JP3040313U - カードエッジ型コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁ハウジングと一体のラッチ片を設けたカ
ードエッジ型コネクタであって、ラッチ片の変形を制限
し、使用中の破損を防止すると共に、カードの装着が常
時円滑にできるようにする。 【解決手段】 カードの側縁に対して離れる方向および
近接する方向で弾性変形が可能とされたラッチ片１の外
側に、側壁１７と、側壁１７から略直角に連続する上下
の覆い壁１８、１９を備えた金属製バックアップ部材２
が並設してあり、側壁１７の内面とラッチ片１の外側面
を対向させてラッチ片１のカードの側縁から離れる方向
の弾性変形を所定の位置で停止できるようにしてあり、
かつ、金属製バックアップ部材２の下側の覆い壁１９に
立上り突片２５が設けられ、ラッチ片１の下側に前記立
上り突片２５との係合部２７が形成されて、ラッチ片１
のカードの側縁に近接する方向の弾性変形を所定の位置
で停止できるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリント回路基板でなるカード（子基板）と親基板を接続するため に、親基板へ設置されるカードエッジ型コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のカードエッジ型コネクタは、カードのエッジを受け入れる凹入 部が形成された絶縁ハウジングに、多数のターミナルを装着して構成され、前記 凹入部に並列された各ターミナルのコンタクト部と、凹入部に受け入れられたカ ードのエッジに形成された接合パッドとが１対１の関係で係合するようにしてい る。そして、前記凹入部にエッジが受け入れられたカードが意に反して抜け出さ ないようにするために、前記絶縁ハウジングにはラッチ片が設けられて、カード の側縁と係脱できるようにしている（例えば、実開平８−２２８６５号、実開平 ８−５５６５１号公報等参照）。このラッチ片は、金属製として絶縁ハウジング に後から取り付けられたものと、絶縁ハウジングと同じ材質で一体に形成された ものとがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ラッチ片を絶縁ハウジングと同じ材質で一体に形成した構成のカードエッジ型 コネクタは、金属製のラッチ片を有するものに比べて、親基板上での占有面積を 小さくでき、また、コネクタ自体の組み立て工数も少なくできるなどの利点があ るものであったが、ラッチ片が絶縁ハウジングと同じプラスチック製であるので 、過度の湾曲に対して弱く、また、材料の収縮による変形でカードを装着する部 分が狭くなってカードの装着が妨げられる事態が生ずるなどの問題点があった。

【０００４】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、絶縁ハウジングと同じ材質で 一体のラッチ片を設けたカードエッジ型コネクタであって、ラッチ片の変形を制 限し、使用中の破損を防止すると共に、カードの装着が常時円滑にできるように した構造のカードエッジ型コネクタを提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、プリント回路基板でなるカードと親基板を接 続するために、親基板へ設置されるカードエッジ型コネクタであって、前記カー ドの側縁と係脱可能としたラッチ片を備えているカードエッジ型コネクタにおい て、前記ラッチ片が、多数のターミナルが装着された絶縁ハウジングの端部から 絶縁ハウジングと一体に延びる片持ち状部材で構成されて、カードの側縁に対し て離れる方向および近接する方向で弾性変形が可能とされていると共に、このラ ッチ片に対し、前記離れる方向と近接する方向の両方向で、ラッチ片の弾性変形 を所定の位置で停止させるための金属製バックアップ部材が設けてあることを特 徴とするカードエッジ型コネクタである。

【０００６】 また、プリント回路基板でなるカードと親基板を接続するために、親基板へ設 置されるカードエッジ型コネクタであって、前記カードの側縁と係脱可能とした ラッチ片を備えているカードエッジ型コネクタにおいて、前記ラッチ片が、多数 のターミナルが装着された絶縁ハウジングの端部から絶縁ハウジングと一体に延 びる片持ち状部材で構成されて、カードの側縁に対して離れる方向および近接す る方向で弾性変形が可能とされていると共に、側壁と、側壁から略直角に連続す る上下の覆い壁を備えた金属製バックアップ部材がラッチ片の外側に並設してあ り、前記側壁の内面とラッチ片の外側面を対向させてラッチ片のカードの側縁か ら離れる方向の弾性変形を所定の位置で停止できるようにしてあり、かつ、金属 製バックアップ部材の下側の覆い壁に立上り突片が設けられ、ラッチ片の下側に 前記立上り突片との係合部が形成されて、ラッチ片のカードの側縁に近接する方 向の弾性変形を所定の位置で停止できるようにしてあることを特徴とするカード エッジ型コネクタである。

【０００７】

【作用】

本考案のカードエッジ型コネクタによれば、ラッチ片は、その弾性変形が金属 製バックアップ部材で所定の範囲に制限されるので、使用中の過度の湾曲による 破損を防止することができる。また、絶縁ハウジングを構成したプラスチック材 料の収縮等による塑性変形も金属製バックアップ部材で所定の範囲に制限できる ので、カードの装着が妨げられるような事態も避けることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図を参照して説明する。

【０００９】 図１において、１がラッチ片、２が金属製バックアップ部材である。ラッチ片 １は、図２乃至図４に示した実施例のカードエッジ型コネクタ３の一部であり、 このラッチ片１の外側に金属製バックアップ部材２が並設されているものである 。カードエッジ型コネクタ３は、絶縁性プラスチックを成形した絶縁ハウジング ４と、この絶縁ハウジング４に装着した複数のターミナル５ａ、５ｂで構成され ている。絶縁ハウジング４は、中央の本体部４ａの両端に支持部４ｂを略直角に 設けた形状で、前記ラッチ片１は各支持部４ｂと一体で、支持部４ｂの長手方向 に沿って片持ち状に延びている。本体部４ａの、支持部４ｂおよびラッチ片１が 延びる側には本体部４ａの長手方向に沿って凹入部６が形成されてカードのエッ ジを受け入れるようにしてあり、前記複数のターミナル５ａ、５ｂの各コンタク ト部７ａ、７ｂが、凹入部６に受け入れられるカードのエッジの両面の接合パッ ドと係合できるように、２列に、それぞれ一定のピッチで配されている（図６参 照）。図５において鎖線で示した８はカードであって、このカード８は図示のよ うに斜めにしてエッジ９を凹入部６のコンタクト部７ａ、７ｂ間に挿入した後、 矢示１０の方向に回動させてカード８を支持部４ｂと平行にして装着されるもの である。

【００１０】 片持ち状部材でなる前記ラッチ片１は、図に示したように薄い板状で矢示１１ の方向、即ち、カード８の側縁に対して離れる方向および近接する方向で弾性変 形による湾曲が可能としてある。ラッチ片１の中間部内側に上部を半円錐台形部 １２とし、下部を半円柱部１３とした係止部１４が形成されている。カード８が 前記のように装着される際に、カード８の側縁がラッチ片１の内側と対向する。 そこで、図７に示したようにカード８の側縁１５には、係止部１４に対応させた 半円状の切欠部１６が形成される。カード８を図５に鎖線で示した斜めの状態か ら、支持部４ｂと平行となる位置へ矢示１０の方向に回動させる際に、切欠部１ ６の内縁と前記半円錐台形部１２のスカート状の外面１２ａが対向し、カード８ の回動に従って、外面１２ａのカム作用でラッチ片１がカード８の側縁１５から 離れる方向に湾曲した後、カード８の側縁１５が半円錐台形部１２を通過したと ころでラッチ片１が弾性により元に復帰し、半円柱部１３が切欠部１６に嵌ると 共に、半円錐台形部１２の底面１２ｂがカード８の側縁１５に係止して、カード ８の矢示１０と反対の方向の回動と支持部４ｂの長手方向での移動が阻止できる ようにされている。半円柱部１３の高さはカード８の厚さと略等しくしてある。

【００１１】 前記のようなラッチ片１に対して並設された金属製バックアップ部材２は、図 ８乃至図１２に詳細に示してある形状に、金属板を打ち抜き成形したもので、側 壁１７と、この側壁１７の上側縁に略直角に連続する上部覆い壁１８と、側壁１ ７の下側縁に略直角に連続する下部覆い壁１９とを備えている。そして、下部覆 い壁１９の内側縁に突出させた突片２０にネイル２１を設け、このネイル２１を 前記支持部４ｂの端面から支持部４ｂ内に挿入係止して、ラッチ片１に沿わせた 金属製バックアップ部材２を絶縁ハウジング４に取り付け固定できるようになっ ている。側壁１７の長手方向とネイル２１の長手方向は、平行ではなく、やや角 度をなしている。絶縁ハウジング４に取り付けた金属製バックアップ部材２は、 その側壁１７の内面と前記ラッチ片１の外側面が隙間２２を介して対向すると共 に、上部覆い壁１８がラッチ片１の上側に沿い、また、下部覆い壁１９がラッチ 片１の下側に沿うようなっている。この結果、ラッチ片１の外側方向、即ち、カ ード８の側縁１５から離れる方向の弾性変形は、ラッチ片１の外側面が側壁１７ の内面に当接したところで停止するようになっている。上部覆い壁１８の先端一 側は、ラッチ片１の係止部１４に対応させた膨大部２３とされて、半円錐台形部 １２の上面を覆うようにしてある。一方、下部覆い壁１９の先端は、係止部１４ の半円柱部１３の底面１３ａと対向するＬ字状部分２４とされ、その先端に立上 り突片２５が設けてある。

【００１２】 前記立上り突片２５は、ラッチ片１の内側方向、即ち、カード８の側縁１５に 近接する方向の弾性変形を制限するためのもので、この立上り突片２５に対応さ せて、前記係止部１４の半円柱部１３の底面１３ａには切欠による凹入部２６が 形成されている。金属製バックアップ部材２を絶縁ハウジング４に取り付けると 、立上り突片２５が凹入部２６の内壁である係合部２７と隙間２８を介して対向 するようになっている。この結果、ラッチ片１のカード８の側縁１５に近接する 方向の弾性変形は、立上り突片２５が係合部２７に係合したところで停止するよ うになっている。

【００１３】 前記のように構成されたカードエッジ型コネクタ３において、絶縁ハウジング ４に装着されたカード８を取り出す場合は、ラッチ片１の先端部である操作部２ ９を操作し、ラッチ片１を外側、即ち、カード８の側縁１５から離れる方向へ広 げて、側縁１５と係止部１４の係止を解き、カード８を矢示１０と反対の方向へ 回動させた後、抜き取るようにする。この場合に、ラッチ片１は絶縁性プラスチ ックで成形された薄い部材であるため、弾性限界を超えて過度に湾曲させるとラ ッチ片１が折れるなど、破損のおそれがあるが、ラッチ片１の湾曲は金属製バッ クアップ部材２の側壁１７によって、所定の位置、即ち、弾性変形の範囲で停止 させることができるので、ラッチ片１の破損を未然に防止することができる。

【００１４】 また、ラッチ片１は、前記のように薄いプラスチック部材であるため、経時的 な収縮などによって、内側方向、即ち、カード８の側縁１５に近接する方向に湾 曲変形する性質がある。この変形が過度に進むと、カード８の装着空間であるラ ッチ片１の内側の空間が狭められて、カード８の装着がラッチ片１によって妨げ られ、円滑な装着が妨害されることとなる。然るに、実施例のカードエッジ型コ ネクタ３では、ラッチ片１の内側方向への湾曲は、係止部１４を構成した半円柱 部１３の底面１３ａに設けた係合部２７と、金属製バックアップ部材２の下部覆 い壁１９に設けた立上り突片２５の係合で停止させて、ラッチ片１の過度の湾曲 を制限することができる。従って、ラッチ片１の内側方向の変形による、カード ８の装着妨害が生じないようにし、常に円滑な装着ができるようにすることが可 能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によれば、金属製バックアップ部材でラッチ片 の湾曲範囲を所定の範囲に制限できるので、安定した性能のカードエッジ型コネ クタを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例におけるラッチ片と金属製
バックアップ部材を示した斜視図である。

【図２】 同じく実施例の平面図である。

【図３】 同じく実施例の側面図である。

【図４】 同じく実施例の一部を拡大して示した平面
図である。

【図５】 図４の矢示Ａの方向の断面図である。

【図６】 図５の矢示Ｂの方向の底面図である。

【図７】 図５を拡大して示す底面図である。

【図８】 本考案の実施例の金属製バックアップ部材
の平面図である。

【図９】 同じく正面図である。

【図１０】 同じく底面図である。

【図１１】 同じく背面図である。

【図１２】 同じく右側面図である。

【符号の説明】

１ ラッチ片 ２ 金属製バックアップ部材 ３ カードエッジ型コネクタ ４ 絶縁ハウジング ４ａ 本体部 ４ｂ 支持部 ５ａ、５ｂ ターミナル ６ 凹入部 ７ａ、７ｂ コンタクト部 ８ カード ９ エッジ １２ 半円錐台形部 １２ａ 半円錐台形部の側面 １２ｂ 半円錐台形部の底面 １３ 半円柱部 １３ａ 半円柱部の底面 １４ 係止部 １５ カードの側縁 １６ 切欠部 １７ 金属製バックアップ部材の側壁 １８ 金属製バックアップ部材の上部覆い壁 １９ 金属製バックアップ部材の下部覆い壁 ２０ 突片 ２１ ネイル ２２、２８ 隙間 ２３ 膨大部 ２４ Ｌ字状部分 ２５ 立上り突片 ２６ 凹入部 ２７ 係合部 ２９ 操作部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント回路基板でなるカードと親基
   板を接続するために、親基板へ設置されるカードエッジ
   型コネクタであって、前記カード８の側縁１５と係脱可
   能としたラッチ片１を備えているカードエッジ型コネク
   タ３において、 前記ラッチ片１が、多数のターミナル５ａ、５ｂが装着
   された絶縁ハウジング４の端部から絶縁ハウジング４と
   一体に延びる片持ち状部材で構成されて、カード８の側
   縁１５に対して離れる方向および近接する方向で弾性変
   形が可能とされていると共に、このラッチ片１に対し、
   前記離れる方向と近接する方向の両方向で、ラッチ片１
   の弾性変形を所定の位置で停止させるための金属製バッ
   クアップ部材２が設けてあることを特徴とするカードエ
   ッジ型コネクタ。
2. 【請求項２】 プリント回路基板でなるカードと親基
   板を接続するために、親基板へ設置されるカードエッジ
   型コネクタであって、前記カード８の側縁１５と係脱可
   能としたラッチ片１を備えているカードエッジ型コネク
   タ３において、 前記ラッチ片１が、多数のターミナル５ａ、５ｂが装着
   された絶縁ハウジング４の端部から絶縁ハウジング４と
   一体に延びる片持ち状部材で構成されて、カード８の側
   縁１５に対して離れる方向および近接する方向で弾性変
   形が可能とされていると共に、側壁１７と、側壁１７か
   ら略直角に連続する上下の覆い壁１８、１９を備えた金
   属製バックアップ部材２がラッチ片１の外側に並設して
   あり、前記側壁１７の内面とラッチ片１の外側面を対向
   させてラッチ片１のカード８の側縁１５から離れる方向
   の弾性変形を所定の位置で停止できるようにしてあり、
   かつ、金属製バックアップ部材２の下側の覆い壁１９に
   立上り突片２５が設けられ、ラッチ片１の下側に前記立
   上り突片２５との係合部２７が形成されて、ラッチ片１
   のカード８の側縁１５に近接する方向の弾性変形を所定
   の位置で停止できるようにしてあることを特徴とするカ
   ードエッジ型コネクタ。