JP3039848U

JP3039848U - グラウト加圧注入装置

Info

Publication number: JP3039848U
Application number: JP1997000484U
Authority: JP
Inventors: 誠西尾
Original assignee: グラウンドエンジニアリング株式会社
Priority date: 1997-01-22
Filing date: 1997-01-22
Publication date: 1997-07-31
Anticipated expiration: 2003-01-22

Abstract

(57)【要約】【課題】本考案は、注入加圧力及び管径を増大する必
要なく、アンカ−体全体に十分かつ均等な注入加圧力を
かけることができ、またグラウトホ−スを１本化してア
ンカ−テンドンの径を小さくできるグラウト加圧注入装
置を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するための手段として、
本考案は、アンボンドタイプのＰＣ鋼線と束ねて配置し
た分割型グラウトホ−スと、前記ＰＣ鋼線及び分割型グ
ラウトホ−スの周囲を被覆して取り付けたパッカ−とよ
りなり、前記分割型グラウトホ−スは注入管部と排気管
部とに分割されており、前記注入管部には複数のグラウ
ト注入口を有し、かつ前記パッカ−内の周面にもグラウ
ト注入口を有し、前記排気管部は前記パッカ−内に排気
口を有することを特徴とした、グラウト加圧注入装置を
提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、グラウト加圧注入装置に関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

＜イ＞パッカ−を用いて、アンカ−孔内にグラウトを加圧注入する場合、グラウトホ−スの注入口はアンカ−孔の先端部に位置するため、アンカ−孔の先端部側は加圧力によりグラウトの浸透注入が見られるが、礫状スライムが十分に排除されていないと、圧力による脱水効果により固化作用が進み、定着長全長に亘って十分にグラウトが注入されず、特に自由端部側にはグラウトの注入が行われないことが少なくない。

【０００３】＜ロ＞上記のようにグラウトは、グラウトホ−スの先端の注入口のみより注入されるため、グラウトの充填量が多くなるに連れて、大きな注入量と加圧力が必要となる。

【０００４】＜ハ＞パッカ−型加圧方式にはグラウト注入管と排気管とが２本接続されているため、アンカ−テンドンの径が大きくなってしまう。

【０００５】

【考案の目的】

本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、注入加圧力及び管径を増大する必要なく、アンカ−体全体に十分かつ均等な注入加圧力をかけることができ、またグラウトホ−スを１本化してアンカ−テンドンの径を小さくできるグラウト加圧注入装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための手段として、本考案は請求項１として、アンボンドタイプのＰＣ鋼線と束ねて配置した分割型グラウトホ−スと、前記ＰＣ鋼線及び分割型グラウトホ−スの周囲を被覆して取り付けたパッカ−とよりなり、前記分割型グラウトホ−スは注入管部と排気管部とに分割されており、前記注入管部には複数のグラウト注入口を有し、かつ前記パッカ−内の周面にもグラウト注入口を有し、前記排気管部は前記パッカ−内に排気口を有することを特徴とした、グラウト加圧注入装置を提供する。

【０００７】請求項２として、上記請求項１に記載のグラウト加圧注入装置において、前記パッカ−を通気・通水性部材で形成し、前記分割型グラウトホ−ス注入管部の前記パッカ−内にはグラウト注入口を設けず、前記排気管部を介して前記パッカ− 内にグラウトの注入を行えるよう構成したことを特徴とする、グラウト加圧注入装置を提供する。

【０００８】請求項３として、上記請求項１に記載のグラウト加圧注入装置において、前記パッカ−を通気・通水性部材で形成し、前記分割型グラウトホ−ス排気管部の排気口を前記パッカ−外の定着長部側に設けたことを特徴とする、グラウト加圧注入装置を提供する。

【０００９】請求項４として、膨脹時の容積がアンカ−定着長部の容積とほぼ等しい通気・通水性を有するグラウト流出防止袋と、このグラウト流出防止袋内に挿入して取り付け、その挿入部の周面には複数のグラウト注入口を開設したグラウトホ−スとよりなることを特徴とする、グラウト加圧注入装置を提供する。以下、図面を参照しながら、本考案の実施の形態について説明する。

【００１０】

【考案の実施の形態１】＜イ＞パッカ− パッカ−100 は、アンカ−孔内を閉塞するためのもであり、ゴムなどの止水性及び弾力性を有する部材で形成する。パッカ−100 の形状は、図１に示すような筒状のものを用い、その両端を止水取付部材101 で密閉して、分割型グラウトホ −ス200 とアンボンドタイプＰＣ鋼線300 とを束ねたアンカ−テンドンの周囲を被覆して取り付ける。

【００１１】＜ロ＞分割型グラウトホ−ス分割型グラウトホ−ス200 は、注入管部201 と排気管部202 とに分割されている。注入管部201 の先端はアンカ−孔400 の先端面401 の近傍まで到達している。そして、その先端及び周面には複数のグラウト注入口203 、204 が開設されている。また、パッカ−100 内の周面にもグラウト注入口205 を有してる。一方、排気管部202 は、パッカ−100 内に排気口206 が開口されており、その先端は栓体207 で閉塞されている。

【００１２】また、分割型グラウトホ−ス200 はポリエチレン等の樹脂性材料で形成し、図２〜図４はその具体的形状を示している。図２の分割型グラウトホ−ス210 は、一本の管体内部に軸方向の仕切り211 を設けて注入管部212 と排気管部213 を形成したものである。

【００１３】図３の分割型グラウトホ−ス220 は、円弧部221 と平面部222 とよりなる断面半円形の管体の平面部222 同士を接合して、注入管部223 と排気管部224 を形成したものである。図４の分割型グラウトホ−ス230 は、外管231 の内部にスペ− サにより内管232 を配置し、注入管部233 と排気管部234 を形成したものである。

【００１４】

【使用方法】

次に、上記のように構成したグラウトの加圧注入装置を用いた注入方法について説明する。先ず、図１に示すようにアンカ−孔400 を削孔し、アンカ−孔400 内の泥水とモルタルを置換する一次注入を行った後、パッカ−100 を装着し、先端に流出孔301 を有するキャップ302 を装着して、アンカ−テンドンをアンカ− 孔400 内に挿入する。

【００１５】次に、分割型グラウトホ−ス200 を介して、アンカ−孔400 内とパッカ−100 内にグラウト500 、501 を二次注入する。パッカ−100 内には注入口205 を介してグラウト501 が注入され、同時にパッカ−100 内の空気は排気口206 より排気管部202 を介して排出される。アンカ−孔400 内には複数の注入口203 、204 を介して、アンカ−定着長部全体に亘って同時に注入が行われる。

【００１６】これによって、パッカ−100 が膨脹してアンカ−孔400 を閉塞するため、アンカ−の定着長部全体に、十分かつ均等な加圧力をかけてグラウト500 を注入することができる。しかも、グラウト500 は分割型グラウトホ−ス200 の定着長部の全長に亘って同時に注入されるため、アンカ−孔400 内のグラウト500 の充填量が多くなっても注入加圧力を増大させる必要がない。

【００１７】注入加圧力が所定の圧力になったら二次注入を止め、所定時間経過後に圧力変化がなければ養生、緊張して定着し、施工を終了する。

【００１８】

【考案の実施の形態２】図５に示すように、パッカ−110 を粗目の布などの通気・通水性部材で形成し、分割型グラウトホ−ス200 の注入管部201 のパッカ−110 内にはグラウト注入口を設けず、排気管部202 を介してパッカ−110 内にグラウト501 の注入を行えるよう構成してもよい。この形態の場合、パッカ−110 内の空気はパッカ−110 を透過して排気されるため、排気管は不要となる。

【００１９】

【考案の実施の形態３】図６に示すように、パッカ−110 を同じく通気・通水性部材で形成し、分割型グラウトホ−ス200 の排気管部202 の排気口207 をパッカ−110 外の定着長部側に位置させて構成してもよい。この形態の場合、パッカ−110 が膨脹してアンカ −孔400 が閉塞された後でも、排気口207 より排気管部202 を介して、アンカ− 孔400 の定着長部内の空気や余剰水が排出されるため、一次注入と二次加圧注入とを連続して行うことができる。

【００２０】すなわち、注入管部201 を介してアンカ−孔400 内にグラウト500 を一次注入すると、泥水とグラウトの置換が終了した直後に、排気管部202 の口元側にグラウトが流出する。グラウトが流出したら排気管部202 を閉塞して、注入管部201 により二次加圧注入を連続的に行うことができる。

【００２１】

【考案の実施の形態４】図７は、地山のグラウトの浸透性が大きい場合の実施の形態を示す。即ち、膨脹時の容積がアンカ−定着長部の容積とほぼ等しい通気・通水性を有するグラウト流出防止袋600 内に、グラウトホ−ス240 を挿入し、グラウト流出防止袋600 内の先端及び周面には複数のグラウト注入口241 、242 を有している。この実施の形態は、地山のグラウトの浸透性が大きい場合でも、グラウト500 の流出を防止して加圧注入することが可能となる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は以上説明したようになるため、次のような効果を得ることができる。＜イ＞加圧注入用の分割型グラウトホ−スの定着長部に位置する周面に複数の注入口を設けたため、アンカ−体全体に十分かつ均等な加圧力をかけて十分なグラウトを注入することができる。従って、アンカ−体の耐力を向上させることができる。

【００２３】＜ロ＞グラウトは分割型グラウトホ−スの定着長部の全長に亘って同時に注入されるため、グラウトの充填量が多くなっても注入加圧力を増大させる必要がなく、一定の加圧力で注入できる。従って、加圧注入装置の能力は小さいもので済む。

【００２４】＜ハ＞分割型グラウトホ−スによりグラウトホ−スを１本化したため、アンカ− テンドンの径を小さくでき、テンドンの製造コスト及び施工コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置全体の説明図

【図２】分割型グラウトホ−スの説明図

【図３】分割型グラウトホ−スの説明図

【図４】分割型グラウトホ−スの説明図

【図５】パッカ−を通気性部材で形成した場合の説明
図

【図６】排気管部の先端排気口をパッカ−外に設けた
場合の説明図

【図７】グラウト流出防止袋を取り付けた場合の説明
図

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】アンボンドタイプのＰＣ鋼線と束ねて配
置した分割型グラウトホ−スと、前記ＰＣ鋼線及び分割型グラウトホ−スの周囲を被覆し
て取り付けたパッカ−とよりなり、前記分割型グラウトホ−スは注入管部と排気管部とに分
割されており、前記注入管部には複数のグラウト注入口を有し、かつ前
記パッカ−内の周面にもグラウト注入口を有し、前記排気管部は前記パッカ−内に排気口を有することを
特徴とした、グラウト加圧注入装置。
【請求項２】請求項１に記載のグラウト加圧注入装置
において、前記パッカ−を通気・通水性部材で形成し、
前記分割型グラウトホ−ス注入管部の前記パッカ−内に
はグラウト注入口を設けず、前記排気管部を介して前記
パッカ−内にグラウトの注入を行えるよう構成したこと
を特徴とする、グラウト加圧注入装置。
【請求項３】請求項１に記載のグラウト加圧注入装置
において、前記パッカ−を通気・通水性部材で形成し、
前記分割型グラウトホ−ス排気管部の排気口を前記パッ
カ−外の定着長部側に設けたことを特徴とする、グラウ
ト加圧注入装置。
【請求項４】膨脹時の容積がアンカ−定着長部の容積
とほぼ等しい通気・通水性を有するグラウト流出防止袋
と、このグラウト流出防止袋内に挿入して取り付け、その挿
入部の周面には複数のグラウト注入口を開設したグラウ
トホ−スとよりなることを特徴とする、グラウト加圧注入装置。