様の流れをくんだ、例えば立涌模 様、七宝模様、雲取模様、或いは光琳模様の柄等を任意に表現出来ることは勿論 である。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、博多織による独特な地文様を全体に備え、且つ該地文様の表 面に友禅染による所望文様を顕出して成る風呂敷であるため、在来周知の風呂敷 とは異なり、友禅染による温雅優麗な図柄文様が顕出し得る風呂敷となると同時 に、当該図柄文様は博多織による地文様と相俟って、優れた風合いと立体感の有 る豪華さが出現し、付加価値の高い風呂敷が得られるものと成る。更には博多織 地を使用することで、物品を包んで締括した際に、風呂敷の締括部分による皺の 発生を可及的に防止することが出来、且つ締め易くて弛緩して締括部分が緩む欠 陥が確実に解消し得る利便を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】白生地の一部表面図である。

【図２】本案品の全体表面図である。

【符号の説明】

１ 白生地 ２ 図柄文様 ３ 縫成 ４ 地文様 Ａ 風呂敷

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 博多織で織成された白生地（１）の一面
   に、友禅染による花鳥山水その他の所望の図柄文様
   （２）を顕出したことを特徴とする博多織地を使用した
   風呂敷。